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みなみの「さぼのーと」

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★お買い物ブログ 「こんなものを買った」

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2004-06-20 映画『MUSA−武士−』
2004-06-20 映画『21g』
2004-06-15 Yさんの思い出 (その1)
2004-06-15 Yさんの思い出 (その2)
2004-06-15 まずい高野豆腐
2004-06-08 今月のヘタレ君 【オーランド・ブルーム/『トロイ』 パリス役】
2004-06-08 映画 『トロイ』
2004-06-03 キェシロフスキ・オールナイト 『トリコロール3部作』 『愛に関する短いフィルム』
2004-06-01 大好きな匂い
2004-05-29 ピンクのランドセル


2004-06-20 映画『MUSA−武士−』

17日、汐留スペースFSにて、試写会。

4回目のスクリーン鑑賞と相成りました。
同じ映画を何度も観ることの面白さを、『MUSA』で初めて知った。
観るたびに新しい発見があるし、愛着も深くなる。
印象的なシーンもそのたびに違ったりして面白い。
濃い『MUSA』ファンの集まるJUNG WOO SUNG ALLIANCE にお邪魔したおかげで
ひとつの映画に対して、こういう遊び方や楽しみ方もあるんだ、ってこともたくさん知った。

再確認しましたよもう。やっぱりわたしはこの映画が大好きなんだなあと。
8月6日DVD発売なので、みんな観てね。
作り手の愛情が感じられる映画だと思います。
何といっても、キャラクターの一人一人にちゃんと血が通った感じがする。

でも、ネット上で見る限り、「良くなかった」という人もいるみたい。
そういう人は、戦闘シーンが長くて冗長だからというのを理由のひとつに
挙げている場合が多いもよう。
実は、わたしも最初は「ちょっと戦闘シーン長い……」と思った。
が、こうして3度、4度と観て、目が慣れて
ひとつひとつの戦闘の細部までじっくり注意できるようになってくると、
冗長さは感じなくなった。
一見、戦闘のたびに同じようなチャンバラが繰り返されているように見えるけど、
実はそうでもない。
スローモーションの多用も最初はワンパターンに思えたものの
慣れてくるとねえ、不思議と全然気にならないんですねえ、それがまた(笑)
まあ、ヨソルの槍がカメラの画角におさまりきっていない感はあるんだが。
あれだけ長いとね。

「こ、これはどうなのよ……」っていうつっこみどころもないわけじゃないんだけど
愛があれば気にならなくなってゆくものですな……
ラストの展開や、最後の主題歌なんて初回はかなりずっこけたのだが、
最近はまったく問題ナッシングですよ……



追記;

オモリ日記も更新しましたので、お暇な方はご覧ください.
チェ将軍オモリ隊詰め所TOPみなみ隊長の愛のオモリ日記『MUSA』DVD発売記念試写会

先頭 表紙

2004-06-20 映画『21g』

17日、丸の内ルーブルにて。平日の昼からけいこさんと映画のハシゴ♪

「人は、命を失う瞬間、21グラム体重が軽くなる」という説があり、
この風変わりなタイトルは、それに由来するそうな。

黒いバックに、赤い心臓のイラスト。そこに縦長の白い文字で、”21g”。
チケットのデザイン、シンプルでピリッとしていて好き。

******

さてさて。
まず、心臓移植を待つ病人の役の、ショーン・ペンに驚く。
この前の『ミスティック・リバー』じゃ、筋肉ムキムキだったのに!
何キロウェイト落としたんだ……。

(以下、具体的なネタバレはありませんが、これから見る人は読まない方がいいかも……)

この『21g』のストーリーの進行は、時間軸に沿っていない。
シーンのひとつひとつは、バラバラになったジグソーパズルのピースみたいに断片的。
時間軸も、容赦なく前後する。
だから、自分が見ている映画がいったいどんなモノなのか、途中まで皆目見当がつかなかった。
「これ誰? このシーン何? 全然わかんないよ〜(T△T)
観てるうちにちゃんとストーリーわかるようになるのかなあ?」
とっても不安だった。

しかし、ストーリーが進むにつれてジグソーのピースが組みあがってゆくように、
あるいは、縺れていた糸がほどけていくように、だんだん全体像が見えてくる。
この匙加減はすごい。
映画を製作する人たちは、どうやって、フィルムに対する第3者的な(=観客としての)
視点をなくさないようにしているんだろう。
この、時間軸を前後させるやりかたは、先に『メメント』の存在を知らなかったら
もっとインパクトがあったかも。

※『メメント』……直前の10分間のことしか記憶を保持できない男が主人公のサスペンス映画。
時間軸をどんどんさかのぼっていくという画期的な構成をとっている。
低予算ながらうまいこと作ってある。アイディア大賞だね。


