2001-11-13 再びスペイン報告９「バルセロナ交通事情」
2001-11-10 再びスペイン報告８「悪夢再び」
2001-10-26 再びスペイン報告７「興奮気味のひげオヤジ」
2001-10-20 再びスペイン報告6「困った君」
2001-10-12 再びスペイン報告５「妖気漂う・・・」（バルセロナ・ゴシック地区）
2001-10-07 再びスペイン報告４「こぼさないで！」
2001-09-30 再びスペイン報告３「ゴシック地区の人櫓」
2001-09-22 ふたたびスペイン報告２「アコルーニャ恐怖の夜」
2001-09-16 再びスペイン報告１「お待たせしました」
2001-09-08 出張準備　(本のタイトルもアップしました）

今回はバルセロナの交通事情についてお話したい。
「え？画像と本文が違うじゃないか！」
という方もいらっしゃるであろうが、それではあなた、お歳暮に貰う日本酒の包み紙の絵が必ず一升瓶でなければいけないのか？え？
恋愛小説の表紙は必ずニイチャンとネエチャンがいちゃいちゃしている絵柄でないとまずいのか？はぁん？
うどんのパッケージに白ミミズの絵が描いてあったら・・・・これはまずい・・かなりまずいかも知れない。
カレーのパッケージに・・・・

すみません。取り乱してしまいました。

バルセロナの交通事情はかなり悪い。しかしバルセロナの住人はいう。ポルトガルはもっとひどいと。経験上それよりももっと滅茶苦茶なのがイスタンブールで、聞いた話によるとさらに危険なのがバンコックらしい。
ほかの国の交通事情は別の機会にお話するとして、毎日特に朝夕バルセロナは混雑がひどい。その上運転が雑である。実際私はほとんど毎日のように交通事故を見たし、危うく巻き込まれそうになったことも何回かあった。

毎朝ホテルから仕事場まで行く途中、坂道で必ず渋滞する場所がある。少し車間を空けて停まればいいものをみんな最小のスペースしか空けない。おまけにスペインはほとんどの車がミッションなのである。信号が青に変わった時が大変なのである。

どういうことが起こるかというと、先ず先頭の車が発車しようとして「ズリッ」と後ろに下がる。後の車にぶつかる寸前に2台目の車が発車しようとして「ズリッ」と下がるので衝突は免れる。以下3台目から最後尾まで「ズリッ」「ズリッ」「ズリッ」「ズリッ」っと順に下がっていき今度は先頭の車から順に「ブフォーーン」「ブフォーーン」「ブフォーーン」「ブフォーーン」と前進をはじめるのだ。
まるで訓練を重ねたカーアクロバットの小技を見ているようである。しかしそれが単なる偶然によって衝突を免れていたということはすぐに知ることとなる。
もともとバルセロナっこは集中力がなくおしゃべりであるので、全部の車が「ズリッ」「ズリッ」「ズリッ」「ズリッ」と旨い具合にいくのは奇跡的なことなのだ。1台でも脇見している車があれば「ズリッ」「ズリッ」「ズリッ」「ズリッ」「ドン」「ドン」「ドン」「ドン」「コラッ！（怒）」「コラッ！（怒）」「コラッ！（怒）」「コラッ！（怒）」とまるで電池工場のようにいとも簡単にそして順序正しく「ドン」と「コラッ！（怒）」が量産されていくのである。ここスペインではバンパーは衝突緩衝体としての本来のパーツとしての役割を極めて正しく日常的に果たしているのである。　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

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その日はサマータイムが終わり、冬時間はじまりの日であった。
午前3時に時間が2時に戻るのである。つまり1時間得するわけである。
その1時間に何をするかというのを考えるのも楽しいのである。
夜遊びを1時間余分に楽しむ若者もいれば、睡眠時間を稼ぐ人もいる。
私は翌朝土曜日のその時間を利用して少し長めのジョギングをすることにした。
つまりいつも7時に起きているのであるが、同じように起きても実際にはまだ6時なのである。

