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夢樂堂月彦の『元祖 図鑑・即熱、玩具匣』

やっぱり、ひとりよりふたりだよね。

次の満月は9月8日、新月は9月22日です。
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目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2000-12-08 一粒のキャラメル
2000-12-07 チキン・ジョージの伝説
2000-12-06 昔はこんな詩も書いた
2000-12-04 甘辛せんべいのタイトルの所以にかえて
2000-12-04 新装開店しました
2000-11-23 猫と鰹節(老職人異聞@)
2000-10-20 清く正しいフェチ道(新聞探訪@)
2000-09-20 うにうに第3種接近遭遇(塩辛始末記A)
2000-09-20 ハンディキャップで思うこと
2000-09-19 溜息攻撃にうんざり(シロクマ紀行異聞B)


2000-12-08 一粒のキャラメル

一粒のキャラメル

キミはボクの言葉を知らない
ボクもキミの言葉を知らない
でも、わからないのは文字にした言葉
音として流れ出す言葉という名の単語
心が通じればキミとボクにしか分からない
絶対言語が生まれるんだよね

でもボクは知っているよ
キミがいま何を考えているかを
キミも知っているね
ボクが何を考えているかを


ボクは知っているよ
キミがサヨナラの代わりに差し出した一つのキャラメル
これは今日のサヨナラを意味するだけで
いつか、またあえるコンニチワだということを

いま、ボクはキミの友だちでボクの友だちでもある
彼女が運転している車のなかでキャラメルの甘さを楽しんでいる
アリガトウという言葉を持たない
ボクの手に握手したキミの手の温もりを感じながら微笑んでいる
また会おう キミはボクの数少ない小さな友だちなのだから…

先頭 表紙

kikiさん 言葉というのは語っていない部分も含まれているといわれますが、本当にそう思います。手話ができてもテクニックだけにこだわるとコミュニケーションができない。まずは心のキャッチボールができることが肝心なんでしょう。 / 夢楽堂 ( 2000-12-14 12:27 )
素敵な詩ですね。聴こうとする心さえあれば通じるんですよね。脳障害で言葉をはっきりしゃべれない青年がいっぱい駄洒落を言ってくれるのですが、なかなかわからない。10回ほど繰り返してやっとわかった時二人で大笑いするのが、すっごく楽しいんですよ。 / kiki ( 2000-12-13 19:23 )
高校時代、夢中になっていたのは中也とアポリネールでした。いや、それよりラングストン・ヒューズにはまっていた。 / 夢楽堂 ( 2000-12-09 18:00 )
私と詩***中学生の頃以来書いたことがない・・・(ありがちなメルヘンチックなシロモノ)。高校生の頃に、萩原朔太郎にはまっていたことを思い出し、アマゾンで「月に吠える」を注文してしまいました。 / ゆきこ ( 2000-12-09 01:56 )
この少年は昨年のクリスマスミサで知り合った聴覚障害児です。コミュニケーションは互いの表情と手のぬくもりでした。 / 夢楽堂 ( 2000-12-08 22:47 )

