2001-10-13 サンフランシスコは今日も霧〜臨戦体制〜
2001-10-10 サンフランシスコは今日も霧〜はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？〜
2001-10-09 サンフランシスコは今日も霧〜はぁ？ロスへ移動？？？〜
2001-10-05 サンフランシスコは今日も霧〜はぁ？日本料理？？？〜
2001-09-30 サンフランシスコは今日も霧〜感動のヨセミテ国立公園〜
2001-09-29 サンフランシスコは今日も霧〜ヨセミテ国立公園に行くまで〜
2001-09-27 サンフランシスコは今日も霧〜長い１日目の終わり〜
2001-09-25 サンフランシスコは今日も霧〜１日目〜
2001-09-23 サンフランシスコは今日も霧〜入国編2〜
2001-09-20 サンフランシスコは今日も霧〜入国編１〜

「サンフランシスコ・マリオット」の14階にある一室は、それまでの雰囲気を全てぶち壊され、『帰国＆旅行代理店緊急対策本部』へと変貌した・・・と言っても、対策本部長のエルメサーと副本部長のazzurriだけなのだが。

まず、二人で要点を纏め、対策を練った・・・とにかく、二人ともバスで10時間もかけて、ロスまで移動なんてしたくなかったのだ。

そしてazzurriたちが出した結論は・・・まず日本へ連絡し、情報を収集する。翌朝、ロスへのバス移動及び日本への帰国の確約について、納得のできない説明・態度を添乗員もしくは主催会社の社員が取った場合は、ロスにおかれているという旅行代理店の対策本部で陣頭指揮を取っている人間に説明させる。それでも納得がいかなければ、相手を黙らせる理由を用意し、ツアーを離脱し、自分たちで日本へ帰る！！！・・・というものだった。

この時点で、米国内の全空港は丸2日クローズされていた。ホテルの情報だと日付の変わった今日13日の午後からオープンするという。しかし、日本からの情報によると、飛行機の運航は現在、米国内で足止めを食っている飛行機のみの離陸となり、米国内及び海外からのフライトは認めないという。
つまり、少なくとも丸2日の旅客が飛行機が飛ぶのを待っており、それを全て捌く飛行機はないと言う事になる。azzurriたちの帰国予定は14日だったのだが、14日に飛行機が飛んだとしても、予定通りの飛行機に乗れる確率はかなり下がるのだ・・・添乗員は14日の便に乗れると言ったが、azzurriの経験上では状況を考えれると「乗れない！」と断言できた。少なくとも、FAA（米国航空局）が運航を許可し、韓国から飛行機が飛んできてくれないことには、帰るに帰れないのだ。

そして、最悪のケースは・・・10時間もかけてロスまで移動する→翌日14日の飛行機に乗れず、いつ飛行機に乗れるのかわからないまま、ロスの空港で帰国を待つ（空港で寝泊りも考えられる）→体調だけでなく、精神的に疲労する・・・という事だった。
ツアー客には高齢の方もおり、ヨセミテからの帰りにも体調を崩されていた方がいらしゃた。もちろん仕事のある人だっている。ただでさえ不安を抱いているツアー客に対して、そういう事態も想定できず、配慮に欠けた事をするつもりなのだろうか？
azzurriがこう意見を述べると、エルメサーが「朝の交渉は、自分よりも業界に詳しいazzurriに任せるよ。」と言ってくれた。

日本からの情報は、サンフランにいるよりもはるかに充実していた。あらゆる人に電話をし、情報を聞き比べた。
ちなみにazzurriママに電話すると「なんべんも電話してこんでもええで。ホテルからの電話代高いんやから・・・ウチの娘になんかあったら、ソッコー連絡しろ！！って旅行代理店に電話しといたから。それに、あんたの事やから心配せんでも生きてると思ってるし。」と言われてしまった・・・恐るべし我が母。

とにかく得た情報を元にあらゆる事態を想定し、二人で話し合った・・・何時の間にか、カーテンの隙間から明るさがのぞいていた。サンフランシスコは今朝も霧。azzurriたちの旅も深い霧に包まれたまま、、、
念の為にロスへの移動を考え、荷物をまとめ、疲労で疲れ、目の下クマ牧場の顔に壁を塗り、臨戦体制に臨んだ・・・勝算のない勝負などしない。。。絶対に勝ってやる！！