土曜日の朝、自然に目覚めた私はすぐに時計を見た。
「8時・・・・・」1時間いつもより余分に寝ていたのである。
がっかりである。
私の体内時計はかなり正確にできているらしく、「サマータイム自動調整機能」まで内蔵されているらしい。
つまり私の余分な1時間のボーナスは夢の中へ消えていたのであった。

気を取りなおして私は予定通り、ティビダボまで足を伸ばすことにした。
ティビダボはバルセロナを見下ろす山の頂上にある大きな教会と遊園地のある場所である。少し距離があるが昼までにはホテルに戻れるであろう。

ホテルからは登りが延々と続くかなりハードなコースであった。
ヨーロッパでは自転車競技が盛んであり、例に漏れずここにもツーリングの自転車を多く見かける。
頂上を目前にし、気分も上々であった私の体に変調の兆しが訪れたのと、あの忌まわしい記憶が脳裏に蘇ったのはほとんど同時であった。
私を古くから知る人は覚えているであろう。「ちくびの思ひで」を・・・・
知らない人はここを見て欲しい。↓



「ちくびの思ひで」


私はすっかり油断していた。うかつであった。あの悪夢をバルセロナで味わうことになろうとは・・・・・・・　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上

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長期にわたるホテル暮らしでなにが困るかというと洗濯である。
ホテルにももちろんランドリーのサービスがあるが高い。下着はもっぱらバスルームで手洗いということになる。ところが1週間分もまとめて洗うと手に豆ができてしまう。
それだけならいいのだが一人でパンツをゴシゴシやってると『私はスペインまできていったい何をやっているのだろうか？』という素朴な疑問がわいてくるのである。精神的にもあまりよくはないのである。
そんなわけで出張に出たらまずコインランドリーを探すことにしている。我がエージェントの受付嬢のナタ-リアに頼んでおいたら、電話帳を引っくり返したり、地図を引っ張りだしたりしながら、1時間近くもかけて探し出してくれた。ホテルから地下鉄で2駅あるが洗面所でゴシゴシやること思えば天国である。
早速次の休日にコインランドリーに出かけた。機械に洗濯物を放り込んで回していると隣のオヤジがなにやら話し掛けてくる。スペイン語で「日本人か？」といってるので「そうだ」というと嬉しそうにいろいろ話し掛けてきたが何を言ってるのかわからない。オヤジは私に話が通じていないのに気が付いてゆっくりしたペースで単語を一つ一つ区切って話してくれるのだが、もともとスペイン語の単語がわからないのだから同じことである。でも身振り手振りで一生懸命やっているうちに少しずつ話がわかってきた。
どうやら24歳の娘さんがいて、4年間日本語を勉強していて交換留学で日本に来たこともあるらしい。そこまで話が通じたところでオヤジはちょっとまってくれといいのこして洗濯屋をでていった。
しばらくして帰ってきた親父は日本語で「洗濯しますか？」と私に聞いた。
娘さんに電話で聞いてきたらしい。しかしどうせ聞くならもっと役に立つ日本語を聞いてくりゃいいのに・・・・それとも洗濯以外の目的で衣類をランドリーのタンブラーに洗濯粉と一緒にいれる人間がスペインにはいるのだろうか。
どこに泊まってるのか聞いてきたのでホテルの名前を教えてあげた。
そうするとオヤジは「娘が遊びにいってもいいか？」と聞くので私は鼻の下を思いっきり伸ばして「もちろん」と答えた。その後もしばらく会話にならない会話をかわしているうちに洗濯が終わったので硬い握手をして別れたのであった。
それ以来私は首と鼻の下をおもいっきり伸ばして娘さんの訪問を待っているのである。
（でもオヤジにそっくりだったらどうしよう）

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下のマスク専門店で壁と反対側の棚をふと見ると小さな張りぼて人形が困り果てた顔をして座っていた。
確かにこんなマスクたちに囲まれて暮らしていたらいやなこともあるだろう。

