2001-11-09 サンフランシスコは今日も霧〜どこまで動物好きなんだろう？〜
2001-11-07 サンフランシスコは今日も霧〜やっぱりエルメサー〜
2001-11-01 サンフランシスコは今日も霧〜流動的〜
2001-10-30 サンフランシスコは今日も霧〜持つべきものは！？〜
2001-10-26 サンフランシスコは今日も霧〜チケット争奪戦開始！〜
2001-10-16 サンフランシスコは今日も霧〜怒り心頭朝食タイム〜
2001-10-13 サンフランシスコは今日も霧〜臨戦体制〜
2001-10-10 サンフランシスコは今日も霧〜はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？〜
2001-10-09 サンフランシスコは今日も霧〜はぁ？ロスへ移動？？？〜
2001-10-05 サンフランシスコは今日も霧〜はぁ？日本料理？？？〜

「エルメス」を出たazzurriたちは、今回、情報収集に大活躍してくださったエルメサーのお友達にお土産を買う為に「スウォッチ」へ・・・どうやらその人は「スウォッチ」好きらしい。時計は「ブルガリ」しかしないエルメサーからしてみれば、なんて安上がりなんだ（−＿−；）。

その後、去年のパリ以来探し続けている「ルイ・ヴィトン」のリードPMを探しにお店へと足を運んだのだが、あいにく閉店した直後だった・・・ドアの前で「開けてくれ〜！ドンドンドン」のゼスチャーをしてみたが、やっぱり開けてはくれなかった。
仕方なく、同じビルに入っているデューティー・フリー・ギャラリアへ。二人であれやこれやと騒ぎながら物色したが、ここでも心をくすぐられるめぼしいものはなく、両替だけを済ませ、すぐにお店を出てしまった。

両替で思い出した！
JTBに行く前に、銀行へ行った！・・・まさかこんなに滞在が長引くとは思わなかったので（カードがあれば安心だったが）、とりあえず現金を手元に・・・という事で、メインバンクがシティ・バンクのエルメサーがCD機で初出金！二人でドル札が出てくるのに、感動した（笑）。
しかも、前の人がキャッシュ・カードを忘れていったらしく、キチンと銀行へお届けしてあげた。

夕方になり、周りを海に囲まれたサンフランシスコの街は、海風も手伝い、どんどん気温が下がっていく・・・流石のazzurriも寒さで凍えそうだった。途中、セーターを買いたかったのだが、手頃で気に入ったものがなかったのと、お腹がすいていたので、そのままケーブルカーに乗り、フィッシャーマンズ・ワーフに夕食を食べに行くことになった。

そう！サンフランシスコと言えば、フィッシャーマンズ・ワーフ！魚介類のディナー！なんといっても、牡蠣とシャブリ！！・・・これはazzurriもエルメサーも同意見♪
のんびりとケーブルカーに揺られ、終点で降り、フィッシャーマンズ・ワーフまでの海岸沿いの道をお土産物屋やレストランを眺めながら、歩く・・・寒い。
とあるお土産物屋さんがたくさん集まったショップで二人の足が止まり、中を覗いて見る事になった。
そこには、アメリカらしいグッズがわんさか売っていて、ちょっとだけ覗くつもりが、長居をする事に・・・その一番の原因はエルメサーだった！エルメサーは、そこで売っていた体長40cmぐらいの豚の置物がすっかり気に入ってしまい、どうしても連れて帰りたいと言い出した。しかし、その子の重さと「エルメス」の仔馬、自分の荷物を考えれば、かさ張りまくりなのは明らか・・・仕方なく、店員に郵送を願い出たが、あっさりと却下されてしまった。
「ちょっと考えます。」と言って、店内をウロウロし始めたエルメサーの次なる標的は、体長15cmほどの陶器製の牛の置物（爆笑）！全部で20種類ほどあり、その体にはテーマごとにカラフルなペイントが施してある。例えば、「イエロー・キャブ」というテーマなら、リアルな牛の体に「イエロー・キャブ」の柄が描かれているのだ・・・これは、目にも楽しい！
azzurriがお友達へのお土産などを物色している間に、エルメサーはショーケースの中の牛とにらめっこしながら、約1時間ほどかかって、4体を選び（最初は3体だった）、お買い上げ！・・・結果、豚は諦めたのだが、いまだに心残りがあるらしく、ことあるごとに「あの豚に勝る豚はいない！」と言っている上、もう一度サンフランシスコへ行くことがあったら、間違いなく迎えに行くそうだ。
結局、そのお店に2時間以上はいたような気がする。。。

