himajin top
くすのき燕の「人形劇の日々」

生まれ故郷の東京から、第二の故郷・信州に引っ越してはや9年がすぎました。人形劇を生業とする日々の徒然を気まぐれにUPしています。

最近はこちらのフェイスブックがメインになっちゃっていますが。
僕の作品や日程については、人形芝居燕屋のHPへ。

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2012-10-27 鶴ヶ城
2012-10-22 子どもの声
2012-10-19 福島
2012-10-15 舞台と野球
2012-10-14 セサミストリートの生まれるところ
2012-10-11 ユーコンのパペットラボ
2012-10-09 Sandglass theater
2012-10-09 はなさかじいさん
2012-10-08 どれも質の高い作品でした。
2012-10-08 Green Moutains Festival初日


2012-10-27 鶴ヶ城


 週は初めは、会津で先週から続きで福島県文化センターのアレンジでふたつの保育園での上演でした。上演の合間に写真の鶴ヶ城に行ってきました。小学生の時に家族で来たというおぼろげな記憶があった場所です。古くからのお城が残っているわけではなく、大阪城などと同様、コンクリートづくりの博物館になっているのが、期待したよりも面白い展示でした。
 その後、白虎隊が自害をとげた地、飯盛山にも行きました。彼らの受けた教育の中では、死なねばならない状況にあったとだと同情をしないわけではありませんが、やはり「何も死ななくてもいいのに」という思ってしまいました。死んで花実が咲くものか、です。若い奴が死んじゃいけません。

先頭 表紙

2012-10-22 子どもの声

 土日は「げんきいっぱい松本人形劇まつり」でした。
 これはこのところ、障害のある子どもたちのデイサービスなどを行っている療育センターらいふという施設で行っている小さな人形劇フェス。主催は、日ごろ尾鷲になっているNPOの人形劇団やまんば。とにかく、こういった催しを続けるのは大変だ。

 そこでの子どもたちの声をいくつか。
●人形劇団やまんばの『さんまいのおふだ』で、大きな口をあけたやまんばがその正体を表した時に「ハロウィン!」
●むすび座が二本目の作品をやるために舞台転換で「何がでてきたのかな?」の声に「聞かれてもわからない。」
●僕が肩掛け人形芝居の前に「トイレは大丈夫?」と聞くと「もれちゃうぅ!」
 ホント楽しいよねえ。

 今日は会津に移動。明日、明後日は、福岡県文化センターのお仕事で、保育園上演です。

先頭 表紙

2012-10-19 福島


 土日は、昨年夏に続き、郡山で大勢のパフォーマーとともにポコフェスタに出演。自分の持ち時間が短いので、他の人のステージをわりと見られたのはラッキーでした。

 月曜は、福島わかば保育園で上演。ここは昨年、福島県のこども劇場のアレンジで上演させてもらった園なのだが、今年は園がよんでくださった。色々と大変であろう中、園主催でよんでくれたのは、心底うれしい。さらに、カンクローを心待ちにしてくれていた子ども達には、うれしいの2乗くらいうれしい。
 終演後の園長先生とお話したところでは、園や学校の付近は除染がおわり、園庭などでも外遊びができるようになったが、散歩はまだ難しいとの事だった。子どもが外で遊べないというのは、普通に考えて間違っている。

 火曜日は、福島県文化センターのアレンジで、福島あづま保育園での上演。文化センターは、このような公演を文化庁のお金を使って、100ヵ所弱も行っているとの事。僕も、来週この続きで、会津若松の保育園に行かせてもらうことになっている。県の文化施設が、施設の外でこれだけの数、しかも子どものために行うというのは珍しいことだ。やり方はさまざまであろうけれども、こういった姿勢を、国も含めて、どんどんやってもらいたいと願う。
 
 税務署を直したり、捕鯨反対団体の対策、ましてや核融合の研究よりも前にやるべきことはもっとあるはずだ。

先頭 表紙

あるまじろさま:ですよね。 / くすのき燕 ( 2012-10-22 23:34 )
仰るとおり。ちゃんとやれないならお金だけ集めるな、といいたいです。 / あるまじろ ( 2012-10-20 22:48 )

