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読書日乗/閑人編

茨城県民の読書日乗
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2003-10-17 「豪雨の前兆」関川夏央 文芸春秋
2003-10-04 「石ころだって役に立つ」関川夏央 集英社
2003-10-03 すこぶる体調が悪い
2003-10-01 六本木
2003-09-14 「YMOコンプレックス」円堂都司昭 平凡社
2003-09-13 「ウルトラマン創世期」桜井浩子 小学館
2003-09-08 『「世界」とはいやなものである』関川夏央 NHK出版
2003-08-30 雑草
2003-08-28 「ブルーホール」星野之宣 講談社漫画文庫
2003-08-25 「日本の怪獣・幻獣を探せ!」宇留島進 広済堂文庫


2003-10-17 「豪雨の前兆」関川夏央 文芸春秋

ここのところ、関川ばかり読んでいる。
とはいっても忙しくて、本を読む時間がほとんどない。
通勤でも座席についたら、すぐに寝てしまう。
本を読むのは乗車時間が短い地下鉄のなかぐらいだ。
このエッセイは著者の幼い頃の汽車の思い出や松本清張の時刻表推理小説の話やらが続く「操車場から響く音」といった昭和の話。
あるいは夏目漱石の大病を扱った「豪雨の前兆」といった明治の話。
「須賀敦子の、意志的なあの靴音」や「東京旅行」といった著者の交友関係の話。
また「大久保利通の「発見」」や「焼いた塩鮭の皮」といった歴史の遠景を手繰る話など。
どれも大人になりきれない中年が読むには興味深いものが多い。

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2003-10-04 「石ころだって役に立つ」関川夏央 集英社

サブタイトルは「「本」と「物語」に関する記憶の「物語」」である。
本というものに対する哀愁と時代に忘れられた知識という特権的な意識に対する嘆き、あるいは父親と昔日の恋人に捧げられた物語といった文章が詰まった小さな本である。
私はこういったエッセイなのか私小説なのかよくわからない、著者本人の立像が思い浮かべられるような本がすごく好きだ。
「私は嘘つきだが誠実な人間だ」
この本はこうした言葉で締めくくられている。
私もそうありたいと、日々思う。

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2003-10-03 すこぶる体調が悪い

風邪と火急な仕事と試験勉強と飲み会が重なっているためだ。
もほや試験勉強は諦めているいるが、仕事をやめるわけにはいかない。
飲み会に誘われることも多くなった。
仕事がうまくいっているセイである。
もちろん、悪い気はしない。
でも、嫌なのである。
関川夏央は、「たんに私は目立ちたくなかったのである。
いまも私は小さくなって懐手して暮らしたいと思っているのだが、それでは経済が成り立たない」
と「石ころだって役に立つ」という本で告白している。
まさにそんな心境なのである。
田舎で小さくなって、晴耕雨読したいのである。
でも私には田舎も畑もない。だから働くのである。
しかたないのである。
しかし関川夏央はこう続ける。
「小さくなって懐手していてもじきに退屈しそうで、それがこわいからいまここでこうしている。」
退屈なんかしないぞ。

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2003-10-01 六本木

仕事で六本木へ行く。
会社の同僚に打合せで六本木に行くといっても笑いながら、どこへ飲みにいくのか、と聞かれる。
そういう街なのである。
早めに着いてコーヒーショップに入ると、怪しげな外国人が多い。
流暢な日本語で日本人の若者になにやら売りつけているフランス人が隣席にいる。
仕事でも時々、外国人と商談をすることもある。
そんな時に浮かんでくるのが、関川夏央の言葉だ。
「得体の知れない人々と競合共存しなければ生きられないのだという不安」
にかられることが、最近多くなった。

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2003-09-14 「YMOコンプレックス」円堂都司昭 平凡社

