朝起きると 頭が重く だるかった。
昨日のことは 夢だった と思いたいけれど
テレビをつければ 惨状を流し続けている。
息子が珍しく起きていて 何かをしている。
何してるの? と聞くと サッカーの代表戦のチケットが欲しいという。
こんな時に やるの? と聞くと 取り敢えず 販売は始まっているという。
電話をかけ続けても 御話し中か 断りのアナウンス
ネットも繋がらないという。
こんな時に ただでさえ 電話が繋がりにくい という状況なのに
サッカーでもないと思う反面 日常的なことに執着することで
不安な気持ちをすり替えているのか とも思う。
やっと繋がったかと思うと 売り切れだという。
そんなに 夢うつつの人がいるのかと 半ばあきれる。
夢であって欲しい と願う現実があって
それにもかかわらず まったくの平常の生活がある という
まったく相反するものが 何事もなく並列に存在することの矛盾。
留守電にメッセージが入っているのに気付き メッセージを聞く。
3日まえのもので 注文しておいたアンドロイド携帯が入荷しました との事。
今日は 何日だっけ と日にちを数えると 今日は 長男のお誕生日だったことに気づく。
ちょうどお誕生日のプレゼントになる。
こんな時に携帯がどうの なんて言ってる場合じゃない と思うのと
とはいえ こちらは こちらの現を生きている訳で
容赦なく 平常の時間は進む。
テレビから流れ続ける映画のような現実と
夕方になれば 夕食の支度をしなければ というこちらの現実。
頭が混乱して ぼうっとしてしまうけれど
家族のお誕生日には お祝いのケーキを焼く という習慣に動かされ
夕方 近くのスーパーに行ってみると パン 豆腐 レトルト食品
カップめん もやし ミルク が 棚から消えていた。
それどころか かごを抱えた人たちの殺気の様なものさえ 感じた。
一体これは 何なんだ?
この辺りは 全くと言っていいほど 被害はなかったはず。
訳が分からず 立ち止りそうになる。
萎えそうな気持ちをふるい起して
イチゴ 生クリーム 肉などをかごに放り込み
あたふたと 店を後にした。
ごちそうを食べ ケーキを食べ お風呂につかり 温かいベッドで眠る
そんな 今までと同じ生活に 罪悪感を感じながらも 感謝して眠る。
まずは 長男のお誕生日を祝えることの幸運に 感謝。 |