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み・ぽぽぽぽぽ

ときどきおもったことをかいています

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2006-10-11 うおおおおお
2006-10-11 政治家とマスメディアー
2006-10-09 運命の人だって。
2006-10-08 今日の父との会話
2006-10-07 あー!仏像展だー
2006-10-07 フェミニズムとかその2
2006-10-07 フェミニズムとかその1
2006-10-06 今日思いついた留学生へのアドバイス
2006-10-06 ウェブの中の利権。
2006-10-05 地下の音色


2006-10-11 うおおおおお

ここで本音いっていいですか。


このごろ前の彼氏だったK君を思い出しては遠い目になることが多いです。
今も、彼の彼女でいれなくなった直後によく聞いていたaikoの
「キラキラ」とか言う曲をきいたら、

う、うおおおおおー(遠い目)

と思ってしまいました。

キラキラって、なんか、とってもすきーな男の子をピュア〜に待ち続けてる
女の子のピュア〜な曲なんですけど、あのaikoのからっとした声がねー、
ピュア度に拍車かけててスーパーピュアなんですよ・・・。(いみわからない)


失恋した直後なんて、

「もー、K君のこと、待つことなんてできないんだ〜うわ〜ん」

とかコレ聞きながら涙してましたが・・・。



ここにきてからよくK君のことを思い出します。

私が今いってる大学には、K君の第一志望だったビジネススクールがあります。
彼は、残念ながら入ることが出来なかったけど、
私がここに留学することが決まったときに連絡したら、
素直におめでとう、と言ってくれました。

I am so proud of you

とか、付き合ってるときによく言ってくれた言葉を・・・うおおー涙
私がここで勉強してるっていうのは、彼がいなかったら絶対出来なかったことです。
大学でも留学することをすすめてくれたのは彼だし、英語を習おうと思ったのも、
彼とは英語でしか会話できなかったからです。

時々、キャンパスを歩いていると、ここに行きたかった彼の代わりに
私がこのキャンパスで勉強しているのかな、という気持ちになります。
自意識過剰だけど、そう思うのです・・・。



はあ。そうか、遠く離れていても忘れられない人、というのは
こういう人のことを言うのだな!

もう、恋愛感情とかはさらーと流されてしまったけれども、思い出の中では
私はやはり彼のことが好きなままです。
それは時々今でも私を遠い目ーにさせるのです。


NYCにいるとK君のことをよく思い出します。
そのたびに、私はすげーいい彼氏をもっていたものだと実感します。

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2006-10-11 政治家とマスメディアー

アメリカでは中間選挙が近づいている。いや、ココに来て初めて気付いたんだけど、選挙のCMがすごい!もー、各候補者がCMしまくるしまくる。

とあるウェブログに載ってたんだけど(出所わすれた・・・)とある州では、とある候補者が、ごみ箱をのぞいて、「うーん・・・なにかにおうぞ・・・これは○○(対立候補者)のにおいに違いない!」と、対立候補者をけなすようなMCを流しているらしい。その対立候補者も同じように他の候補者をけなすCMをながしているんだから・・・

なんというか、政策を強調せんかい、と突っ込みたくなるけれども、マスメディアによりコントロールされる選挙キャンペーンなんてこんなもんだだと思う。マス向けのメッセージはことごとく単純化され、インパクトだけが強調される。

メディアをコントロールできる力を持つものが生き残るアメリカ政治の世界。衆愚政治じゃないの?とかいう話はよく聞くし、私もその通りだとおもう。でも、よく言えばアメリカの政治家はマスメディアの力や特性をよく理解してるんじゃないか。

政治家は常に大衆のために存在しなければいけない。大衆にメッセージを伝えるには、マスメディアが一番手っ取り早い。日本の政治も、小泉政権からマスメディアを利用したキャンペーンをよく見かけるようになったけど、個々の政治家はどうもマスメディアを上手く使いきれていないような気がする。

