2002-09-26 うれしい予感　　〜瀬波の夕焼け（２）
2002-09-25 プロローグ（二人でみる夕焼け）　〜瀬波の夕焼け（１）
2002-09-25 紅色の秋　〜萩咲き誇る
2002-09-25 １９番目の月　　〜月のまつり
2002-09-24 ジンジャー、生姜の花を見たことがありますか?
2002-09-24 瓢箪から酒だったら最高だぞ
2002-09-23 秋の実り　〜アケビ
2002-09-23 紅い花白い花　　〜蔓珠沙華の宴
2002-09-22 十六夜の酒　〜月のまつり
2002-09-22 収穫の秋を祝う　〜月のまつり

　17時13分
　天気予報はあまり良くなかった。
　夕焼けが出るのは半ばあきらめていた。
　
　でも、昨年は台風が襲来している最中に完璧な夕焼けを見た。
　しかし、一瞬でも雲が切れれば、夕焼けが見える。
　だから、少しだけ希望を持つことにした。
　この思いはキミも同じだったはずだ。

　この思いが通じたのか、雲間からオレンジの光が海に漏れ始めた。

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　９月15日17時12分の西の空、雲が空を覆っているはずなのに
　どこからともなく陽の光が漏れてきて、海の一部が微かなオレンジ色に染まる。

　また、今年も昨年と同じ時期に瀬波海岸にやってきた。
　今度は一人ではなくて二人、
　自分の中で絶対的に美しいと思う光景を
　一人ではなく、二人で共有するためだ。
　
　雲は厚く、水平線も夕日のカーテンを拒否しているように見える。
　でも、信じる。
　必ず、西の空が赤く燃えることを。
　必ず、キミとボクの瞳を赤く染めてくれることを。

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　向島百花園の売り物に萩のトンネルがある。
　とりあえず、くぐっては見たものの、気持ちが納得しない。
　出来物という感覚になって、秋を感じないのだ。自然を感じないのだ。

　これは湯沢高原の萩の花、
　やはり里の秋を感じる。

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　午前五時半の月、
　日の出を待つ月、
　太陽を恋うる月だ。

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　こんなに身近なものなのに花が咲いたのを初めて見た。
　微かではあるが、あのジンジャー特有の匂いが風に乗ってくる。
　たまに植物園に出かけて花を眺めるのもいいものだ。

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　何年振りだろうか。
　久々にぶら下がっている瓢箪を見ることが出来た。
　小さいときは自分の家でもヘチマや瓢箪があったけど、
　まさか向島百花園で見るとはね。

　この瓢箪に得月をいれて月見としゃれ込みたかったね。
　ところで乾燥した瓢箪はどこに売っているのだろうか?

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　山に入って、アケビを見つけると何だか得したような気分になる。
　いまはなかなか見つけることが出来ないけど、思いがけず向島百花園で出会うことが出来た。
　これが熟して口を開けたと時が食べ時、手をそっと伸ばして食べたくなった。

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　向島百花園で見つけた蔓珠沙華、
　今年の十五夜は彼岸の最中。
　紅い花と白い花を見ていると
　会いたくても会えない懐かしい人たちを思い出させてくれる。　　

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　中秋節はもともと中国の節句、
　その前から日本には初穂祭として祭る習慣があった。
　初穂といえば米、米といえば酒。
　酒を飲みながら月を愛でる、これも観月の作法といってよいだろう。

　この酒は久保田を作っている朝日酒造が作っている『得月』(とくげつ)、
　得月は秋にだけ仕込む酒、月を愛でるために作った酒だ。
　米の中心部28％(72％は捨てる)だけを使った贅沢な酒、
　今宵は冷たい雨が降って、十六夜を眺めることは出来ないが
　得月を飲みながら、見えない月を愛でることにしよう。

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　中秋は実りの秋を祝う行事、
　無事に農作物が育ったことを感謝する行事でもある。

　これは向島百花園の月への供え物、
　自分自身が無事に生きてきたことへのご褒美でもある。

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