2001-02-20 セント・バレンタイン・デーの虐殺（２）〜悪魔人・ミチコ〜
2001-02-20 欲張りホームレス〜怪しい紳士録（２）
2001-02-19 欲しがる私（420曲のフォークソング）
2001-02-19 欲しがる人〜怪しい人紳士録（１）
2001-02-18 セント・バレンタイン・デーの虐殺（１）　〜悪魔がきたりて笛を吹く〜
2001-02-18 1萬アクセス記念クイズ
2001-02-18 胃痛、関節痛に偏頭痛（トホホのホざんす）
2001-02-17 いつもの料理屋は晴れのち雷雨、雷雨のち晴れ（怒りの夢楽堂）
2001-02-17 暇人復旧記念クイズ（数字こじつけ）
2001-02-16 セント・バレンタイン・デーの虐殺〜序章〜

・秋までは週に３回のペースでバイト先に顔を出していたヨシダは、12月の声を聞くと稽古に専念したいという理由で来なくなった。その代わり、劇団員の後輩・ミチコを後釜に送り、公演が終わったら、いつでもカムバックできるように、経営者と話をつけていた。『辞めます』というよりは『また、きます』といった方が経営者には受けがいい。どこまでも要領のいい奴だ。到底、夢楽堂にはヨシダの真似はできない。そう思った。
・会社側からすれば、要領の良さが目立つヨシダが辞めても、頭数を揃えて仕事がスムーズに進めば良いわけだが、よりによって送りこんできた後釜が悪すぎた。タイプのタもの字も知らない。タイピングの基本を大ベテランのナカジマさんが教えようとすれば『タイピストになるわけじゃないんだから、勝手にやります』と初日からやりあう。経営者が作業能率の悪さを何気なくミチコにいうと、『あたしが悪いんじゃないんです。ナカジマさんの教え方が悪いんです』という具合だから、夢楽堂がそこにいなかったら20そこそこのミチコともうすぐ50になるナカジマさんは取っ組み合いの喧嘩をしていたかも知れない。とにかく、ミチコがきたことで、ミチコとナカジマさんが衝突しないように気を使うという新たな仕事が加わった。
・そのように書くと、ミチコの性格がすごく悪いかのようにも見えるが、決してそうではなかった。ミチコはナカジマさんと一緒にいなければ明朗快活を地でいく女の子で、仕事が下手糞でも笑って許してもらうことができたし、男性社員のアイドル的な存在となって、ほとんど飯代を払わずに生活できるようにまでなっていた。ミチコの外面の良さと要領の良さ、こいつもヨシダ同様、悪魔人だと思った。

先頭 表紙

夢楽堂は自営業に見えるらしいが、これでもれっきとした勤め人で、毎日、福生から茅場町まで往復３時間半をかけて通勤している。今回、紹介したいのは通勤先の茅場町に居ついている欲張りホームレスだ。この画像は、その欲張りホームレスの住処である。多くのホームレスがダンボールハウスか、ビルの軒先で寝ているのに、欲張りホームレスはリヤカーを改造した住処を根城にしている。リヤカーの荷台に毛布を張って風が通らないようにして寝ているのだ。住処は茅場橋の上、高速道路の下だから雨が降っても濡れない。どこから持ってきたのかマイカーの自転車もある。画像を良く見ていただくとラジカセを持っており、お節介にも100メートル先でも聴こえるようにボリュームをガンガン上げている。他のホームレスから見れば、欲張りホームレスのリヤカーは大御殿に違いない。
リヤカーに台をつけて、招き猫からキティちゃん、両足の揃っていない靴、主人のいない植木鉢などが所狭しと並べてある。最近では廃品回収の古本などを拾ってきて、定価で売ったりもしている。誰かが冷やかしで本を手にとろうとすると「買わないなら触るな」「手に取ったんだから買え」と脅したりもする。欲張りホームレスの写真を出せなくて大変恐縮だが、スタイルがなかなか決まっている。頭には飾りの沢山ついたマドロス帽、大分色は変わっているが濃紺のPコート、下は黒の皮ズボン、靴は黒いロングブーツという具合だ。顔は少し間が抜けた般若顔というところだろう。
問題は性格だが、ご察しのとおり、非常に良くない。自分は他のホームレスとは違うぞとばかり、仲間をあごで使おうとする。通行人を威嚇する。退去を求めて、警官が来ると、平身低頭、これ以上にないといった卑屈な態度に出る。最近は、この欲張りホームレス、大層気が弱いことを覚られているらしく、他のホームレスが寄ってこない。もめごとをやらかしたのはいいが、女の子当たりにもガツンとやられて、顔に青タンを作ったりする始末だ。警察は定期的に退去勧告のビラを張ったりしているが、毒にも薬にもならない欲張りホームレス、もう少し、夢楽堂の観察対象になっていて欲しい。ちなみに、欲張りホームレスは刃物とぎを正業にしている。