先頭 表紙

シャワーを浴びつつ、コーヒー・ブレイクをしながら話に花を咲かせていたazzurriたちだったが、ふっと気付くとガサガサという不信な音が・・・どうやら、ドアの方から聞こえてくるようだ。
泥棒！？
怖いもの知らずのazzurriが見に行くと、ドアの下に一枚の紙切れが挟まっていた。それを取り、読みながらベッドに戻ったのだが・・・
azzurri「エルメサー様・azzurri様　おはようございます。本日はナパ・ヴァレー観光及び市内自由行動の予定でしたが、皆様には急遽ロサンゼルスへ移動していただきます。約10時間ほどかかりますので、宜しくお願いいたします。　集合は8:30（確かそれぐらい・・・忘れた）にロビーとなります。それまでに荷物の用意と朝食をお済ませください。荷物は集合時間までに各部屋の廊下に出しておいてください。　なお、長時間の移動となりますので、機内でのお使いになるおくつろぎグッズをご用意ください。添乗員○○」

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？

頭で理解しながら文章を読んでいったつもりだったが、azzurriもエルメサーも一度では理解できなかった。細かな表現は忘れたが（エルメサーは未だにこの手紙を持っている）、概要はこんな感じだった。
そう・・・この手紙には仕方がない事とはいえ、旅程変更に対する謝罪の言葉もなければ、ロスまでのバス移動が10時間もかかる理由もない。そして、何よりも何故、こんな早朝になって急遽ロスへ移動する事になったのか？その理由が記されてはいなかったのだ。もちろんロスへ行ったところで、予定通りに日本に帰ることができるのかどうかも、、、

azzurriは真っ先に途中で休憩を挟んでも、バスに10時間も乗れないことを思った。今回の旅では長時間バスに乗る予定になかった為、酔い止めを持ってきてはおらず、エルメサーはもちろん他のツアー客に迷惑をかけることになることは明白だった。
エルメサーは、この手紙の書き方を改めて読み直し、細かな対応から不信感を抱き続けてきた添乗員に対して、とうとうマジでキレた。

azzurriたちは二人で話し合い、まず理由と原因とロスへ行った後の予定を聞く為に添乗員の部屋に電話をかけた・・・紙が挟み込まれてから30分ほどしか経っていなかったはずだ。
azzurriだって、添乗員の苦労はわからないでもない。しかし、こういった非常事態の場合、自分が受け持ったツアー客を無事に帰国させる事は大前提だが、まず、不安や疑問を抱かせないようにするのも仕事だろう。
azzurriは、朝早くに電話をして申し訳ない旨を告げ、添乗員から話を聞こうとした・・・が！添乗員の態度は明らかに横柄だった！！キレそうになるのを必死に我慢しながら話したのだが、彼女曰く「ロスへ移動する方が安全だという事をロスの対策本部から連絡を受けました。また、明後日の日本へ帰る大韓航空便に乗っていただきますので、それまでにロスへ移動していただかなくてはなりません。」とのことで、彼女の判断ではなく、全てロスにある対策本部の判断だという。しかも、こちらの質問に対して答えられなかったりする。
電話で話しながら、メモでエルメサーに概要を伝えると・・・「不安を抱えたまま、ロスへ移動する事はできません。少し考える時間をください。」と書かれたメモを渡された。
azzurriは営業用かつクソバカ丁寧な口調で、エルメサーのメモに書かれた通りの言葉を添乗員に伝え、電話を切った。

細かい表現を忘れてしまった為、文章ではなかなか伝わりにくいが、azzurriは、人と話しをしていて、こんなに不愉快な思いをしたのは久しぶり・・・と思うぐらい、頭にきた。