うぇぇぇん・・・寒いよーーー！お腹すいたよーーー！！！

先頭 表紙

サンフランシスコの街は陽が射していないと寒い。すっかり夏の格好のazzurriだったが、羽織モノが薄手のカーディガンとパシュミナだけでは、かなり寒かった。

JTBの予約オフィスが入っていたのは、「ティファニー」のビルの中。そこで欲しいものがあったazzurriはついうっかり、先にそちらに行きそうになり、エルメサーに止められた（笑）。
JTBでは思った以上の収穫もなく、気を取り直して「ティファニー」の中へ・・・自分の気に入ったブランドものしか身に付けない主義のエルメサーは、なんと！「ティファニー」に入るのは人生で二度目だと言う！！それもつい数ヶ月前にニューヨークの本店に「とりあえず」入ってみて、すぐに出てきてしまったそうだ（笑）。
azzurriの目的は、シルバー製のアルファベット・ペンダント・・・アメリカでしか買えないと聞いていたので、今回の旅の一番の目的はそれだった（いや、無職なのでそれぐらいしか買えない）。
「a」〜「z」までのペンダントのモチーフの中から、azzurriのイニシャルを出してもらい、即ご購入・・・と思ったら、隣にいたエルメサーが「これぐらいなら買ってあげるよ。」と言い、カードを出してきた！
今回の旅ではエルメサーに連れてきており、その他にもいろいろとお世話になっているので、買ってもらう義理などない・・・そこまでしてもらうのは嫌だったので、断ったが、店員を前に揉め、結局押し切られる形で買ってもらった。
どうもありがとうございます♪

そこからブランド・ショップが建ち並ぶ場所をウィンドウ・ショッピングしながら、気になったお店があったら入ろう・・・ということになったが、エルメサーの目的はもう「エルメス」しかなかった。もうひとつお気に入りの「ブルガリ」は、本人曰く「見ると買いそうだから、行かない！」との事。
その前に「CHANEL」に寄ってもらったが、azzurriが欲しいものも気になったものもなく、すぐにお店を出た。

そして「エルメス」へ・・・azzurriは、新作のフール・トゥのシリーズが欲しかったが、今は我慢！気になる靴もあったのだが、とにかく今は我慢！！
エルメサーは水を得た魚のように、店内を物色し始め、あれやこれやとazzurriに説明してくれる・・・店員など要らないようだ（笑）。
1Fはバッグと小物やメンズものだったのだが、2Fはレディースものと食器、アクセサリー、ベビー・グッズのフロア。
そこで・・・エルメサーは「あ！あったー！」と言い、ディスプレーに駆け寄る・・・そこにはベビー・グッズと一緒にディスプレーされていた馬の親子のぬいぐるみが！
「これ、こないだのNY出張の時に買おうか買わないか悩んだんだよねー。どうしようかなー？」・・・本気か！？ぬいぐるみなんかどうするんだ！？
店員を呼び、値段を確認すると税抜きで5万円ちょっとする・・・しかも仔馬だけで。エルメサーは親子の値段を確かめ、店内をうろうろとしながら、しばし考え、結局仔馬だけをお買い上げ！
・・・フール・トゥを我慢している自分が少しアホらしくなってしまった。
その後も二人で店内を物色し、鏡に向かっていろいろと合わせたり、エルメサーが大のお気に入りのスニーカーをazzurriにすすめてきたので、店員にいろいろと出してもらいながら、試着・・・それも店員が履かせるのではなく、エルメサーがazzurriに履かせてくれたのだ！・・・したりして、狭い店内にどれぐらい居ただろうか？
結局、エルメサーは仔馬のぬいぐるみの購入だけにとどめ、仔馬をホテルに送ってもらい、「エルメス」を後にした。

・・・ホントに「エルメス」が大好きなんだねー。

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9月14日（金）　霧のち晴れ時々くもり
ロサンゼルスに行っていれば、本来の帰国日は今日である。
添乗員からの連絡によると、ロスには約12時間もかかって戻ったらしい。しかし、無理矢理行ったにも関わらず、やはり今日のフライトには乗れないらしい・・・対策本部長が言った事はやっぱり嘘になった。結局、azzurriの予測通りになったじゃん！

