2003-03-22 『武勇伝』（澤田謙也×魔裟斗）　舞台挨拶。
2003-03-20 人の時間を盗んだこと
2003-03-19 『東京装置』
2003-03-18 涙なみだ
2003-03-16 脳内麻薬あそび（１）
2003-03-16 脳内麻薬あそび（２）
2003-03-12 お疲れっす
2003-03-11 愚痴ぎみかもしれない……でもいいの。
2003-03-08 フィリップ・キャンデロロ　★　ファンタジー・オン・アイス　（1）
2003-03-08 フィリップ・キャンデロロ　★　ファンタジー・オン・アイス　（2）

ちょっとネタバレありなので、ご注意ください。

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今日は、valkilさん、ししょーさんにご一緒して
新宿の東映パラスまで、公開初日の映画『武勇伝』を観に行ってきました。
11：30の上映に向けて、8：30ごろから並んでいるお二人に9：00に合流……
のはずが、10：00ごろ合流。（ご、ごめんなさい！）
主演の一人、澤田謙也さんはvalkilさんの愛する男性なのだ。
わたしとしても、カンヌのグランプリ受賞作『鬼が来た！』の、軍人・酒塚小隊長役で
初めて知って以来、気になる俳優さんです。

映画自体は、ほぼ全篇ファイト・アクション。殴る蹴る殴る蹴る。流血流血。いたたたたたた。
いわゆるＢ級、ストーリーはアクションの二の次だし、ツッコミ入れようと思ったら多分キリがないんだけど、
アクションは迫力があって悪くなかったし、何と言っても、澤田謙也鑑賞映画としての見どころは
満載でした。

魔裟斗は、人殺しをした元ボクサー・龍平という役柄。喧嘩マシン。
渡嘉敷勝男と並んで台詞の棒読みっぷりがすごかったぞー。
台詞少ない役だったし、観てるうちに慣れたからいいけど。
個人的に、ヒロイン（内藤陽子）とビルの屋上でいちゃいちゃスパーリングしてた場面が
寒くて、かなりツボでした。これぞＢ級映画の醍醐味……。

それにしてもあのヒロイン、マフィアからクスリ盗んどいて、なぜ数発殴られる程度で
済んでいるのか。ふつーに考えたら、輪姦くらいされてもおかしくない。
だいたい、クスリ盗む時も最初から計算して龍平を利用していたぞ、あれは……。
ヒロインはアホでも、最後には男どもが守ってくれるということでめでたし。
ま、かわいかったし、いいか。

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さてさて、上映が終わって、お待ちかねの舞台挨拶！
我らが小隊長殿、みんなのムードメーカーという雰囲気でした。
ししょーさんが撮影したデジカメの映像を後で見せていただいたのですが
やはり俳優さんだけあって表情が豊かですね。

観客のほとんどが魔裟斗ファンの若い女性で(魔裟斗のご両親も関係者席に来ていた)、
撮影タイムには、「魔裟斗ー！」という黄色い声が飛び交っていました。
ので、わたしも「しょーたいちょー！」と叫びましたよ。
舞台挨拶に出ている俳優さんに、別の映画の役名でコールするのは失礼かな、と
思ったのですが、やっぱり小隊長と呼んでしまいました。だって小隊長なんだもん（^^;;
そうしたら、澤田さんは壇上で「しょ、小隊長って……」と反応してくれました！
照れ笑いしてたよ！（かわいかったです）

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舞台挨拶の後は、池袋に移動して、valkilさんおすすめのベトナム料理屋へ。
料理もおいしいし、雰囲気がよくて、のんびり。
valkilさん、ししょーさん、どうもありがとうございました。楽しかったです。
また遊んでください。


