土曜日。
会社の元同僚に突然誘われ、その4歳の女の子と4人で代々木公園に行ってきた。仮にMちゃんとしよう。
Mちゃんは1歳から保育園に通っているのでとてもしっかりしている。そして丁度、年下の面倒をみたい盛り。この日もせっせとムスメの世話をしてくれていた。最初は距離をおいていたムスメも帰る頃には母の存在など忘れたかのようにMちゃんMちゃん。「てって。」と言って手を繋いで遥か遠くまで二人で遠征してしまったり、「だっこ。」をせがんだり。そりゃ〜ムリだろうと思ったのに16キロのMちゃん、一所懸命12キロのムスメを抱っこして歩いてくれた。
大切なお菓子もムスメが欲しがると全部、半分にわって分けてくれた。
ムスメは相当嬉しかったみたいだ。
そういう姿を見ていると子供同士で関わる事って大切だなと思った。
翌日曜日。近所の友達のおうちに初めて遊びに行った。
そこにはムスメより1ヶ月遅くに生まれた男の子がいる。仮にS君としよう。
最初は二人仲良くレゴのブロックで遊んでいた。
一人でやるより楽しそう。
次にムスメが綺麗なボールを見つけて遊び始めると「それは僕のー。」とS君が迫る。叩かないように上手に手でS君をガードし続けるムスメ。しまいにはS君は諦めて違うボールで遊び始めた。
自分のなのに譲れるようになったんだ。S君エライ!
その後もムスメが新しいおもちゃで遊ぶ度にS君が取り返しには来たけれど、素直に渡したり逃げ延びたり、まあまあな友好関係を築いていた。けれど、S君ちのしまちゃんと犬のパペットを発見して、二つともムスメが抱きかかえるとそれを奪い取ろうとS君。どうしても譲れない二人。ひっぱりあいが続き、ムスメが泣き出した。驚いたS君は手を離しムスメに譲ってくれた。
すごいなって思った。
親が登場しなくてもちゃんと子供同士で問題を解決できている。
お昼。S君のママがちっちゃなホットケーキを3個づつ、焼いて出してくれた。途端、ムスメのを全部奪い取るS君。困った顔で私を見上げるムスメ。結局私が二人の間に座って、新しいホットケーキを貰ったら許可をもとめるようにムスメは見上げる。
S君のママが焼いてくれたものだからS君に優先権があると思っているのだろうか。
食後。ムスメがダンボールのおうちで遊び始めたところ、またまたS君が強引にドアから入り込もうとする。「だめ。」と伸ばした手が勢いよく顔を突っ込んできたS君にぶつかってしまい泣かせてしまった。
ハハの顔を捜すムスメ。そのあと、ちゃんと「ごめんなしゃい。」と自発的に言っていた。エライエライ。
S君が私のひざに座っていた時、これみよがしに、「S〜!」と呼んで振り向かせてからS君のママのおひざに座ったりするのはいかにも女の子らしい。やきもち焼かせ作戦?
なんて意地悪なの〜って私は思ったんだけど、S君のママは「高度な技。」と褒めてくれた。(笑)
帰り際、S君のママが言った。
「今までうちに来たのは大人だけなのよ。だからSは当然その人は自分と遊ぶためにくると思っていたのね。自分が中心って感じ。今日一日、とても良い経験をさせてもらったわ。同じ位の子と一緒に過ごさせるのって大事ね。これからはちょくちょく遊びに来てね。」
ウンウン。私もそう思った。
いずれにしても。
大人だけの社会では経験できなかったこと。
いよいよ子供同士の社会生活が始まってきた。
※「S君、こわいからあんまりゆらさないでー。」 |