2000-12-07 チキン・ジョージの伝説

チキン・ジョージの伝説


翼を持たない鶏を 高い木の上から大鷲が嗤う

天空を遊べない鶏を 臆病者と大鷲が嗤う

鶏をからかうように 大鷲は翼を広げ天空を舞ってみせる



空の王者の名に奢れる大鷲よ お前らは知るまい

大鷲が誕生しない太古の昔に鶏が空を飛べたことを

飛べるだけの自由に失望して 自らの翼を捨て去ったことを

自己満足に過ぎない天空の遊戯を封印したことを


大鷲よ 鶏の嘶きに耳を傾けるがいい

彼らの嘶きが 雄叫びに聞こえないか

彼らの鶏冠が勇気を奮い立たせた熱い血に見えないか


称えよ 臆病者と呼ばれる翼のない鳥を

恐怖に全身を震わせながら地上に降り立った鶏を

地上の痛みに耐えながら 翼のない自由を求めたチキン・ジョージを


先頭 表紙

しろとかげさん ありがとう。なんたって鶏、凛々しいはず。祖先は恐竜だった。 / 夢楽堂 ( 2000-12-08 17:05 )
凛々しい詩ですね。明日から鶏を見る目が変わりそうです。(まとも〜 / しろとかげ ( 2000-12-08 14:16 )
 執着至極、これでも男を48年やっております。 / 夢楽堂 ( 2000-12-08 06:28 )
この詩には男を感じます。 / 小黒三歩 ( 2000-12-07 19:08 )
リャンちゃん チキンと書いてくだしゃんせ。 / 夢楽堂 ( 2000-12-07 11:19 )
また感想考えなくっちゃだわ。大変大変。 / 涼風 ( 2000-12-07 10:07 )

2000-12-06 昔はこんな詩も書いた

猫のソネット

きみから 顔がなくなったら
ど真ん中に 高い鼻を描いてあげるよ
きみの大好きな 黄色のパステルでね

鼻が黄色なら 唇の色はグリーンだな
きみとずっと いっしょにいたいから
鼻の下の二本の線は 一本が黄色
だから もうひとつは ぼくの大好きなグリーンでいいだろ

目を書き入れんだったら
半分をグリーン もう半分を黄色にするんだ
何だか ぼくたち 猫になりたくなっちゃった

ふたりいっしょに  とんがり耳をつけよう
とんがり耳で ぼくの声を聞いてくれるかい
とんがり耳に きみの声を聞かせてくれるかい


先頭 表紙

 しろとかげさん ネコ詩集はあと数点、ネコ、きゃっとおどろく。 / 夢楽堂 ( 2000-12-08 17:09 )
めんこーい。猫の肉球がたまりません。夢楽さんもこんな愛らしい詩を書いていた頃があった・・・・・と、ふむふむ。なんだか照れますなぁ。?? / しろとかげ ( 2000-12-08 14:14 )
無味乾燥とか音楽の間奏とかはいやじゃ。 / 夢楽堂 ( 2000-12-07 11:18 )
写真と詩のレイアウト、右左逆にした?この方がなんかしっくりくるようですね。さて、感想感想・・・。 / 涼風 ( 2000-12-07 10:27 )
詩の感想が無いと号泣してたので、感想考えてから又出直してきます。ねぇねぇ、こんなまともなのも恐いでしょ。 / 涼風 ( 2000-12-07 10:05 )
きりりさん そうきたか。ん〜やっぱ降参している。 / 夢楽堂 ( 2000-12-07 08:44 )
okkaさん そうでしたか。夢楽堂もレオ・レオーニ並ということでしょうか。 / 夢楽堂 ( 2000-12-07 08:41 )
ゆきこさん ネガを指定して頼めばよいのです。最初にCD−ROM台がとられます。ネガ1枚80円見当です。コダックとフジでやっていますが発色はフジのほうがいいかな。なお、CD−ROMは中が満杯になるまで使えます。 / 夢楽堂 ( 2000-12-07 08:39 )
黒くん、もう、かんべんしてあげて下さい。白くんが降参してるもん(笑) / きりり ( 2000-12-07 00:15 )
写真ではなく詩からの連想だったのですが。「あおちゃんときいろくん」という世界的に名作とされる絵本の作者がレオ・レオーニなんです。それぞれの色が個性でそれがぶつかり合い混ざり合い「みどり」にってお話。 / okka ( 2000-12-06 23:49 )
1番のような方法があることを、今はじめて知りました。(メモメモ・・・)デジカメも欲しいのですが、まだ決断できない状態です。もう少し待てば、安くなるかなぁ・・・ / ゆきこ ( 2000-12-06 22:34 )
PAOさん、猫とごろごろ大賛成です。PAOさんの顔も落書きしましょう。 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 21:42 )
ゆきこさん @気にいった写真をカメラ屋でCDロムに落としてもらう、A素材集を利用、B愛用のデジカメで撮影・・・の3種類です。今回の画像は素材集からセレクトしました。なお、画像の角度を変えています。使用しているデジカメは230万画素です。 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 21:41 )
>okkaさん、レオーニ、どんな写真家ですか?教えてちょんまげ。 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 21:38 )
三歩さん 猫の散歩はやっぱスコップとビニール袋を持って行くのですか? / 夢楽堂 ( 2000-12-06 21:36 )
>三歩さん こんな猫がごちゃごちゃいたら嬉しいぞ。。。 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 21:34 )
ワタシもねこといっしょに、ごろごろしていたい・・・。 / P★O ( 2000-12-06 21:06 )
ラブリーな詩ですね〜。猫も、可愛い〜。ところで、夢楽堂さんの写真は、デジカメで撮影してるのですか?なんだか、すごく、綺麗。 / ゆきこ ( 2000-12-06 20:06 )
いい写真ですね(^-^)レオ・レオーニの絵本、思い出しました。 / おっか ( 2000-12-06 18:48 )
ニャンコが可愛いーーー。何か写真も詩もラブラブですね☆ / 小黒三歩 ( 2000-12-06 18:22 )

