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ポロのお話の部屋

作曲家とむりんせんせいの助手で、猫の星のポロが繰り広げるファンタジーワールドです。
ぜひ、感想をお願いしますね。

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2005-01-06 ポロの日記 2005年1月4日(熱曜日)ポロ病気になる その2
2005-01-05 永久おせち その1 セット
2005-01-04 永久おせち その2 一の重
2005-01-03 永久おせち その3 二の重
2005-01-02 永久おせち その4 三の重
2005-01-01 永久おせち その5 ふた
2004-12-31 ポロの日記 2004年12月30日(電曜日)雪の大みそか その1
2004-12-30 ポロの日記 2004年12月31日(電曜日)雪の大みそか その2
2004-12-23 ポロの日記 2004年12月25日(岩曜日)クリスマスイヴ2004 その1
2004-12-22 ポロの日記 2004年12月25日(岩曜日)クリスマスイヴ2004 その2


2005-01-06 ポロの日記 2005年1月4日(熱曜日)ポロ病気になる その2

ポロ病気になる その2


ポ「わあ、奥さんもひょっとしたら“奥さんだらり”かも〜」
奥「あら、あたしなんて昔からそうよ。面倒なことなんか一切しないことにしてるの」
ポ「そうか、それがこの病気との付きあい方なのか〜。らくちんでいい病気だなあ」
奥「でも、まわりに流されちゃダメよ」
ポ「どういうこと?」
奥「怠け者って思われようがなんだろうが、気にしないの」
ポ「そっか。それは大事だなあ」
奥「それさえできれば快適よ」
ポ「ポロ、いい病気にかかったなあ〜」
奥「そうよ。猫だらりの特権なんだから」
ポ「ははは。気が軽くなったなあ〜」
奥「ホームページなんか更新しなくたって死にはしないわ」
ポ「そだ〜!」
奥「ピアノ弾かなくたって別に問題ないじゃない」
ポ「あっはっは〜! そ〜だ〜!」
奥「そうじなんて、どうしてもゴミやホコリが気になったらやればいいわ」
ポ「そっだ〜!」
奥「よく考えてみて。欲しいものなんてある?」
ポ「ううん、何にもいらないかも〜」
奥「欲しいものがないんなら、必要以上に働くこともないわ」
ポ「すっご〜い! それはすごい真理だ〜! ポロは今まで文明のしがらみにがんじがらめになっていたかも〜」
奥「あら、ポロちゃん、ずいぶん元気になったじゃない」
ポ「奥さん、ポロはいつだって元気だよ〜」
奥「さっきまで息するのも面倒とか言ってたじゃない」
ポ「あれ、そーだったっけ?」

 ポロは、トートバッグからぴょんと道路に飛び降りると、奥さんの足元を並んで歩き始めました。

奥「まあ、歩くの面倒くさくないの?」
ポ「寝てるのが面倒くさくなったんだよ。もう、面倒くさいことはしないことにしたから」
奥「そう。いいことだわ。じゃあ、まっすぐ帰るの面倒くさいから、途中でお昼ご飯の買い物していきましょう」
ポ「うん、そだね。まっすぐ帰るなんて面倒くさくてやってらんないよね」
奥「ポロちゃん、お昼なに食べたい?」
ポ「ポロさ、もう、お節料理食べるの面倒くさいからさ、普通のごはんがいいな」
奥「せんせいにスパゲティ作ってもらおうか」
ポ「わ、それがいいよ。それならポロたち面倒くさくないし〜」
奥「何のスパゲティにする?」
ポ「えっとね、えっとね。オリーブオイルで和えたバジリコとニンニクのスパゲティーにね、エビとムール貝と牡蛎のソテーが乗ってるやつ!」
奥「まあ、豪華ね」
ポ「ポ、ポロはね、食べるのにそれが一番面倒くさくないんだよ〜」
奥「そうね、お正月だし、あたしもそれが一番面倒くさくないわ」
ポ「そだよ。せんせいも、それ作るのが一番面倒くさくないと思うな」
奥「それじゃ、大きなマルエツに行かなくちゃ」
ポ「うん、行こうよ」