私信：
valkilさん、コーヒー美味しかったです。あんなに美味しいコーヒー初めて飲みました。
わたしもコーヒー道（？）に足を踏み入れたくなりました……。

先頭 表紙

一昨年、旅行でオランダのアムステルダムに行った。
泊まった部屋は、ペー・セー・ホーフト通りという高級ブティック街に面していた。
1階がブティックで、2階がホテルのフロント。部屋は3階だったか、4階だったか。
トイレとシャワーは共同で、シャワーはロクにお湯も出なかったけど
廊下に引いてある絨毯はサファイアブルーで、白い壁に良く映えていた。

深夜になり、友達は先に眠ってしまった。
退屈しのぎに、というわけでもないけれど、
何気なくベッドにうつ伏せになって枕元から窓の外を眺めていたら、
一人の女の人が通りを歩いてきて、
向かいの宝石店のショウウインドウの前で足を止めた。

その人はじっとショウウインドに見入っていた。何分ぐらいのことだったんだろう？
それはひどく長い時間に思えた。
彼女は、こうして、向かいの建物の窓から誰かに自分の姿を眺められているなんてこと
気づくどころか、想像さえしなかったにちがいない。
これが昼間だったら、他にたくさんの通行人がいる昼間だったら
彼女はこうして長い時間、ショウウインドウの前で立ち止まっただろうか？

わたしは今、この人の時間を盗んでいるんだ。この人の、一人だけの時間を。
そんなことを思った。強烈に思った。
わたしが盗んだその時間はキラキラしていた。そう、きっと、
その人がみつめていたであろう宝飾品みたいに。

先頭 表紙

という本をいま、読んでいます。著者は小林紀晴。カメラマン。
ほんの数ページ読んだだけで、その、ただごとではなく鋭い、文章の切れ味に驚きました。

決して泣くような内容の本じゃないんだけど、読んでて何度も泣きそうになります。
この本に書かれていること、作者の感性や指向性が、自分の興味に
あまりぴたりと一致するものだから、なんというか心がいっぱいになる。

住む場所はその人のあり方に影響を与える、とかそういうこと。
土地や街と、人の関係について。

この本の中に、東京の渋谷から恵比寿に向かう途中のガード下にある、
ぼろい建物のモノクロ写真が載ってる。
全然かっこよくない。トタンでできたなんてことない建物。
でも、仕事でこの前を通るたびに、自分が
「これ、写真撮りたいなあ！　モノクロで！」って何度となく思ってた建物！　じゃないの！
凄いよ！

自分は、自分の好きなものに出会ったら
ちゃんと好きだなあって感じられるこころ、感動できるこころを持っている。
と思うと、なんだかよくわからないけど安心します。
同時に、そういうものを持っていることに自信を持たなきゃいかんなと思います。
そして、いろんなものを見たり聞いたり触ったりすることを
さぼったり恐れたりしてはいけないと反省します。

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仕事で微妙にイヤなことがあった。
上司の提案に従っただけで、わたしだって別に仕事おしつけようとか
思ってるわけじゃないってばさ。
でも、向こうが不服に思う理由（何も言われてはいないが）もよくわかるけど。

生徒が別れを惜しんでくれた。職員の中で私が一番話しやすかったって。
わーい嬉しい。でも淋しい。

先頭 表紙

３月１７日

なんかよく泣いた一日。まず起きてすぐ読んだ本がまずかった。
岩下志摩子の『ぼっけぇ、きょうてぇ』……再読なのだけれど。
救いのない、暗くて忌まわしい話ばかりの短編集なので、気分どよどよ。
好きなんだけどさ。

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祖母の思い出話。昔、祖母が弟を連れて大洗に出かけたそうな。
（大洗ってのは茨城の地名。海水浴場のあるところ。）
祖母の実家は栃木で、昔のことだから弟は海なんか見たことないわけさ。
電車の中で海を見て、でもそれが海とわからない。
「あの白いのが波。波が海と陸との境目で、あの向こうが全部海だよ」と祖母が説明したら
弟は「でっけえなあ、鬼怒川よりでかい」と驚いたそうな。（確かに鬼怒川はでかいのだが……）
電車に乗っている人みんなに大笑いされて祖母は恥ずかしかったけれど
そんな弟がかわいくてしょうがなかったそうな。
その弟、私の大伯父にあたる人は、友達と野球をしていて
ヘッドスライディングしたときに首の骨を折って死にました。１７歳だったそうです。
それを知っているだけになんとも。
（考えようによっちゃすごく幸せな死に方という気もしてしまうが……）