日本の政治家ってマス向けのメッセージを難解にしたがる傾向があると思う。「私は政治家としてこれだけの知識があるんですよ」というような。例えば、ニュースのコメンテーターとして政策を説明する政治家をよく見かけるけど、実際専門的すぎて理解できないときが多い。金融政策で量的緩和がなんたらこうたら。難しい公式とかだされると流石にうんざりする。

大衆が理解できないメッセージをマスメディア使って垂れ流してどうするんだろう・・・。「これだけ知識があれば有権者も信用するだろう」なんて思ってるんだろうけど、人というものは理解できないものを遠ざけようとする特性があるんですがー・・・と言いたくなる。せっかくマスメディアを利用するなら、大衆が理解できるようにかみくだかんかい。

私は官僚というか、専門知識を持つ行政がちゃんと機能する分には政治家はマスメディア使って単純志向になってしまってもいいと思う。アメリカじゃー、ごみ箱のぞいて対立候補の臭いをかぎ当ててしまうようなアホっぽい政治家でも、何人もの専門知識を持つブレーンをかかえている。そのようなシンクタンクは難解な経済方程式を駆使して、政治家はマスメディアにのって自分の存在と政策をキャッチーにアピールしている。大衆のための仕事をしている政治家は大衆のためのマスメディアを使って大衆のためのメッセージを流し続けている。

マスメディアにのせるメッセージがことごとく空振りな日本の政治家は、マスメディアにのせるべきメッセージをはきちがえている。でももしかしたら、そんな政治家も将来少なくなるかもしれない。やっぱり去年の総選挙は小泉さんのインパクトがマスメディアによって強調されてあっぱれだったからなあ。マスメディアを上手く利用する政治家がもっとでてもおかしくない気がする〜。

ついでに、ここの大学では、政治学部にきっかりと「politics and mass media」なんて授業があります。

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2006-10-09 運命の人だって。

昨日はスティーブンとインド料理やさんに行った。

I believe in the one,really.

運命の人が本当にいるなら、


彼は、the one がいることを信じている。彼にとって、唯一無人の相手である、運命の人。

I also do believe in the one.

こう言ってしまってから違和感を感じた。
the one, 会うべくして出会い、どんな境遇でもお互いを強く求め合う、いかにもドラマみたいな運命の相手との物語を、私は信じているのだろうか。

そういう物語は実際に存在する。世の中恋愛の悪い側面が取り沙汰されるけれども、やはり奇跡のような愛の物語なんていったら陳腐だけれども、そういう物語はある。多分、そのような物語を作り上げるのは、運命の相手、とでしかできないような気がする。

でも、私自身に関しては、運命の相手という存在を信じているのだろうか、と言われると黙ってしまう。

スティーブンが聞く。

Do you think your current boyfriend is the one?

首を縦に振れなかった。

運命の人、と思えるような相手に出会えなくても幸せな結婚をして、幸せな生活をパートナーと送って生涯をすごす人だっているからね、と彼は笑った。

But I will keep hunting.

彼は,未来に現れるであろうthe one の夢を見たといっていた。夢の中で彼らはとても幸せで、満ち足りていて・・・。彼女は無意識のうちに自分を待っている気がする、だから探しているんだよ・・・。そういう彼を夢見がち、というのは簡単だけれども、ただ単純に、運命を共にする人を必死になって探しているだけなんだ。妥協なしに。

彼は多分、直感がthe oneを作り出すと信じている。すばらしい出会いを、夢にまで追いながら。

そこで思った、私は日常がthe oneを作り出すと信じているんだ。一日一日の積み重ねを経て、自分のパートナーはだんだん運命の人になってゆくのではないかと。劇的なケミストリーみたいなものは相手に求めないけれども、長い間を共に過ごすうちに結局はその人が運命の人となるのだろう。

私と彼は多分運命の人というものを信じている。違う文脈でだけど、運命の人というのはいるのだと信じている。

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2006-10-08 今日の父との会話

家族とはスカイプでコンタクトしてます。

父「はい石沢です」
私「どうも」
父「もしもし?」
私「私だけど」
父「ちょっとあんまりきこえないわー」
私「え?そう?」
父「シグナルが悪いな、あんたいったいどこにいるの」
私「アメリカ」
父「バカぬかせ」