2000-12-04 甘辛せんべいのタイトルの所以にかえて

教訓

甘さと辛さの両方一遍に味わいたいから

妹から土産にもらった甘辛せんべいを口に入れてはみたが

見事なほど 甘くも辛くもなく

ボクのささやかな欲望は 又もや満たされなかったのである


往生際が悪いというか あきらめが悪いボクは

せんべいにへばりついているザラメだけを

掌に落として なめてはみるのだが

ザラメの味どころか ボクの掌の味しかしないのだ

それならばと ザラメを完全にはがしたせんべいのひとかけらを

ボクの短い舌に落としてはみたが

生醤油の味どころか ボクの掌ほどの塩辛さすらも感じないのだ



甘さと辛さが同居しているから甘辛せんべいなんて

陳腐な想像をしたのはボクだけなのだろうか

ボクの膝の上で寝ていた貪欲の黒い塊が

ズボンについたザラメを尻尾で掃いながら

甘くも辛くもないから甘辛せんべいなのだと教えてくれた

先頭 表紙

> ゆきこさま 恐縮です。料理は気分転換、これからもトライしていきます。 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 21:32 )
> 三歩さん 塩せんべい、我が勤め先の、近くの水天宮の名物です。あそこらは犬の日は妊婦だらけです。 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 21:29 )
はい〜、存じておりますよ〜。じゃこチャーハン、おいしかったですぅ。 / ゆきこ ( 2000-12-06 19:43 )
甘辛せんべいは苦手でごじゃる。塩せんべえがいいねえ。 / 小黒三歩 ( 2000-12-06 18:24 )
>ゆきこさん 業務連絡 夢楽堂んとこでも料理のサイトがあるんだぞ。『え?日記』で夢楽堂が作った料理を紹介している。いいたいかも知れないが「あ〜しょうかい」なんていわないように・・・。 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 16:26 )
ちょっと待て。誰も詩の感想を書いて無いじゃん(号泣) / 夢楽堂 ( 2000-12-06 14:54 )
>ゆきこさま ブリが三塁を守るとブリザード / 夢楽堂 ( 2000-12-06 14:52 )
さっそくHimajinでもブリザードが吹き荒れております。ひゅ〜〜。ぶるぶる / ゆきこ ( 2000-12-06 14:38 )
>MANBOさん オイラが駄洒落をいったんで凍結したんだべか。 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 12:50 )
なかなか開かなかったんですよ、ココ。 / MANBO ( 2000-12-06 12:38 )
> それでは「あっちへおゆき」とは?(本当にいったらいやだぞ) / 夢楽堂 ( 2000-12-06 12:14 )
いいえ〜。そんなことを言われたことはなくってよ。(なぜ気取ってる、自分・・・) / ゆきこ ( 2000-12-06 11:35 )
ゆきこさんだ。雪が降るとユキンコっていわれませんか?、 / 夢楽堂 ( 2000-12-06 05:53 )
あれ〜?夢楽堂さんだぁ。(なれなれしくてすみません。)今頃気付くとは、遅いですね・・・Himajinでの楽しみが増えました。 / ゆきこ ( 2000-12-05 21:34 )
突っ込みを入れるのが好きだなんて、遠慮なくどうぞ。きついつっこみでは泣いちゃうぞ。 / 夢楽堂 ( 2000-12-05 16:28 )
>画像が簡単に入るし、ここの参加者も少ないから居心地が良さそうです。 / 夢楽堂 ( 2000-12-05 16:26 )
> 三歩さん 甘辛せんべい、甘いのと辛いのどちらが好きですか。おいらはどちらも好きで、どちらも嫌いです。 / 夢楽堂 ( 2000-12-05 16:24 )
す、す、すごい!突っ込みが入れられるなんて!感動です。関西人の私には、突っ込みが命です!! / きらきら ( 2000-12-05 12:42 )
遅くなりましたが、新装開店おめでとうございます。絵も入れられるんですかぁ。う〜む、うちんとこも検討中です / きりり ( 2000-12-05 10:05 )
アラメのザラメはカラメもおいしい。←意味なしっす。 / 小黒三歩 ( 2000-12-05 09:42 )
どんな場合も突っ込みを入れる、これが夢楽道なり!! / 夢楽堂 ( 2000-12-05 08:16 )
詩人モードの夢楽堂さんには、つっこみいれちゃいけないんだよね? / 凡人RYAN ( 2000-12-05 07:02 )