ぐったりしていたazzurriたちだったが、サンフランシスコ支店が開く時間には電話をかけ、マネージャーさんを呼んでもらった・・・もう半分、航空券は取れたつもりでいたのだが、マネージャーさんに事情を話すと「ウチの航空券をお持ちなら、なんとかなるかもしれませんが、ロス発のKE便のチケットだと難しいです。予約だけでも構わないので、何社か航空券を予約し、直接空港へ行ってそのエアライアンと交渉してみてください。エコノミーはもちろん、ビジネスもファーストも満席なんですよ・・・すみません。」とあっさりと言われてしまい、お礼と今後の相談の約束を取り付け、電話を切ったazzurriはエルメサーと二人で撃沈した。。。
今回のテロで、企業側がファーストの料金を払ってでも社員を帰国させようとしている所もあるのだという、、、

仕方なく、サンフランシスコのJTBの予約センターに電話をし、昨日聞いたフライトを予約しようとしたのだが、なんと！！更に10日ほど先まで予約が埋まってしまっていたのだ！・・・あとは交渉次第だ！・・・お互いにそう言い聞かせ、交渉なら誰よりも上手にやる！根拠のない（笑）自信のもとに、何かと融通が利きやすいであろう元いたエアライアンの航空券をビジネスで2席予約した・・・帰国日はなんと！25日になってしまうのだ！！
そして、念のためにJTBに赴き、情報収集とキャンセル待ちの話を聞きにいくことになる。

この日、日本はすでに週末に入っており、サンフランシスコも今日中に動かないと、明日・明後日は土日でお休みになってしまう。
できる限りのことは、今日中！・・・航空券の情報のやり取りについては、週明けにJTBの人間がホテルにFAXを入れてくれる事になったので、土日で空港へ行き、状況を見る・・・ということで話はまとまった。
そして、今日はJTBに行った後は、ゆっくりお買い物やお食事をしよう！という事になった。

朝食も取らず、ホテルをお昼近くに出てJTBへ向かう・・・事態はとても流動的だった。期待させるような事があるかと思えば、どん底に落とされる・・・それの繰り返しだった。
添乗員は朝・夕と部屋への連絡を入れてきたが、他のツアー客は警備の厳しいディズニーワールドの観光を楽しんでいると言う・・・それを聞いて、ちょっとホッとした。
しかーし！！バカ添乗員！azzurriたちのEDカード（出国カード）を持って行ってしまったのだ！・・・きゃつらに付き添って、ロスまで行ったお喋り現地ガイドさんがわざわざ届けてくれるという事で話はまとまったが、航空券が取れても危うく出国できないところだった・・・まったくー！！！

次回は待望のお買い物編か！？
・・・その前に航空券の行方は（笑）？

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目が覚めて、びっくりしたazzurriにつられてエルメサーも目を覚まし、二人で驚いた・・・が、無理もないだろう。
外に食事に出ることもできない時間だったので、ルームサービスを頼む事にした（ルームサービスもギリギリの時間だった）。「いい加減、アメリカらしいものが食べたい！」と言うエルメサーの要望の元、数少ないメニューからハンバーガーとサンドイッチ、コーヒーにデザート用にチョコレートタワーなるケーキをチョイス・・・お酒好きの二人が、珍しくアルコールなしの食事をとることになる。
ゴハンが届く間も日本へ電話をかけたり、情報収集に時間を惜しまなかった。
食事を取りながら対策を練り、少しだけのんびりとした会話も交わす・・・数週間前に出張とバカンスを兼ねてマレーシア＆コタキナバルへ行っていたエルメサーが「コタキナバルでもホテルでルームサービスの食事を取ったけど、あの時は一人だったからつまらなかった。やっぱり食事はテーブルを囲んでないとダメだね。」と言った。
そういえば、アメリカに着いてから二人でゆっくり食事という時間などなかったね。