構成が凝っている上、
登場人物たちは、絶望的なまでにヘヴィで複雑な感情を抱いていて、
さらには、ラスト近くで話が急展開する。
一度観ただけでは、とてもじゃないけど各登場人物の心の動きを追いきれない。
派手な映画ではないけれど、情報量は多いねえ。

印象的なキャラクターは、ベニチオ・デル・トロ演じる前科者のジャック。
(デルトロ好き〜♪ っていうのもあるんだけど……。)
かつて無神論者だった彼は、更正して信心深くなり、
神を信じればよりよい生活が送れると強く信じている。
でも、ジャックはひき逃げして人の命を奪ってしまう。
そのことによって、信じていた神に裏切られたと感じ、
精神的なよりどころを失って奈落へ落ちてしまう。
自分の中の芯と呼べるものを失って、そこにはからっぽの自分しかなくて、
ひどく絶望している。どうしたらいいのかわからない。たぶんそんな感じ。
ジャックほど深刻ではないにしろ、そういう感覚は他人事じゃない。
だから余計に気になった。

先頭 表紙

2004-06-15 Yさんの思い出 (その1)

ここ数日、日記を書く気も起きなかった。
でも、たとえ愚痴であっても、書くだけ書いてみると、
そのことによって自分自身が刺激を受けるのがわかる。
不思議なものだ。

というわけで、
「生活への関心というのは、人が人として生きる力そのものだと思う」
という言葉で、思い出したこと。

******

以前からわたしの日記を読んでくれている人の中には、覚えている人もいるかもしれない。
2年前のお正月に、ホームレスみたいな格好をした見知らぬおじさん(Yさん)の家に遊びに行き、
ピカソやシャガールの絵を見せてもらった話
を。

あの日記を書いた当時、匿名とはいえ、
他人の生活について、見聞きし、感じたことをネットに書くことには抵抗があった。
でもまあ、あれから2年経ったことだし、その後、Yさんとも連絡を取っていない。
書いてしまおう、と思う。

******

Yさんの家には、生活感というものが、まったくなかった。
Yさんは一人暮しで、すべての家事はお手伝いさんに頼んでいた。
彼は本当に、自分の家の台所のことを、何にも知らなかった。
もちろん、おしるこの作り方も。
だから、Yさんと、わたしと、友達と、3人であずきの缶詰とお餅を探し、
わたしと友達が、おしるこを作った。

Yさんは、中学卒業後、預金5000円の生活から身をおこし、
病院、チェーンの居酒屋、カラオケボックスなどの経営をする資産家になった。
夢中で働いたのだろう。
私生活を犠牲にするという意識もなく、きっと仕事が楽しかったのだろうなと思う。
そうでなくして、そんなに成功してお金持ちになれるものだろうか。

でもある日突然、Yさんは、奥さんに離婚を切り出された。
それまで彼女がそんなことを考えていたなんて全然知らなかった、本当に突然だったと、
Yさんは言った。
Yさんの娘さん達は、医学部を出て医師をしているという。
今どちらにいらっしゃるんですか、と聞くと、
近くに住んでいるはずだけれど、それがどこかは知らない、とYさんは答えた。

(つづく)

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2004-06-15 Yさんの思い出 (その2)

(つづき)

Yさんに、家の中を案内してもらった。

例の高価な絵画は、白い布で覆われて、壁にかけられていた。
一つのフロアの角、ちょうど壁と壁が90度に交わるところに、
ピカソと、シャガールと、ルノワールが、額と額を触れあわさんばかりに
ぎゅうぎゅうとしてかかっていた。
絵が好きなんですか、と、わたしはYさんに聞いたけど、答えは聞く前からわかっていた。
絵なんか一枚も持っていないわたしだって、知ってる。
絵は、周囲の壁や空間とのバランスを考えてかけなくてはいけない。
その魅力を最大限に引き出せるように、
部屋の雰囲気や採光などもすべてトータルで考え合わせたうえで、配置するものだ。
第一、畳みたいにでかくて、それぞれ作風がまったく違う、
しかも、1枚1枚で十分インパクトのある3枚の絵を、
こんな風にかけたら台無しだ。
それは知識とか常識の問題ではなくて、絵に少しでも興味があれば、
それこそ呼吸をするように、無意識に、自然に気をつけることのはず。
(ちなみに、もう1枚のシャガールは別の部屋にあった)

最後に、Yさんの書斎、彼の机の上に張ってあった手書きの標語がわたしを打ちのめした。
Yさんの身の上話を聞き、Yさんの家の中を見せてもらった後だったので
その標語はおそろしくリアリティがあった。
「人は裏切るが、仕事は裏切らない」

