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Yutaの「海日記」

ふりぃのかうんた

潜り漁師(電灯潜り)のYutaの日記です。




HPもありますよ

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2003-02-07 小腹が空いたらチヌマン
2003-02-06 焚き火
2003-02-04 旧正月で休んでました
2003-01-31 やられたよ
2003-01-30 ハイエナ
2003-01-27 いいもの買っちゃった。
2003-01-27 今日もグッタリ
2003-01-26 今日はエビ獲り
2003-01-23 夕べはもっちゃんがサメに…
2003-01-22 今年一番の大物のタコ


2003-02-07 小腹が空いたらチヌマン


夕べはグルマグ(シモフリアイゴ)ポイントに行きました。ヒロおじいも同じ場所に来ていて、相談の結果、僕は南のカーラのチブを泳いで、ヒロおじいは北のサバノヤーのチブを泳ぐことになりました。

カーラのチブは一年ぶりです。ここは川の水が流れてくるので、雨が降った後は赤土濁りで何も見えないのですが、時期になって、濁りの無い時に泳ぐと最高のグルマグポイントなのです。

川の水でものすごい冷たいのと、水面近く(真水は海水より軽いので、水面近くは真水なのです)の真水と海水の境目がモヤモヤ陽炎みたいになってとても見にくいので、水面から30cmくらい下の海水の所まで潜って泳がないと魚が探せないのがちょっとつらいのですが、明け方の潮で、夜が明けるまで短時間しか泳げない時はいい海です。

狙いどおり、他の場所ではなかなか獲れない大型のグルマグと、小さいカーエー(ゴマアイゴ)がたくさん獲れました。

海から上がって、ヒロおじいが上がってくる前に火を燃やしておきました。泳ぐ前に燃やしていた焚き火の残りの薪を集めて、まだ赤くなっている薪を、先っちょがお互いに接するように十字型に置いて、その中心に新しい薪を近づけるとすぐにまた火が燃え上がるのです。そうやって再着火した所に薪をたくさん補給しておいて片づけをしていると、ちょうど片づけ終わった頃には火が本物になっています。

ヒロおじいが上がってきて、「寒いしお腹すいたから、魚を焼いてごらん。」と言って小さいチヌマン(テングハギ)と味塩コショウを投げてよこしたので、ヒロおじいが片付けている間に魚を焼いて、夜が明けてセリに魚を出しに行くまでチヌマンを食べて暖まって行きました。

チヌマンは、こうやって焚き火の炭を集めて、その上で丸ごと皮が焦げるまで焼いて、それから皮をむいて塩コショウで食べると最高においしいのです。この時期のチヌマンは脂がものすごくのっているので、こうやって焼くと脂が適度に落ちて、その脂が炭の上で炎を上げて燃えるのですが、同時にその煙で燻されるようで、とても香ばしいです。これはなかなかおうちでは出来ないので、おみやげに焚き火で焼いてから持って帰ることもあります。

浜から泳ぐ海人は、こうやって魚を食べてからおうちに帰ることがあるので、車に「味・塩・コショウ」と酢と醤油と割り箸が常備されています。酢は猛毒のハブクラゲに刺されたときにも効くので便利です。

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2003-02-06 焚き火


夕べはセンセイ達と一緒に行きました。先輩たちと海に行く時は、僕は焚き火係なので、まずは流木を集めて焚き火の準備です。だけど最近はビーチクリーンとか言って、砂浜をブルドーザーでならして、流木も何もかも重機で集めて持っていって焼却処分しまうので、ビーチクリーンの行われた後はなかなか良い木が見つかりません。お寺の小僧が掃除をしていて、落ち葉を全部掃除してしまって怒られる話を思い出してしまいました。