エルメサーは週明けから仕事に行かなければいけない・・・それもあって、帰国日を気にしているのだろう。プーなazzurriはこのまま主催会社が旅費を払い続けてくれるなら、いつ帰国しても構わないのだが、それはエルメサーには言えなかったし、大変な旅になったけれども、連れてきてくれたエルメサーを無事に出社日に間に合うように帰国させてあげたかった。
食事を終え、azzurriは意を決め、日本へ一本電話をかけたい旨を告げた。
トゥルルルルル〜
「もしもし？azzurriですぅー。ご無沙汰しておりますぅー・・・お元気ですかぁ？実は○○さんにご相談事があってぇー・・・実はぁ、今アメリカにいて、日本へ帰国できないんですぅー（嘘泣き）。なんとか帰る方法を教えていただけないでしょうかぁー？」（半オクターブ上げた口調）
電話の相手は、azzurriがエアラインにいた時代にお世話になったクライアントのオヤジである。あまり借りを作ると付け上がって口説こうとするので、なるべく関わらないようにしていたのだが、このオヤジの持っているネットワークを使えば、一番確実に帰ることのできるコネだった。
案の定、可愛がっているazzurriが泣きついてきたのを放っておけないオヤジは、azzurriにサンフランシスコ支店とロサンゼルス支店のマネージャーを紹介してくれた・・・持つべきものは、人脈。。。
お礼を述べ、帰ったら飲みに行く約束をし、電話を切った。
後ろを振り返ると、エルメサーがびっくりした表情でazzurriを見つめていた。。。
そりゃそーだ！電話をかけているazzurriは営業用プラス別人の対応だったんだから・・・エルメサーはそんなazzurriなど見たこともないハズだ。

とにもかくにも、支店への電話は明日にし、後は日本にオフィスのある航空会社へ電話をかけたり、テロの現況がどうなっているのかの情報収集をし、明け方眠りについた。
目が覚めると、また時間と頭を使う戦いになるのだ！！

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だんだんと内容を忘れてきてるぞー、、、

ツアー離脱後、私たちはそのまま「サンフランシスコ・マリオット」の同じ部屋に帰国できる日まで滞在できる事になった・・・ちなみに、それまでに日本へかけた電話代も主催会社持ちということになった（笑）。

azzurriたちは一旦部屋に戻り、航空券の手配に取り掛かった。
エルメサーは、仕事でお付き合いのあったLAX支店の人に電話をかけ、2名分の航空券の手配を頼んだが、あっさりと「無理だと思います。こちらでもなんとか頑張りますが、日系の旅行代理店へ行って、航空券をまず確保した方がいいと思いますよ。」と言われてしまった。一番アテにしていた人だった為に二人のショックは大きかった。
たまたま、azzurriがJTBを市内観光中に見つけていたので、気を取り直して、そこへ向かうことになる（エルメサーに「よくそんなの覚えてたね。」と言われたが・・・職業病？）。

とりあえず、長時間バス対策の為の服から待ち歩き用の服に着替え、出かけたのだが、お買い物よりもとにかく航空券！！のazzurriたちは一目散にJTBへ・・・そして店内に入り、日本へ帰国する便の空席状況を聞いたのだが・・・「17日までは満席です！」の一言が返ってきた（この日は13日）。しかも、それもビジネスクラスのシートしか空いていないという。その日にち以前はファーストクラスのシートも満席だと言うのだ。
とりあえず、状況を聞いてazzurriたちはボーゼンとしてしまい、とりあえず一旦考えることにして、JTBを後にした。

インターネットカフェを探したが、見つからず、スタバ好きのエルメサーの希望により、スタバで作戦会議が始まった・・・朝の事件で相当ムシャクシャしていたazzurriたちは「どうせチケット代は主催会社が払うんだから、ファーストで帰ってやろうか？」などと話していたのだが、正規料金で70万円ちょっともかかる。「せめて32万円ちょっとのビジネスだね。」という事で話はまとまったのだが、「どこのエアラインでどんなルート（直行便じゃなくても、どこ経由）でも構わないから、とにかく少しでも早い便でヤツら（添乗員とM氏）よりも早く帰る！その為に、情報収集とチケットの確保をしよう！」という事になった。
しかし、昨日ヨセミテに行って、そのままずーっと起きて、朝から戦っていた二人は、もう気力がなくなりかけていた。

JTBからの帰りにおもちゃのデパートをぐるぐるして、azzurriは欲しかったバービーを探したり、エルメサーもいろいろと見ていたのだが、二人とも完全にフラフラしていた。外に出ても、ウィンドウを眺めながら、azzurriはまたしても歩きながら寝ていた。