お正月だというのに、Yさんはその家で、ひとりで過ごすのだ。
公園で会った、見知らぬねえちゃんたちを家に上げて、
暗くなるまで、テレビをみながらお喋りをするくらいなのだ。
そのうえお年玉までくれたりするのだ。(……もらってしまった)

暗くなったのでもう帰ります、と言ってわたしたちが帰ったあと
Yさんは淋しくなかっただろうか。

衣食住、それから家族。
そういうものに気を配るのはとても大切なことだと思った。

先頭 表紙

地元のAちゃん>あんたは家族同然じゃ。ちょうど来週あたり帰りたいと思ってたところ……。みんなと遊びたいよー。4人でアホ騒ぎしたいよー。というかもう本格的にそっちに帰ろうかと考えている。今度相談に乗ってくれ。 / みなみ ( 2004-06-20 00:59 )
呑山さん>村上春樹の小説に、主人公が仕事で訪れた家の主婦が、彼女の娘のものと思われる部屋に主人公を案内して「この部屋の主をどう思う? 部屋を見ればその女のことはだいたいわかるよ」というような台詞を言う話があります。それがなんだか妙に印象深かったです……。 / みなみ ( 2004-06-20 00:57 )
しりとりあやこさん>いやほんと、狐につままれたようでした。仕事やお金も大切だけど、そのせいで家族がバラバラになったら本末転倒な気がします。  そのお友達の言うこと、その通りだと思います。そこまでしっかり意識しているなんて、すごく大人ですね。 / みなみ ( 2004-06-20 00:52 )
えとうさん>そんなにおばはん扱いしないでくだちい。 / みなみ ( 2004-06-20 00:50 )
家族ではないけど一言。「たまには帰ってこいや。久○ちゃんと利○ちゃんも呼んでまた4人で遊ばんか?」たまには貴女とお話がしたいのですw / 地元のAちゃんより ( 2004-06-19 23:46 )
その人のいるその場所は、その人にとって何なのでしょうか? ただ、寝起きするのに便利な場所なのか、かけがえの無い家なのか 他人には分からないことなのでしょうけど、自分の家を模索している私には考える部分が多い話です。 / 呑山涼禅 ( 2004-06-17 18:35 )
う〜ん。結局お金よりも大事なことがあるって事かな・・・。狐にでもつままれたような体験ですね。昔友達に「家は最後に帰るところやから綺麗に大好きにしとかんと帰るのが嫌になる。帰るところが嫌いやとちゃんと生活がおくれへん」と言われたのを思い出しました。 / しりとりあやこ ( 2004-06-15 08:23 )
正直うらやましいっす。めちゃくちゃいい体験やないすか。俺もこういう体験してみたいっす。生活に活力をもたらすアドバイスでもしようかと思いましたが、よくよく考えれば自分より年上の人間にそんなもんしてもな、と思ったんでやめときます。 / えとう ( 2004-06-15 02:55 )

2004-06-15 まずい高野豆腐

本棚の奥を漁っていたら、社会人1年目の時の手帳が出てきた.
仕事とプライベートについて、ほぼ毎日、その日にあった出来事が簡単にメモしてあった.
土日は必ずといっていいくらいどこかへ出かけ、誰かに会っている.
週末だけでなく、平日にも友達と会ったり、連絡を取ったりしていた.
しょっちゅう泊りがけでも遊んでいる.
そのことに驚いた.

今のわたしは、せいぜい月に2度くらいしか友達に会わない.
土日の両方に用事を入れることも滅多にない.
休日はほとんど家に閉じ篭っている.
それも、本当に何もせず寝ているだけ...
前々から予定していた用事のために外出することでさえひどく億劫で、
家を出るのが苦痛でたまらないこともある.
そのために友達との約束を当日キャンセルしたことさえある.
(かといって家にいれば楽なのかというとそうでもない.家に篭るのもまた空しくて苦痛だ)

もともと向上心・やる気とはあまり縁のないわたしだが、ここ最近の無気力はひどい.
手帳をつけていたころは、家計簿もつけていたけれど
今のわたしは自分の生活にはほとんど無関心に近い.
何を食べたとか、何をいくらで買ったとか、身の回りを綺麗にしようとか、
そういうことに対して関心がわかない.
関心を持とうという気持ちは少しだけはあるものの、
それは興味よりも、危機感に根ざしている.
生活への関心は、人が人として生きる力そのものだと思う.
生活への関心をなくしてしまったら、冗談ではなく、ヤバい気がする.