流木にもいろいろあって、僕は見ただけでは何の木かわからないのですが、おじいたちはこの木は燃やすといい匂いがするとか、この木は煙が出てだめだとか、こいつはタイヒ(台湾桧)だとか、松は火力が強いとか、とにかくくわしいです。ちなみに焚き火に杉は禁物です。はぜて危ないのです。僕は最初の頃、全然知らなくて、杉を入れて爆発させて怒られました。竹は知ってたけどまさか杉も爆発するとは…。それに最初の頃は火を着けるのが下手で、紙をめちゃめちゃ使ってもすぐに消えてました。おじいたちはすごいです。湿った木ばっかりでも一発で着火します。いまでは僕も鍛えられて、おまえ火燃やすの上手だなあと誉められます(ちょっと自慢)。

昔は家を作る材木にも流木を利用したそうです。そのためによく、浜に行っていい木を探して集めていたそうです。ビーチコーミングのプロフェッショナルです。

そうやって焚き火をしながら暖まって、さあ準備して下りる(泳ぐ)かと言う時になって、げげ。ウェットスーツ忘れた…。

おまえこの歳でもうボケていたら、僕らの歳になったら大変だなあハッハッハ…とおじいたちに笑われてしまいました。ただでさえ朝の潮で泳ぐ時間があまり無いのに、カッパを取りに帰ってさらに短くなってしまいました。

今朝のセリは夕べ時化てとても寒かったので、5人しか出していませんでした。おかげで魚は獲れなかったけど値段は高くて上等でした。

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そうですね。火の匂いがするだけで暖かくなります。 / Yuta ( 2003-02-07 21:39 )
火が燃えるのを見ていると落ち着きますね。洞窟でたき火をしていたご先祖様のDNAの所為でしょうか? / Mano ( 2003-02-07 06:55 )

2003-02-04 旧正月で休んでました


旧正月で休んでました。今日から復活しました。

夕べもエビ獲りでした。あと二三日で闇夜のエビ獲りの潮も終わりです。月夜はまたタコ・クブシミがメインとなります。人にサザエを頼まれてるのですが、天気が悪くてなかなかサザエ採りに行けないなあ。困ったな。

最近、寒いので、マホー瓶にお湯を持っていって、潮待ちの時間や、休憩の時にコーヒーを作ったりラーメンを食べたりするのにはまってます。コーヒーの匂いがしたり、熱いラーメンを食べると温まります。いくら石垣でも、北風が吹く中で、濡れた体で船の上に座っているととても冷えるのです。だけど、夕べの「とんがらし麺」は、温まるのはいいけど辛かったなあ…。辛味パウダーみたいのがついていて入れすぎました。

それにしても夕べはハゲました。もっとエビが獲れる予定だったのですが、獲れずに残念。おまけに今日はかなり吹いてるのでちょっと行けそうも無いですね。

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2003-01-31 やられたよ


夕べは丸秘技の仕事をしてきました。もっちゃんも一緒に行きました。水揚げは…う〜んまあまあかな?大量とはいえないけど、不漁ともいえません。アカバツ2つと、いいアーガイひとつと、大きいクレーひとつと、アバサーひとつと大きいエビ(ティーダラー)二つといいくらいのワラジひとつ。あとはちっこいのがちょこちょこ。

さっき起きたら、センセイから電話があって、僕らが泳いだ場所を、その前の晩にヒロおじいがやったようです。やっぱり…。やられたよ。それを聞いて、それまではまあまあと思ってたけど、なんかがっかりしてしまいました。どうりでナーバリー(海の中の地名、夕べの本命ポイントだった。)になんにもいないわけだよ。

で、またもやイセエビの写真ですが、ちょっと色んな方向から撮って見ました。これでフウタイをひいて1.4キロです。このように大きくなって、手が長い(手の長さ30センチくらいあります)やつをティーダラーと呼びます。このイセエビはかっこいいなあ。ロボットみたいです。ひげの関節も青くてクールな感じです。したのワラジはかわいいですね。決闘させて見ようと置いてみたのですが、戦いませんでした。当たり前か…。もう一匹獲ったイセエビはもっと大きくて、2.1キロありましたが、シデヤー(脱皮直後のまだ柔らかいエビ)でした。捕まえたら、ストレスで弱ってしまったようなので、氷締めしました。