先頭 表紙

コーヒー・ブレイクにどれぐらいの時間を費やしていたのだろう（シャワーも浴びたけど）？ふっと気付くと、ガサガサという音がする・・・それもドアの方から！！
泥棒！？
時計を見ると、午前4時だった・・・怖いもの知らずのazzurriがドアまで行くと、ドアの下には一枚の紙切れが挟まっていた。「なんじゃ、こりゃ！？」紙を手に取り、そこに書かれてあった文面を読みあげながらベッドまで戻ったのだが・・・
azzurri「エルメサー様・azzurri様　おはようございます。明日はナパ・ヴァレーの観光または市内自由行動の予定でしたが、急遽バスにてロサンゼルスまで移動していただきます。約10時間ほどかかりますので、よろしくお願いいたします。集合は8:30（たぶん・・・忘れちゃった）となりますので、それまでに用意と朝食を済ませ、ロビーにお集まりください。荷物は集合時間までにまとめ、部屋の外に出しておいてください。長時間の移動となりますので、機内でのおくつろぎグッズをご用意ください。添乗員○○」

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？

頭で理解しながら読んだつもりだったが、azzurriもエルメサーも一度では理解できず、再度読み直した。細かな表現を忘れてしまったが（この手紙は未だにエルメサーの手元にある）、概要はこんな感じだった。
そう・・・この手紙には、仕方がない事とはいえ、突然の旅程変更の謝罪文もなければ、何故ロスまで10時間もかかるのかということはもちろん、ロサンゼルスに急遽移動することになったのか、その理由も書かれてはいない。そして、ロスへ行ったところで日本に帰ることができるのか？も。

azzurriは真っ先に途中で休憩を入れたとしても、バスに10時間も乗れない！今回の旅は長時間のバス移動がないと思っていたので、酔い止めの薬を持っておらず、間違いなく、他のツアー客にも迷惑をかけることになる事を思った。
エルメサーは、原因・理由が抜けた文章のうえ、ただでさえ添乗員に対して不信感を持っていたので、とうとうマジでキレた。

とりあえず二人で話し合い、まずロスへの移動理由と予定通り日本への帰国が可能なのかを聞く為に、添乗員の部屋へ電話をかけた・・・手紙が入ってから、30分ほどしか経っていなかったと思う。

先頭 表紙

ヨセミテからの帰りは、azzurriもエルメサーも心地よい疲れを感じながら、バスに揺られてサンフランシスコの街まで戻った。
しかし！添乗員から思いもよらぬ一言を聞く・・・「今晩の夕食は、日本食です。」
なにーーーっ！！！
azzurriもエルメサーもキレた・・・滞在日数が1週間にも及ぶなら、日本食が恋しくなるかもしれないが、まだ2日目。日本食よりも、サンフランシスコならではのモノが食べたい！前夜のステーキはまだしも、まさか2日目で日本食を出されるとは思わなかった。そもそも、ロサンゼルスに行っていれば、この日は自由行動日だったはずだ・・・誰もメシの用意までしろとは言っていない！
私以上にキレたエルメサーは「ホテルに戻ったら、ゴハンは自分達で食べに行くから、いらない！って言おう！」と言い出した・・・団体行動を乱すのは、あまり好きではないが、こちらの意見も全く聞かずに日本食にしてしまった添乗員の対応にはムカついた。時間がなく仕方ない行動ならまだしも、意見をヒアリングし、的確なレストランを予約することは可能だったはずだ。
ところが、疲れていたazzurri達が眠っている間に、無情にもバスはとあるホテルの中にある日本食のお店へ連れて行かれてしまった・・・超不機嫌なエルメサー。。。怖かったよ（ごめんなさい）。

メニューは、温泉地の観光ホテルで出されるようなありがちなセットメニューに加え、4人で一つの海鮮鍋だった（一応、魚介類は地元のモノだと信じたい）。
目の前に座っていた、まだ若い主婦二人組とazzurri達で鍋をつつくことになったのだが・・・エルメサーが鍋将軍を買って出た！さっきまで、ブーブー言いながらビールをガブガブ飲んでいたのに、みんなの分を均等に取り分けていく。これには、azzurriも目が点・・・人の世話を焼くのは嫌いではないだろうとは思っていたが、ここまでマメだとは思わなかった。一番年下であるazzurri・・・もっと気が付かんかいっ！！

そして、翌日のスケジュールが添乗員から発表された。
「明日はカリフォルニア・ワインの産地として有名なナパ・ヴァレーに行きますが、よろしいですか？」
エルメサー迷わず、挙手！「すいませんが、お買い物をしたいんですけど。」よく言った！
添乗員しばし考え込み「他にお買い物をなさりたい方はいらっしゃいますか？」・・・すると、他にも1組が挙手。
結局、20名強いるツアー客の中で4名だけが、団体行動を離脱することになった。

