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夢樂堂月彦の『元祖 図鑑・即熱、玩具匣』

やっぱり、ひとりよりふたりだよね。

次の満月は9月8日、新月は9月22日です。
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2000-08-09 それでも好きだぜ北海道


2000-08-09 それでも好きだぜ北海道

●8月21日から北海道へ行くことになった。十勝平野に中心地、中島みゆき教のメッカ・帯広から上川、富良野、そして石狩に抜ける5泊6日のコース、50人乗りの大型バスに随行17人、観光地へ向けて走っていく『赤い風船』などの観光バスを尻目にひたすら畑を回る。参加するメンバーには『観光が楽しめる。カニが食える。酒も飲める、温泉にも入れる!』てな、おいしいことをシャーシャーといってのけるが、観光は単なる移動のついでなのである。かわいそうに、バスのなかではボクの駄洒落つきのレクチャーが待っているのだ。いい忘れた。ボクたちの目的は、北海道の畑に実際に入って、その年の農作物の作柄を判断するものだ。ボクの主な仕事は、他のメンバーが畑のなかに入って実測をしている最中に、農家や農協の人たちを取材し、最終的には実測の値をベースにして、その年の作物事情をレポートするのが仕事になる。それ以外に自分の会社用の原稿を起こさなければならない。従って、3時間も眠れば良いほうだ。
●取材といえば聞こえがよい。しかし、実際のところは体力仕事なのだ。まず、農家から畑に入っていいかどうかの許可を得なければならないのだが、北海道は畑と農家の距離がかなり離れていることが少なくない。てなわけで、長い距離を必然的に走らなければならない。いや、走るだけなら、少しはラクチンかも知れない。肝心なのは息切れをしないで、農家のもとへ足を運ばなくてはならないことである。汗だらだら、息ぜいぜいでは農家から話はとれない。取材なんて受けたことのない農家の人たちの緊張を高めてしまう。とにかく気を使う仕事で心身ともにくたくたになる。
●だったら、北海道なんか行かなければいいじゃないか! そう思う人は少なくないはずだ。でも、毎年、同じ時期に北海道の畑を見ていると、行くたびに農作物が違う顔を見せていることに気がつく。自分がいつの間にか農産物と対話していることに気がつく。農家が丹精な仕事をすれば、それだけ立派な作物が生まれることもよく分かった。1年に1回だけしか会わないのに歓待してくれる人もいる。ボクが取材にくるのを待っている農家もいる。体はあんなにきついのに北海道にやっぱり行きたい。壮大な畑が、農家がどんな顔をしてボクを待っているか、何だか楽しみになってきた。

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