2001-07-02 「懐かしい海辺の風景」
2001-07-01 「夏が来る！」
2001-06-30 「…んで、今日は物悲しかったのが、嬉しくなったり」
2001-06-28 「油断ならない」
2001-06-26 「最近、様子がおかしい夫…」
2001-06-24 「ドライブ♪２」
2001-06-23 「ドライブ♪１」
2001-06-20 「うたたね」
2001-06-18 「学ぶということ」
2001-06-17 「赤ちゃんとパンチパーマ」

あたしが子どもの頃は、よしず張りの海の家が小さな河口の横まで立っていた。
今頃になると、店の定休日の夜は海の家に遊びに行くのだ。
日中、偵察に出かけ「お母さん、もうやってるよ〜」というと
夕飯の後、母は新しい三人色違いでお揃いの「ムームー」を出してくれた。

あたしたち三姉妹は嬉しくて、海まで走っていく。
浜に降りると風が心地いい。昼間のジリジリした暑さが嘘のよう。
あたしたちのお目当ては「射的」だった。ちっちゃな動物の置き物を
鉄砲から飛び出すコルクで打ち落としていく。アルマイトの小さな皿に
コルクを10個づつ、三人分をおばちゃんが出してくれるんだ。
「今年もまた来てくれたね。」とニコニコしてる。

父は弓と矢で的を射っている。母が「危ないから離れて見るのよ。」と
末の妹の肩に手を置いていた。あたしとまん中の妹は、隣の店をのぞいた。
ヨーヨーだ。「お母さん、今度コレやりたい！」「一回づつよ。」
あたしは青いのとピンク色のをもらえて満足した。射的でうさぎも取れた。
スマートボールも面白そうだったけど、また来週にしようっと。

「また、今年の夏も店は忙しいだろうが、夏休みの終わりには
　みんなで旅行に行こうな。それまでに宿題を終わらせておけよ。」
父はあたしに言った。うちに御盆休みはないけど、毎日海で遊んでいるうち
旅行の日になる。海はあたしたちの大事な遊び場だった。

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今日は風に乗って海から声が聞こえる。
○○が浜監視所のアナウンスだ。
これを聞くと「いよいよ…」って思う。
まだ梅雨は明けてなくても、天気のいい日は
夏気分。

今日のタカは午前中の練習が終わったら、
友だちと市営プールに行くんだって。
最近の海辺の子は、あんまり海では泳がない。
「砂がめんどう」って、ちっちゃい頃、
プールばっかり連れて行ってたからかな？
ちょっと後悔。

でも、近頃は物騒だからいろんなとこから
人が集まる海よりもプールの方が
ちょっとだけ安心な気もするな。

あたしが子どもの頃は、午前中のまだ
静かな海でいっぱい泳いで、砂遊びをしたりした後、
プールへ行って「塩だし、砂抜き」をしたものだった。

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さっきまで、ちょっとブルーだった。
よっしーの治療がまた、一区切りついたので
今までの緊張の糸がプッツリとしちゃったみたいに
わけもなく涙が出た。

「今日は病院行くのよそうかな？」
ゆうべの店の仕事の疲れもあって、そう思っていた。

ところが、ダンナが「こども部屋に」って
エアコンを買ってくれたんだ。

「よっしーが外泊で戻ってきたとき凌ぎやすいように」って。
子ども部屋は南向きはいいのだけど、日がモロに差して
めっちゃ室温が上がってしまうのだ。

嬉しかったので、これからよっしーのとこへ行く！
ではでは！

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ゆうべ遅く、喧嘩を売ってきた亭主。

虫の居所が悪い。そんな感じ。なんで今その話なわけ？
っていうムード。

夫婦の煩わしさが炸裂する瞬間。

してもらってること、実際多いから黙ってた。
（でも、言うべきことは言った）

ゆうべ悪かった、などとはよもや言わない亭主が
朝食を作ってくれ、二階の小さなテラスでふたりで食べた。
風が心地いい。ちっちゃく見えてた海を違法建築物である
新しいマンションが隠してしまった。

すっきりした気持ちになれないのは、
ちっちゃな海が消えてしまったからなのかな？

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よっしーの病気が治ったら、みんなでマウイに行こう！

マウイはあたしたちが、15年前、新婚旅行で訪れた思い出の地。
当時、ウインドサーフィンに夢中だったダンナのたっての願いで
全くのフリーで、現地ではレンタカーを借り10日間、遊び回った。
店を始めて１年も経たないときだったので、あたしの母は反対したが、
「今、行かなかったら、きっともうこんなに店を休むことは出来ないだろう」
と強行してくれたダンナには感謝している。。