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ギリギリ閉所時間間際にハローワークへ駆け込み。
帰りにＣＤ買って帰って、喫茶店でライナーノーツ読んで涙。
そしてＮＨＫの「おしん」のダイジェスト見て号泣。
とどめに盲腸君から電話。彼のお祖母さんが亡くなったそうでまた涙。

よく涙が出る時は、自覚がなくても精神的に疲れている時が多いので
気をつけようと思います。おわり。

先頭 表紙

最近、寝る時にヘッドホンで音楽を聞くのが習慣になりつつあります。
私は普段、ヘッドホンを使わずにスピーカーから直接音楽を流しているのですが
やはりヘッドホンを使わなければ聞こえない音、気づかないことがたくさんあります。
もう何年も前から聞いているＣＤでも、改めてヘッドホンで聴くと
いろいろな発見があって、かなりお得な気分です。（いや、今まで損をしていたのか？）

私は日々の生活でロクに頭や身体を使っていないので、強い眠気を感じて寝るということは
なかなかありません。ただ、あまり夜更かししすぎると起きるときが辛いから、
寝なきゃ、と思って寝ることがほとんどです。なので布団に入ってもしばらくは目が冴えていたりします。
布団の中でじっとしていると、眠りに落ちる直前、脳の中に睡眠物質が分泌されるのか
軽いめまいのような感覚を覚えることがあります（これは、自分以外にも、同じような
ものを感じるという人を発見）。このめまいのような状態が起こってから完全に寝てしまうまでの
間が実に面白い。深い海の底で、マグマに温められた海水が岩の割れ目から沸きあがるように、
普段は自分の脳みその奥深くにしまわれているのであろう、いろいろな情景、いろいろな思いの断片が、
記憶の表面へとさらわれてきて、そしてまたすぐに沈殿してゆきます。
そして思考は、あてどもなく途切れ、自分自身で思いもかけなかったような場所へたどりつき、
そしてまた飛躍し、身動きするとすぐに形を変えてしまう万華鏡の模様のように
くるくると飛び交うのであります。
この間などは、もういつ見たのかも覚えていないような夢の、その夢の中の風景をいくつか
見ることができました。一度しか見たことのない、私の頭の中以外に、この世のどこにも
存在しない、覚えていたってなんの役にも立たない、自分自身覚えていたいとも思わない、
というかこんなもの覚えていたなんて！　と驚いてしまうような、そういう他愛のないものさえ、
実はきちんとどこかに保存されているようです。
その虚構の景色の中に満ちている空気の匂いまでもが一緒になって。
（夢に夢の風景を見てしまうと、夢を虚構と決めつけていいのかどうかさえ疑問に思えてくる。
　もしかして夢の中で経験したことは実体験だと考えても支障はないのではないか。
　それくらい夢と現実の境界線はあやうい。ような気もする。肝する。）

（つづく）

先頭 表紙

（つづき）

こういう状態の時に音楽があるとさらに面白く、運がいいと「なんかよくわからないけど
すごい世界」を味わうことができます。「なんかよくわからない」というのは文字通りで、
その時は楽しくても、すぐ眠りに落ちてしまうので、それがどういうものだったかを
なかなか記憶していられないからです。たぶん、睡眠物質は、ごくごく一時的な記憶障害
（記憶が混乱したり、記憶することができなくなる）をもたらすのだと思います。
音楽を聞きながら眠ると、音楽なしで眠る時よりも、眠りに落ちるぎりぎり直前まで
意識を保っておくことが、だいぶ容易になるような気がします。