それにしてもヒロおじいにはやられました。僕が寝坊したのが悪いけど。

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2003-01-30 ハイエナ


最近日記をだいぶサボるようになってきました。いけません。
しかも今日は寝坊して仕事にいけませんでした。たるんどる。けしからん。

 さて、久々の日記は、近所の猫「ハイエナ」です。にゃ〜もちゃんの友達というか、知り合いです。本当はあまり好きではないようです。アイドル顔のハイエナはスラムっ子育ちです。顔はかわいいけど声がひどいダミ声で、にゃ〜もちゃんの目にはちょっと下品に写るようです。しかしにゃ〜もちゃんの宿敵「タヌキ」を追っ払ってくれるのでにゃ〜もちゃんも多めに見ているようです。

 そんなハイエナが、今日はうちのにゃ〜もちゃんのご飯を試食しに来てました。ハイエナはうちのにゃ〜もちゃんのご飯をよく食べに来るのですが、にゃ〜もちゃんはそれを許してるようです。タヌキの場合には「う〜」とうなって威嚇します。タヌキはちょっとかわいくて、馬鹿っぽい猫なのですが、体が大きくて結構強そうなのです。タヌキが来ると、うちの奥さんが、にゃ〜もちゃんのお尻を押してタヌキと勝負させてみようとするのですが、にゃ〜もちゃんは毛を逆立てて、「ふゎ〜っ!」(押すな〜!)といいながら、うちの奥さんと勝負になってしまいます。よっぽどこわいんですね。

 ハイエナがタヌキを追っ払うと言うよりは、タヌキがハイエナを大嫌いなのです。ハイエナはにゃ〜もちゃんのご飯以外には何事にも無関心な猫なのですが、タヌキがハイエナを怖がっていて、ハイエナが近くにいるとタヌキは近くに寄って来れないのです。

 実は以前に「タヌキこてんぱん未遂事件」があって、そのときにハイエナはタヌキに圧倒的な強さを見せつけたのです。ハイエナの通り道にタヌキが居座っていて、ハイエナは通りたいけど通れないのです。ハイエナは相手にしたくなかったのですが、タヌキが執拗に勝負を迫り、あまりのうるささに、ハイエナも怒り出して、タヌキと喧嘩になりました。もう全くお話にならない試合だったのですが、ハイエナがタヌキをこてんぱんにやっつける寸前に、タヌキの飼い主がけんかに気づいて、タオルならぬ石を投げたので試合はおあずけとなりました。

 ハイエナは今は首輪もつけられて誰かにかわいがられているようですが、以前は野良でした。スラム育ちのマッチョなハイエナに、おぼっちゃん育ちで風船のようなタヌキが勝てるわけがないのです。にゃ〜もちゃんは多分それを知ってるので、大目に見てるんですね。にゃ〜もちゃんのボディーガードなのです。だけどハイエナが食べた後のお皿は洗ってあげないと同じ皿でご飯を食べるのをいやがります。わがままだなあ。

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2003-01-27 いいもの買っちゃった。


ついにゲットしました。プレステ2…じゃなくて、スパイクブーツです。

前からヒロおじいに「こいつは上等」と一緒に海に行く度にさんざん自慢されていたのです。最初はふ〜ん、そんなにいいのかなあと思ってたのですが、一年以上も聞かされていると、知らず知らずのうちに洗脳されていたようです。それで、ずっと欲しいと思っていたのです。

夕べ、過酷な使用がたたって、遂にダイビングブーツが駄目になってしまった(底がはがれてつま先もパックリ開いてしまった)ので、今日は新しいブーツを買いに行きました。その時お店で、ヒロおじいのと同じスパイクブーツを発見してしまいました。

そこで、僕は今まではリーフの上を歩くやつと、泳ぐ時にヒレの下に履くやつを共用してたのですが、別々にすることにしました。最初は買うつもりは無かったのですが、ちょっと試着してみると、おぉ!気持ちいい!めちゃくちゃ歩きやすそう。これならかなり使えそうです。欲しいよう!ヒロおじいも一年以上もった上に、駄目になったらまた同じのを買っていたので、かなり調子いいのでしょう。これならがさがさの針山地獄のようなリーフの上もスタスタ歩けそうです。