先頭 表紙

　帰りがけに夕刊フジを買ったら、夢楽堂に「欲しい欲しい欲しい」を連発させる記事が出ていた。なに、なにッ、なに〜ッ、21日に日本のフォークソング420曲を28枚のＣＤに収めた大全集「フォーク・ビレッジ」（2枚組14セット）が発売されるらしい。まだ、現物を手に取ったわけではないので、買うか買わないかは決めていないが、食指がぴくぴく動き出した。フォーク・クルセーダーズは入っているが、岡林、加川良、高田渡、高石友也など日本のフォークを引っ張ってきたシンガーは入っているのだろうか。拓郎、陽水、アリス、かぐや姫などは当然ラインアップされているが、いわゆる草創期の歌が入っていないとつまらん。おいらにフォークの洗礼を浴びせた岡林は今いずこ、遠慮いらないから出てこい。あんたが一番嫌いだといった「友よ」を歌っておくれ。おいらも一緒に歌うから。政治的共同幻想の道具として歌われた「友よ」、今なら素直に歌えるだろうぜ。

先頭 表紙

世の中、自分も含めて変な奴が多いと思う。暇人日記のメンバーで駄洒落フレンドの綾丸さんは相当の怪しい人マニアだが、夢楽堂も朝っぱらから怪しい御仁に遭遇したので、ゼシゼシ紹介しよう。
最近、街中で読み捨ての雑誌を100円均一で売る商売がある。ホームレスなどを駆使して、駅や街中のゴミ箱に棄てられた雑誌を拾い集めて、これらを路上で売るという商売らしいが、発売当日の雑誌や漫画も売ってくれるし、たまには価格の高い月刊誌なども出てくるので、結構、売れ行きも良いようだ。山手線などでは雑誌回収人同士が鉢合わせになって、喧嘩なんていうシーンを見たこともある。彼たちにとって、雑誌回収は重要な資金源になるので、たとえ、雑誌一冊を確保するために大喧嘩というのも理解できる。
それはともかく、今日のは、本当にすごかった。年齢は60を出るか出ないかくらい、髪の毛も服装もピシッとしている。テーラーの息子のくせに、いつもよれよれな格好をしているＭＲ．コロンボ風の夢楽堂とは大違いの紳士がとんでもないことをやらかしている。
新聞や雑誌を読んでいる人の目の前に現れて、その人が読み終わると思いきや、『もう読み終わったんだろ？　オレにくれよ』とでかい態度で新聞と雑誌の禅譲を求めるというか、すごんでみせるのだ。紳士がチンピラに変貌する。ただ、体が小さいのと声も弱々しいので、皆に無視されていた。ただ、数人はチンピラ紳士に雑誌や新聞を投げるように渡していた。新聞は紙袋に放り込んで、週刊誌はグラビアの部分だけ丁寧に切って、バッグに入れている。そのグラビアというのはヌードの部分だったりするので、実に滑稽だった。
「来るな、来るなよ」と内心思っていたら、チンピラ紳士は順番どおり、夢楽堂のところにもやってきた。チンピラ紳士は夢楽堂の膝元に週刊誌があるのを目ざとくみつけて、他の人と同じように禅譲を迫ってきた。「おい、これ、くれ」と雑誌に指をさす。
「まだ、読んでいないからあげられない」、
そういうと
「また金を出して買えばいいだろう」と来なさった。
まともに相手にするのも面倒くさいから
「1,000円くれたら売ってやるよ」といったら
あきれた顔をして、チンピラ紳士は次の車両に移り、飯田橋で降りていった。
手には『源氏物語講義』なる本を持っていたが、一体、この人何者なんだろう。
もちろん、興味はあっても明日は会いたくないが（笑）。
綾丸さんではないけど、電車は人間観察の宝庫なのだ。また、変わった人にあったらゼシゼシ紹介しよう

