17日の昨日は誕生日だった。
アメリカ人のマスマティシャンな女の子、イスラエル人の博士課程な人、ドイツ人のスタティスティクスな人(初めて会った)、中国人のこれまたスタティスティクスな人(これまた初めて会った)、と、なんともまあ国際色あふれる雰囲気の中で夕食を頂いた。中東のファストフードだって。
実は、マスマティシャンしか私が今日誕生日だということを知らなかった。(ていうか言いふらさなかった)で、それを知った博士は目を丸くして言った。「なんで言わなかったの!来週は絶対にいいとこつれてってあげるから、ていうかその前にバースデーケーキを買おう」
ということで、一路小さなカップケーキやさんへ。アメリカっぽく、甘ったるそうで、人工着色が入っていそうなカップケーキは二つで2ドル。マスマティシャンが、お店のお姉さんに、「キャンドルもつけて!」と頼んでくれる。
博士が気付いた。「皆、タバコなんて吸わないよね・・・」一同首を横に振る。「ちょっと火かりてくる」博士が店を飛び出して、30秒後にライター片手に戻ってきた。「買ったの?」ちょっとたまげた。「ああ、タバコを吸いはじめてもいい年頃かなって思ってたんだよ」「だって、ちょっとクールじゃない?」みんな笑う。「ついでに、よくベンチとかで隣に座ってる女の人とかから、タバコの火を貸してくれって頼まれるんだけど、しりたいじゃないか、もしも持ってたらその先がどうなるかって」みんな笑った。
「ライターの火から始まる恋だってある!」みんな笑った。
公園に移った。チェス台の上でカップケーキにキャンドルをさそうということで、博士が近くにいた怖い目つきの男に声をかけた。「すいません、あのチェス台あいてますか?」
男は酔っていた。ものすごく侮辱的な言葉を吐いて男は博士を押し倒した。私とマスマティシャンは博士に駆け寄る。「my gosh,,,,excuse us!」周りに見られながら私たちは立ち去る。
「多分あの男はカラテができるにちがいないよ、だって押し倒し方がとても効率的だった」博士は笑いながら言った。全く気にしていないかのように。でも博士が「私の誕生日」に気を使って明るく振舞ってくれていたのが分かった。
小さなカップケーキに火のついたキャンドルをさしてくれた。公園のはじで、みんなが静かにハッピーバースデーと歌ってくれる。こんなに静かにバースデーソングをうたってもらったのは初めてだった。キャンドルの火がとても小さくて、こんな静かなバースデーソングにさえもゆらっと揺れた。
火を吹き消すと、「どんな願いごとをしたの」と博士が聞いてきた。火を消すとき、願い事をするのがこっちの慣習なのだろうか。「幸せになるように、かなあ」そんな願いが頭に浮かんだ。「いいね、こういう願いは一度してしまえばずっと死ぬまで続くから」
別れ際にマスマティシャンはハッピーバースデーと言いながらぎゅーっとハグしてくれた。いつも彼女と別れるときにするように。なんて日常に組み込まれた誕生日なんだろう。ただ、そんな一個一ドルのカップケーキと一本のキャンドル、皆が静かに歌ってくれたバースデーソングという、ちょっとどっかを歩いていれば見つかりそうな日常をこんな素敵な友人達と作り上げられたことがとても嬉しい。 |