まずは、この旅行での、大きな感想から書きたいと思う。それは気に入った場所という見方で紹介するのがふさわしいと思うので、大きな感想に続けてランキング形式にしようと思う。しかし、例えば「静岡の磐田を通った」といっても、地図を見て必見らしき土地に出向いたわけではなく、国道を避けるために通った道、または迷った道で偶然感じた場所、その時の時間帯、なども関係してくるだろうが、偶然なので、「静岡の磐田」の印象を伝えられてはいないと思う。しかし、名古屋が地獄であったのは確かである。
第1位 熊野
ここに住みたいと思った。奈良を南下し、169号→県道20号→168号と進む。和歌山の田辺の南方熊楠の地に向かっていた。けれど、奈良で寄り道をした上に迷ったせいもあって、とりあえずの目標である南方熊楠記念館や顕影館の閉館時間である17時には間に合わないことが山に入ってしばらくして分かったが、けれどとにかく進んでいた。その山は感じたことないほど、感じがよくて、しかも人が住んでいて、その住み方が、感じがよいのだ。商業施設があるところを見て、また貸家と張られた札を見て、町が機能していることを感じた。168号を途中まで来て、疲れと、空腹とで、次に休憩所があったらそこで休んで諦めよう、と決めた。そこが十津川村だった。これだけの山、森の中に、十津川村の道の駅と、十津川村歴史資料館(300円)と、ひらけた川と、足湯温泉(無料)と、あと十津川警察署と役場と近所に学校があるという案内があることに、森という自然の中に住みながら、人里の中にあるという安心感があった。そば屋は15時で閉まっており、喫茶店しかなかったが、けれどよくできていて、よくあるようなセットを頼むと、ボリュームのある食事が出てきた。土産を売っていて、『奥熊野かづら工房』原秀雄、原水音著という本を買った。読んで、私もここで巣作りをしたいと思った。もっとロマン主義に書くと、私は、初めて自分が子どもを育てたい、と思える土地を日本、いやこの世に見つけた。日本には無いと思っていたから、ここ熊野以外にもあるのかもしれないという希望を抱くこともできる。私はこれが、心の支えになるだろう、この旅の収穫は、これだろう、ということを思いながら、東京に戻った。
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第2位 朝霧高原から見る富士
東京から20号→139号とひたすら走ると、突然左手に葛飾北斎のまさにあの富士山はこれか、と思うような風景がひらける。樹海を抜けた辺り。写真のものは生い茂ってるが、それよりその先に行ったところが、完全に平原で、とてもよかった。なぜ生えないのだろう?開発されたあとなのだろうか?帰りも期待して夕日の時刻に通ったが(その時は東側の、より樹海である県道71号を通った)、雲でほとんど見えなかった。
近くにある県道71号沿いのミルクランドはとてもわくわくした。おみやげ買うのにも最適な感じがする。2,3時間持つ保冷剤が50円+簡易保冷袋が100円・150円、繰り返し使えるという保冷袋が315円。それはアイラブミルクと書いてあったので違うなと思い、簡易保冷袋の150円の方が繰り返し使えそうだったので200円払って、牛乳とチーズとソーセージが買った。
あと、樹海は非常に寒い、熊野と同じかもしれない。それにやはり何となく怖い。
(125cc以下は139号を走るとき注意。走っちゃいけないところがあるが、もう車線変更できないようなところに標識が現れたり、横道から入ったらそれは既に進入禁止の道路を走っていたりする。東京の不親切さにはかなわないが)
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