先頭 表紙

　ヨシダと初めて出合ったのは1972年７月、日本橋のアルバイト先だった。夢楽堂は、もともと、信州・蓼科の民宿でアルバイトをすることが決まっていた。遊びながらバイト代が稼げると喜んでいた。しかし、待てど暮らせど、バイト先から旅費の入った現金封筒が送られてこない。さすがに待ちくたびれて、蓼科の民宿に電話をかけると、地元の大学生を雇ったので悪いけど不採用とのこと。相手が悪すぎた。長野の蓼科まで文句をいいには行けない。というわけで、大学の就職部の紹介で、日本橋でアルバイトをすることにした。アルバイトの仕事内容は、クレジットカードや会員証などのプラスチックカードにタイプライターで名前や数字をエンボス（刻印）するものだった。
　ヨシダがやってきたのは8月、某劇団の研究生という立場で、食いブチ稼ぎに週払いのアルバイトに応募したという。真夏の暑いさなかに、電動タイプでエンボス（刻印）するのは結構つらいものがあったが、時給から能率給にしてもらったとたんにやる気が出た。何しろ最初の時給は170円、能率給だとエンジンをかければ400円になる。夏休みが終わってからも、自由出勤、週払いに魅せられて、とうとう大学を卒業するまで、ここでアルバイトをさせてもらった。夕方を過ぎると必ず飯が出るし、ここに務める人たちはアルバイトにとても優しかった。はっきり言って居心地は良かった。
　そうそう、ヨシダの話だ。ヨシダは夢楽堂より歳は３つ上だが、お金に関しては本当、だらしがなかった。バイト代を落としたといってバイト先から前借をしたり、財布を家に置いてきたといっては夢楽堂に昼飯代を借りて返さない。昼飯代を返してくれというと、借りた覚えはない…という。近松が大好きな夢楽堂から全集を借りて、そのまま返さない。返してくれとというと、演劇仲間が古本屋に売ってしまったといって知らん振りだ。それでも、ヨシダが娑婆をうまく乗り切ってきたのは、この野郎と思ったときに、すかす術を心得ていたからだろう。たとえば、バイト先がすごく忙しいときは劇団の研究生を引っ張ってきたり、ときには夢楽堂好みの女性研究生と遊ばせてくれたり、時には、演劇を語らせると目を輝かせて熱っぽく語る。ヨシダの悪業を全て忘れて、「こいつ、結構いい男じゃん」ということになる。考えたら、それが良くなかった。悪魔は悪魔の顔をせずに天使に擦り寄ってくる。いつの間にか、天使人・夢楽堂は悪魔人・ヨシダの掌中でもてあそばれていたのだ。

先頭 表紙

　昨年12月４日にhimajinに入居して、自分のホームページがおろそかになるほど、ここで遊んでいます。とりあえず、夢楽堂が主宰している「夢楽堂ストリート」と同じコンセプト、（１）自分で楽しむ、（２）硬軟自在、（３）喜怒哀楽をはっきり・・・は継承しているつもりです。さきほど、甘辛のアクセス数を見たら9998だったので、1萬アクセス突破のご挨拶をさせていただきます。てなわけで記念クイズ、この画像が何か当てて下さい。これは道具、案外使ったことのある人も多いかと思います。
正解者の方にはポイント抜きで、記念品を差し上げようと思います。

先頭 表紙

　１年に1回あるかないかの胃痛に夜中に襲われた。家人の薬を飲んで、どうにか治まったが、胃を壊すと飯を抜くのが我が家流、多分明日の朝までは断食だ。今日は久しぶりに、高校時代からの親友と奥多摩の豆腐料理屋と蕎麦屋で飯を食って、温泉なんぞに入る予定だった。でも、美味い料理が美味く食えないコンディション、まあ、あいつはジモッティで電話一本で動くことができるので、また、今度ということにしてもらった。
　また、約束をキャンセルしたもうひとつの理由に、アスリート時代に怪我した左ひざと左足首がしくしくしていて、歩きたくないこともあった。実際問題、階段を上がるときは手すりが欲しくなる。こんな時は、外にでても面白くない。
　てなわけで、我がＨＰのメンテナンス作業をしているが、なかなか前進しない。デバッグ、デバッグの連続でなかなか前に進まない。もともとＨＴＭＬに関しての知識は皆無、疲れること疲れること、やっと格好をつけた頃は偏頭痛で気分が悪くなってしまった。ソフト任せもいいが、最低限の知識はもたないとね。そう思ってはいるのだが・・・。