やっとのことで15時過ぎにホテルの部屋に戻り、しばしお昼寝タイムを取ったのだが・・・azzurriの記憶にあるのは、日本へ情報収集の電話をかけるエルメサーが傍らにいる姿を何度か見たぐらいで、気づけば、外は闇・・・エルメサーも爆睡。

時計は23時過ぎを表示していた・・・そう！あのまま、超縛睡してしまったのだーっっっ！！！
しかも、最後にとった食事は朝食・・・その後は、スタバのラテぐらいなもんだ。

よっぽど疲れていたのだが、貴重な時間を睡眠で潰してしまった（号泣）。

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朝食をとりに部屋を後にした。
偶然にも添乗員と主催会社社員(以下M氏)がロビーに居たので、他のツアー客に不安を与えないよう、人のいないところに呼び出して、攻撃開始。
とりあえず、二人に再度状況説明をさせ、この先の予定を聞いたところ、明け方の添乗員の説明とは何ら変わらず、M氏はただオロオロとしていた。
こいつは、SFOに着いた時も曖昧な事を言ったうえ、ツアー客と一緒になって旅行を楽しんでいたのだ！

そして、納得のいかなかったエルメサーが「ロスにおかれている対策本部の陣頭指揮をとっている人間を出せ！あなた方の言っていることでは、こちらは安心して自分の命を預けられない！ここでツアーを離脱し、自分たちで航空券を手配して帰る！・・・上とよく話してきてください。私たちはその間に朝食をとっています。」と言い切った。

二人で怒りながら朝食をとっていると、添乗員と主催会社社員が携帯電話を片手にやってきて、対策本部とエルメサーが話すことになった。
エルメサーはまず、こういう状況になった経緯を説明させ、今後どのような行動予定になるのかを説明させた・・・特に、日本に帰る便の確約はあるのか？という事に重点を置いて。
しかし、そいつもお話しにならないほど、バカだった。
KEに確認したところ、14日の飛行機の予約リストには私たちの名前があるという・・・じゃあ、飛行機が飛ばなかった11・12・13日の旅客はいつ・どの飛行機に乗るのか？という問いについては、全く答えられない。
折り返して、KEに確認させて確実に乗れる日を確定して欲しい旨を伝えると、しどろもどろで言う事が二転三転しながら、やはり納得のいく回答は得られなかった。

電話対応のエルメサーの側で、azzurriは添乗員とM氏に最悪の事態についてのケース・スタディができているのかを説明させたが、全くできてはいなかった。
因みに、添乗員は某旅行代理店が雇った派遣社員。M氏に名刺を出させると、なんと「課長」の肩書きがある・・・しかも社内教育担当部署の人間だった。なるほど、こういったケースも事態も初めてだったのだろう。
結局、azzurriがエルメサーと想定した話と対応策を聞かせてやる羽目になる。。。

そして、エルメサーは対策本部に対してもブチギレ「ツアー離脱宣言」をした。
ただし！帰国までにかかる諸経費は、全てこの懸賞旅行の主催会社持ち・・・という事にまで話を纏め上げた。
・・・そう。この懸賞の主催会社はツアー客からのクレームで、契約を破棄されるぐらいなら、どんなに経費がかかっても、客のわがままを聞かざるを得ない事をエルメサーは知っていたのだ。

とりあえず、他のツアー客の意見もちゃんと聞いて、ロスまで行くのかを聞いてください・・・と頼んでおいたが、結局離脱者はazzurriたちだけだった。
仕方なく、くれぐれも病人や怪我人を出さず、無事に他のツアー客をロスまで送り届け、特に高齢の方や不安を抱いている方のケアを怠らないように注意し、私たちの事は気にしなくてもいいので、お金の事だけはきっちりしてくれ・・・と頼んだ。

M氏は「お二人で大丈夫ですか？ご迷惑かもしれませんが、僕も残ります。」と捨てられた子犬のような表情でのたまったが、怒り心頭のazzurriは「けっこうです！子供じゃないですし、何よりもあなたはツアーのほかのお客様に対しての責任もあるわけでしょう？そんな事も理解できないんですか？」と言った。
とにかく、ツアーを離脱決定！
添乗員は今更ながらに心配になったのか、定期的に連絡を入れる旨を告げ、何かあったら、すぐに連絡してください・・・と言い、二人とロビーで別れた。

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「サンフランシスコ・マリオット」の14階にある一室は、それまでの雰囲気を全てぶち壊され、『帰国＆旅行代理店緊急対策本部』へと変貌した・・・と言っても、対策本部長のエルメサーと副本部長のazzurriだけなのだが。