ところで、
テストが近いのでレッドブル(ここでいうリポDとかいうやつですか?)を買いだめして冷蔵庫に入れたら、ルームメイトふたりが真剣に心配していたらしい。
どういう生活おくってるんだ?とか言われてしまいました。アメリカ人なのにレッドブル飲んだことがないんかいお前ら!飲んでコークぐらいかなあ〜とか涼しい顔されて、あ、そこはアメリカだなあ、と納得してしまいました。

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2006-10-07 あー!仏像展だー

国立博物館で仏像展やってるー!!!!しかも12月の上旬まで、って・・・行けないじゃん!いいなーいいなーいいなーいきたいなー。やっぱ仏像っていいよね。仏像。こっちにも仏像関係の本(ビジュアルブック)三冊もってきちゃったよ、、、。しばらくはメトロポリタンにある仏像で我慢します(そこにはタダで入れちゃうもんね)


ところで恥ずかしいこと。

シャツを裏表反対にきて授業にでて、家に帰ってきてやっと気付いた(二回)
メトロポリタンミュージアムの入場バッジをつけたまま授業にでてた(一回)


ところで感動したこと。

アニメクラブの連中と一緒にワンピースの映画をみて感動した。
大人がハマるのも分かるわあ!


ところで驚いたこと。

この学校にはSMのスチューデントクラブがある!
ちょっとのぞいてみたい!


ところで便利なこと。

グーグルカレンダーを彼氏と共有。
エンキョリレアンアイにはいいかもしれない。


ところでマイブームなこと。

中華料理屋さんにいって、半分料理のこして
持ち帰って自宅でその料理をアレンジすること。
ぴりから豆腐炒め⇒ピリカラ野菜シチュー


ところで緊急なこと。

月曜日サイコロジーの中間・・・orz

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2006-10-07 フェミニズムとかその2

しかも日本のフェミニストというと社○党というダサいイメージがあるけれども、こっちではもう大衆的にフェミニズムがまかり通っているような雰囲気がある。「女性は(根拠はないけど)すばらしいのです」みたいに。もしもヒラリーが、本当の本当に大統領とかになっちゃったら、この勢いに拍車がかかるのは目に見えてる。

アメリカ大好きな日本もやがてこんな風潮にのってくるんだろうなあ。というか絶対のってくるだろう。多分性差を作るような社会的構造が改善されるよりも、女性の中の意識がかわってくるほうが絶対早いし、実際そうなるような気がする。

そのためにはまずは社○党の福島○ずほが「女性の権利を!」とか言っているような泥臭いフェミニストの雰囲気を一掃するのが一番の課題。篠原涼子あたりでも持ってきて、さっりげなーく「フェミニスト的社会で女性はより輝く」なニュアンスキャラにしてしまうとか。で、性差を拡大させている根源の一つのようなCanCamとかJJあたりで「モテる」から「選ぶ」へ的コピーでも作り上げて、にっこりわらったエビちゃんあたりの写真でもおいておけば、なんか案外いけてしまう気がする・・・(「女性」を堂々と祭り上げてるTSUBAKIも大ヒットだし素地はあるのでは〜)

そうすればいずれは日本でも「働く母親たちへ!」とかいうコピーのインスタント食品とかも現れるのかもしれないね。んでアメリカみたいにどのような購買層の女性雑誌にも女性は凄い!ともなれば男性より凄い!的特集が組まれるのが日常になるのだろうな・・・

・・・でも私は女性はすでに男性よりも比較的優位だと思います。より多くの選択肢が与えられているという意味では。

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2006-10-07 フェミニズムとかその1

料理をする時間がない!ということで、ここで時々お世話になるのが冷凍食品。アメリカでは、冷凍食品のバラエティがとても豊富らしく、一箱に、主食、副食がつまった「これであなたの一食は大丈夫!」的なものが多い。デリより安いし、おいしそうなので(大体写真から見る想像と実体はかけ離れてるけど)つい買い込んでしまう。しかも、アメリカは、オーガニックな冷凍食品が多いんですよ!キャー。健康とは思えない冷凍食品への罪悪感をぬぐってくれる神のような言葉、「オーガニック」w(実際インスタントとか冷凍食品とかスナックにとかいう健康という言葉からかけ離れている食品に限って「オーガニック」がパッケージで目立つようにぴたっと貼り付けられている)