2000-12-04 新装開店しました

おでんと塩辛の日々は近々に閉鎖します。
その理由は、ここは突っ込みあり、字数3,000字使用、
画像使用可というのにひかれたからです。
それと夢楽堂の掲示板は音・画像OKなのですが、
なぜかIEのバージョンが古くなるとカキコが出来ない。
それではつまらんもんね。
これでまた、MUFUFUだな。

先頭 表紙

kさんことkikiさん、やっと掲示番でお会いできました。ところがローガンさんはだめ。IE3.0では古すぎるのかな。 / 夢楽堂 ( 2000-12-04 16:24 )
>リャンさん まともなのもなかなか怖いものがあります。 / 夢楽堂 ( 2000-12-04 16:22 )
>okkaさん あれれ、ここの利用を考えていたのですね。これだと一方通行にならないからいいね。なんだかキモサベみたいだ。 / 夢楽堂 ( 2000-12-04 16:20 )
>システム管理者1号様、まだ、まだ初日ですが居心地は良さそうです。自宅からこたつなんぞ持参してもよいでしょうか? / 夢楽堂 ( 2000-12-04 16:15 )
いらっしゃいませ、夢楽堂様。システム管理者です。どうぞよろしくお願いします。 / システム管理者1号 ( 2000-12-04 13:15 )
夢楽堂さんのあったかーいお心に感動のつっこみを!ウルウル。「おめでとうございます。」の言葉に替えて感謝を。 ローガンさんは大丈夫でしょうか? / kさんことkiki ( 2000-12-04 12:08 )
おめでとうござい!まともなコメントでつっこみじゃなくてごめんなさい。 / りゃん ( 2000-12-04 11:23 )
早速のお引越しおめでとうございます。私もここにも何か・・・って構想をあたためること半年・・。いまだ決意せずです。ネコの写真はあちらに? / okka ( 2000-12-04 10:26 )
おいおい三日坊主になるなよ / 夢楽堂 ( 2000-12-04 10:23 )

2000-11-23 猫と鰹節(老職人異聞@)