職場ではまともに仕事をしていると思うけど、ただそれだけ.
私生活では、やるべきことをピックアップすることさえできない.
焦る気持ちはあるが、実際的な計画や手段には結びつかない.

今月末で仕事がなくなるので、そのせいで気分もちょっと梅雨なだけだと思っていたけれど
本当にそうなのか、手帳を見たら自信がなくなってきた.

今の自分を何かに形容するとしたら、「まずい高野豆腐」だ.
スカスカしているばかりで、絞っても何も出てこない.
年々、「生きる力」がなくなってきているような気がして、恐怖を感じる.
……タフになってきている部分もあると思うけど.

と、愚痴ばかり言っていてもしょうがないので
自分を元気づけるための具体案を挙げて、それを実行して、
自分で自分にテコ入れしていかないといけない.
新しい刺激を取り入れなければ、何も活性化しない.

うん、がんばるしかないしね...がんばろ...0(^―^)0  (←白々しい顔文字☆)

先頭 表紙

須木成さん>そーなんですよね、意識して環境を変える必要があるなとちょっと思ってます。なんかもう年々、感受性が硬化してきているというか、日々に対するモチベーションの平均値が下がってきているというか。刺激が必要かなあ、と。 / みなみ ( 2004-06-20 01:03 )
ちゃあ>おー、つっこみありがと。元気かなー? って思ってたよ。M君から仕事の話も聞いてたし……。ついに臨月だね!    美味しい高野豆腐……うん、がんばる……。 / みなみ ( 2004-06-20 01:00 )
そういうときもありまっせ。そんなときは、ドーンと思い切り浸りきってみるもよろし。渇いたお豆腐は、環境が変わると、大量の水分を吸うことになりまっせ♪ / 須木成 ( 2004-06-17 21:25 )
私は高野豆腐すきよー。ちゃんと料理すれば、味が染み込んでおいしいじゃない?というわけで美味しい高野豆腐になるべく頑張れ! / 臨月のちゃあ。 ( 2004-06-17 16:29 )

2004-06-08 今月のヘタレ君 【オーランド・ブルーム/『トロイ』 パリス役】

みなさま、こんにちは。

映画に登場するダメな男をこよなく愛する会、その名も【ヘタレ愛好会】へようこそ☆
強くてカッコよくて優しくて……そんなパーフェクトなヒーローよりも
こいつ、ダメじゃん と思わずつっこみたくなるような脇役男性に
ついつい心奪われてしまう、物好きなアナタの入会を心よりお待ちしています☆(うそ)

******

今月のヘタレ君 【オーランド・ブルーム/『トロイ』 パリス役】
・総合ヘタレ評価★★★☆☆

オーランド・ブルーム、この人は本当にやさしいんだよね、雰囲気が。
画面にちらっと登場した瞬間、彼のまとう柔和な空気に、ほにゃららと身体から力が
抜けそうになった。案外、彼は和み系なのかもしれん。
今回は、周囲から甘やかされて育っていそうなバカ王子の役ということで、
ブルームの持つ品の良さ、人畜無害な雰囲気がうまく役とマッチしていた。

ブルームの役は、父(トロイ王)と兄(へクトル王子)が苦労して築いたギリシャとの和平を
恋という名の無思慮によってブチ壊す、アホ王子・パリス。
パリスがギリシャの王妃ヘレンと恋に落ち、彼女をトロイへ連れ帰ったことが
きっかけとなり、ギリシャとトロイは開戦に至る。
ここでパリス君は、
「アンタ、自分のやったことの意味全然わかってないでしょ!」
と、思わずこちらがつっこみたくなるような能天気ぶりを発揮する。いいぞヘタレ!

実際に戦争が始まった以上、侵攻の口実を探していたギリシャにとっては
ヘレンを連れ去られたということは戦いの大義名分でしかない。
開戦に至るきっかけが何であれ、戦争の原因は、あくまで国益の問題であって
それは、攻め込まれたトロイにとっても同じこと。
だが、パリス君は勘違いしている。
「戦争になったのは自分のせい」だとか、「愛の戦争」だとか抜かしやがる。
その明らかにズレた様が痛くてステキ。
周囲を省みず、自分に酔うロマンティストぶり! いいぞヘタレ!

