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ポロのお話の部屋

作曲家とむりんせんせいの助手で、猫の星のポロが繰り広げるファンタジーワールドです。
ぜひ、感想をお願いしますね。

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2005-05-06 ポロの日記 2005年5月8日(風曜日)100まん年ピクニック解決編 その3
2005-05-05 ポロの日記 2005年5月5日(草曜日)100まん年ピクニック その1
2005-05-04 ポロの日記 2005年5月5日(草曜日)100まん年ピクニック その2
2005-05-03 ポロの日記 2005年5月3日(熱曜日)捕竜はんたい!
2005-04-24 ポロの日記 2005年4月24日(風曜日)ポロ、アンデルセン公園に行く その1
2005-04-23 ポロの日記 2005年4月24日(風曜日)ポロ、アンデルセン公園に行く その2
2005-02-28 ポロの日記 2005年2月26日(岩曜日)お話のつくだ煮 その1
2005-02-27 ポロの日記 2005年2月26日(岩曜日)お話のつくだ煮 その2
2005-02-26 ポロの日記 2005年2月26日(岩曜日)お話のつくだ煮 その3
2005-02-25 ポロの日記 2005年2月26日(岩曜日)お話のつくだ煮 その4


2005-05-06 ポロの日記 2005年5月8日(風曜日)100まん年ピクニック解決編 その3

100まん年ピクニック解決編 その3


魚政「おい、猫の兄ちゃん。全部のエンジンを最大出力で噴射するから、いっせーのせっていう合図で、その赤いボタン4つ押してみてくれ」
ポロ「うん、やろう!」
魚政「いっせーのせ!」

 ポロはタイミングを合わせて緊急用のエンジン噴射ボタンを押しました。

 ゴ〜〜〜〜〜〜〜〜!

 エンジンは無事噴射しましたが、もう第一はまなす丸のスピードが速すぎて降下速度はほとんど落ちませんでした。第一はまなす丸は、徐々に炎に包まれ始めました。
 それにつれて、どんどん船内の温度が上がってきました。

ポロ「うわ〜! 助けて〜熱いよ〜! 死む〜死む〜!」

 ぽんぽん、ぽぽん、ぽんぽぽん・・・・

 そしてやっと、そこにあの神田丸の力強いエンジン音が聞こえてきたのでした。

ポロ「ふ〜、助かった・・・・」

 書庫のベッドでポロは汗びっしょりになって目を覚ましました。

 朝ご飯を食べながら、ポロは風にいちゃんに言いました。

ポ「風にいちゃん」
風「なんだポロ?」
ポ「あのさ、熱圏てホントにあるんだね。ポロ、焼け死ぬところだったよ」
風「なに言ってるんだ。別に熱くなんかないだろ?」
ポ「だって、風にいちゃんが2000度だって言ったじゃないか」
風「そうだよ。2000度あるけど、熱くないんだ」
ポ「またまたそんなデタラメ言って、風にいちゃんは、どこまでポロをダマせば気がすむっていうんだ〜! 兄ちゃんなんかキライだ〜!」

 ポロは、そのまま工房を飛びだすと、泣きながらあじさい亭に行きました。

ポロ「え〜んえん!」
女神さま「どうしたのポロちゃん」

 女神さまは、まだ店の仕込みが始まる前だったので、ポロをひざに乗せてやさしくなでてくれました。

ポ「え〜んえん!」
め「そうだったの。ねえ、ポロちゃん、あたしのハートなんて50000度もあるのにポロちゃんヤケドしないでしょ。それと同じなのよ」
ポ「え〜んえん!」

 ポロは、もうどうでもよかったんだけど、女神さまのひざの上にいたかったので、もう少し泣いていることにしたのでした。みなさんは、ちゃんと熱圏のことを調べてください。


おしまい

 
ここは「野村茎一作曲工房HP」に付属する「ポロのお話の部屋」です。HPへは、こちらからどうぞ。

野村茎一作曲工房

ポロの掲示板はここ。
ポロの道場

先頭 表紙

ミタさん、いいでしょ! / ポロ ( 2005-05-08 23:29 )
そうかぁ…女神様のハートは熱いのですね(笑)。いいなぁ、女神様のひざ枕! / みた・そうや ( 2005-05-08 20:57 )