中が足袋みたいに親指のところで分かれてるのでふんばれそうだし、見た目もちょっとおしゃれだし、上の方のジッパーの所もウェットスーツの中に入れやすそうな形でいい感じです。ゴムも丈夫そうだし、スパイクとフェルトでグリップも最高に違いありません。見てるとなんかすごいアピール力があるので、買ってしまいました。3800円。高いのか安いのか、使ってみてからわかります。

それとは別に通常のダイビングブーツも買いました。夕べで今までのが駄目になったので、これが無いとヒレが履けませんので。二種類も買ってもったいないみたいだけど、やっぱり用途に応じた専用の物を使わないと全然もたないし、中途半端なことしか出来ないもんね。と自分を納得させました。

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2003-01-27 今日もグッタリ


今日もエビ獲りしてきました。

夕べの僕のエビを見たセンセイは、海に行く前にマエザト商店で飲み物を買っているとやってきて、「今日は僕もエビ獲りやるから一緒に××に行こう。僕は南に向かって泳ぐからお前北に向かって泳げ。」とやる気満々です。場所までもう決まってるの?明日起き上がれなくなっちゃうんじゃないのかなあ。でも海に詳しい人がいれば、船を置く所までの道に迷って、サンゴ礁に行く手を阻まれてうろうろすることもありません。ラッキーです。

船から下りて、センセイと分かれて泳いでいくと、あれ?向こうに明かりが見えるなあと思ったらヒロおじいでした。みんな考えることは同じです。ちょっと話をして、どんな風に泳ぐか相談してから分かれました。

それにしてもなかなか条件が合わなくてエビが出ません。なぜか今日はワラジばっかり出てました。このうちの三匹のワラジは行列して歩いてました。写真の真中のワラジは頭(と言うか本当は触角の変化したものらしいですが)の方がちょっとかじられてますねえ。だけどエビの類ってこうしてたくさんいるとなんかゴキブリうじゃうじゃみたい…。

もう一枚の写真は、うちの近所の人から貰った野菜です。この人は、家の前に畑をもっていて、時々魚やタコなどをあげると、野菜をくれます。ちょっと上等の魚は買ってくれます。別にお金なんかいいのに…というと山盛りの野菜をくれます。物々交換みたいでなんか楽しいです。

いやー疲れた疲れた。エビ獲りは二晩連続で限界です。筋肉痛になりそうです。多分明日はおやすみですね。

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2003-01-26 今日はエビ獲り


 今日はエビ獲りに行ってきました。エビ獲りは荒場を泳ぐのできついです。キツい・コワい・キケンの3K仕事です。

 ちょうど同じところにセンセイ組が来たので、「センセイたちもエビ獲りやるの?」と聞いたら、「僕らがエビ獲りやったら明日は起き上がれないよ。あんた若いから一人でがんばってこい。僕らはイノー(リーフの内側の静かな所)泳ぐよ。」と、いうわけで、一人でエビ獲りしてきました。一人で行くと、分け前は増えるけど、危険度はアップするのですが、まあいいか。ラッキー。

 だけど、今日はちょっと条件がよくなかった上に、久しぶりのエビ獲りだったので、少ししか獲れませんでした。しかもシーブ(網)に入れる時に手が滑って一匹逃がすし、一回は波に飛ばされてカメの子状態になってしまいました。あ、あと一回自分のウキが波に飛ばされてきて当たりました。痛いなあもう。

 エビ獲りは、かなり必死な状態でやるので、1時間〜2時間ぐらいで、結構フラフラになります。神経を張り詰めている状態が切れると、急にどっと疲れてしまいます。帰ってきたらグッタリですが、とりあえず、最近日記をサボり気味なので、日記を書いてから眠ることにしました。おやすみなさい。

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2003-01-23 夕べはもっちゃんがサメに…


…喜ばれたそうです。

今日は朝から仕事で使う電灯(水中ライト)作りです。ようやく難しい所は大体終わって、シリコンコーキングと塩ビボンドを乾燥させてます。この作り方は今度HPに載せる予定です。