いや、azzurriもエルメサーもワイン大好きなので、ナパ・ヴァレーには興味津々だったのだが、それ以上にお買い物をする時間が欲しかったのだ。

食事を終えてホテルに戻り、日本との交信（笑）を済ませ、ホテルのバーに飲み直しに行くか、ルームサービスで飲み直すかを相談した結果・・・ルームサービスのメニューを見たエルメサーが「やっぱり甘いものが食べたい」と言い出し、コーヒーとクレームブリュレっぽいもの（名前を忘れちゃった）を頼んだ。
azzurriが友達への絵葉書を書いていると、エルメサーが昼間に買った小さい方のガラガラ蛇を「ヨセミテの旅の記念に！」と言って、くれた・・・嬉しいような嬉しくないような複雑な気持ちだったが、ありがとう♪
その後、二人でのんびりと深夜のティー・ブレイクをしながら（太るっちゅーの！）、ヨセミテのパンフレットを見て、あの感動を思い出しながら・・・時々、添乗員とアテンドしていた主催会社の社員の文句を言いながら、語り明かしていた。

そう・・・美しい景色に思いを馳せつつ、心地よい眠りにつくはずだったのだ。。。

先頭 表紙

事前インフォがないことがこれだけ感動するとは思わなかった程、ヨセミテ国立公園は素晴らしかった！！

最初にバスが着いた所の写真は昨日の日記にアップしたが、ここにはまるまると太ったリスが胡桃を一生懸命食べているところに遭遇！慌ててビデオカメラをまわした。とにかく連れ去りたいほど可愛いのだ♪
そして、すぐそばの木には、見たこともない鳥が留まっていた。頭はブルー・ブラックっぽい色なのだが、そこから尾にかけての体がとても美しいブルーのグラデーションなのだ！この子もビデオに収めた。
この場所は展望スポットになっているらしく、観光バスや車が止まり、観光客もたくさんいるのだが、この子たちは人に慣れているのか、自分から寄ってきて餌をねだったりしていた。

その後も、切り立った高い岩と緑のコントラストがとても美しい風景を眺めながら、バスで移動し、「ウェディング・ベール・フォール」という名の滝を見に行った。
この滝は、雪解け水が豊富な時期には、花嫁がかぶるベールのように水が流れ落ちることから、この名前がついたらしい。しかし、残念ながら雪解けのシーズンではない時に訪れてしまったので、水量がなく、少ししょぼかった。
これは、ヨセミテ国立公園最大と言われている「ヨセミテの滝」にも言えて、滝があるはずの場所には水が流れた跡はついているものの、流れ落ちる水などは一滴もなかった・・・とても残念だが、もし今度訪れることがあるなら、是非とも雪解けのシーズンに来たい。

ツアー一行は、ビジター・センターで昼食をとり、ショップでお土産を物色。
azzurriは、お友達に送る絵はがきを買い、エルメサーはまたしても動物（うさぎとたぬき）の置物を買っていた・・・そんなに動物の置物ばっかりどうするんだ？エルメサー。。。

そして、鱒が泳いでいる、とても澄んだ水の流れる川や、1週間もかけて切り立った岩をロック・クライミングしている人たちを下から眺めたり、何カ所かビュー・スポットをまわりながら、サンフランシスコへの帰路へとついた。

ヨセミテ国立公園にいると、恐ろしい事件が起こったアメリカ国内にいるとは思えないほど、外界のことを考えさせないほど、雄大で何百年・何千年という歳月をかけて作り上げられた自然の美しさに素直に感動した。
世界にはazzurriがまだ知らない素晴らしい景色がたくさんあるのだ・・・それは、自然が作り出したものもあれば、前人が作ったものもある。そんな美しいものたちを人間のエゴで壊してしまっていいのだろうか？
帰りのバスの中で、azzurriはそんな事を思いながら、少し悲しくて寂しい気持ちになった。