2005-05-05 ポロの日記 2005年5月5日(草曜日)100まん年ピクニック その1

100まん年ピクニック その1


奥「連休、どこにも行かなかったからお弁当持って秋ケ瀬公園でも行きましょうよ」
ポ「わ〜、うれしいな、行こういこう!」
風「別にいいけど」
せ「早くフルートソナタ書かなくちゃ」
奥「どうせ、ウンウンうなってるだけでしょ。さあ、おむすび作るから手伝って」

 今日は海にいちゃんとたろちゃんがいないので、せんせいと奥さん、風にいちゃんとポロで、おとなりの電気羊市を流れる荒川河川敷にある秋ケ瀬公園に行くことになりました。ずっと前に、せんせいと一緒にお弁当を持って行ったことがあります。

せ「エンジンかかるかなあ」

 せんせいの放りっぱなしの愛車(?)ユードラは、ほこりにまみれて眠っていました。

 きゅるる・・・きゅるるる・・・・ぶりりりりりりり・・ぶおん!

ポ「わ、かかった! これで行けるね」
せ「さあ、乗って」
ポ「せんせい、運転のしかた覚えてる?」
せ「うん、まあ何とかね」
ポ「せんせい、クルマは左側通行だよ。思いだした?」
せ「ああ、いま思いだしたよ」

 ユードラは文句を言うでもなく、ちゃんと道路を走り始めました。

ポ「せんせい、フェラーリみたいな高級外車じゃなくてよかったね。国産車はジョーブだなあ」
せ「3年で3000キロしか走ってないクルマだ。10万キロはラクラク走るっていうから、このぶんだと100年は持つな」
風「とむりん、ちょっと意味が違うよ」
ポ「あはは、100年乗ってギネスブック入りするんだ〜」

 連休中だと言うのに、道路はすいていてガラガラでした。

ポ「連休なのにすいてるねえ」
風「みんな行楽地とかへ出かけてるんじゃないのかな」
ポ「そっか。どこも行かないポロたちが正解だね」

 快適に走ってきたので、ユードラはたちまち秋ケ瀬公園の駐車場に到着しました。それでも、さすがに公園駐車場はクルマでいっぱいでした。
ポロたちはあまり人のいない、はずれの林のなかの静かな木陰にレジャーシートを広げてお弁当を食べ始めました。

奥「ここは人が少なくていいわね」
せ「暑くないし、木がいっぱいあって実にいい気持ちだ」
風「こんなところに家が建ってたら、休日の昼ご飯はいつもテラスだね」
奥「いいわねえ。あなた、がんばってもう一軒建ててよ」
せ「ぶっ! げほげほげほ。今の家のローンだって払い終わるかどうか分からないのに、無理言っちゃいけないよ」
奥「そうかしら。ヒット曲書けばいいのよ」
せ「クラシック系の現代音楽ではヒットしてやっと温泉旅行っていうところだよ」
奥「じゃあ、それでいいわ。早くヒット曲書いて温泉行きましょうよ」
せ「毎日がんばってるんだが、どういうのがヒットするのか全然わからない。だから自分の好きな曲を書くしかないんだ」
奥「あら、泳げたいやき君みたいの書けばいいのよ」
せ「それは奇跡を待つしかないよ」
奥「な〜んだ、そうなの」
風「そうだよ、かあちゃん、ヒット曲なんてそう簡単に書けるもんじゃないよ」
ポ「ポロてきには、せんせいの曲は全部大ヒットなんだけどなあ」
風「ポロにヒットしても儲からないじゃないか」
ポ「そっか〜」