まず、二人で要点を纏め、対策を練った・・・とにかく、二人ともバスで10時間もかけて、ロスまで移動なんてしたくなかったのだ。

そしてazzurriたちが出した結論は・・・まず日本へ連絡し、情報を収集する。翌朝、ロスへのバス移動及び日本への帰国の確約について、納得のできない説明・態度を添乗員もしくは主催会社の社員が取った場合は、ロスにおかれているという旅行代理店の対策本部で陣頭指揮を取っている人間に説明させる。それでも納得がいかなければ、相手を黙らせる理由を用意し、ツアーを離脱し、自分たちで日本へ帰る！！！・・・というものだった。

この時点で、米国内の全空港は丸2日クローズされていた。ホテルの情報だと日付の変わった今日13日の午後からオープンするという。しかし、日本からの情報によると、飛行機の運航は現在、米国内で足止めを食っている飛行機のみの離陸となり、米国内及び海外からのフライトは認めないという。
つまり、少なくとも丸2日の旅客が飛行機が飛ぶのを待っており、それを全て捌く飛行機はないと言う事になる。azzurriたちの帰国予定は14日だったのだが、14日に飛行機が飛んだとしても、予定通りの飛行機に乗れる確率はかなり下がるのだ・・・添乗員は14日の便に乗れると言ったが、azzurriの経験上では状況を考えれると「乗れない！」と断言できた。少なくとも、FAA（米国航空局）が運航を許可し、韓国から飛行機が飛んできてくれないことには、帰るに帰れないのだ。

そして、最悪のケースは・・・10時間もかけてロスまで移動する→翌日14日の飛行機に乗れず、いつ飛行機に乗れるのかわからないまま、ロスの空港で帰国を待つ（空港で寝泊りも考えられる）→体調だけでなく、精神的に疲労する・・・という事だった。
ツアー客には高齢の方もおり、ヨセミテからの帰りにも体調を崩されていた方がいらしゃた。もちろん仕事のある人だっている。ただでさえ不安を抱いているツアー客に対して、そういう事態も想定できず、配慮に欠けた事をするつもりなのだろうか？
azzurriがこう意見を述べると、エルメサーが「朝の交渉は、自分よりも業界に詳しいazzurriに任せるよ。」と言ってくれた。

日本からの情報は、サンフランにいるよりもはるかに充実していた。あらゆる人に電話をし、情報を聞き比べた。
ちなみにazzurriママに電話すると「なんべんも電話してこんでもええで。ホテルからの電話代高いんやから・・・ウチの娘になんかあったら、ソッコー連絡しろ！！って旅行代理店に電話しといたから。それに、あんたの事やから心配せんでも生きてると思ってるし。」と言われてしまった・・・恐るべし我が母。

とにかく得た情報を元にあらゆる事態を想定し、二人で話し合った・・・何時の間にか、カーテンの隙間から明るさがのぞいていた。サンフランシスコは今朝も霧。azzurriたちの旅も深い霧に包まれたまま、、、
念の為にロスへの移動を考え、荷物をまとめ、疲労で疲れ、目の下クマ牧場の顔に壁を塗り、臨戦体制に臨んだ・・・勝算のない勝負などしない。。。絶対に勝ってやる！！

先頭 表紙

シャワーを浴びつつ、コーヒー・ブレイクをしながら話に花を咲かせていたazzurriたちだったが、ふっと気付くとガサガサという不信な音が・・・どうやら、ドアの方から聞こえてくるようだ。
泥棒！？
怖いもの知らずのazzurriが見に行くと、ドアの下に一枚の紙切れが挟まっていた。それを取り、読みながらベッドに戻ったのだが・・・
azzurri「エルメサー様・azzurri様　おはようございます。本日はナパ・ヴァレー観光及び市内自由行動の予定でしたが、皆様には急遽ロサンゼルスへ移動していただきます。約10時間ほどかかりますので、宜しくお願いいたします。　集合は8:30（確かそれぐらい・・・忘れた）にロビーとなります。それまでに荷物の用意と朝食をお済ませください。荷物は集合時間までに各部屋の廊下に出しておいてください。　なお、長時間の移動となりますので、機内でのお使いになるおくつろぎグッズをご用意ください。添乗員○○」