 冷たい風の吹く真冬の陽射しの中を、ポロたちは、ここからちょっと離れた大きなマルエツに行くために、少しも面倒くさがらずに、今来た道を引き返し始めたのでした。


おしまい


 ここは「野村茎一作曲工房HP」に付属する「ポロのお話の部屋」です。HPへは、こちらからどうぞ。

野村茎一作曲工房

ポロの掲示板はここ。
ポロのひみつの部屋

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せんせいが教えてくれたとき冗談かと思ったら、ホントにあるんだもんな〜。びっくりだぞニューカイテキZ! / ポロ ( 2005-01-04 22:34 )
うん、やはり『ニューカイテキZ』は効くな〜!(笑) / みた・そうや ( 2005-01-04 19:59 )

2005-01-05 永久おせち その1 セット

 みなさん、明けましてオメデトございます。

 下の写真はポロが三河屋さんに注文した「永久おせち」です。配達用宇宙船のノストロモ号は地球に着陸できないので、あじさい亭に転送してもらって、それをポロが受け取ってきました。
 食べられないのが難点と言えば難点だけど、一辺が6センチのお重にちりめんのぬいぐるみおせちが詰まっています。いったいどんな人が作ったのでしょか。
 一億万円もするので、ポロみたいなお金持ちじゃないと買えません。


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2005-01-04 永久おせち その2 一の重

おいしそう!


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2005-01-03 永久おせち その3 二の重

これもおいしそう!


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2005-01-02 永久おせち その4 三の重

どれもこれもおいしそう!


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2005-01-01 永久おせち その5 ふた

ふたもステキでしょ。


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2004-12-31 ポロの日記 2004年12月30日(電曜日)雪の大みそか その1

雪の大みそか その1


ポ「わあ、風にいちゃん雪だよ、雪!」
風「うん、かなり前から降っていたんだよ」
ポ「そっか〜、ポロは外を見なかったから気がつかなかったよ。すごいなあ、猛吹雪だね」
風「ちょっと風が吹いただけだよ。本物の吹雪はこんなもんじゃないよ」
ポ「そうなのか〜。雪国の人は大変だね〜」
せ「ポロ、コンビニまで買い物に行くんだがついてくるか?」
たろ「え〜、ポロ、買い物に行くの? あのさ、ポテチ買ってきてよ〜。紅白見ながら食べた〜い!」
ポ「だって、こんなに雪が降ってたら遭難しちゃうよ〜!」
た「だいじょうぶだよ〜、とむりんついてるし〜」
せ「さ、行くぞ」
ポ「わ、ポロの首根っこなんかつかまないでよ〜!」

 ポロは、せんせいのジャケットの外ポケットに放り込まれてしまいました。せんせいは、さっさと外に出ました。玄関を出ると、そこには北極みたいに真っ白な景色が広がっていました。

ポ「せんせい、寒いから内ポケットに入れてよ〜」
せ「これでいいか」

 ポロが外ポケットからつまみあげられた時、ビューと風が吹いてポロは寒さで震え上がりました。

ポ「せんせい、ホントに遭難しちゃうかも〜」
せ「しないよ。大丈夫だ」
ポ「だって、シロクマが出るかも」
せ「雪が降れば湧いて出るってもんじゃないだろう」
ポ「うれしくって、動物園から逃げ出すてくるよ〜、きっと」
せ「じゃ、ばったり出会うようなことがあったらシロクマと友達になろう」
ポ「だめだよ〜、あいつらはポロたちのことを見たら食べ物だとしか思わないよ〜」
せ「そうかな」
ポ「そだよ〜。せんせいはハンバーガーの包みを開けてから、食べちゃうのはかわいそうだからって、仲良くお話したことある〜?」
せ「そんなことはないよ」
ポ「でしょでしょ〜! シロクマだってそうだよ}
せ「どうしてシロクマにこだわるんだ」
ポ「シロクマは冬眠しないからだよ〜。ところでさ、せんせい。さっきより雪つもった?」