 それから、ポロたちはお弁当を全部たいらげると、ゴロリと空を仰いで寝転がりました。


つづく

先頭 表紙

2005-05-04 ポロの日記 2005年5月5日(草曜日)100まん年ピクニック その2

100まん年ピクニック その2


ポ「わあ、きれいな空だなあ」
風「そうだね、吸い込まれるみたいだ」
ポ「ずっと上のほうに行くと涼しいんだろうね〜」
風「でもね、大気圏の中層以上のところまでいくと温度がどんどん上がって2000度kくらいになるんだぞ」
ポ「ふふふ。風にいちゃん、ポロはもう騙されないからね。そんなに熱かったら宇宙飛行士は宇宙に行く前に丸焼けになっちゃうじゃないか」
風「本当だよ。熱圏ていう熱い層があるんだ」
ポ「ポロをなめちゃいけないよ。100メートル高くなるごとに気温は0.6度下ずつがるのさ」
風「それは対流圏の話だよ。その上に成層圏があって中間圏があって熱圏があるんだ」
ポ「はいはい、その上が埼玉圏で、その上が来々(らいらい)圏で、そのまた上がホームラン圏でしょ」
せ「ポロ、これはとても面白い問題だ。温度の話じゃないぞ。何を信じるかという話だ。ポロは今まで風太郎にかつがれ続けてきたから経験上、信用できないという判断をしたわけだ」
ポ「そだよ。第一、言ってることの中身が変じゃないか。全地球表面の平均温度はたしか15度Cくらいだったよね。それで、宇宙の温度はマイナス270度Cだよ。この数字にはちょっと自信があるんだ。だから大気の温度は、どこをとってもその中間のはずじゃないか。2000度kっていったら、だいたい1700度Cくらいだよ。もしそんなに温度の高いところがあったらポロたちだって暑くていられないはずだよ。風にいちゃんはダマす相手を間違えたのさ、ふふふふ」
せ「答えは言わないが、工房に戻ったら調べてみるといいよ。またまた教訓を学べることだろう」
ポ「や、やだな。せんせいまで風にいちゃんと一緒にポロをかつごうとしてるみたいだ」
せ「そうだ。ポロは逆の意味でかつがれているのかも知れないよ。いやあ、なりゆきが実に興味深いよ」
奥「あたしはどっちだか分からないわ」
ポ「え〜、奥さん2000度なんていうペテンが見抜けないの?」
奥「だって、すごく高い所はもう密度が低いから2000度でもそんなに熱くない気がするんだけど・・・。ほら、200度のオーブンに手を入れてもしばらく大丈夫よね。あんな感じじゃないかしら」
ポ「わ〜、ポロに味方はいないのか〜!」
奥「敵とか味方とかじゃないわよ。どっちなのかしらねえって思ったのよ」
ポ「ガ、ガリレオだって一人でがんばったんだ。ポロは信念を曲げないぞ〜」
せ「それはいいことだ。だが、いろいろ調べてたり、よく考えたりして信念を固めるべきだよ」
風「さあ、ポロ。どっちだろうね。ポロの本当の答えが楽しみだなあ」
ポ「ねえ奥さん、せんせい。早く帰ろうよ。ポロ、ちゃんと調べて風にいちゃんのことぎゃふんて言わせてやるんだ」
風「ぎゃふ〜ん♪」
ポ「まだ、言っちゃダメだよ。ポロが勝利宣言したらだからね」
風「うん、そうするよ」
奥「ポロちゃん、せっかく来たんだからもう少しゆっくりしましょう」
ポ「それもそだね」

近くの野鳥がきれいな声で鳴いたので、ポロも、もう少しのんびりしてもいいかなと思い直したのでした。


つづく


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久しぶりにみんなを乗せて走れてユードラ君も嬉しかったでしょうね。 / みた・そうや ( 2005-05-05 19:12 )

2005-05-03 ポロの日記 2005年5月3日(熱曜日)捕竜はんたい!

捕竜はんたい!