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？

頭で理解しながら文章を読んでいったつもりだったが、azzurriもエルメサーも一度では理解できなかった。細かな表現は忘れたが（エルメサーは未だにこの手紙を持っている）、概要はこんな感じだった。
そう・・・この手紙には仕方がない事とはいえ、旅程変更に対する謝罪の言葉もなければ、ロスまでのバス移動が10時間もかかる理由もない。そして、何よりも何故、こんな早朝になって急遽ロスへ移動する事になったのか？その理由が記されてはいなかったのだ。もちろんロスへ行ったところで、予定通りに日本に帰ることができるのかどうかも、、、

azzurriは真っ先に途中で休憩を挟んでも、バスに10時間も乗れないことを思った。今回の旅では長時間バスに乗る予定になかった為、酔い止めを持ってきてはおらず、エルメサーはもちろん他のツアー客に迷惑をかけることになることは明白だった。
エルメサーは、この手紙の書き方を改めて読み直し、細かな対応から不信感を抱き続けてきた添乗員に対して、とうとうマジでキレた。

azzurriたちは二人で話し合い、まず理由と原因とロスへ行った後の予定を聞く為に添乗員の部屋に電話をかけた・・・紙が挟み込まれてから30分ほどしか経っていなかったはずだ。
azzurriだって、添乗員の苦労はわからないでもない。しかし、こういった非常事態の場合、自分が受け持ったツアー客を無事に帰国させる事は大前提だが、まず、不安や疑問を抱かせないようにするのも仕事だろう。
azzurriは、朝早くに電話をして申し訳ない旨を告げ、添乗員から話を聞こうとした・・・が！添乗員の態度は明らかに横柄だった！！キレそうになるのを必死に我慢しながら話したのだが、彼女曰く「ロスへ移動する方が安全だという事をロスの対策本部から連絡を受けました。また、明後日の日本へ帰る大韓航空便に乗っていただきますので、それまでにロスへ移動していただかなくてはなりません。」とのことで、彼女の判断ではなく、全てロスにある対策本部の判断だという。しかも、こちらの質問に対して答えられなかったりする。
電話で話しながら、メモでエルメサーに概要を伝えると・・・「不安を抱えたまま、ロスへ移動する事はできません。少し考える時間をください。」と書かれたメモを渡された。
azzurriは営業用かつクソバカ丁寧な口調で、エルメサーのメモに書かれた通りの言葉を添乗員に伝え、電話を切った。

細かい表現を忘れてしまった為、文章ではなかなか伝わりにくいが、azzurriは、人と話しをしていて、こんなに不愉快な思いをしたのは久しぶり・・・と思うぐらい、頭にきた。

先頭 表紙

コーヒー・ブレイクにどれぐらいの時間を費やしていたのだろう（シャワーも浴びたけど）？ふっと気付くと、ガサガサという音がする・・・それもドアの方から！！
泥棒！？
時計を見ると、午前4時だった・・・怖いもの知らずのazzurriがドアまで行くと、ドアの下には一枚の紙切れが挟まっていた。「なんじゃ、こりゃ！？」紙を手に取り、そこに書かれてあった文面を読みあげながらベッドまで戻ったのだが・・・
azzurri「エルメサー様・azzurri様　おはようございます。明日はナパ・ヴァレーの観光または市内自由行動の予定でしたが、急遽バスにてロサンゼルスまで移動していただきます。約10時間ほどかかりますので、よろしくお願いいたします。集合は8:30（たぶん・・・忘れちゃった）となりますので、それまでに用意と朝食を済ませ、ロビーにお集まりください。荷物は集合時間までにまとめ、部屋の外に出しておいてください。長時間の移動となりますので、機内でのおくつろぎグッズをご用意ください。添乗員○○」

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？

頭で理解しながら読んだつもりだったが、azzurriもエルメサーも一度では理解できず、再度読み直した。細かな表現を忘れてしまったが（この手紙は未だにエルメサーの手元にある）、概要はこんな感じだった。
そう・・・この手紙には、仕方がない事とはいえ、突然の旅程変更の謝罪文もなければ、何故ロスまで10時間もかかるのかということはもちろん、ロサンゼルスに急遽移動することになったのか、その理由も書かれてはいない。そして、ロスへ行ったところで日本に帰ることができるのか？も。

azzurriは真っ先に途中で休憩を入れたとしても、バスに10時間も乗れない！今回の旅は長時間のバス移動がないと思っていたので、酔い止めの薬を持っておらず、間違いなく、他のツアー客にも迷惑をかけることになる事を思った。
エルメサーは、原因・理由が抜けた文章のうえ、ただでさえ添乗員に対して不信感を持っていたので、とうとうマジでキレた。