僕の大好きな老職人から聞いた話だ。
 日本人がまだ、やっと飯を食うことができるようになった時の話である。
 ぼくたちの生活水準は終戦と比べるとかなり良くはなったが、猫たちは時代が変わっても人間の生活に翻弄されている。
春は猫にとって恋の季節だ。騒々しい恋愛遊戯の果てに、数ヵ月も経つと、新たな命がこの世に出てくる。
 困るのが人間さまで、一昔前にはあちらこちらで「子猫差し上げます」といった張り紙が、あちこちに登場してくる。大概の場合、子猫を欲しがるのは子供で、飼い主も気軽に猫を預ける。でも、多くの場合、親の「どこからもらってきたの、返してらっしゃい」の一言で戻ってくることが多い。その点、大人が「子猫をください」というのは大助かりで、まさにもらっていただくという気持ちに飼い主にさせる。
  ただし、他人様に子猫をもらっていただくには、それなりの作法があった。それは養育費代わりにかつおぶしを2本、「里親」に持たせる習慣だ。終戦直後なんて、モノが不足している時代、かつおぶしなんか満足に使わなかった時代だ。そんな時のかつおぶし2本は高価だが、育てていただく里親に対する礼儀、飼い主としてのけじめでもあった。 時には、お大尽の家でも「子猫差し上げます」という張り紙が出ていて、そこではそれなりのお金を里親にさし上げていたという。
 老職人の同僚は、恋愛遊戯のない決算期になると、「子猫あげます」の張り紙を求めて、街中のありとあらゆる場所を自転車で散策した。その理由は、明な皆さんなら既に答えが出ているはずだ。同僚の狙いはかつおぶしと謝礼、いかにも猫好きの風を装い、飼い主からせしめた子猫を懐にいれて、ニコニコしながら再び自転車にまたがったという。
 もと同僚がニコニコしたのは、かつおぶしが乾物屋で換金できるため。「子猫あげます」という張り紙が多いほど、懐は温かくなったのだ。子猫は所詮、かつおぶしの餌。もらった子猫は、元の飼い主から少し離れた公園とか、橋のたもとに置き去りにしたらしい。
 元同僚は「三味線の皮になるよりはいいだろう。割のいい季節仕事さ」とうそぶいていたという。 貧しい時代の生きる知恵が「猫とかつおぶし」だが、すぐに捨てられた多くの子猫たちはどのような境遇を送ったのだろうか。案外、自分も自分の子も決して捨てられることのない環境で、猫らしい生活を送っているかも知れない。

先頭 表紙

2000-10-20 清く正しいフェチ道(新聞探訪@)

さてさて、夢楽堂は職業柄全国紙と業界紙に毎日目を通すが、大好きなのはベタ記事というやつ。せいぜい10数行くらいしか書いていないのだが、それが世相を現しているというか、何かを考えさせてくれるというか、とにかくボクの感情を刺激してくれるのだ。
 さてさて、前置きはこれくらい。19日の日経朝刊のネタだ。

 見出しは忘れたから、ボク流に書くと“ハイヒール路上強御用”というネタである。
 話しは簡単、
 馬鹿な男が若い女性に履いているハイヒールを脱がせて強奪しようとした事件だ。
 数ヶ月前に女子高校生から穿いているパンツを脱がせて御用になったタワケ者がいたが、今度はハイヒールである。
 思えば、少し度胸はいるが、
 今の世の中、女性のパンツだろうが
 SM位マニア垂涎のピンのハイヒールだろうが
 カネさえ出せば堂々と売ってくれる。
 度胸がないのなら
 マニア専門の店で買うことができる。
 
 しかし、それではフェチ心を満足することができないのだろう。
 軒先につるしてあるパンツやブラを盗み
 玄関先から靴をかっぱらう。
 これだと絶世のブス(?)や老婆が身につけていたかもしれない。 そう思ったのだろうか。
 直接、身につけている女性から強奪して
 フェチ心を満足させているんだろうが
 人を脅したり傷つけては
 清く正しいフェチ道に反することを進言したい。
 