帰る途中、お手洗い休憩で立ち寄ったショップで、azzurriとエルメサーはまたしてもアイスクリームを買い、一緒にヨセミテ国立公園のパンフレットも買った。


写真はヨセミテの滝・・・水がないから、どこが滝だかわからないけど、、、

先頭 表紙

9月12日（水）曇りのち晴れ
やはり記憶が曖昧になってきている・・・この日に起きた時間をどうやら覚えていないらしい。確か、エルメサーがセットしたけたたましい目覚ましの音でなんとか目を開け、7時過ぎには用意を終えて、ビッフェ・スタイルの朝食に部屋を出たように思う。
「サンフランシスコ・マリオット」の朝食は、さすがにアジアのホテルのように、日本食は用意されていなかったが、パンがとても充実していて、早めに設定されたバスの集合時間さえなければ、ゆっくりと時間をかけて味わいたかった。

バスに乗り込み、昨日もアテンドしてくれていたとってもおしゃべりな現地ガイドさんの案内のもと、ヨセミテ国立公園に向けて出発した。ダウンタウンからベイ・ブリッジを渡り、高速道路を東へ東へとひた走る・・・車中、ほぼずーっと喋りっぱなしのガイドさん。喋りすぎて疲れないのか、こっちが心配してしまう。
窓を流れる景色は、初めて見るアメリカの日常風景・・・日本ではお馴染みのマックもデニーズもあるが、街並みが全然違う。

トマトを積んだトラックがたくさんとまっている、トマトの缶詰工場。
カバーがかけられていて、よくは見えないが、小さな粒の集合体が微かに見えるアーモンド工場。
映画や本で時々みかける、緩やかな丘が延々と続く草原にいくつもの風車がお行儀良く並び、風を受けてくるくるとまわる風力発電の設備・・・電力を供給しているとはいえ、それを見た時には、とても感動した！
日本でも沖縄の方や東北の方にあるらしいのだが、アメリカのそれとはやはり発電力はもとより、その風車が立っている敷地は、空から確認したいほどだった。なんでも、風車のデザインも様々で、全部で13種類ほどあると言う。残念ながら、写真を撮り忘れてしまったのだが、いつかビデオの編集を行った時には画像をアップしたいと思う。

途中のお手洗い休憩では、ジュースと甘い物好きのエルメサーの要望により、アイス・・・そして、今回の旅で初のお土産となるものをエルメサーが購入！・・・それは、やけにリアルなガラガラ蛇の置物（大爆笑）。しかも、大きいもの（高さ20cmぐらい）を一つと小さいもの（高さ5cmぐらい）を三つも購入していた。
無類の動物好きでもあるエルメサーだが、何も蛇が半とぐろを巻いて、こちらに向かって口を開けている置物なんか買わなくてもいいのに・・・面白いけど。

高速道路を降りた後、バスは小さな町を走り、ゆっくりと山道を走っていった・・・が！azzurriのバスに乗って我慢できる時間はくねくね曲がる山道（キレイな景色だったんだけど）でとうとうギブ！目的地であるヨセミテ国立公園に着くギリギリまで、深い眠りに落ちていった。

・・・そう！実はazzurriは車高の高い車or運転の下手な人の車での長距離移動＆山道では、ひどく車酔いしてしまうのだ。

なんとかヨセミテ国立公園に到着！！
azzurriはバスを飛び降り、目の前に広がる景色に息を呑んだ。

先頭 表紙

疲れ切ったazzurriの体に程よい酔いが回り始めた頃、添乗員から今後の予定についての説明があった。
「ロサンゼルスの方に今回の件でツアーの対策本部ができ、そちらからの指示により、皆様にはサンフランシスコで3日間滞在していただき、4日目にこちらから日本に帰国していただくこととなりました。」
普通ならどよめきが起こりそうだが、今回のツアー客はどうもみなさん大人しいらしい。。。
「また、2日以降の自由行動にオプショナル・ツアーを申し込まれていたお客様もたくさんいらっしゃるようですので、明日はヨセミテ国立公園にバスで行くことにします。さすがにそこまでは飛行機もつっこんでこないでしょうから、、、」

流石にホテルにチェック・インした時点で、ニュースで映像を見て（流石に何を言っているか100%ヒアリングができなかった）、何が起こったのかは把握していたし、国旗が半旗になっていることも、お店やオフィスが閉まっている事も納得できたが、市内観光はともかく遠出の観光をする事になるとは思わなかった。
エルメサーと目を合わせて驚く！