先頭 表紙

　最近、休みになると例の中国料理屋に行くのが定番になっている。ここで、自分でも簡単に作れる料理を発見したので紹介しよう。これは「ニラとチャーシューのオムレツ」、何のことはない、チャーシューを入れた玉子焼きだ。チャーシューを鍋に入れて、ニラとキノコの入った玉子焼き。２、３分もあればフィニッシュだ。今日はこのレシピを少しでも覚えようという目的で店に出かけた。
　おやおや、今日はいつものコックやマネージャーがいない。初顔のコックが厨房から注文をとりにきた。オムレツと焼きそば、それと水餃子とあたたかいジャスミン茶を注文したが、おどおどした顔をしている。そう、彼は日本語も英語もできないのだ。そのことを理解した夢楽堂はメニューの横の数字をさして、相手が理解するのを確認しながら注文を出した。注文した料理はすべて無事に運ばれ、これでゆっくり飯が食えると思ったときに、アメリカ人の家族がやってきた。
　メニューをじっくりみながら、コンチキショー的な言葉を放ち、甘いたれをかけた冷たい麺を作ってくれ、冷麺のようなものを作ってくれといっていたような気がする。メニューにないものを英語のできないコックに作れと真っ赤な顔で迫っている。しまいには、アメリカ人はおどおどしている新米コックをののしりだした。英語が余りできないながらも、助け舟を出そうとしたとたん、“Hey、Jap！！”と中年の白人男の言葉が飛んできた。そのあとに“Can　you　speak　English？”という言葉が飛んできたが、バカヤロー、テメエ、これが人にものを頼むときの言葉か。瞬間的に夢楽堂の怒りの回路が働いて“No！！”と答えた。白人男性は“Sey　Yes！！”と何度も夢楽堂に迫り、夢楽堂は夢楽堂で“No”を貫き通した。福生に長年住んでいるが、子供の頃、家の前に日本人嫌いのアメリカ人が住んでいた。軟式ボールでキャッチボールをして、間違って家の中に入ろうものなら、空気を抜いたボールが戻ってくる。犬の鳴き声がうるさいと日本人の家に怒鳴り込んで、ほとほと困った家が犬を保健所に差し出したなどということもあった。そのアメリカ人が決まって、最初に話す言葉が“Hey　Jap！！”だった。子供の頃の怒りがこみ上げていた。
　メニューにない料理を新米コックに強圧的に迫ったり、大の大人の夢楽堂に対して“Hey　Jap”呼ばわりをするのは、根底に人種差別があるからだ。考えたら、自分たちも知らぬ間に人種差別をしているような気がする。もう数年前になるが、近隣の市ではプールを外国人に使わせなかったことがあった。それは、彼らがプールのシャワー室を風呂代わりに使っているとの苦情が出たからだそうで、何の告知もせずにレッドカードを出すのはいかがなものかと憤慨したこともあった。自分がこのように侮蔑的な言葉をはかれて、人種差別のいやらしさを悟った。
　アメリカ人との対峙は、中国人の“Get　out！！”で、アメリカ人が席を立つことで決着。そのあとは新米コックとの握手と“Thank You！！”の言葉でめでたしめでたしとなった。

先頭 表紙

よく眠ったけど、疲れは残る。
久しぶりに整体してもらうか。
夢楽堂の整体初体験はマッサージではなく鍼灸、つまり針とお灸。たまたま紹介してもらった人が脈しん流とやらの始祖で、その技術には驚かされた。
すごい、すごい、血が心臓目がけて流れるのが判る。
始祖いわく「血がきれいに流れるようになったので、次の日は茶色い尿が沢山出る」
確かに翌日は血尿のような小便が沢山出た。
この方は故人になってしまったが、
主治医ならぬ主治整体師を持つとよいだろう。
医術は医者との信頼関係が大事だからね。