2012-10-15 舞台と野球


 ニューヨークに戻っては、やっぱりミュージカル。JFK到着の日には、篠崎さんの友人が蜘蛛の足を作ったというスパイダーマンを見たが、今回はまずは『シカゴ』を見る。映画と随分に違うのでとまどったが、ボブ・フォッシーの振り付けによる踊りがかっこいい。

 翌日は、ぜひ見たかった『WAR HOUSE』を観る。主役ともいえる馬を人形が演じる。人形と人間によるミュージカル。スピルバーグがこれを見て、映画の『戦火の馬』を撮ったのもうなずける、素晴らしい舞台だった。遣い手は巧く、そしてかっこいい。身体の捌きがとてもきれいなのだ。やはり、遣い手は人形に添っていたほうがかっこいいのだと改めて認識できる舞台を、アメリカで何本か見たことになる。

 夜は、結局ヤンキースタジアムのレッドソックス戦へ。ヤンキースの最終戦。先発はナント松坂と黒田。ヤンキースの2番にはイチロー。ゲームはヤンキースの一方的な勝ちゲームだったが、途中田沢まで投げ、試合途中にはヤンキースの地区優勝まで決まるというおまけつき。
 最後まで、舞台と野球を楽しんだアメリカ行きでした。

先頭 表紙

今日は、昨年上演した福島市内の保育園で、今年も上演させてもらった。子どもたちががカンクローを心待ちにしてくれていたのがうれしかった。 / くすのき燕 ( 2012-10-15 23:19 )

2012-10-14 セサミストリートの生まれるところ


 ニューヨークに戻り、まず行ったのはジム・ヘンソン・ファンデーション。ここは『セサミ・ストリート」の生まれた場所。
 入り口を入ると、ビックバードやクッキーモンスターがいる受付カウンターのそばに、ジム・ヘンソンとフランク・オズが人形をつかっているステンドグラスがある。
 ここにも篠崎女史の友人がいて、人形の作成過程を見せてもらったり、さらにはジム・ヘンソンのウニマ【国際人形劇連盟】会員証やアイデアメモ、絵コンテまで見せてもらった。恐るべし、パペット・ラボ。
 カーミットやミス・ピギーなどのマペットたちはディズニーに行ってしまったらしいが、それでもセサミ・ストリートの人形たちは間違いなくこの世界のスターたち。そのファクトリーに居るのはやっぱり楽しい体験でした。
 

先頭 表紙

この週末は、郡山のポコフェスタに腹話術『ハロー!カンクロー』で出演。いろんな舞台を見ることもできました。 / くすのき燕 ( 2012-10-15 23:16 )

2012-10-11 ユーコンのパペットラボ


 充実のフェスを終え、月曜日にはバーモント州からコネチカット州に移動。今回、アメリカ国内の移動はすべてバス。アメリカサイズなので、僕らにはゆったりとした席なので、わりと楽。バス内では、Wi-Fiも使える。
 University of Connecticutの人形劇研究所、通称"UCONNのPuppet Lavo"に行くのがコネチカット訪問の目的。前にも書いたが、同行の篠崎さんはここの卒業生で、彼女が僕らの訪問を教授たちに話をしてもらったおかげで、コネチカットの州都ハートフォードのバスステーションから大学のあるストアーズまでは、大学のバスで院生が約40分の道のりを迎えに来てくれた。