食事を済ませ、部屋に戻ると21:00をまわっていたと思う。とりあえず、それぞれ日本の自宅に電話を入れる。
azzurriママに現状を報告すると・・・
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ？ヨセミテ観光ぉぉぉぉぉ？何考えてんの！？そんな時に市内観光してたのにも驚きやけど、どうなってんの！！ママ、○○（旅行代理店）に文句の電話するわー！・・・ホンマにぃ。ちょっと、あんた！しっかり文句ある事あったら、言いなさいよっ！！」・・・恐るべし我が母をなんとか宥め、電話を切った。
エルメサーの母上などは、きちんと日本で報道されている内容をエルメサーに伝えていたらしく、azzurriはエルメサーからテロ事件の現況を聞くことになる。

まさかサンフランシスコの観光やヨセミテ観光をする事になるとは思わなかったazzurriたちは当然ガイドブックなど持ってきていない。いつもならお気に入りの「わがままガイド」（アメリカ西海岸版をきっと買っていただろう）を購入するazzurriだったが、日数が少なかったことと、エルメサーにほぼ任せっきりだったので、ガイドブックは「ロサンゼルス・ラスベガスの旅」とかなんとかいう薄っぺらいオールカラーのものしか買わなかったのだ・・・これだけでも余計な荷物になってしまったじゃないか、、、ウサマ・ビン・ラディンのばかやろう。。。
幸いにも旅行代理店から事前に配布されていた「アメリカ西海岸ガイド」というペラペラのガイドブックだけを頼りにするしかなかった。

ヨセミテ国立公園はサンフランシスコからバスで片道3,4時間かかるらしく、翌日の集合時間は早めに設定されていた・・・朝が苦手なazzurriにとっては、起きて用意をして朝食をとって・・・を考えると、恐ろしい時間に起きなければいけなかった。
そもそもヨセミテ国立公園の名前は知っていても、どういう場所なのかは具体的には知らなかったのだ。

こうしてazzurriのとってもとってもながーーーい9月11日（火）が終わる。
シャワーを浴びて、ベッドに入るとばたんきゅーだった。。。


写真はフィッシャーマンズ・ワーフのカニさん看板♪

先頭 表紙

azzurriたちを乗せたバスはSFOを出発し、高速道路を一路、市内へ向かう。車中で添乗員、主催会社の人、現地ガイドから挨拶と現状報告があった。12時間ほど飛行機に揺られ、降機してからもさんざん待たされたツアー客はぐったり・・・まともに寝ていなかったazzurriもウトウトしながら、おしゃべりなガイドさんの話を聞いていた。

一番最初に車窓から見たものは、恐らくパームツリーが13本並んだ有名な地元の野球場だったような気がする・・・TVで観たことがあるのだが、あまり野球に関心がなかったので、名前を覚えていない（笑）・・・海沿いにあって、誰それが場外ホームランを打つと、その球欲しさにボートで拾いに行くのだという。
次にベイ・ブリッジを車窓から眺める・・・橋の上下それぞれが一方通行になっており、5車線だか8車線ぐらいあるのだという・・・イヤハヤ、ホントに覚えてないらしい。
ゴールデン・ゲート・ブリッジも見に行ったのだが、あいにく警察からの指示により、バスを停めて観光することができず、車中から眺めるだけとなってしまった。たいてい、霧がかかっているというゴールデン・ゲート・ブリッジは、今日に限って快晴で写真日和だというのに、、、

どうやらかなり寝ぼけたらしい・・・観光のルートを覚えていない！！
ほとんどバスで移動していたからだと思うが、途中でかなり寝ていたと思われる。

チャイナ・タウンでは、添乗員かガイドが手配したチャイニーズ・レストランで飲茶をいただいた。味は・・・うーん・・・ゴハンよりも、飲み放題だと言うので、疲れているにも関わらず、けっこう飲んでいたような気がする（笑）。