あ、この話はまた改めて書くとして…。

このところ、衣替えはしてくれるわ、おかずの材料を買って来てくれるわ
粗大ゴミは出しておいてくれるわ。。しかも文句、イヤミの類い一切なしで。

ゆうべ、店で冒頭のセリフを聞いたとき、思わず
「アンタどうしたの？急にいい人になっちゃって。。死ぬんじゃないだろうね？」
と言ってしまった。。

どこかで、なにかが壊れたんじゃないの〜。（爆）

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日産の小型三兄弟車！としてラインナップ？されていた、
「パルサー」『ラングレー』「リベルタ・ビラ」

年式は忘れたが、あたしの買ったのの半年後、
マイナーチェンジされたラングレーの赤は色が深い感じで
良かった。あたしのはちょっと朱色がかって見えた。
それはウレタン？バンパーの上に入ったラインが、オレンジだった
せいもあったかも知れない。新しいのはそれも綺麗な赤だった。

けれど、家のオートマ（こういう言い方したよね？）に
慣れかかったあたしが、クラッチの感覚を思い出し、
ランちゃん（あたしのラングレーの愛称…安直な）を
乗りこなす頃には、そんなマイナスポイントも愛おしく
思えるようになっていた。

深夜営業の店を父親に任されていた19のあたしは、
昼は学校、夜は店、そして閉店と同時にランちゃんを駆り、
箱根へ伊豆へと「ガソリンおん撒きに」（父親談）出かけて行き、
朝帰っては仮眠を取って学校へ！というパターンで過ごした。

共に過ごしたメンバーは、高校入学してから親友のナナと、後輩のタケシ、
隣のクラスだったサトシと、同じクラスで隣の席だったヨシキだった。
夜の店が始まると、タケシがやってきてクルマの雑誌を読みながら
「どんなクルマが欲しい」とか「大学の近くの中古屋で、こんなクルマが
あった」とか、しゃべってる。しばらくすると「そろそろ行って来ます」
と、ナナとサトシとヨシキを各家まで迎えに出かけて行く。。。

深夜一時、あたしの店の閉店時間だ。
タケシはいそいそと看板をしまい「先輩、あとはボクがやります」と
シャッターを下ろし始めるので、あたしはランちゃんを駐車場に
迎えに行くのだ。

一番、盛んだったのは夏だった。ヨシキはプールの監視員のバイトを
していたので来ないときもあった。サトシはただの大学生のくせに
根性なくて、不参加のこともあった。ナナはお洋服屋さんの販売員を
してて、商品整理をしながら立ったまま瞬間、記憶がなくなったり
しながらもほとんど参加していた。後輩のタケシは毎日、店に
現れ、あたしが「負傷」したとき、洗い物をしてくれたので、
お礼に、とセブンスターをあげたら、ずっと手伝うようになった。

「先輩の走りは最高っスよ！」と、やたら調子が良く、
「ボクね、子どもの頃から助手席に乗ってドライブするのが
　大好きだったんですよ。泣いてゴネててもお父さんが、
　ドライブに連れてってくれる！っていうと、すぐ機嫌が
　良くなったんだって！」とダッシュボードに両手をかけ、
嬉しそうに前を見てた。…ほんとにヘンな奴だった。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜続く＞

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あたしが免許を取ったのは19になったばかりの春だった。
18になったらすぐに行け！とおやじさんは言ったけど、
高校の先生が、試験場で張ってる、という噂があったので
在学中は教習所に通わなかったからだ。

その頃、実家（ていうか当時、我が家）は、Mark・に乗っていたが、
娘二人（あたしと次女）が続けざまに免許を取ったので、セカンドカーを
購入することになったのだ。

「どーせ、ぶつけるんだから中古だ。」と親に言われて
カーセンサーやら、中古車情報誌を読みあさり、男友達からも
色々話を聞いたりした。次女が日産にいたこともあって、
「スカイラインの弟分（笑）・ラングレー1500GT」に決めた。
当然、マニュアル。

やったらクラッチの重い、ゴーカートみたいな走りの車だった。
それでもあたしはいたくこの車が気に入って、夜な夜な箱根の旧道を
攻めまくったのであった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜続く＞

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病院から帰って、夕飯にする。
今日は、ダンナがいか刺しを作ってくれたので楽ちんだった。
デザートにダイスケが、水ようかんを切って出してくれた。
三人で食べ、二人に交代で肩を揉んでもらう。
テレビの前に転がっていたらクッション抱えていつの間にか眠っていた。
ずいぶん楽になった。明日もがんばれそうだ！