 さて、パペットラボ。アメリカはどこに行っても感じることだが、広い!
 写真は、20人ちょっといる学生ひとりひとりに与えれている机がずらっと並ぶ部屋。ここだけでも、小体育館くらいの広さがある。このほかに、先生の研究室が数部屋、布のアトリエ、木工などのためのアトリエが大小ひとつづつ、パソコンルーム(幅1m強の大きなプリンターがあって、これだと人形はもとより、多少の道具の設計図もいっぱつで出力できる。)、ミーティングルーム、キッチン、資料部屋、稽古場がふたつある。(うーん。ほかにも部屋があったかも。)そして、100mほど離れた場所には人形劇博物館。
 四国のとらまる人形劇研究所も、国内においては恵まれた施設だが、ここの施設にはさすがに敵わない。(まあ、授業料もそれなりにお高いらしい。とらまるはなんせ授業料免除だからね。)
 学生は、ここで具体的な人形劇の仕組みや素材のことは勿論、大学の演劇学科の講義も受講できるし、実際の舞台公演も体験できる。これは、いわゆる研究所内での制作もあれば、一般の劇団公演のようなものもあり、オーデションで選ばれれば出演できる。

 宿泊も含め、大変お世話になったバート教授は「勿論、アメリカの生徒も熱心だが、特にアジアの学生は情熱がある。われわれは、アジアからの学生を待っている。」と言っていた。みなさんも、ぜひ。ねっ、教授。

先頭 表紙

昨日から、また国内の移動公演。山梨での幼稚園での公演でした。大勢の元気な子どもたちの声を楽しみました。 / くすのき燕 ( 2012-10-11 05:56 )

2012-10-09 Sandglass theater


 最終日の最後の演目は、フェスティバル主催のサンドグラス劇場による「Dの世代」という演目。このDが何を意味するのかを聞かなかったのは失敗。接頭語のdeがつくようないくつかの単語をイメージすればいいのかなあ。
 舞台はこんな感じ。老人施設に入居の車椅子の老人たちをは人形。3人の遣い手が、その職員を同時に演じる。「一枚の絵を見て連想を」というセラピーが行われ、それが終わるとその連想を下敷きにした物語が演じられる。その連想は、その老人たちの過去の経験から出てくるのが分かるようになっている。今は惚けているその人たちにも、ちゃんと人生はあったわけだ。
 ラストシーンでは、この写真の老婦人が、日本への旅行の思い出を語る。その人形の息遣いは感動的だった。「あなた、お箸を使ったことがある?あなた、お箸を使ったことがある?」これだけのセリフに涙がでそうになった。

先頭 表紙

さくま@夢屋さま:ほんとに、いい芝居でしたよ。 / くすのき燕 ( 2012-10-11 05:21 )
サンドグラスの作品の説明・・・感動しました。涙しました。いいですねぇ。日本語で遣ってほしいなぁ〜 / さくま@夢屋 ( 2012-10-10 08:34 )

2012-10-09 はなさかじいさん


 フェスティバル期間中の夜遅く、フェスティバルクラブがパブで開かれる。飲み話し、そして小さな演目が上演される。木曜日はジム・ヘンソン・ファウンデーションに勤める若者が演じた。
 そして金曜日の演者は、ひとみ座の篠崎さんと僕。彼女のペープサート「はなさかじいさん」に、僕が篠笛とでんでん太鼓と語りの一部で参加するという「バーモント・スペシャル」。(この写真がなくて、すみません。何背二人とも上演したので。)
 ペープサートや立ち絵という平面の紙人形は実は日本独自のスタイルなのだ。荷物も少なくてすむ。最後の桜の花が開くところで、東北の被災地に咲く桜をプロジェクターで投影した。これは、最後の桜の演具が大きいって事と、二人での事前の打ち合わせの時に「今やるのなら東日本大震災の事を入れたい。海外の人たちに助けてもらったお礼も言いたいね。」みたいな事を話していたからだ。
 出来は、少なくとも悪くはなかったと思う。やっぱり僕ら上演してナンボ、なんですよね。

 同行のひとみ座の篠崎さんは、コネチカット州立大学および大学院の人形劇コースで3年間勉強をしたという経歴を持っている。今回、僕はそのおかげで色々と得をさせてもらった。フェスティバル期間中泊めてもらったのも、彼女の同期生の家。彼女の友人および同居人の彼には、ホントに親切にしてもらった。ありがとう、亜紀ちゃん、ロレイン、ジョシュ。
 写真は、そのロレイン作の関節の種類を左右で変えてある、たぶんワークショップ用の人形。面白いでしょ。