 フェチ野郎、フェチ姉ちゃんが1000人いれば
 1000人のフェチ心があるんだろうけれど
 理解できなくて当たり前だし
 無理に理解せず
 この変態めとののしってあげましょう。
 理解してあげるなんて寛大な心をみせたら
 ガーター付きの女性用下着をつけた野郎どもが
 ハイヒールを掃いて街を闊歩する。
 これは美観を損ねるのは間違いないからね。

先頭 表紙

2000-09-20 うにうに第3種接近遭遇(塩辛始末記A)

Sのわがままな呼び出しに応じた理由は、もう一つあった。
 それは大好きなウニをたらふく食わせてくれるとSが約束したからだ。
 今でこそウニは大好物だが、実は28歳まで食べることができなかった。ウニのグジュグジュした感じと、あの独特の匂いが嫌だったのである。一生食うまいと思っていた。しかし、運命の日はきた。社会人になって、某社の社長に寿司をご馳走になって、その時に「ここのウニは最高だから…」と、勝手にウニを注文されてしまったのだ。
 相手は最高のウニといっている。しかも相手は得意先の社長だ。いまさら、ウニは食えません。一生食わないことにしている。そんなセリフが吐けるわけがない。ここは正念を据えて玉砕だ。一気にウニがたっぷり乗った軍艦を口のなかに放り込んだ。最高にうまかった。甘かった。ボクが20数年間抱きつづけてきたウニのイメージが吹っ飛んだ。某社長はボクのウニの食いっぷりを見て、何度も何度も注文してくれた。
 そんなことを思い出しながら、Sに催促をした。
 「烏賊も美味かったけどウニはどうした。早く食わせろ」
 そういうとSもすかさず悪態をつき始めた。
 「おめえ、昔はあんなウンコみてたいぇなものが食えるかと言ってたじゃねぇか。変われば変わるもんだよな」
 「うるせぇな、ごちゃごちゃ言わないで、20世紀最高のウンコとやらを食わせろ。ちょっと下痢気味な姿がいかしてるな」
 そのような汚い会話にあきれながら、Sの女房が提案をしてきた。
 「ねぇねぇ、どのウニがどこの産地か当てっこしない? これが北海道で、あれが三陸物、そして、これが三浦のやつね」
 色を見ればどこのウニか一目瞭然だった。北海道物は少し赤みがかかっていたし、三陸物は黄色が強く、三浦物は少し黒味がかっていた。これではつまらない。ボクは産地あてゲームに新たな提案をした。
 「目隠しをしないと、どこの産地が見え見えだな。どうだろう。目隠しをしたボクとSにA子さんがア〜ンしてくれるというのは」
 ボクの提案にSは更に付け加えた。
 「バ〜カ、勝負するからには何か賭けないとな。どうだ、好きなCD1枚ということで?」
 無論、ボクは依存なかった。
 9月13日、午後10時30分、20世紀最後の大勝負が始ろうとしていた。
 窓から月はもう見えなくなっていた。
 (続く)