これもそんなに安くはなかったが、日本に連れて帰ってやることにした

しかし何度見てもなごんでしまう「おとぼけ困った君」だ。

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家族たちへの土産を買おうと、バルセロナ　ゴシック地区の狭い路地を歩き回っていた。
思わぬところで思わぬ店に出会ったりするので、見知らぬ街でのこういう探索は大好きである。
ピカソ美術館近くの道を歩いていたとき小さいがただならの雰囲気を持っている店があったのでふらっと入ってみた。
店に入ったとたん私は思わず息を飲んだ。マスクが壁一面にかかっているのだ。
妖しい！妖しすぎる！
中には赤いパンプスと鞭が似合いそうなマスクもある。（あっ、私は決してそういう趣味はありませんから・・念のため。）
かと思えば、妖術か魔術を使うときに使用するようなのもある。（私はそっちの方でもありません・・念のため）
しかしマニアックである。
フツーの土産物屋に辟易していた私にとって大きな収穫であった。

やはりバルセロナはただものではない。

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Diagonal通りの舗道を歩いていたら異様に盛り上がっている人垣がある。
のぞいてみると、ビール運びレースが行われていた。
トレーの上にビールの入ったグラスを2つと、ビール瓶を載せて、ゴールに向かってこぼさないように走っていくのだ。
みんな真剣である。そしてかなりのスピードで走っていく。
当然バランスを崩してグラスを落としてしまう選手も多い。グアッシャンーー！！と派手な音で見ているものにとっては面白いドキドキハラハラのレースだ。
バルセロナっ子は遊び心もいっぱいなのだ。

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バルセロナのメルセド祭りではいろんな場所でさまざまな催しがある。
ぶらぶら街を歩いていて、ゴシック地区の古い建物に囲まれた広場で異様に人の密集している場所があった。
なんだなんだと思ってみていると、写真のような人櫓ができはじめてどんどん空に向かっ伸びていく。

普段の彼らを見ている限りとてもこんなことを出来るような人種には見えない。

�@他人をあまり信用していない
�Aそのくせすぐに人に頼ろうとする
�B協調性がない
�C昼飯後は街中の全員が酔っ払いである

お分かりであろう、人間櫓なんて組めそうもない条件が揃っているのだ。

私は考えた。

そうか�C番の条件だ！みんなワインをがぼがぼ飲んでいるので酔に任せて勢いでやってるのだ。そうだそうに違いない。なーんだそれなら私にも出来るかもしれない。

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先日滞在していた街の近くのア　コルーニャというところで、サッカーのチャンピオンズ
リーグ　地元リポルティヴォ対ギリシャのオリンピアコスとの試合があるということで、お誘いを受けた。
マルコスの車に乗り込んでスタジアムまで向かうのだが、なんとマルコス君飛ばし屋で
高速になると２２０Ｋｍのスピードでぶっ飛ばすのだ。私は即座に後部座席で3点支持式
シートベルトを締めた。まったく生きた心地がしないままあっという間にスタジアムに到着。
地元のサポーターは約2万5千人。対するギリシャは200人と圧倒的な差である。
試合が始まりリポルティヴォがボールを支配している。やはりヨーロッパの強豪チームは選手の迫力が違う。それにボールへの魂の注ぎ方も中途半端じゃない。私はすっかり興奮して
知らぬ間に「おらー！そこやそこ。いけいけいけ＝＝！！おわーーっ！！」と叫んでしまっていた。しかしスペイン人の中一人日本語で声を張り上げ興奮している日本人というの
よく考えてみればおかしなものである。
でもここで地元チームが負けてしまったら、マルコスのあの恐怖の運転に怒りと悲しみ
が加わるのである。考えただけでも恐ろしい。私はもう少し生きていたい。