ついこの前、お気に入りのＣＤを初めてヘッドホンで聞きながら寝ました。前にも何度か
日記に書いている、槇原敬之のＣＤです。こんなに透明で、きれいで、そして格好いい
音楽だったんだ、と改めて感じつつ、「なんかよくわからないけどすごい世界」に入って
いくことができました。記憶、思考、イメージの乱舞。こんな音楽、クスリやってなきゃ
作れないって、アハハ……とか妙にハイになりながら、でもそう考えている自分自身が
明らかに脳内麻薬に酔っているところがおかしくて。なんか明らかに入っていたな……。
（注：単に眠りの世界に入ってるだけなんですが）
槙原敬之は覚醒剤所持で逮捕されたことがある、という知識があるからかも
しれないんですけれども、麻薬的な感性の音楽だと思ったことは確かです。
（麻薬と覚醒剤は違うのか。でも、ま、覚醒剤持ってたくらいならきっと麻薬を通った後でしょう）
そう思いつつ調べてみたら、そのアルバムは逮捕直前に発売されたものだとか。ほええ。
他のアルバムも買ってみたいけれど、このアルバムがとても好きなのでこれだけでも別にいいかな
という気もします。それぐらい好きです。

先頭 表紙

今日は職場の女性陣(一部)で飲みに行ってきました。
いろんな話ができて楽しかったのだけれど
その反面帰ってきてから少し疲れてしまった。

一年間この職場で働いて来たけど
わたしは同じ職場の誰とも
信頼関係を築けなかったのかもしれない。
と書くと、一緒に飲んだ彼女達や、他の人に失礼かもしれないけれど
そう思った。
他人や周囲の問題ではなく、自分自身の、人間関係の作り方の問題として
そこに、歪んだ、間違ったものがあったような気がする。

ずっと誰にも、本音らしい本音は、話さないで、話せないで来た。
仕事上で感じたことは家族にもつきあっている人にも一切話さなかった。
（話せなかったというのもある。盲腸君は電話つながらないしさー）
ときに思うことがあったら
今こうして書いているみたいに、この日記に書いて
それまでの日記を通じてわたしのことを理解してくれているかもしれない（？）人たちに
読んでもらえればそれでよかった。

辛いこと大変なことも
考えれば考えるほど苦しくなるだけと気づいて
深く考えないよう、自分でコントロールできるようになろうと思って、
ある程度それに成功したから
全部を全部、日記に書かなくても大丈夫だった。

そして気がつけば、雑談したさに、自分から友達に電話することなどもほとんど無くなり
たまに電車に乗ってどこかの街に出かけていって
気の置けない友人知人に会う時を除けば
ネット上でしか自分の心情を吐露することもなく
思えばけっこう孤独なのかもしれないです。

自分自身、そのドロドロを吐いている存在だということを知りつつも
人間関係のドロドロが大嫌いなわたしは
ほんとにまた集団組織に入って仕事できるんだろうか。
絶対できない、とは思わないかわりに自信もなし。

自分って、実はすごい人間ギライなのかな？
ただ今いる場所が合わなかっただけならばまだいいのですが
それにしてもこの一年、非常にやばい時間を送ってきたのかもしれないという気がします。
せめて頑張ってリセットしないとね。
そのためには積極的に動こうっと。

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応募した会社の採用合否通知、まだ来ない。
待ちきれずに電話したら、「書面で送りますのでもう少しお待ち下さい」。
それからもう5日……遅すぎる！

とかそんなこともネット上しか話す場所のないワタシ……
たまには誰かに電話でもするかね……
あ、友達にメールの返事書こう……

先頭 表紙

わたしの父は酒飲みである。

母は、「昔は、近所の手前、一気に捨てられないような量の酒瓶が出たから
裏庭にプールしておいて、少しずつ小分けにしてゴミに出した」という。
（おかげでわたしも2歳のころからイカの塩辛が好きだったのさ……）
そんな父は、飲み会で、しょっちゅう家を空けていた。
ある日、何の連絡もなく父の帰りが遅くなったので
「お父さん、どうしたんだろうね」と母が何気なくわたしに言ったところ
わたしは「どうせ飲み会でしょ」と即答したという。（当時わたしは2〜3歳）