とりあえず二人で話し合い、まずロスへの移動理由と予定通り日本への帰国が可能なのかを聞く為に、添乗員の部屋へ電話をかけた・・・手紙が入ってから、30分ほどしか経っていなかったと思う。

先頭 表紙

ヨセミテからの帰りは、azzurriもエルメサーも心地よい疲れを感じながら、バスに揺られてサンフランシスコの街まで戻った。
しかし！添乗員から思いもよらぬ一言を聞く・・・「今晩の夕食は、日本食です。」
なにーーーっ！！！
azzurriもエルメサーもキレた・・・滞在日数が1週間にも及ぶなら、日本食が恋しくなるかもしれないが、まだ2日目。日本食よりも、サンフランシスコならではのモノが食べたい！前夜のステーキはまだしも、まさか2日目で日本食を出されるとは思わなかった。そもそも、ロサンゼルスに行っていれば、この日は自由行動日だったはずだ・・・誰もメシの用意までしろとは言っていない！
私以上にキレたエルメサーは「ホテルに戻ったら、ゴハンは自分達で食べに行くから、いらない！って言おう！」と言い出した・・・団体行動を乱すのは、あまり好きではないが、こちらの意見も全く聞かずに日本食にしてしまった添乗員の対応にはムカついた。時間がなく仕方ない行動ならまだしも、意見をヒアリングし、的確なレストランを予約することは可能だったはずだ。
ところが、疲れていたazzurri達が眠っている間に、無情にもバスはとあるホテルの中にある日本食のお店へ連れて行かれてしまった・・・超不機嫌なエルメサー。。。怖かったよ（ごめんなさい）。

メニューは、温泉地の観光ホテルで出されるようなありがちなセットメニューに加え、4人で一つの海鮮鍋だった（一応、魚介類は地元のモノだと信じたい）。
目の前に座っていた、まだ若い主婦二人組とazzurri達で鍋をつつくことになったのだが・・・エルメサーが鍋将軍を買って出た！さっきまで、ブーブー言いながらビールをガブガブ飲んでいたのに、みんなの分を均等に取り分けていく。これには、azzurriも目が点・・・人の世話を焼くのは嫌いではないだろうとは思っていたが、ここまでマメだとは思わなかった。一番年下であるazzurri・・・もっと気が付かんかいっ！！

そして、翌日のスケジュールが添乗員から発表された。
「明日はカリフォルニア・ワインの産地として有名なナパ・ヴァレーに行きますが、よろしいですか？」
エルメサー迷わず、挙手！「すいませんが、お買い物をしたいんですけど。」よく言った！
添乗員しばし考え込み「他にお買い物をなさりたい方はいらっしゃいますか？」・・・すると、他にも1組が挙手。
結局、20名強いるツアー客の中で4名だけが、団体行動を離脱することになった。

いや、azzurriもエルメサーもワイン大好きなので、ナパ・ヴァレーには興味津々だったのだが、それ以上にお買い物をする時間が欲しかったのだ。

食事を終えてホテルに戻り、日本との交信（笑）を済ませ、ホテルのバーに飲み直しに行くか、ルームサービスで飲み直すかを相談した結果・・・ルームサービスのメニューを見たエルメサーが「やっぱり甘いものが食べたい」と言い出し、コーヒーとクレームブリュレっぽいもの（名前を忘れちゃった）を頼んだ。
azzurriが友達への絵葉書を書いていると、エルメサーが昼間に買った小さい方のガラガラ蛇を「ヨセミテの旅の記念に！」と言って、くれた・・・嬉しいような嬉しくないような複雑な気持ちだったが、ありがとう♪
その後、二人でのんびりと深夜のティー・ブレイクをしながら（太るっちゅーの！）、ヨセミテのパンフレットを見て、あの感動を思い出しながら・・・時々、添乗員とアテンドしていた主催会社の社員の文句を言いながら、語り明かしていた。

そう・・・美しい景色に思いを馳せつつ、心地よい眠りにつくはずだったのだ。。。

先頭 表紙