 風にいちゃんは20歳になったので、裏神田捕竜監視機構に就職しました。

風「レヴィヤタンとベヒーモスっていう竜は、乱獲と密猟で絶滅しちゃったんだ」
ポ「聞いたことがない竜だなあ」
風「ほかのいい方ではリヴァイアサンとかバハムートとも言うよ」
ポ「わ、それなら聞いたことあるよ。でも、どうして密猟されちゃったの?」
風「聖書によると、世界が滅びた後も生き残る竜だから、生き残った人たちはこの竜を食料にすることになってるんだ」
ポ「おいしいのかな、ぺろり!」
風「ポロだってそう思うだろ? みんなもそう思ったんだ」
ポ「それで密猟されちゃったのか〜。残念だなあ」
風「だから、そういうことが2度と起こらないように裏神田捕竜監視機構があるんだ」
ポ「風にいちゃんはどんなお仕事なの?」
風「監視船に乗ってるんだ。竜を驚かしたりしないようにソーラーセイルで走る宇宙帆船なんだよ。でも、密漁者たちの船を見つけたとたん、光子エンジンとイオンエンジンを組み合わせたハイブリッド機関で全力で追跡するんだ」
ポ「撃ち合いもする?」
風「するよ、攻撃用の光子魚雷と防御用のデコイっていうオトリ魚雷の応酬だよ」
ポ「ドキドキする?」
風「するさあ、すぐ近くで魚雷が爆発したらポロなんかおしっこチビっちゃうぞ〜」
ポ「きゃー、チビっちゃうかも〜!」
奥「あらまあ、楽しそうね」
ポ「ねえねえ奥さん。風にいちゃんてね、裏神田捕竜監視機構の密猟監視船に乗って、密猟者たちと光子魚雷の撃ち合いをするんだよ〜!」
奥「・・・。ポロちゃん、まただまされたの?」
ポ「え゛〜〜〜! またダマされたのか〜!」
風「こっちだって、どんどんレベルが上がってるからね」
ポ「わ〜〜〜、くやしくやしくやしくやし〜!」
風「ポロ、修業が足りないぜ」

 ポロは、もう2度とダマされないぞと心に誓ったのでした。



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先頭 表紙

そっか〜。ホントはポロはダマされてないんだね! でも結局ダマされたってことか・・・。 / ポロ ( 2005-05-05 13:52 )
いやいや、密猟者から狙われないように『ウソ』と言うことにしているだけでしょ〜。(笑) / みた・そうや ( 2005-05-05 07:47 )

2005-04-24 ポロの日記 2005年4月24日(風曜日)ポロ、アンデルセン公園に行く その1

ポロ、アンデルセン公園に行く その1


「たろちゃん、日曜日っていうのは退屈だねえ」
「あたし別に退屈じゃないけど」
「ちょっとくらい共感してくれてもいいじゃないか〜」
「だって退屈じゃないもん」
「せんせいは退屈はチャンスだって言ってたな。だから今はチャンスなんだな」
「ポロはチャンスだと思う?」
「ううん、退屈はつまんないかも」
「じゃ、チャンスなんかじゃないわよ」
「だってせんせいが言ってたもん」
「あんたホントにとむりんの弟子なの?」
「弟子だよ〜。それも高位の弟子なんだ。なんでもナナちゃんが1番でポロが2番だって」
「それって、ど〜〜いう順序なの? ポロ自身がチャンスだって思わないかぎり、退屈はチャンスじゃないよ」
「そっか・・!!」
「分かった?」
「そ〜だ! いつもせんせいが言ってるじゃないか。理解するまではただの言葉だって。でも、いったいどうして退屈はチャンスなんだ〜?」
「あたしだったら退屈だと何をしようかって考えるから、新しいことを思いついたりするけどね」
「何かを思いつけばいいんだな。それなら何か考えよう。そだ。たろちゃん」
「なに?」
「アンデルセン公園に連れてってよ」
「どこにあるのよ〜。デンマークまでなんて行けないからね」
「千葉県だよ」
「あたしにとっては千葉もデンマークもおんなじくらい遠いわよ」
「でも、行きたいよ〜」
「荒川遊園が限界ね」
「アンデルセン公園の方がカッコいいよ〜」
「うん、やっぱり連れていってあげる」
「わ〜い! 早く行こういこう!」
「ちょっと準備してからね」