ヘレンに対しては、「ここから逃げて、鹿や兎を獲って暮そう」なーんて
現実味のまったくない提案をしてみるパリス君。
うーん、ダメドリーマー☆
自分の実力の程を知らず、ギリシャの王と決闘したのも、
その甘さとナルシシズムゆえか。
いざ決闘となれば、予想を上回るヘタレっぷり。
一応頑張ってはみるものの、地面をはいつくばって逃げまわり
しまいにはお兄ちゃんの足にしがみついて助けを乞う始末。
その情けなさは素晴らしい。

ただ欲を言えば、パリスの目には犬っぽさが足りなかった。
(王族の役にそういうモノを求めるのがそもそも間違っているかもしれないが、
ヘタレキャラには犬っぽさが必須である)
また、映画のラスト近くで、パリスが
「木馬(←もちろん敵兵が入っているのだ)を焼きましょう」と父王に進言したり
主人公アキレスを弓で倒したりするエピソードは、
「パリス=単なるヘタレ」の図式を安易に覆そうとする意図が見えたような気がして
ヘタレ愛好家としては興が醒めた。

余談になるが、オーランド・ブルームという俳優には、わたしはいまいちパンチを感じない。
けれども、ふと思った。
もしかしたら、そのパンチの無さこそが、彼の持ち味なのではなかろうか?
いや、パンチの無さを、自ら演出しているということだって、あり得る。
そう思ったら、ちょっと興味が湧いてきた。
彼の芸幅が気になる。

先頭 表紙

須木成さん>「へたれ好きの自己を見事に客体化」……と言われると、なんだかすごいことをしているような気分になりますね。ちょっとアカデミックな雰囲気〜(笑) ところで人生山あり谷ありは良いのですが、わたしの人生は谷ばかりになりそうで恐怖です。現実のヘタレはなんとかしたい……。 / みなみ ( 2004-06-15 01:21 )
Rさん>確かにあの王族っぽさと、軟弱さ、似合ってました。それにしても、木馬をウキウキで迎え入れるオーリー・パリス!! ああ、想像するだに最高……。思わず笑っちゃいました。アキレスの踵は原作通りなんですね。(原作はおろか神話も知らないわたし……勉強せねば)  職場の同僚が、やはりトロイを観たというので感想を聞いたところ、「オーランド・ブルームは役が悪い」とのお言葉。いや、それが良いのに!!(笑) /重複したつっこみはご要望通り消しておきました〜。 / みなみ ( 2004-06-15 01:19 )
う〜ん、みなみさん、なんかついにというか、もうとうにそうなんでしょうが、へたれ好きの自己を見事に客体化されたように感じました♪ あっぱれ! きっと山あり谷ありの人生にならざるを得ないのかもしれませんが、その志や、尊し! 幸多かれと願う、不肖須木成でした。 / 須木成 ( 2004-06-09 00:15 )
キャスティングされた時点では、彼の出演作といえば指輪物語しかなかったはずですが、彼にこの役を振った製作陣の慧眼には驚きます。パリスがアキレスの踵を射るのは原作通りだったと思いますが、確かに違和感が……。木馬だって、本来なら誰よりもウキウキで迎え入れそうな感じなのに。それはともかく、メネラウスとの決闘シーンは素晴らしかったですね。あの腰の引けっぷりといい、眼を瞑ったまま剣を振り回してそうな感じといい、最高。 / R ( 2004-06-08 22:18 )

2004-06-08 映画 『トロイ』

押しも押されぬハリウッド大作。金と手間をどばどば注ぎこんだ感のあるスケールのでかさ。
それはそれで素晴らしいんだけど、いまいち情感に訴えかけてくるものが少なかった。

たとえば、
主人公のアキレス(ブラット・ピット)が、トロイの巫女をつかまえて、彼女に執着するところとか。
従弟を、トロイの王子に殺されて復讐に燃えるところとか。
なんだかいまいち、感情移入できなかった。
なぜアキレスは巫女を愛したのか?
彼は従弟をどれほど大切に思っていたのか?
それをしっかりこちらに教えてくれる挿話があれば、と思った。
アキレスが何を考えているのかよくわからなかった。
自分の理解力不足か?

良かったな、と思うのは、戦いに高揚感があったところ。
それも、攻める側ではなく、防衛する側の。
トロイの城壁を目指して進んでくるギリシャ軍、それを迎え討つトロイ軍。
襲ってくる敵は打ち払ってやる。自分たちの国を、家族を、生活を守るために。
そんな意気の伝わる、戦争のシーン。

さて、公式サイト行ってきたら、「一番かっこよかった俳優は誰?」という投票があった。
ブラット・ピットが、僅差でエリック・バナに負けてた。
わたし? もちろんエリック・バナでしょ。
一票入れてきました。えへへ……。
強く、賢く、思慮深く、愛情も深く。
濃い眉と、それに負けない、強い光のある目。
藍染めの衣装が良く似合っていたなぁ。

ブラピと彼の決闘シーンは迫力があってよかった。
ただ、前の方の席だったため、スクリーンが近すぎて、動きの派手な決闘シーンは
かなり観づらかった……(笑)