ゲームは前半地元チームが1点を入れて後半戦になった。
ところがあと15分というところで1点入れられてしまい、そのあともう１点すぐに
入れられ逆転されてしまった。悲鳴の中、すぐ後ろで「グゥガキッ！！」という音が
するので振り向くと男が血走った怒り目で椅子を蹴り上げて壊していた。
私はマルコスの車までも行き着けないかもしれない。

残り時間はあと５分。もうだめだ。４分。３分・・・・・マルコスとジョルディが席を立つ。多分最後までいると駐車場が混雑するからであろう。われわれは出口に向かって
歩き始める。あと１分。そのときわがチームの形勢がにわかに有利になりボールがゴールに吸い込まれた。よかったー！これでマルコスの運転も荒れることはないであろう。
ホイッスルを聞きながら私は走っていく彼等のあとを追った。
そこで私は新たな恐怖が迫ってるのを知った。
“尿意”である。ビール２本分と寒さで知らぬ間に私のタンクは満タンになっていたのだ。
このままだと私は�@マルコスの車の中でオモラシしてしまう。�Aマルコスの車が事故をおおこしその拍子にオモラシする。�Bマルコスの車が事故を起こすがオモラシはしない。
�Cオモラシも事故もしない。という４つの可能性の中に置かれるることになるのだ。
�Cの可能性は冷静に考えても低そうに思える。
でも彼等は走る速度を緩めない。この雰囲気の中とても「トイレにいきたい」とは言い出せない。

しかし彼等は駐車場の手前にあるＢＡＲに飛び込み「ビール」を注文した。
私も「ビール」を注文した後、すぐトイレに駆け込んだ。
いまだに彼等がなぜそこまでして急いでＢＡＲに行きたかったのか不明である。
そして私はまだ生きている。

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ロンドンからバルセロナの便（ベンではないビンと読んでくで〜）で見た夕陽

こういうのを見ると、長旅の疲れも吹っ飛ぶ。
今回はスペイン国内においても空路による移動が多く、毎週２便は（しつこい
ようだがビンと読んでくで〜。ベンではない）使うことになる。

だから実際の仕事よりそっちの方での消耗がはげしい（荷物も重いし）

例のことがあり人相の怪しげな人はみんなテロリストに見えてしまう。
顔に生々しい傷跡がある私もそう見られてるのかもしれない。

昨日昼飯の帰り急に便意を（このばあいはベンと読んで下され）もよおし、
通りがかりのＨＯＴＥＬのトイレを借りようとしたら、入り口で「ゲスト
以外の方の立ち入りはお断りしてます。」と、警備員にシャットアウトされてしまった。

私が大金持ちなら、トイレだけのためにチェックインしてもいいと思うほど
切羽詰っていたのだが、残念ながら私はせいぜい紙おむつ（大人用）を買えるくらいしか
金を持っていない。
私は涙目で警備の兄ちゃんを見たが、やはり彼も職務は全うしないといけないのである。
ＨＯＴＥＬの玄関先にこんもりと作品を盛り上げてやろうかとも思ったが、
そんなことをすれば、直ちに逮捕されて、トイレつきの無料部屋にチェックイン
させられるだろう。

私は苦痛に耐えわたしのＨＯＴＥＬまで地下鉄を乗り継いで帰ったのであった。
どうにか大人としての体面を保つことが出来たのであった。

（注　必ずしも写真と文章は一致しません。）

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出張の楽しみとしてフライト中に思う存分、誰にも邪魔されずに
本を読めるということがある。しかも好きなときに酒を飲めるので
（というかほとんど飲みっぱなし状態）私にとっては天国だ。

いつも出張が決まると持っていく文庫本を買い込むのだが、
今回は気がつけば３３冊にもなってしまった。

いくらなんでもこれじゃ重すぎるので、これを１０冊程度に
絞り込まねばならない。それもまた苦しみと紙一重の楽しい
作業である。

書名を見たい人はここを見てください。（少し重いかも）
http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfaby807/pao/temp1.htm

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