 たろちゃんは小さなバスケットに何かを入れて準備していました。きっとお弁当に違いない。

「さあ、行くわよ」
「うん。あれ、でもタドタド駅は反対方向だよ」
「いいの、歩いていくから」
「わ、千葉県まで歩いていったら1時間くらいかかっちゃうよ」
「1時間でつくわけないでしょ。電車に乗ったって1時間以上よ」
「じゃあ、どうやって行くの?」
「いいからついてくればいいの。魔法で5分でつくから」

 ポロたちは、よく晴れた午後の空の下を緑の葉っぱを眺めながら歩いていきました。

「ねえ、たろちゃん」
「なあに?」
「緑がきれいだねえ」
「そうね。アンデルセン公園もきっときれいよ」
「あのさ、マルエツってそれぞれに名前がついてたの知ってる?」
「北町店とか?」
「そじゃなくてさ、イトーヨーカドーとかさ、ジャスコとかさ、名前があるらしいよ」
「やっと区別がついたの?」
「え゛〜〜! たろちゃん、前から知ってたの?」
「あたりまえじゃない。知ってるとかじゃなくて、区別がつかないなんて信じられないわよ」
「じゃさじゃさ、いつものマルエツは?」
「あれはマルエツよ」
「じゃさ、ゼンマイ駅に行ったときに行くマルエツは?」
「マルエツよ」
「じゃさ、まんなか病院に行くときにとおるマルエツは?」
「マルエツよ」
「じゃさ、“ド糸”ホームセンターに行くときに寄るマルエツは?」
「マルエツよ」
「ひみつのマルエツは?」
「マルエツよ」
「な〜んだ、たろちゃんだって区別ついてないじゃないか〜」
「だってポロが言ったの、ぜんぶホントのマルエツだもん」


つづく

先頭 表紙

2005-04-23 ポロの日記 2005年4月24日(風曜日)ポロ、アンデルセン公園に行く その2

ポロ、アンデルセン公園に行く その2


「マルエツって日本のスーパーのシェア100パーセントだな」
「違うわよ。ポロが大きなマルエツって言ってるのがイトーヨーカ堂」
「あれはマルエツじゃないのか〜。どおりで、マルエツが束になってかかってもかなわない大きさだもんな〜」
「それでね、ポロがとっても大きなマルエツって言ってるのがイオンショッピングセンター。このへんの人はジャスコって呼んでるけど」
「あれがジャスコか〜。あそこはポロ、何度も遭難しかけたからな〜。とくにカフェテリアに行くと根っこが生えて遭難しやすいんだ」
「それから新しくできたタドタド駅のところのマルエツは“マルヤ”っていうの。となりの“ホントのタド駅”と“公園駅”のマルエツは“サミット”」
「ダメだ。やっぱりポロは覚えきれないかも。マルエツはマルエツだ〜」
「ほら、ついたわよ」
「なんだ、春日公園じゃないか〜」
「違うわよ、今日は特別にアンデルセン公園なの」
「だ、だましたな〜!」
「だましてなんかないよ。まあ、いいからベンチに座って」
「ここは、ぜったい春日公園だよ。ポロ、マルエツは区別つかないけど、公園の区別はばっちりだからね」

 たろちゃんはバスケットから何を出すのかと思ったらおまんじゅうを出しました。

「わ〜、バスケットにおまんじゅうなんて似合わないな〜」
「いいの。ちょっと見てて」

 たろちゃんは竹ようじで、おまんじゅうにまっすぐな切れ込みを入れました。

「ポロちゃん、この切れ込みの線の両側を押してみて」
「こ、こうかな・・・・。わ、あんこが出てきちゃったよ」
「餡・出る・線」
「・・・・。わ〜、つまんないつまんないさぶいよ〜〜〜〜!」
「そう。あたし一人で食べるからいいのよ、別に」
「わわわわわ。ははは。面白いよ、とっても面白い」
「ねえ、ポロちゃん。ここはどこ?」
「かすがこう・・・」
「え、そうだっけ?」
「ぷるぷるぷるぷる、ち、ちあうよちあうよ。ここはアンデルセン公園だよ」
「そう、よくできたわ〜。お茶も持ってきたわよ」