先頭 表紙

2004-06-03 キェシロフスキ・オールナイト 『トリコロール3部作』 『愛に関する短いフィルム』

もうかれこれ10年ほど前。
『トリコロール3部作』が渋谷で公開された時、不精なわたしは観逃してしまった。
以来ずっと、気になっていた。

■『トリコロール 青の愛』

主人公役のジュリエット・ビノシュが美しい。存在感のあるその足が特に美しい〜。
黄色っぽい色調の映像や、登場人物のシンプルな服が、いかにもフランスっぽい。
硝子のモビール、十字架のネックレスなどの小道具の使い方も巧みだ。

主人公と、同じアパルトマンに住む娼婦とが、信頼関係を築いていくところがいい。
2人の関係は、基本的にギブ・アンド・テイク。
「この前あなたに助けてもらったから、今度は自分があなたを助けてあげるわ」という感じ。
一見とってもドライなんだけれども、お互い、いちばんの痛みを晒して、それを相手に
ゆだねている。それを土台に築かれる友情は深い。

しかし、全体的にどうにもシリアスすぎ、気障すぎて、ところどころ素に返りました。
醒めた目で観てしまう。というか笑いそうになった。
特に、何度も繰り返されるテーマ音楽の荘厳さは、すでにギャグの域。
わたしはこういう感性の大人に育ってしまったようなのですけれども、
やっぱりこの映画、10年前に観といた方が良かったのか。

■『トリコロール 白の愛』

わたし、この3部作は、3人の女性を主人公にした連作なんだと思っていた。
でも、それはあくまで広告戦略だったんですね。ハァ。やられた。
「主演:ジュリー・デルピー」……嘘やん。
実際は、ズビグニエフ・ザマホフスキという俳優が、滑稽で情けない主人公・
カロルを演じている。彼が主役のCMを打ったら、映画は売れんわな。
眩い光が溢れるワルシャワの早朝。氷の張った真っ白な湖の上を、カロルと、
”悲しげな顔をした男”ミコワイがはしゃぎながらすべりまわっていた光景がよかった。
ああ、寒い国へ行きたい。

肝心のテーマ、ここに描かれる愛のかたちは、いまいち理解できない。
妻から一方的に離婚裁判を起こされ、不倫を見せつけられ、放火の罪まで着せられ、
財産を取り上げられてホームレスにされ、どうしてそれでも好きでいられる?
しかも自分でそこまで夫を痛めつけておきながら、最後には妻も夫への愛に目覚めちゃう
からね……
「なんだかんだ言って好き」というのはわからなくもないけど、極端すぎないか?
あ、極端な話だからこそ映画になるのか。

■『トリコロール 赤の愛』

盗聴が趣味の元判事、が素敵。かわりもので偏屈だけどかっこいい。そしてちょっとかわいい。
映画のラスト近くで、『青の愛』『白の愛』の主人公たちがちらっと登場したけど
ベタすぎて「要らないよ、それ」って感じ。
とはいえ、劇場公開当時、間を数ヶ月ずつ置いてこの3本の映画を観たなら、
「あっ、こんなところにあのキャラクターたちが!」というふうに
ちょっと美味しいオマケとして楽しめたんだろうな。

■『殺人に関する短いフィルム』

寝てた。

■『愛に関する短いフィルム』

4本観た中で、この映画がいちばんよかった。
隣のマンションに住む年上の女性の生活を覗き見する19歳の男の子と、
彼に覗かれる女性。2人の関係や心境の変化が丁寧に描いてあって、切ない。
彼と彼女が接触して、事件が起こって、そして2人の立場が逆転し、
それまで望遠鏡で覗かれていた女性が、反対に、双眼鏡で男の子の部屋を覗くようになる。
この展開にははっとさせられた。……うまい。
ストーカーな男の子は、ヤバくてキモくて、同時に、純粋で、純情で、ナイーブ。
絶妙なキャラクター造形。
機会があればまた観たい。

先頭 表紙

MITUKI さん>そーなんですよ、もう10年前……。早いなあ。映像は何といっても「青」ですね。随所に出てくる青色が美しい〜。「赤」は、3本目だったせいかいまいち理解力が低下していて、ストーリーの細かいところをよく考えながら見ることができずに残念でした。「白」は……確かに大人といえば大人。 / みなみ ( 2004-06-15 01:11 )
マイケルさん>そーです、新文芸座です♪ フランス映画ということで、疲れていなくても爆睡しそうで怖かったのですが(笑)、なんとか持ちこたえました。といいたいところですが、オールナイトはどうしても1本は捨てないと駄目みたいです(涙)。 / みなみ ( 2004-06-15 01:07 )
おお、トリコロール。一時、フランス語を勉強してて、その時、わたしも見ましたよ。そうか、もう10年も前の話かぁ(苦笑)。映像が好きだったのは「青」だったけど、話がおもしろかったのは「赤」だったかな。「白」は「大人の世界やね」で終わっちゃった。3人のヒロインの中ではビノシュの存在感が、やっぱりスゴかったな。 / MITUKI ( 2004-06-04 16:07 )
新文芸坐ですね? 気になっていて行こうと思っていたのですが、疲れていて爆睡必至だったので諦めました。 / マイケル ( 2004-06-03 09:38 )