そして、酔っ払いのazzurriを乗せて、フィッシャーマンズ・ワーフへ。
ここからアルカトラズ島や停泊している潜水艦を眺め、シーフード・レストランや屋台を横目に「フリー・タイムになったら、晩御飯は絶対ここに来よう！」という話をして、お土産ものを売っているお店などを見ていたのだが、azzurriはとうとう歩きながら寝てしまうという暴挙に出てしまった・・・。
そして、次に気がつくと、バスの中には誰もいなかった・・・窓の外を見ると、どこかの公園らしかったのだが、ガイドの説明はもちろん聞いていないし、azzurriを置き去りにしたエルメサーを探すのに一苦労した・・・たぶん、この旅で一番azzurriが心細かった時に違いないだろう。
エルメサー曰く「起こしたけど起きなかったし、あまりにも気持ちよさそうに寝てるから。」

バスは日本人街へ向かい、下車して散策・・・ヘンテコリンな五重塔があったり、折り紙をモチーフにした噴水があったり、一瞬サンフランシスコにいることを忘れてしまいそうな光景だった。そこにあったショップでエルメサーにアイスクリームを買ってもらい、機嫌を直したazzurri（笑）。

そして、ケーブルカーに乗りながら、ダウンタウンを見た後、ガイドに免税店「おかだや」に連れて行かれ（ちなみに、この日は市内のほとんどのお店やオフィスが臨時休業しており、米国旗も半旗になっていた）、この日の宿泊先になる「サンフランシスコ・マリオット」に向かった。
ロスでの宿泊ホテルのクラスから考えれば、かなりアップグレードされた気もするが、通された部屋からの眺めはイマイチだった（笑）。
そして、夕食もツアー客みんなで揃って、ホテル内のレストランでステーキ・ディナー・・・またしても、ワインを飲むazzurriたち。

写真はサンフランシスコ名物！ケーブルカー

先頭 表紙

やっと治まってきた結膜炎だが、どうやらエルメサーも結膜炎の上に体調を崩しているらしい・・・。


さて、旅日記に戻るが・・・azzurriは以前に仕事でSFOの空港マップ及び、市内地図を作成したことがあるのだが、azzurriが着いた空港はazzurriが作った時とは変わっていた。聞けば、リニューアルが入ったらしい（涙）。←そんな観察をしている余裕があったのね。。。
そして帰国後、参考までに世界の空港の利用客別ベスト10を調べてみた。ベスト10の殆どがアメリカの空港だったのだが、6位に東京・羽田空港が入り、9位にサンフランシスコの空港が入っている。やはりSFOが閑散としているのは不気味以外の何者でもなかったのだ。

情報収集を人任せにできない性質のazzurriとエルメサーは手分けして、仕事で付き合いのあった某エアラインのロサンゼルス支店と日本に電話をかけることにした。
LAX支店の電話は何度かけても繋がらず、時間を無視してかけた寝起きで機嫌の悪いazzurriママに「あんた、今どこにおるん？・・・えらい事になってんねんで。アメリカで飛行機が11機もハイジャックされて（注：この時、日本はまだ情報が錯綜していたと思われる）、2機が貿易センタービルにつっこんで、もう1機がペンタゴンにつっこんで、残りの飛行機は行方不明やねん。」ととても冷静な声で言われてしまい、流石のazzurriも目の前が真っ白になった・・・azzurriママにはサンフランシスコに着いた旨を告げ、これからの旅程が決まり次第連絡すると伝え、電話を切った。

事件はLAXだけで起きていたのではなかったのだ。
標的はアメリカ・・・しかも、政府・軍関係だけを狙ったものではなく、民間人までもを巻き込んだテロだったのだ！！
・・・日本に帰れるんだろうか！？

得た情報をエルメサーに報告後、不安そうに事態を見つめている同じツアーの人たちや主催会社の人にも報告した。エルメサーは「日本に帰る便ない？帰ろう！」と言い出したが、スケジュールボードを見ると、発着便は全てキャンセルになっていた。。。

警察の人間に追い立てるように「早く出て行け！空港はクローズする！！」と言われても、どうすることもできないazzurriたちの元へようやく添乗員が戻り、「今日ロサンゼルスまで行くのは危険だということになりました。野球の試合もなくなり、ディズニーランド等の施設も全て閉鎖されています。皆様には、サンフランシスコで一泊していただき、状況をみながら行動していただきます。」と告げられた。