 それからしばらくの間、ポロたちは“どこでもアンデルセン公園”で楽しいティータイムを過ごしたのでした。


おしまい


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ポロのひみつの部屋

先頭 表紙

ミタさん、たろちゃんはいつでも強引だよ〜! / ポロ ( 2005-04-27 23:58 )
あはは、たろちゃんも強引ですねー。でも気は持ちようで、この方法ならご近所の公園も新鮮ですね。 / ミタ・ソウヤ ( 2005-04-25 08:37 )
マチルダさん、たろちゃんに伝えとくよ〜! / ポロ ( 2005-04-24 21:02 )
たろちゃんに惚れました・・・。 / マチルダ ( 2005-04-24 20:08 )

2005-02-28 ポロの日記 2005年2月26日(岩曜日)お話のつくだ煮 その1

お話のつくだ煮 その1


 今日は2004年11月の後半から12月までのポロのお話の解説をしちゃいます。
ポロは10月の終わりごろから11月半ばまで疾風怒涛(しっぷうどとう)のスランプでした。どのくらいのどん底だったかと言うと「どん底夢日記」くらいです。
どん底っていうのは、なんだかやる気がなくなっちゃうときのことで、ダラダラすごしちゃいます。
 それでも空とか眺めていると、また元気になってくるので、お話を書き始めます。お話を書き始めると寝ずにがんばっちゃたりして、くたびれてまたどん底になっちゃいます。ポロには、ちょうどいいっていうことができません。
では、そんなポロの「お話のつくだ煮」のはじまりはじまり〜!

 「どん底夢日記」(2004.11.14-15アップ)は、ちょっとだけホントの夢日記です。自分の夢を、せんせいが楽譜の校訂をするみたいに手を加えてみました。ここで初めてアルマジロたちが登場します。アルマジロたちは、その後もお話に登場することになる重要なキャラクターとなりました。

 書くのが楽しかったのは「弾丸列車京都へ」(2004.11.29-12.3アップ)です。最新型の新幹線が蒸気機関車になっちゃった世界のお話です。もしポロが仕事をするんだったら、一所懸命に働くことができて、それが報われる仕事がいいなあと思います。ポロはこのお話を書きながら力いっぱい石炭をくべました。書いていてホントに腕が折れそうなくらいがんばりました。時速400キロになった時には、感激して「やった〜、やったぞ〜!」って画面に向かって大声で叫んじゃいました。
 一番好きだったのは、ポロとミタさんが、京都駅でススだらけになりながらも何事もなかったかのように敬礼して、のぞみ41号の乗務を次の人たちに引き継ぐシーンです。書いてるほうのポロは、ここで泣きそうでした。

 「みんじん世界の逆襲」(2004.12.4-7アップ)は、いっぱいアイディアを練って書いたお話です。アイディア帳は伏線でいっぱいになってしまって全部使い切れませんでした。ホントは古代エジプト展に忍び込んでミタさんミイラを盗み出す場面もあったのですが、それだけでひとつのお話になってしまいそうだったので別の機会にとっておくことにしました。一見すると別々の話が最後にぜんぶつながるようにするためには、お話の設計図みたいなものが必要です。ポロは、このお話を書いてソナタを書くっていうのはこういうことなのかなって思いました。こういうお話は最初から順番に書いていくわけではないので、とっても頭を使いました。くたびれた〜!

 「公然のひみつ」(2004.12.8-9アップ)は、読んだ人に「そうか、ホントは猫はしゃべるのか〜」と気づかせる目的で書きました。今、読み返すと、もっとうまくかけたかもって思います。

つづく

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2005-02-27 ポロの日記 2005年2月26日(岩曜日)お話のつくだ煮 その2