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入院して二ヶ月が経った。
養護学校に通うようになったよっしー。
病棟クラスなので、マンツーマンもしくは生徒二名の
少人数指導で、本当の勉強好きになってきた！
国語の教科書は、こっちと違くて
「６月の蝿取り紙」って、ねじめ正一のが載ってる。
乾物屋のせがれの話…。
「ママ、このおはなし面白いよ。お店やさんしてて
　お父さんって、気まぐれでうちのパパみたいなの。
　ボクにはわかるんだ、お店の子の気持ちが…。」
これの大元の『高円寺純情商店街』ってあたしが持ってたから、
貸してやろうか？って言ったら大喜びで
「貸して貸して！」って読んでるんだよ。
今まで本なんか、ロクに読まなかったのに。
うちにいると「キャッチボールだ！」なんて
おやじが拉致しにくるし、弟はピーピー泣きまねしてるし、
ゆっくり本なんか読める環境でもなかった…。

漢字テストを嬉しそうに見せるんだ。
20点満点の小テスト。。
今までは、１〜２点だったかな？ほとんど空欄で。。
こないだの、全部解答欄埋まってて、18点だったよ。
「パパに見てもらって！」って渡すんだ、あたしに。
数学は満点だった。
「パパに教わった分配の法則でちゃんと解けたよ！」って。

よっしーいわく。
ボクが、わかんないと先生が待っててくれてわかるまで
見てくれる。わかんない、って言っても恥ずかしくないし、
授業してて、ボクが知ってる話があったら、ちょっと言うと
先生が「なになに？」って聞いてくれる。こんなことや、
あんなことや、いろんな話したっていい。
宿題も夕食の時間までにやっておくんだ、わかんなくならないうちにね。

勉強の話をするよっしーの顔が輝いているんだよ。
あたしは、これが大事！と思う。
「楽しく自分のために学ぶ」こと。。

病気になって初めて勉強の楽しさに気づく。。
なんだか皮肉のようだけど「この件に関しては良かった」と思っておこう。
そして、勉強することで痛みや不安を紛らわせてる、なんてこともあるみたい。

でも、ふつうにこういう教育が受けられない、っていうのも問題あるな。
個性の尊重、なんて言ったって学習の進みに差のある子どもたち。。
遅い子は切り捨てられて「授業の妨げ」とののしられる…。

実は、うちのが「中学なんてロクなもんじゃねえ」って
言ってたのは、これだったんだ。授業参観、うちのに行ってもらったら
よっしー、吊るし上げにあったらしい。参観日にだぞ。
「やってくれるじゃね〜か！」と思ったが黙ってたって。。
そんで、家に帰って「おまえ、あんな恥かかされて悔しくね〜のか！」って
よっしーを軟禁状態にして、勉強を強要。。悪循環。。。

あたしが相対してたのは、よ〜く話聞いて考えてくれてる担任。。
それぞれ全く別の切り口で、中学校に接してたわけだ。

「おまえはわかってねぇんだよ！子どもは俺達が守らなきゃならない。
　学校でどんな目に遭ってるか、おまえは知らないんだ。」

「ったく、自分本位に子どもを言うなりにしようなんて、
　考えてんじゃねえよ！先生は、ちゃんと見てくれてるんだ！」
と反発だけしてたあたし。。中学ってとこは、教科専任制だったじゃん。。

今、本当に楽しそうに学ぶよっしー。。
養護学校の入学手続きのとき、先生がおっしゃった言葉。。
「ここで、勉強好きになって、元の学校に戻ってもらえたらいいと思います。」
先生、お陰さまで…。僅か二ヶ月で、こんなに変わるなんて。
あたしが、お礼を言うと先生はおっしゃった。
「よっしーのヤル気が、私たちの励みです。」

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うちは、赤ん坊は断ってるんだけど、
今夜は特別…。

たまに来る、懐かしいヘアスタイルのあんちゃんが、
赤城の子守唄？、一節太郎？ってことで、
一歳の子を連れてきた。

なんでも、ママさんが風邪でダウン。。
どうしても、出なくてはならない仕事があって
赤ちゃんを連れて出たそう。。。

「なんか、こいつに食わせるものないっすかね？
　俺は、日本酒といわしの握り。」

「あらあら、大変じゃない。あたしが玉子のおじやでも
　作ってあげるわよ。ママ風邪でダウンしてて
　パパさん、がんばってるんだもんね。」

久しぶりに、ゆっくり赤ん坊を見た。放っておけない気持ちになった。
パパが抱いてる赤ちゃんの胸元に、新しいタオルを出してきて
あててやる。ほんとに普段、全然見てないらしいパパ…。
おじやをお椀に入れて、冷ましてやる。。
「ほら、これであげてごらんなさい。」

こわもてのパパが、一生懸命、わが子の面倒を見てる。。
微笑ましい光景だった。。。新米パパさん、がんばるんだよ。
ママの風邪が、早く良くなるように祈っているからね…。

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