「飲み会」＝「内容はよくわからないけど、お父さんが出かけていくもの」。
そういえばそういうインプットがされていたなと、最近思い出した。

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というのも、わたしのつきあっている人・盲腸君（奨学金という名の莫大な借金を抱えつつ
研究所で働く学生さん）が、「実験」とかいうものに突入すると、
ぱったり音信不通になるのである。
「実験」とは一体なんなのであろうか？
「実験」が始まると何日も泊り込みになるとか、事務用のイスを３つくっつけて
寝るんだとか、放射線を遮る防御壁は携帯の電波も遮断してしまうだとか、
そういう話は聞いて理解できるものの、でわ実際に何が行われているのか？
わたしはまったく知らないし、たぶん説明されても理解不能なのである。
これこそ「お父さんの飲み会」ではあるまいか。

そんな具合だから、たまに「あ、そういえば最近連絡ないねえ」「電話がずっと圏外だなあ」
と気づいても、最近はもう「実験なんだろう多分」と思って放置するばかり。
（これにはもうひとつバリエーションがあって、「論文の〆切が近いんだろう多分」と
　いうのもある）
で、放置していたら、実は盲腸で入院していたりする。

＊＊＊＊＊＊

最近、向こうから電話もないし、わたしも趣味で忙しかったり、
仕事の契約切られてあーだこーだしてたり、
自分のことでいっぱいいっぱいになっていてあまり気にしなかったのだけれど
ふと気づくと3週間近く音信が途絶えていることに思い当たった。
（こちらからは電話するのだけれど、いつかけても圏外）

これはいくらなんでもひどかろうと、連日、抗議＆いやがらせのメール（向こうが圏外なので
実は届いていない）を送り続けた。そして一週間後、ようやく電話が来た。
（それも知らない電話番号（研究所の電話）なので、あやうく着信拒否するところだったってば）
わたしは冷え冷えとした声で応対してさしあげた。
「で、なんで電話しないわけ」
「そ、それはね……携帯なくしちゃった」
「いつ」
「○日」
ちょうど3週間前……。
そういう人だとは知っているのでいまさらなにも驚かないけど……。
わたしが毎日送りつづけたメールは一通も読まれないまま闇に葬られるのね……。
もったいない……。

会うのもたまーにだし
日々の楽しいことやつらいことを話し合うでもないし
もはやお互いの誕生日にも何もしないし（第一連絡がつかん）
ほとんど相手が肉体の存在を持たない観念的な存在に成り下がっているというか
成り上がっているというか
これでつきあっている意味があるんでしょうか……
いや、その答えは自分でよく知っているんですけれど
もうちょっとどうにかならないものか？
電話をかけたら出てくれとは言わん、ただ電源くらい常に入れといてくれ……。
最近わたしは疲れました。
が、まあこれで良いのでしょうか。
毎日電話するとかいったらそれはそれで面倒だしな。
学生の頃はサロンパスの如く日々一緒にくっついてたんですが、人間変われば変わります。

先頭 表紙

最寄りの駅で降りて、まるでＵＦＯのような外観のなみはやドームへ。
チケット片手に席を探すと……うわ！
テレビで見る競技用のアイスリンクって、ふつう周囲にコンクリートの囲いがあるので
てっきり今回もそういうものかと思っていました……。が！
囲いもなにもなく、リンクのまわり、ほとんど直にといっていいくらいすぐ近くに、
椅子がおかれていたのです。
わたしたちは、その2列目。前に一列椅子はあるものの、リンクまでは
せいぜい2メートルくらいしか距離がない。
こんなところで観てしまって良いんですか？！