ところでロト６、全員討ち死、
でも今回は2個的中があったので一歩前進だ。
この分だと、お次は３個的中と行くか。
３個といえばオスマン・サンコン最近見ないな。
ロト６選択権獲得数字こじつけクイズ、
この前が難しかったので、少しだけ優しくしました。
（７）は難問かな。

こりずにスタート
（１）４９４＝鍼灸師（綾丸さん正解）
（２）８１１０=やいと（綾丸さん正解）
（３）０９４８＝霊柩車（綾丸さん正解）
（４）１４１０５=伊予道後（綾丸さん正解）
（５）０８９９６
（６）４２０１７８=失礼な奴（ほ肝さん正解）
（７）９６４０１０=クロスワード（ＪＡＩさん正解）
（８）１０８２４３＝鳥羽伏見（心太さん正解）
（９）２２９９３１３＝にんにく臭いぞー（JAIさん正解）

例によって、正解者にはロト６の数字選択権を差し上げよう。
賞金は山分けだい。

先頭 表紙

セント・バレンタインデーの虐殺、このいわれについて、詳しいことはよく判らない。ただ、ＴＶドラマなどをみて、シカゴでアルフォンソ・カポネことアル・カポネが敵対関係にあったマフィアを抹殺して、暗黒街のボスに成り上がった日だと記憶している。その日からカポネがシカゴの暗黒街のドンになり、世界一有名なギャングになったということらしい。カポネにとって2月14日は成り上がり記念日なのに、夢楽堂の『セント・バレンタインデーの虐殺』はサクセスストーリーなんかじゃない。思い出すだけでおぞましい。そう、皆が期待しているとおり、ムフフではなくトホホな話なのである。

４年がかりで大学に入る作戦は功を奏し、1972年４月、運良くW大学に入学した。頑固者の親父殿は「絶対に浪人はさせない！！　入るなら公立」といっていたが、夢楽堂の兄貴は2年も浪人し、国分寺の某私立大学に入学した。それなら、夢楽堂も浪人OK私立ＯＫと勝手に決めて、高校時代は遊ぶだけ遊んで、次の１年に死ぬほど受験勉強をして大学に入ろうと思っていた。当時は浪人して当たり前だから、一浪くらいはよかろうという甘えもあった。ともかく、高校１年から受験勉強になんかエネルギーをとられてたまるかという気持ちで、演劇部と天文同好会、放送同好会に入部、更に、プライベートなサッカーチームに入って、女の子を追い掛けてはふられるといった、高校生活をエンジョイしていた。朝７時半に学校に入り、サッカー三昧、ホームルームで出席を取ったら嫌いな教師の授業に出ずに図書館で本を読んでいるか、体育館の放送室で寝ているか、運がよければ保健室のベッドで寝ているか・・・の放蕩三昧だった。当時はパック・イン・ミュージックなる深夜放送に夢中だったから、放課後の楽しい生活を送るためには、昼間寝るしかなかった。そうこうしているうちに3年経ってしまった。

楽しい高校生活から一転、浪人時代は自分でも驚くほどのサムライになった。平均睡眠時間は４時間を多分切っていたろう。いわゆる受験勉強というやつを懸命にやった。受験生時代は苦しいとほとんどの奴はいっているが、結構、楽しかった。高校時代は勝手し放題だったから、むしろ、必死になって何かをやることが新鮮だった。予備校に通ったのは木曜日だけ。この日は贔屓の講師の授業を聞いて、週１のテストを受けて、帰りに高田馬場パール座で映画を見てストレスを吹っ飛ばしていた。必死の受験勉強の甲斐あってか、それとも悪運が強かったのか、ともかく、絶対に受からないと思っていたW大に入学できた。とても嬉しかったが、１ヵ月も経ったら、まともに大学に通っているのがアホらしくなった。
というのも、夢楽堂自身は喜びいさんでW大に入学したのに、某赤門大学への受験失敗をいつまでも嘆く奴らが多過ぎて、とりあえず「潔し」を旨とする夢楽堂にとっては、そういう奴らとまともに付き合いたくないと思ったからだ。また、その頃はセクト同士の血なまぐさい内ゲバが白昼に平然と行われ、学内のムードが最悪だったこともあって、大学から足が遠のかせた原因だ。てなわけで、いつしかアルバイトに専念するようになった。ここで知り合ったのが演劇青年ヨシダで、こいつの知り合いが後々夢楽堂に大きな災いをもたらすのである。

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