YMOについて書かれたエッセイ集だが、どうも視点が定まらないところが仇になって
、面白さがいまひとつ。

今日は教会に行った後、暑いのでショッピングセンターに避難。
お昼を食べ、買い物をして家に帰る。
なにもないふつうの日曜日のすごし方である。
夜は涼しくなり、ビールがおいしいのであった。

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2003-09-13 「ウルトラマン創世期」桜井浩子 小学館

ウルトラマンの科特隊にいた女性隊員が書いたウルトラマン撮影時の思い出書きのよう
な本だ。思ったほど面白くないもので、楽しめたのは毒蝮三太夫らが出席した座談会の
模様ぐらいか。この毒蝮という人は芸能界でも不思議な存在ですね。

今日は家族で遠出する予定だったが、昨夜酔っパライであった私の不覚のために中止。
図書館に行き、ショッピングセンターに行くだけという、普通の一日で終わってしまっ
た。反省。

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2003-09-08 『「世界」とはいやなものである』関川夏央 NHK出版

サブタイトルに「極東発、世紀をまたぐ視線」とある。

「大正に軍を軽蔑して、昭和に日本は軍に滅ぼされた。昭和戦後に政治をばかにして、
平成に政治の貧困のために日本が滅びるのは天の報いだが、政治を軽んじても船が航行
し得た時代はバブル経済直前にすでに終焉していたことだけは、よくよく知っておく必
要がある。」
そんな本だ。

私たちの社会はあきらかに煮つまっていることを、堂々としかも近代から現代に渡る東
洋の歴史を総局に把握しながら、相対的に語り継ぐ文章の数々は最近の政治を語る不毛
な言葉たちを補って余りあるものだと思う。

「それにしても世界とはつくづくいやなところである。あのハイテクのかたまりのよう
な旅客機がカッターナイフでハイジャックされ、それが七千人の死につながったとは、
虚を衝かれすぎて言葉もない。歴史とは結局進歩しないのである。」
ほんとに、その通りであると思う。

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2003-08-30 雑草

土曜日の朝はけだるかった。
昨夜、友人たちと酒を飲んだせいである。それ自体は楽しかったのだが、体が根をあげ
ているのだった。
今週は火曜日に仕事の打ち上げで不用意に飲んでしまっているので、週二回の外酒なの
が原因だ。
四十歳を越えた体には週二回の外酒はきついということなのだが、世の中にはそんなこ
とにはなんの障害にもならない人もいる。
別にうらやましい訳ではないが、午前中を居間でふせって終わる休日は情けない、と自
分に言いたいだけのことである。
午後はかみさんが作ってくれたミソラーメンで復調し、少しばかり遠目の公園に子供と
もども出かける。
すでに秋風と言えるような空気の中で、人工の山に登り、花火をくずが残るその辺を散
歩するのは、まあまあ気持ちがいいことだ。
子供たちはミミズの死骸を見つけて喜んだり、シオカラトンボを追いかけたりしている

人工的ではあれ、雑草が繁る自然で過ごすのは、精神的にも良いことだ。

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2003-08-28 「ブルーホール」星野之宣 講談社漫画文庫

マンガを読むのは久しぶりだ。
これはむちゃくちゃなSFで、現代と中世代白亜期が繋がっているミステリーホールが
見つかり、恐竜が生息している世界に迷い込んだ人間が巻き起こす、ジュラシックパー
クみたいな話だ。
それでも強引に読ませてしまうのはこのマンガ家の実力で、一気に読んで寝不足になっ
てしまいました。

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2003-08-25 「日本の怪獣・幻獣を探せ!」宇留島進 広済堂文庫

実にくだらない本なのである。
知る人ぞ知るヒバゴンとかヤマゴンとかクイゴンといった獣人とか、イッシーとかクッ
シーとかトッシーとかモッシーといった怪竜とか、ツチノコやカッパのとの遭遇事件を
集めたものである。
ウルトラQ世代はこういう本に抵抗力がないのである。

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