 ポロは、せんせいの内ポケットにもぐっていたので景色が見えませんでした。

せ「うん、そうだな1メートルくらいになったかな」
ポ「うわ〜〜〜! 大変だ、せんせい引き返そうよ!」
せ「冗談だよ。たった数分でそんなに積もるわけないじゃないか」
ポ「せんせい、ポロには冗談なんか通じないんだからね。プンスカブンスカ!」
せ「ははは、悪かった悪かった。でもね、雪はどんどん降ってきているよ」
ポ「せんせい、雪が降ってきたとき、ないと困るもの知ってる?」
せ「なんだろう」
ポ「“アナタワ粉”っていう粉だよ」


つづく

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2004-12-30 ポロの日記 2004年12月31日(電曜日)雪の大みそか その2

雪の大みそか その2


せ「何に使うものなんだい?」
ポ「ポロも知らないよ。せんせいに聞こうと思ったのに、なんだ、知らないのか」
せ「聞いたことないよ」
ポ「だってさ、雪が降るのにアナタワ粉ないよ〜♪ っていう歌があるじゃないか〜」
せ「あっはっは。“あなたは来ない”か。そりゃ大事だ。ポロ、いいことに気がついたね。アナタワ粉がないと大変なことになるところだった。」
ポ「でしょでしょ。ポロえらい?」
せ「ああ、たいしたもんだ。でもね、今朝のニュースで日本中でアナタワ粉が品切れになっているって言ってたな」
ポ「大変じゃないか。じゃさ、シュデンガンガー商会なら売ってる?」
せ「売ってるだろうけど、年末年始はお休みだ」
ポ「せんせい、どうすればいいの? ポロたちアナタワ粉がないと遭難しちゃう?」
せ「そうだな。アナタワ粉がなくても強い人なら耐えられるかな。有史以来、数えきれないほどの人が耐え抜いてきたに違いない」
ポ「そうだったのか。じゃ、今夜はポロたち試練だね」
せ「本当のことをいうと、うちの家族には必要ないかも知れない」
ポ「な〜んだ、そうなのか。ちょっと安心したよ。でも、アナタワ粉って見てみたいな。お正月が終わったらシュデンガンガー商会に行ってみよう。それより、せんせい、今日、なに買うの?」
せ「牛乳とね、今夜のおやつだよ」
ポ「へえ。ポロね、今日はチョコレートがいいな。うんと高級なやつ。ワインで言ったらね、アウスレーゼ級のやつ」
せ「コンビニにあるかなあ、そんなの」
ポ「あるよ、チロルチョコ」
せ「そうか、あれはそんなに高級なのか」
ポ「うん、チョコの大吟醸ってとこだね」
せ「そうか」
ポ「ねえ、せんせいは夜、何のテレビ見るの?」
せ「見るひまないだろうな」
ポ「奥さんとたろちゃんは紅白歌合戦見るって。お兄ちゃんたちもきっと見るよ」
せ「ポロは?」
ポ「合戦で戦争のことだからね、平和主義者のポロは紅白軍に分かれての“歌戦争”なんて見ないよ」
せ「じゃ、何を見るんだ?」
ポ「ポロは格闘技だよ格闘技! 闘うねこだからね、ポロは」
せ「平和主義者じゃなかったのか?」
ポ「平和のために戦うんだよ。猫パ〜ンチ!」
せ「なんだか矛盾を感じるな」
ポ「ポロも、言ってからそんな気がしてきた」

 雪は、まだまだ降り続くのでした。


おしまい


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ポロの掲示板はここ。
ポロのひみつの部屋

先頭 表紙

アナタワ粉が無いと、体質によっては、体内で糖質を分解して熱を作る効率がとても悪くなるそうです。その他、アナタワ粉はいろんな料理の隠し味にもいいらしいです。 / shin ( 2005-01-03 01:48 )
アナタワ粉を混ぜてかまくらを作ると、どんな寒さにも耐えられるとか?東北の方ではお汁粉に入れたり、きりたんぽ鍋に入れたりもするらしいですね〜。(笑) / みた・そうや ( 2005-01-02 21:31 )