お話のつくだ煮 その2


 「あじさい亭繁盛記」(2004.12.10-13アップ)は、ちょっと好きな話です。shinさんが掲示板に書き込んでくれた「パップラドンカルメ」(知らない人はググってね)という言葉がきっかけで書こうと思いたちました。だからといって「パップラ丼軽め」を主題にしてしまうとお話の膨らみが足りなくなる気がしたので、もっとほかの視点から書くために、せんせい式のKJ法で発想をまとめる作業からやりました。過去の、一見無関係な情報を並べて、それをずっと眺め続けて関連性を見つけ出していきます。
 「パップラ丼」というメニューから「あじさい亭」。あじさい亭の食材調達は「三河屋」。それを注文する宇宙人1個中隊(新しいアイディア)。調理場には「アルマジロの摩擦式ヒーター」。女神さまがでてくるシーンがみんじん世界の逆襲にあったので、そことつなげること。場所は裏神田を思わせる神田淡路町。パップラの思いがけない正体。小道具の名前、たとば“レギュラス錦”“デネボラ正宗”(どちらも白鳥座の星の名前)。「おまえたちは銀河の猛者か〜!」っていうシーンは映画「エイリアン2」のスラコ号船内でのアポーン軍曹の言葉からアイディアをもらいました。
 そういう準備が整ってから一気にお話としてまとめていきます。ひとつだけのアイディアでお話を書き始めると薄っぺらになってしまうというのは、せんせいの教えです。

 「ライバル店出現」(2004.12.14-15アップ)は、しおさんのサイト「エンターテイメントトークショー」の日記にあった“ラッキー酒場”がヒントです。あじさい亭と関係があるようでいて、ぜんぜん違う話にしなければポロ風ではないので、またまたアイディアを練りました。
 せんせい式KJ法によってひっぱり出した関連事項。「デーモン族の店」「ラーメン屋さんには必ずある“謎のテレビ”」(アイディアノートのメモから)→「そこには何の番組が一番面白いか」→「ずっと前に見たプロレスラーの舞台裏」→「そのタイトルは“ロード・オブ・ザ・リング”のリングにかけて“労働・オブ・ザ・リング”にする」
 書いているうちに、せんせいのピアノ曲「赤いスカートの踊り」(試聴室には入っていません)を思いだしたので、エピソードとして加えることにしました。
ポロは、番組に登場するフロドが“プロ”のレスラーであることを描きたいと思いました。それで、ちょっと好きな話になりました。

 「マグロ救出作戦」(2004.12.16アップ)は、ゲームの攻略本の「魔建ビルディング」という魔剣のだじゃれで作られた武器の説明の近くに「チルド・ツナ」という凍ったマグロで敵を叩くという武器が出ていて、そこに「不治の病にかかったマグロが治療可能な未来を信じて冷凍冬眠している姿」と書いてあったのがきっかけです。ポロは、冷凍マグロを「遠い星へコールドスリープして向かう途中の姿」に見立ててみました。

つづく

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2005-02-26 ポロの日記 2005年2月26日(岩曜日)お話のつくだ煮 その3

お話のつくだ煮 その3


 「作曲工房のひみつ」(2004.12.17-18アップ)は、そろそろ違った視点から物語を書かないとせんせいから指導が入りそうだったので(うそ。指導が入ってしまったので)、ずっと前からアイディアを練っていたお話です。せんせいの指導内容を要約すると「読み手は誰も想像もしていなかったのに、実は、これが読みたかったと思わせる話」ということです。せんせいも、この方針で曲を書くそうです。でも、言うは易しく行なうは難(かた)し。こういうことを心の片隅においてずっと毎日過ごしていると、あるとき急にアイディアのしっぽが見えてきたりします。リンゴなんて昔から何万回も落ちているのに、はじめてニュートンが重力に気づいたのと似ています。電話だって毎日鳴っているのに、ポロは急に面白い電話ばっかりかかってきたらどうだろうと思い立ったわけです。でも面白い電話の内容がなかなか思いつきません。それでも、そんな日がずっと続くうちにひとつずつエピソードを集めていったのが、このお話です。たぶん、成功したと思います。みなさんはどう思われましたか?