そしてazzurriたちは、旅行会社が急遽手配した現地ガイド付きバスに乗り込み、市内観光（なんてのんきな。。。）の途中のチャイナタウンで昼食をとり、ホテルの予約が取れるまで市内を観光し続ける・・・という旅をすることとなってしまった。

ちなみに、旅のビデオの記念すべき撮り始めは、空港で疲れ切った表情で事態を説明するazzuriの映像から始まる、、、ビデオをまわしてるぐらい、まだ余裕はあったんだ（苦笑）・・・もっとも、事件の大きさを映像で見ていなかったために、実感が湧かなかったのかもしれない。

先頭 表紙

爆睡のazzurriたちを乗せたKE001便ロサンゼルス行きは時々大きく揺れながらも、あと小1時間ほどでロサンゼルス国際空港へ到着・・・となった。
機内のモニターに映し出されるルートマップが心なしかLAX（ロサンゼルス国際空港）から逸れているような気がしたが、「成田からお手洗いに行っていない。」と思い出したazzurriは、歯磨きとお化粧直しも兼ねて、席を立った。
・・・azzurriがお手洗いに入って暫くすると、機内アナウンスが韓国語で入る。
「何言ってるのか、わかんないよー！」とキレる寝起きで機嫌が悪いazzurri。
次に英語でアナウンスが入る。
「は？LAXがテロでSFO（サンフランシスコ国際空港）にダイバート？マジで！？」
更に追い討ちをかけるように、日本語でのアナウンスが入る。
「なんですとーーー！！！」
慌てて歯磨きをし、お化粧直しをしていたのだが、どんどん高度が下がり、シートベルト着用サインが点灯する音が聞こえる。そして、韓国語→英語→日本語で「当機はあと15分ほどでサンフランシスコ国際空港に着陸いたします。シートベルトをお締めください。」のアナウンスが入り、更にダッシュでお化粧直しを済ませ、お手洗いから出た。
しかし、隣に席に座っているはずのエルメサーもいない・・・お手洗いか！？
やっと戻ってきたエルメサーと「大変な事になったね。でも、LAXだけのことでしょう？あそこって、よくハイジャックやら暴動みたいなのってあるから、SFOだったら大丈夫だよね。」なんてのんきに話していた。

そう・・・この時、azzurriたちはまだ全世界を震撼させた出来事の全貌を知らなかったのだ。テロが起こったこととロサンゼルスの空港が閉鎖されてしまったことだけの情報しか知らされていなかったのだ。

KE001便はサンフランシスコ国際空港へ着陸（到着時刻をはっきりと覚えてはいないが、おそらく9:00過ぎだったと思う）。
ドアが開き外へ出ると、普段なら空港職員が出迎えてくれるボーディング・ブリッジで警察と警察犬に出迎えられた・・・。
「物々しいね、、、アメリカの空港って、いつもこんな感じ？」
まだ事態に気がつかないazzurriはアメリカに何度か渡航経験のあるエルメサーに聞いたが、エルメサーも初めての出来事だったらしい。

空港の中は、朝の国際空港の風景とは思えないほど、閑散としており、ツアーの添乗員の指示通りにイミグレーションに誘導されたが、イミグレの職員までも「今、開けます！」と言わんばかりでバタバタしている。
なんとかイミグレを通過し、預けたスーツケースをバゲージ・クレームから回収し、空港職員の指示通りに出発ロビーの大韓航空のカウンターに向かった。

が！！出発ロビーにいたのは、大韓航空の職員、警察＆警察犬、地元のマスコミを除いては、KE001便の旅客だけだった。
さほど広くはない空港だが、空港内のショップも閉まり、恐ろしく閑散としていた。
混乱する旅客に、大韓航空の職員は「ここからはバスを用意したので、一人30ドル払って、ロサンゼルスまで行ってくれ。」とのたまった。
添乗員も一緒に付き添っていた懸賞の主催会社の人間も恐らく初めての事態におろおろしながら、この先の旅程をどうするかの指示を電話で上に仰いでいるみたいだった。

主催会社の人間が「みなさん、大丈夫です。とりあえずお一人様30ドル支払っていただいて、ロスまで向かいます。今は、順番を待ちましょう。」と説明したのだが、この時ほど、azzurriは人が言う「大丈夫ですから！」という言葉を信じられなかった事はないだろう。

先頭 表紙