先頭 表紙

2012-10-08 どれも質の高い作品でした。


 木曜には、ポーランドのビアウイストック人形劇とサンドグラス劇場の共同国際プロジェクト「ビアウイストック市の黒い鳥」を見る。エリックはユダヤ人なのだが、そのユダヤ人とポーランド人との確執が芝居のテーマ。若い人たちは「この二つの民族の間に実際に起こった事件を知らないんだ。それを知っておいてほしかった」とビアウイストック人形劇場のプロデュサーのマレク氏は話していた。この芝居、芝居の出来もさりながら、人形の遣いと介添えの体の捌きは素晴らしかった。
 金曜の夜に見たイスラエルの「ぺーパーカット」は、大爆笑のひとり芝居。淋しい女秘書が、雑誌の切抜きを使って妄想を展開する。ビリー・ワイルダーの映画の雰囲気を感じる舞台。
 ここまでは夜の主に大人向けの公演ばかりを見たが、土曜日と日曜日の昼間は、子ども向けのものを見ることが出来た。
 トルコの伝統的影絵カラギョーズが登場する「ごみくず怪物」は巧みな影絵操作と力強く明るいトルコ語のセリフと動きだけで笑えた。
 スペインの「サーカスの虎」は、アクロバットと人形、それにある意味コスプレによる作品。舞台の男女二人の存在感がいいし、演出が巧み。見ているうちに、コスプレの主人公の虎に感情移入をしてしまう。最後の方でやる鉄棒では、どうにか成功して欲しいと思っている自分がいた。
 しかし、子ども向けで素晴らしかったのは、カナダの劇団による「木をめぐる光景」。木の妖精に扮した三人の女性が、森の季節の移り変わりを歌とオブジェ、それに身体の動きで表現する。歌声や色使いが美しい。上品で詩的な世界は、僕としては、最後に見たサンドグラスの芝居と甲乙つけがたい舞台でした。

先頭 表紙

さくま@夢屋さま:いやあ、やっぱり上演したかったです。ホント。 / くすのき燕 ( 2012-10-09 08:49 )
あるまじろさま:unusual theaterのフェスティバルだけあって、普通の演劇でもなく、普通の人形劇でもないって感じの舞台がが多かったです。 / くすのき燕 ( 2012-10-09 08:48 )
おかえりなさい。フェスの報告、楽しみに待っていました。素敵なフェスですね。この中に「はこ/BOXES」も・・・より残念に思いました。でも観るだけが楽ですよね。いいなぁ〜。 / さくま@夢屋 ( 2012-10-09 08:33 )
ものすごく興味がそそられるものばかりですね、世界はやっぱり広いなあ。 / あるまじろ ( 2012-10-09 02:45 )

2012-10-08 Green Moutains Festival初日


 滞在三日目の水曜日。いよいよ目的のPuppets in Green Moutains入り。
 このフェスティバルは、Eric Bass氏ひきいるSandglassTheaterが開いている。氏とは、この劇団が20数年前に日本公演を行った時に、僕がツアーマネジャーをしたという縁。彼の人形演技のメソッドは、呼吸に重きをおくもので、僕の人形演技はそれをお手本にしている。僕にとって、Ericは師の一人なのです。(この辺り、アメリカなんだよね。誰もMr.Bassとか言わないんだよね。)
 で、フェスなんですが着いたらいきなり、人形劇セラピーの講座。写真にあるように、小さな美術館のエントランスを会場にして行われた。内容は興味深げだし、スライドはあるものの、時差ぼけにひたすら英語。ね・む・い。
 それが終わって、館内の別室に移動して、ひとり芝居を見る。芝居のバックは、絵の額がかかる壁。オシャレ。芝居も悪くない。
 以後、日曜日まで毎日、1本から4本の人形劇およびそれに近いものを見ることになるんですが、はずれなし!とてもレベルの高いフェスでした。
 ちなみに、An International Festival of unusualtheater in Southern Vermontってのがこのフェスティバルの副題についていました。

先頭 表紙


[次の10件を表示] (総目次)