先頭 表紙

2000-09-20 ハンディキャップで思うこと

ボクの仲間に手話通訳士がいる。もう25年来の付合いで、かなり気心も知れている。
 彼女は、自分が住んでいる街で一般市民の人たちに手話講習のボランティアをしているが、一昨年からスチュワーデスやホテルマンを育成する専門学校、更に大学でも一般教養としての手話を教えるようになった。時には、保険の契約、婚姻書類の提出、離婚裁判、スキースクールなどに、付き添いで出向いたりもする。聾唖者と彼女のホットラインはファックスかメールだが、これに目を通して、返事を書いていると眠りに就くのは明け方になってしまう。多分、彼女のようなハンディキャッパーを支援する人たちはたくさんいるんだろう。でも、悲しいことに、数少ない善意の人たちに随分と負担がかかっていることをボクたちはほとんど知らない。
 誰でも歳をとると、視力や聴力が弱くなる。中には目が見えなくなったり、耳が聴こえなくなってしまったりする人もいる。また、ある日突然、朝までピンピンしていた人が事故や病気で、その日のうちに手足を失ったり、視力や聴力を失うこともある。ハンディキャッパーになる確率は、ボクたちが思っているより、ずっとずっと高いのだ。そのようにみると、ハンディキャッパーに対する援護体制だけでなく、ハンディキャッパーを支える善意の人たちを勇気づける強力なシステムが必要なのだと思う。
 「バリアフリー」、「ハンディキャッパー支援」、サービス業や公共団体で最近よく聞かれる「単語」だ。段差をなくす、車椅子を用意する、エレベーター内の低い場所にも昇降ボタンをつける、エレベーター内の側壁に鏡をつける、手話のできる人を雇用する、トイレを洋式にする、点字ブロックをつける…、いろいろなことが試みられている。なかにはハンディキャッパーにも優しい設備であることを強調するホテルなども出てきた。良いことだと思う。でも、多くの場合は形だけなのだ。
 たとえば、エレベーター内の低い場所に昇降ボタンをつけても点字ボタンがついていないとか、鏡をつけても後だけ、段差がないのは建物の出入り口だけで中は段差だらけ…という具合で、どこか間の抜けたものになっている。なぜ、そうなるか。これは、設計、建築の段階で、実際にその設備を利用するハンディキャッパーを参画させていないからだ。この件に関しては、まだまだ言いたいことがある。続きは後日ということで…。

先頭 表紙

2000-09-19 溜息攻撃にうんざり(シロクマ紀行異聞B)

◇一人旅の場合、ゴールデン・ウィーク、お盆休み、年末年始など明らかに混雑する時期を除いては、断然、自由席を選択すべし…という思いを強くした。また、九州なら、飛行機を上手に利用という手があることも知った。鹿児島から博多まで特急つばめで約4時間、飛行機は鹿児島空港まで40分ほどかかるがリムジンで空港まで1時間、飛行機だと福岡まで2時間しかかからない。肝心の運賃は割引チケットを求めれば飛行機の方が安いくらいだ。九州を旅する時は、博多を基点にすれば、宮崎、鹿児島くらいなら日帰り旅行が楽しめる。
◇列車は車窓からの風景を楽しめるし、気軽に飲食できる良さがある。ご当地のつまみを片手に缶ビールなんて芸当もできるだろう。しかし、長時間座っているのはしんどいし、まして、隣に座って欲しくない輩が座ったりした場合は最悪だ。
◇自由席が空いていると知りながら、指定席を取ったのが不幸の始まりだった。座席番号は忘れもしない17−C、通路側までは良かったが、ドアのまん前、次の車両がビュッフェということもあって、ひっきりなしにドアが開いたり閉まったり、時には女性がかついだバッグが顔をかすめていく。これも、「まあ、ついてねぇや」で済ますことができた。
◇しかし、問題は隣の座席の若者だった。この若者はつばめが発車するぎりぎりの時間に飛び込んできた。荷物をたくさん抱え、汗だくだく、傘を片手に持ちながら、荷物を棚に押し込む。傘がボクの目の前を往復する。危ないから傘を取り上げて、若者の座席に無理やり置いた。不幸はボクだけでなく若者にも降りかかった。推定体重150キロの若者は席に座るのが大仕事だったのだ。座るというより席にはまっている姿は、外野から見れば滑稽かも知れないが、本人はどんなにしんどかったことか。汗を噴き出しながら溜息が始まった。誰のせいでもない、自由席を選択すれば一人で二人分の座席を確保できただろうに、これほど狭い席に押し込められようとは…。そんな思いが溜息になって表れたのだと思う。
◇確かに可哀相だし、同情もする。しかし、実は余所様の溜息が塩辛並に大嫌いなのである。子供の頃から溜息をつくと、他人の気持ちまで暗くさせるとの理由で親父から殴られた。このせいではなかろうが溜息は大嫌いなのだ。実は、この溜息は博多まで延々4時間も続いた。あと1時間、溜息攻撃にあっていたら、まじ切れしていたかもしれない。

先頭 表紙


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