2004-12-23 ポロの日記 2004年12月25日(岩曜日)クリスマスイヴ2004 その1

クリスマスイヴ2004 その1

 今日はクリスマスイヴなので、ポロはサンタさんのお手伝いをする日です。夜明け前に、作曲工房前にサンタさん専用ソリのドレッドノート号がやってきました。

「やあ、ポロどん。メリークリスマス! 今年もお手伝いを頼むよ」
「サンタさん、待ってたよ!」

 ポロを乗せると、ドレッドノート号はフワリと空に舞い上がりました。

「サンタさん、今年もNORADがサンタさんを追跡するって」
「抜かりはないぞよ。デコイを飛ばしてある。デコイというのは囮(おとり)のことじゃ」
「へえ、すごいんだねえ」

 ドレッドノート号は加速しながら、どんどん高く昇っていきました。そして、ついに地球を離れ始めました。

「あれ、サンタさん、どこへ行くの?」
「おお、説明するのを忘れておった。ちょっと遠いところじゃ。巨嘴鳥座の方向にある原始惑星じゃ」
「地球でプレゼント配りするんじゃないの?」
「今年はとくべつじゃ。ワシが、その昔に命の種を植え付けた星があるのじゃ。そこには、今、やっと命が根づこうとしておる。今夜のワシ達の働きしだいで、その星に生命が育つかどうかが決まるのじゃ」
「へえ、すごいね!」
「生命というものは実に危ういものじゃ。ひとつでも成育条件が欠ければすぐに死に絶えてしまう」
「そーなのか〜」
「まずは、太陽となる恒星のスペクトル型が大事じゃな。紫外線ばかり降り注ぐようでは生命は育たん」
「地球のお日さまはごうかくだったんだね〜」
「そうじゃ。それから大きさと明るさ、重さじゃ」
「そんなのが関係あるの? まぶしかったら遠くに離れたところにちょうどいい場所があるよ」
「そういう問題ではないのじゃ。質量が大きくて高温の星は寿命が短いので生命が進化する前に燃え尽きてしまうのじゃ」
「うわ〜、そんなことがあるのか〜。お日さまは優等生なんだね〜」
「そうじゃ。宇宙では目立たん存在じゃが、本当に大切な存在なんじゃ」
「お母さんみたいだね」
「いいことを言うの。目立たない普通のお母さんと同じじゃ」
「ポロ、お日さまのファンになっちゃったよ」
「太陽が条件に合っておるだけはだめじゃ。さっきも話に出てきたが、恒星までの距離がまさにぴったりでなくてはならん。少しでも狂うと水は液体ではなくなってしまうのじゃ。それだけではない。軌道離心率と言うてな、一年を通じて太陽までの距離が大きく変化してはならんのじゃ」
「そんな条件に合う星は、もう奇跡だね」
「まったくそのとおりじゃ」
「地球って、すごいんだね」
「そうじゃ。あの大きな月も命には欠かせない」
「どうして?」
「潮間帯と言ってな、潮の満ち引きが作り出す潮位差のあるところで生命が誕生するからじゃ」
「わあ、お月さまも大事だったのか〜」
「そうじゃ。お、見えてきたぞい」
「あ、あのオレンジ色の星だね」
「G3型。お日さまよりも少し若い星じゃ」
「惑星はどこ?」
「そろそろ見えるはすじゃが」
「あ、ホントだ、見えてきた。三日月型になってる」
「サンタはいつでも夜の側から接近するものじゃからな」