 さっきもっちゃんから電話がありました。夕べは大変だったそうです。泳ぎだしてすぐに、急に大時化になった上に、にごりがすごくて、あと、もっちゃんの大嫌いなサメだらけだったそうです。サメといってもこっちで潜りでよく見るサメは1mくらいから、大きくても2m無いくらい(イタチザメは別)ですが、ずっと3匹ついてまわってて、魚をつく度にサメさんが大喜びして魚を食べようとするし、こりゃあ仕事にならないといって帰ってきたそうです。でもゲンナー(ナンヨウブダイ)とワラジ(ゾウリエビ)があったそうで、さすがです。

 サメは数が多いとやっかいです。一匹だけだと、人の獲った魚をうらやましそうに遠くから眺めてるだけで、あまり近くにも寄って来ません。たまに隙を伺って、魚を盗み食いしようとしますが、モリなどで、チクッと突っついたりモリのお尻で叩いたりするとびっくりして遠ざかっていって、遠くからついてきます。

 だけど数が多くなると態度がでかくなって、かなり近くまで寄って来るようになります。魚を突いて血がたくさん流れたりすると、大喜びして突進してきます。サメは血のニオイをかぐと、喜びすぎてちょっと頭がおかしくなるようで、このときに魚と間違って噛みつかれそうになるので、注意しないといけません。噛まれた人は僕のまわりにはいませんが、こわいので威嚇しながら魚を回収します。

魚ぐらい自分で獲れよ〜。大体、僕より泳ぐの上手だろ?と言いたくなります。

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2003-01-22 今年一番の大物のタコ


2日ほど日記をサボってしまいました。いけませんねえ。反省。

 さて、夕べはSKJに行きました。大きいタコがつく場所です。しか〜し!。すでに誰かにやられていて、タコのおうちは全てタコが抜き取られた跡でした。結構最近抜かれたような感じで、おうちも新しいもののようでしたので、最近誰かがまわったようですね。トーマちゃんか、テルじいか、それとも本村さんか、そのあたりの誰かでしょう。だけど、まだ獲られていない方たちも残っていたようで、ルンルン♪と楽しそうに鼻歌を歌いながら歩いてまわっていました。

 だけどここら辺のタコは他のとこに比べて巨大なので、暗がりにボヨーンと浮かび上がった時、ちょっとびっくりしますね。ルンルン♪というよりはズル〜リ、ズル〜リって感じですかねえ。最初、一匹目を見つけたとき、「ひええ!化けダコ!」とびびってしまいました。一番大きかったのは、この、半分だけ色が変わってる(まだ完全に死んでないで、右脳か左脳かわかんないけど、かたっぽの脳だけやられてるとこうなるみたいです。)大きいやつで、漁協の秤で、風袋(フウタイ・水の分とか言って、秤で量った重さの10パーセントくらい。ちょっと引きすぎですよねえ。)を引いて4.5キロでした。

 だけど、泳いでいると、なんか電灯の明かりがモヤモヤしてるので、あれ?と思ったら、電灯のガラスの内側が妙に曇っています。あらら、今考えてみると、どうやらタコに電灯を取られそうになった時にかなりの力で無理やり引っ張ったなあ。あの時に防水シールがどこか駄目になって水が入ったかな?

 でも、もうすぐ夜明けだし、そんなにたくさん入ってないみたいだし、明るい月夜でもあるしってことで、なるべく深く潜らないようにして様子を見ながら泳ぎました。海から上がって電灯を見たら水がたまってました。ショートしたり爆発したりしなくてよかった。昔一回、電灯を爆発させたことがあります。あの時は、海からあがったとたんに「プシュゥ〜…バンッ!!」といって、前のガラスが外れました。水滴が球の熱で蒸発して体積が膨張するのと、水圧で押さえつけるのが水中ではうまく平衡状態になってたんですね。

というわけで、今日と明日で電灯をまた作らなきゃ。どうせ今日から大時化みたいなんで、ちょうどいいや。なんか毎年一つ電灯つくってるなあ。

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