どうでもいいけど、こっちで売られてる健康志向的インスタント食品のパッケージには必ずといっていいほど同じフレーズが載せられている。「料理をするには忙しすぎるワーキングマム達へ!」

こういう売り文句、日本では見かけない。働く母親へ、とか働く女性へ、といったもの。雑誌ではこのごろ「働く女性」特集をよくみかけるけど、彼女らをメインターゲットにしたマスプロダクツはまだまだ少ない気がする。彼女らをターゲットにしたサービス店は時々見かけるけど。それよりも何よりも、働く母親というカテゴリ!まじ新鮮。

働く母親をターゲットにさせた商品。日本ではやっと働く女性がマーケティングカテゴリとして認知されてきたかな感があるのに、働く母親なんてもー、まだまだ先だろう。でも、アメリカでは堂々と、調理に時間がかからない健康志向食品たちがワーキングマザーたちにラブコールを送っている。

それでここで気付くのが、アメリカの大きなフェミニストの潮流。働く女性をマーケティング対象として堂々と祭り上げるのは当然で、女性のともなれば性別的優位を大きくキャンペーンしているNGOがなぜかここでは存在感が大きい。ピンクリボンキャンペーンに一流企業が協賛して、国の中でムーブメントになっている感がある。街中にポスターは見かけるわ、募金は大々的に行われるわ、イベント大盛況だわ・・・。日本もなんかピンクリボンやってるみたいだけどどーも外れじゃない・・・?

上院選も近く、友人の間からは微妙に「初めての女性大統領になる・・・かもね?」とか言われているヒラリークリントンなんてもー今は女性の中の女性的扱いな勢いだし。こっちの学校でもジェンダー関係の授業は大講義室が埋まるほど盛況だ。

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2006-10-06 今日思いついた留学生へのアドバイス

1、日本で出来ることは後回しにする(日本語しゃべるとか日本料理やにいくとか)
2、日本にいるときよりも、スケジュールに対して敏感になるようにする(勉強する時間は絶対無くちゃやばいが、だからといって週末遊べないと倒れる)(特にNYCでは!)
3、ウツな気分の時の対処法を用意する(自分に絶望する頻度は真剣になればなるほど高いと思われる)
4、留学先の人から「○○語(ここでは英語)うまいね」と言われるのは「微妙」と同じ意味だと思え!そういわれたら言語の勉強しろ!(何回言われたことかorz)
5、とにかく、楽しめ!!!!!!!!



所で今日は、Japan societyのgeneral body meetingに出席。Japan societyなのに、純日本人は私しかいないという(2,3人(ここで育った)日本人がいるが)微妙なエセっぷり。undergradには、ほんとーに日本育ち(インターとかじゃなくて、ローカルな学校にずっと通ってる)の日本留学生はいないようだ。

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2006-10-06 ウェブの中の利権。

なんで英語圏のCMは結婚のからみになると強いんだ、ってことで
http://www.youtube.com/watch?v=HeAqzSfF6Cw&search=nokia

NZの銀行のCMでも、プロポーズ関係でいいもの作ってたなあ〜。やっぱ、結婚とかって多くの人が夢みるし、英語圏なんて多分よりドラマティックになる傾向があるしねー(というドラマにあたって冷静になれなかった人々が我に返って離婚して離婚率を上げるのか?)ていうかプロポーズ関係じゃなくても、ストーリー性があるCMってぜったいこっちのほうが強い気がする。


そういえばこういうCMはyoutubeではあんまーり消されないけど(そりゃそーかあ)、やっぱ音楽とかTV番組はそそくさと消されますね・・・。認知度を上げるという意味ではyoutubeはすごく役に立ってるのにね。