2004-06-01 大好きな匂い

街中で、煙草に火をつける人とすれ違うとき
風にのってその匂いが届いたならば
わたしは絶対に振り返ってしまう。
それくらい大好き、なのが
ジッポーのオイルの燃える匂い。
あたたかく、香ばしく、どことなく懐かしい。
(歩き煙草はやめろよ、というつっこみはさておき)

昔は、ジッポーで煙草を吸うやつと一緒に飲めば
「ねえ、ちょっと火、点けてよ」
と頼んだ。
でも、気づいてみたら、
ジッポーを持ち歩く連中はわたしの身近にはもういない。
なので、なおさら、街ですれ違うあの匂いは新鮮だ。

先頭 表紙

valkilさん>すぐなくすから100円の……わたしにとっては傘がそうです(^^;) 今度ジッポよろしくです。匂いかがせてください……(笑) / みなみ ( 2004-06-15 01:05 )
あやこさん>きゃ♪ そう? いやでもね、友達に「あの匂いがスキなんだ」といったら「あぶない……ジャンキーっぽい」と言われました。そうかなぁ。 / みなみ ( 2004-06-15 01:04 )
じゃ、箪笥の中から探してみますか。すぐなくすからライターは100円のにしちゃってるんですけどね♪ / valkil ( 2004-06-04 01:20 )
いやん。大人の女が大人の男の陰が見える匂いを好きって感じですなぁ。 / しりとりあやこ ( 2004-06-02 07:52 )

2004-05-29 ピンクのランドセル

「そういえば、わたしのランドセルはピンク色だったっけ」
普段はすっかり忘れているけれど
たまに、ごくたまに、ふっとそのことを思い出す。

小学校に上がる年の冬だった。
祖父母がランドセルを買ってくれることになり、
パンフレットが家に送られてきた。
そこに、色とりどりのランドセルをずらりと半円形に並べた写真が載っていた。
赤、ピンク、オレンジ、きいろ、みどり、青、黒……
それまでランドセルは赤と黒だけだと思っていたので、ずいぶん新鮮な気持ちがした。

それを眺めていたら、ピンク色のランドセルが気に入ってしまった。
なので、それを母に言った。
すると母は「本当にピンクにしちゃう?」と言った。
「そうしちゃおうか」と「それでいいの?」の中間みたいな口調だった。
わたしは「うん、ピンクにする」と答えた。
かくしてわたしは、6年間、淡いピンク色のランドセルを使うことになった。

今でこそ事情は違うと思うけれど
当時、ピンクのランドセルは、おそろしく目立ったと思う。
ランドセルといえば赤と黒が絶対といってよかった。
小学校には、全学年で1200人ほどの児童がいたけれど
わたしの他には、ひとり、朱色のランドセルの子がいただけ。
その朱色でさえ目立っていたくらいだから、ピンクはきっと、その比じゃなかった。

「どうしてピンクなの」「どこで買ったの」と友達や知らない子によく聞かれた。
「どうしてピンクなの」と聞かれても、「ピンクがよかったから」としか答えようがない。
5歳児にそれ以上の動機があったもんか。断言するけど、ないよ。
(あの純粋さをいま欲しい)
帰り道に、上級生から声をかけられたり、からかわれたりもした。
「みんなと同じように赤いランドセルにしとけばよかった」と子供心にかなり後悔した。
目立つのは好きじゃなかった。苦痛だった。

母は、他の人との間で、わたしのランドセルが話題に上るたび
「ランドセルくらい、好きな色でいいじゃない」と言っていた。
その言葉に母が酔っていたかどうかはわからない。

わたしは、自分自身に対して、ここ1〜2年でようやく
多少なりとも社会性が身に付いてきたかな、と思う。
自分がどれくらい常識がなくて、
どれくらい世間からズレているのか、どのようにズレているのかを、
なんとなく把握できるようになってきた気がする。

自分の性格と
「ピンクのランドセルが欲しい」というわたしのオーダーを
すんなり通したことに象徴される母の性質には
因果関係があるだろうな、やはり……
良くも悪くも。