 「作曲工房の午後」(2004.12.19-20アップ)は「作曲工房のひみつ」で語りきれなかった部分を補うために書きました。両方あわせて、やっとひとつのお話になりました。こんなことではダメです。

 次は「クリスマスイヴ2004」(2004.12.21-23アップ)です。ポロのお話ではサンタさんは重要人物です。去年(2003年)のクリスマスのお話は、ポロてきにけっ作だったと思います。だから、それに引きずられてアイディアが二番煎じにならないために毎日毎日ウンウンうなってしまいました。
 「よく、いろんなお話が書けますね〜」っていうお便りをもらいますが、それは、ポロが毎日ウンウンうなっているからです。ポロも前は、ものを考え続けることができませんでした。お話を書いている期間中でも、本当に考えるのは書いているときだけでした。でも今は違います。朝起きてから夜寝るまで(夢の中でも)、ずっと頭の片隅にお話のことが常駐している部分ができたので、何を見ても何を聞いても、それがお話と関連するかどうか考えるようになりました。これは、せんせいがピアノや作曲が上達するための基本的な姿勢だと言っていることと同じじゃないかと思います。ピアノの練習をしようと思ってピアノに向かうときには、すでにどのように弾けばよいかというイメージがなくてはならないっていうやつです。言いかえると、ピアノに向かうときには、すでに練習の80パーセントは終わっているということです。だから、ポロがパソコンに向かうときには、もう何を書けばいいのか分かっています(かなりウソかも。分からないことだらけ)。
 で、そのパソコンに向かう前のアイディアに苦しんだのがこのお話です。きっかけは、どうしてサンタさんはタダでプレゼントを配っているのかということでした。普通のアイディアなら、お金持ちの酔狂というところで落ち着くかもしれませんが、ポロの語り部だましいは、もっと違う視点を探し求めていました。そして、とうとう“生命を見守る使命”を持つサンタさん像に思いいたったのでした。
これは、ちょっと好きな話になりました。

つづく

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2005-02-25 ポロの日記 2005年2月26日(岩曜日)お話のつくだ煮 その4

お話のつくだ煮 その4


 「雪の大みそか」は、ポロの大好きなお出かけシリーズです。2004年1月の「スリッパを買いに」から始まったお出かけシリーズは、ホントの日記ふうに書けるので、書いていていい気持ちです。「大きなマルエツに行く」(同2月)「ポロ、銀行へ行く」「おちゃめさんと散歩」「春宵一刻値千金」(3月)「夏のおでかけ」(8月)「商店街へ行こう」「楽譜を買いに」(9月)「ないしょのマルエツ」(10月)「とっても大きなマルエツ」(11月)と、こんなにたくさん書いてしまいました。
ポロが地球にやってきて最初に行ったスーパーがマルエツだったので、スーパーならなんでもマルエツという名前で呼んでいます(ホントに)。首都圏以外の人はマルエツを知らないかも知れないので、なんのことだろうと思うことでしょう。マルエツ発祥の地が埼玉県蕨市(お話では「ぜんまい市」としても出てきます)なので、マルエツは重要なお店です。
 「雪の大みそか」は「アナタワ粉」シリーズの前触れとして書きました。その後、裏神田でも禁制品となっている「アナタワ粉」にまつわるお話をいくつか書きましたが、直すところだけのような気がしてひとつもアップしていないので、エピソードが浮いてしまっています。いつかアップするかも知れないので、種明かしはしないでおきます。

 それから内緒だけど、ホントは12月にアップしようと思って長編の大作も書いていました。宇宙が危機に瀕するというものすごいお話です。でも、危機に立ち向かった松戸博士とロケット号がどうしても助からないのでアップできませんでした。いつか、お話の部屋を閉じるような時が来たらアップするかも知れません。

 これからもポロのお話をよろしくね〜!

おしまい

 ここは「野村茎一作曲工房HP」に付属する「ポロのお話の部屋」です。HPへは、こちらからどうぞ。

野村茎一作曲工房

ポロの掲示板はここ。
ポロのひみつの部屋

先頭 表紙

そうか〜。だからロケット号も宇宙と一体化して居たんだぁ(「ポロ、山里に暮らす」参照)…その大作を読みたい!でも、その時はお話の部屋が閉じるとき…なんてのはもっと悲しすぎます… / みた・そうや ( 2005-02-27 11:29 )

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