そして始まったショウ。
スケーターが勢いよくブレーキをかけるとき、リンクが削られて「ジャッ」という音がするのです。
初めて生で聞いた。それだけで感激。
出だしはちょっと演出がモタモタした感じでしたが、それはそれ。
一人（一組）ずつ出演者が紹介されて、滑って。
そして最後にフィリップ・キャンデローロ登場。華のある人です、やっぱり。

で、肝心の彼のスケーティングなんですが、正直なところ
よく覚えておりません。(^^;
ただ、なんというか、彼の滑りって、「格好いい！」とか「きれい！」と
いうよりも、「面白い」。そんな気がする。（いやじゅうぶん格好いいけどさ……）
印象的だったのは『007』。
フィリップ扮するスパイが指令を受けて、敵の手に渡った危険なウイルスを
取り戻すんだけど、アンプルを割って感染してしまい
それを治療するワクチンを探す……というもの（笑）
なかなか演出が凝ってました。

ショウが進むにつれ、会場のノリもどんどん良くなってきて
フィナーレはほんとに圧巻でした。
衣装はみんな、黒と赤で揃えてあって。
大勢のスケーターが一度に滑って、誰かが常にどこかしらで
息をつく間もなく見せ場を演じている。
まさにファンタジー・オン・アイス。

そして、フィリップのＭＣ。
肩で息をして、なかなかＭＣできなくて、笑ってました（笑）
そりゃ、あれだけ滑ればね。
英語だったのでわたしは7割方理解できませんでした(^^;;
（最初だけ通訳が入ったけど）

アンコールの後は、リンクサイドに立って手を差し出していると
すべての出演者が滑ってタッチしていってくれるんですよ……。
うわー！　ボナリーが！　ペトレンコが！
うわー！

そして最後。フィリップが、すべてのプログラムが終わったにも関わらず
なんと、リンクサイドのファンと写真を撮ったり、握手をしたりし始めました。
「もしかして一周してくれるのかな……」
「……するつもりみたいね……」
おいおい、リンクサイドの席、全部で300〜400人はいるぞ。大丈夫か？　本気なのか？
と思ううちに、彼は、ゆっくりと、本当にリンクを一周してわたしたちのところまでやってきました。
うおー！
うおー！

というわけで、一緒に写真撮ってもらいました。わーい！
肩も抱いてもらってしまったわ……。
（どうでもいいけど、写真撮ってくれたお姉さん
　「ちゃんと撮れたかな」って心配してくれたけど、ご心配どおりちゃんと撮れてないっす（笑）
　全員頭切れてるっつーの。でもまあ、愛しのスターが目の前にいたんだから
　他人の写真のフレーミングどころじゃないよね。。。）

絶対疲れているに違いないのに
あんなにファンサービスしてくれるとは。
ああ、握手もしてもらえばよかった。
ああ、ありがとうの一言くらいいえばよかった。
それくらいなら日本語だって英語だってフランス語だって言えたのに、なにも言えなかった。
なんて思ったのはもうドームを出てからでした。

（つづく）

先頭 表紙

ビンボー臭いこと言うようですが、今回のショウを観るための、チケット代も、
新幹線代も、わたしにはめちゃくちゃ高かった。
でも行って良かった。
このとき、この場所に行かなくては観られないものを観られたから。
（11月の新横浜公演、3月1日の札幌公演ではまた出演者も違っていたし）
素敵で、楽しくて、美しいものを観て、
また明日から頑張るか、という気持ちになれました。
毎日ガサツで品のないロックばっかり聴いてちゃ駄目なのね……。（好きだけど）

そして、今まで知らなかったけど
フィギュアスケートって”舞踊”なんだな、と思いました。
わたしはスケートに詳しくはないから
この解釈が正しいのかどうかはわからないけど
そういう意識を持てただけでも、面白かったと思います。

ざきこさん、お忙しい中、今回の旅にお付き合い頂いてありがとう！
感動をその場で一緒に分かち合えてよかったです。（＾０＾）

（つづく）

先頭 表紙