今のわたしが小学校へ上がる前の自分に戻ってランドセルを選ぶのなら
赤いやつにする。かもしれない。どうだろう。
あのランドセル自体は好きだったなー
大切にはしなかったけど

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りぃなさん>わお♪ 姉妹そろっていろんな色?! いいなぁ。楽しそう……。ちなみにうちの弟は黒でした……。 / みなみ ( 2004-06-15 01:03 )
りゃん吉さん>金色ランドセル、おぼっちゃまくんが使ってそう。もちろん御坊家の家紋入りの(笑)。  / みなみ ( 2004-06-15 01:02 )
Kyucoさん>赤い皮の筆箱! 2面筆入れ!! 缶ペン!!! うわー、なつかしい……。2面筆入れ、小学校低学年の定番でしたね。無駄に開け閉めできるところが多かったり。今もあるんだろうか。でも、学年が上がるにつれ、2面筆箱のゴテゴテの無意味さに皆気づいてくるんですよねぇ……(笑)。 / みなみ ( 2004-06-15 01:00 )
ビッケさん>小6で170! でかっ! そりゃーランドセル入らないよね……。170センチの痩せた大人がランドセル背負うのと大して変わらなそう。 / みなみ ( 2004-06-15 00:57 )
あやこさん>ホント、「人と同じじゃつまんない」っていつごろ芽生えたのかな。全然思い出せません。わたしがランドセルを選んだときにそういう意識がなかったことは確か。最近じゃ反対に、自分が気に入れば他人と同じでもかまわなくなってきているけど(笑)。わたしの小学校は、あくまでかばんはランドセルでしたー。レッスンバッグとか、いいなぁ。 / みなみ ( 2004-06-15 00:55 )
ゆこまるさん>勇者ぢゃないのよー。周囲の反応を予想したうえでピンクのランドセルを使っていたら、確かに勇者だったと思うけどね☆ ランドセル、質感が違うだけでも目立つよね。そう、ツヤツヤとか、しっとりマットとか……。 / みなみ ( 2004-06-14 22:57 )
おお、まさにうちの姉妹のことじゃないですか。うちの母が変わったもの好きで、うちの三姉妹のランドセルは上から、ピンク、黄色、朱色、でした。からかわれたこともあったけど…最初見たときは本当にびっくりしました。 / りぃな@今も残してあります ( 2004-06-03 11:16 )
個性は大事ですよ。みんなが赤や黒だけだったらつまらないですよ。金色はさすがにないか!?・・将来の金メダリスト養成ランドセル・・ / りゃん吉@お疲れ様ーdesu ( 2004-05-31 20:52 )
私の同級生にもピンクの子いました!私自身は、ゆこまるさん同様赤いけど質感の違うランドセルで(みんながもっているのみたいにテカッてなかった)やっぱり目立っていましたが、母が紺、叔父が緑のランドセルをつかっていたという家だからか(笑)、あんまり気にしていませんでした。それより私にとって問題だったのは筆箱。赤い皮の筆箱を与えられたのですが、一時期はやっぱりみんなが持ってるキキララの二面筆箱がいい、とか、缶ペンなるものをつかってみたい、とか思ったこともありました。なつかしいなぁ。 / Kyuco ( 2004-05-31 16:27 )
うちらの小学校時代って殆ど赤と黒だったね。最近は割りとカラフルなランドセルが多いけど。小6で170センチあったジャンボ小学生だったオイラはランドセルが小さすぎて手提げ鞄で通ってたよ。(←そこからあまり伸びなかったんだけど・・・)ランドセル背負ってる小学生が妙に羨ましかった(笑)。 / ビッケ ( 2004-05-29 18:25 )
今の私なら思い返してオレンジや黄緑にしたいなぁ・・なんて思うけど本当に6才の私がそれを選んだかは微妙だなぁ・・・「人と同じじゃつまんない」ってのはいつ頃芽生えたのかな?小6の頃レッスンバックみたいのが流行ってみんなランドセルやめた時まねするのが嫌で最後まで私一人がランドセルだったなぁ・・。そう思うと6才の私選んだかも違う色! / しりとりあやこ ( 2004-05-29 10:09 )
あ、ピンクのランドセルつかってたのー?勇者だ!(^_^)ゆこまるは、おじーちゃんからプレゼントされたんので、赤かったけど地元の子が使ってる質感とちがったのね。その微妙さがいやだった。(笑)でも確かにカラーの人は奇異の目でみられる時代だったよね。。(T_T)色なんて、どうでもいいと思うんだけど。。むしろ黄色とかかわいーじゃん♪今の子いいなぁ。。自由にいろいろ選べて。。 / ゆこまる ( 2004-05-29 01:24 )

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