 ポロたちは目指す惑星にぐんぐん近づいていきました。その星の夜の側は暗い紺色で、少しも模様が見えませんでした。トナカイ型ロボットのルドルフを先頭にした8頭だてのソリのドレッドノート号は、こんな最果ての宇宙でもシャンシャンシャンシャンというお約束のスレーベルの音を鳴らしながら、降下軌道をまっしぐらに突き進みました。


つづく

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2004-12-22 ポロの日記 2004年12月25日(岩曜日)クリスマスイヴ2004 その2

クリスマスイヴ2004 その2


「ねえ、サンタさん」
「なんじゃ」
「この星の名前はなんて言うの?」
「このミッションでは“Tucana-3”と呼ばれているが、愛称はないよ。この星に育つ住民達がつけるじゃろう」
「そっか〜。ポロが何かつけちゃおうと思ったけど、やめとくよ」
「ははは。それがいい」

 高度100メートルくらいまで降下すると、先頭のルドルフがライトで真っ暗な惑星表面を照らしました。
そこは海でした。

「わ、海だよ。海」
「そうじゃ。この海ができるまでが大変じゃった」
「サンタさんが作ったの?」
「そうではない。全ての創造主は神さまじゃよ。大変じゃったと言ったのは時間がかかったということじゃ」
「ふ〜ん。ポロ急に不思議に思ったんだけど、サンタさんて何する人なの?」
「あっはっは。それに気づきおったか」
「だって、クリスマスプレゼントを配るだけなんて、よく考えてみればただの酔狂じゃないか〜」
「ワシらの仕事は、神さまのもとで働いている火の鳥に仕えることじゃ」
「え〜、火の鳥? ポロ、女神さまと一緒にタキオン化したときに合体したことあるかも〜」
「それは得難い体験をしたのう」
「過去と未来が全部一緒に見えたような気がしたな」
「そうじゃろう。火の鳥は宇宙の始まりから神さまにも分からないずっと未来に至るまでの全宇宙の生命をつかさどっておるのじゃ」
「どういうこと?」
「地球の生命の始まりは知っておるか?」
「えっと。せんせいが地球外から彗星で運ばれてきたかも知れないって」
「そんなようなものじゃ」
「ふーん、ホントにそうだったのか〜」
「では、その地球外から運ばれてきた生命の起源はどうなんじゃ?」
「わ、分かんないよ〜」
「その始まりが火の鳥なのじゃ」
「じゃあ、サンタさんは火の鳥の手下なの?」
「手下という言い方が適当かどうかは別として、ワシらは手足として働いておる」
「へえ、これで長年の疑問が解けたよ」
「ワシらは生命の養育係なのじゃ」
「じゃあ、地球がサンタさんの受け持ちだったんだね」
「そうじゃ。その地球の生命も成熟してしてきたのでな、今年は部下に任せたのじゃ」
「ポロたち、ここで何をすればいいの?」
「去年手伝ってもらったのと同じじゃよ」
「わ〜、また光の粉を撒くんだね〜」
「そうじゃ」
「でも、どこに撒くの?」
「もう少し行ったところにある大陸の海岸線でシアノバクテリアがストロマトライトに育っているはずじゃ。彼らにより強い生命力を与えるために光の粉を撒くのじゃ」
「ねえ、ストロマトライトもポロたちみたいに笑う?」
「ああ、笑うとも。そりゃもう、うれしそうに笑うよ」
「そうかー、笑うのか〜」
「よし、ポロどん、ここじゃ。さあ、後ろの袋から思いきり粉を撒くんじゃ」
「うん、やるよ」

 ポロは、ぱんぱんにふくらんだ布袋の口ひもを解くと、100メートルの高さから粉を撒き始めました。
 薄ぼんやりと輝く光のつぶつぶが滝のように、ドレッドノート号から落ちていきました。粉がストロマトライトにかかると、そこが金色に光りました。光は、波のようにゆらゆらと揺れて、シアノバクテリアが本当に笑っているかのようでした。

「サンタさん、みんな笑ってるよ」
「ああ、喜んどるの」
「いつか宇宙人になるかな?」
「ああ、いつかはなるじゃろう」


つづく

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