日本のアニメを翻訳してウェブ上で公開しているfansubというサイトがある。日本でアニメが公開された3時間後にはfansubに翻訳つきで置かれるような活発さと、膨大な量のアーカイブ。ここのユーザーのアニメへのロイヤリティといったら本当にはんぱない。サーバー代はユーザーからの寄付でちゃんとまかなえるし、アニメの雰囲気を壊さない忠実な翻訳、しかも、ウェブ上にあるアニメがアメリカでライセンスされて、DVDとかテレビとかで見れるようになったら、そのアニメはfansub上から消されてしまう。

うちの学校のアニメクラブの連中らとfansubについてこのまえ話したんだけど、「私たちはfansubを使ってアニメ業界を脅かしたいんじゃなくて、fansubでアニメ業界をサポートしたいだけなんだよね」というこのすばらしい心構え。

実際、fansubのおかげでアメリカ中の人々がアニメにはまり、ライセンスしたと同時にDVDを購入してバカ売れになり、業界に貢献してる。日本のアニメ業界でfansubに警告を出したのは一社だけだ。(バカなメディア○ークスめ)それ以外は、実際fansubの活動について何も言わない。そういえば日本の同人誌活動にも何もいわない。実際、このような活動が業界の活性化につながるとわかっている人たちなのかもしれない。そのような音楽業界とかテレビとかの利権業界とは違う態度にアニメファンは好意を抱き、「業界サポートするよ〜」という構えを見せてるんだろうな。そういうロイヤルなアニメファンたちは、次々とファンを増殖させてくれる。

実際、なんだっけ、コピーできないCDが出たときの音楽ファンの反感といったらとんでもなかったわけだし。音楽ファンの中で、「業界をサポートするよ」なんて人たちっているのかな?

と、いうわけで、インターネットの向こう側にいるユーザーに、どのように対処するかじゃなくて、どのように業界をアダプトさせていくか、というのが音楽とかTV業界の課題なのだろう。そりゃ今までのコンテンツ産業の売り方じゃ、インターネットの向こう側にある潜在的な金儲けのチャンスは生かされてない。それどころかこの売り方に固執して、P2Pを見張ったりyoutubeみはったり、ネットユーザーに敵対してご苦労様なこった。

アメリカはどっかのブロードキャスト系の企業がyoutubeと提携したよね?ついでに、okgoとかいうシカゴのバンドが、(フル)PVをyoutubeに自らのっけて、アメリカはおろか世界中で注目あつめたっけ。

世界に広報しなくても、ウェブを使えばより簡単に世界中からの注目が集められる。それが簡単にできるサイトが次々と生まれてる。こんなご時世のなか、やっぱりウェブユーザーに敵対するのは賢くないよね。

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2006-10-05 地下の音色

勉強に追われていると余裕が無くなる、のでスタディブレイクと称して友人とチャイナタウンに出向いて夕食を。

帰りの地下鉄の乗り換え駅であるタイムズスクエアに着いた。

ホームにチェロの音色が響いている。友人とその音の近くに寄った。アジア人の、微妙にヨーヨー・マに似ている風貌の男性が弦を震わせている。

彼、いい音だすね

そうやって弦の上で音を作り出している指を見つめていると、電車がホームに到着した。ここの電車の振動は暗いホームを騒音で包む。

チェロの音が聞こえなくなった。私たちは電車に乗り込む。

フと、ドアがしまりかける瞬間、彼の方をみた。電車の音はまだ低く響き続けている。チェロの音色がかき消され、誰もが耳をふさいでしまう中、彼は演奏をやめず、弦を見つめ続けている。

電車の騒音では作りえない、地下からの鼓動。それはNYCに明日を提供する。絶え間なく、時々トンネルからの騒音にかき消されながらも響く音。それはわざわざ騒音の元が近づいてくるホームから作り出される。それでも地の底から美しい音色はとめどなく流れ続け、やがてこの都市は朝を迎える。

このような都市で、街を作り出す鼓動が直接聞こえるようなこの都市で、勉強に追われて何も感じなくなったらおしまいだと、ホームから離れ、窓に映る暗闇を見ながら思う。あの音色はNYCに住む私にも明日を与えてくれた。

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