今回は、講師も務めたけど、参加者(正確には見学者)として、偉大なパペット・マイスターのワークにでることができた。
それが、リチャード・ブラッドショー氏のワーク。氏は、オーストラリアUNIMAの現会長で、影絵のひとり芝居の演者。僕は、日本で数度、彼の舞台を見ている。その軽妙なステージを、僕は憧れていた。だからこそ、前回のクロアチア大会で、氏にシアタートライアングルを誉めてもらった時は、地上数十センチに浮遊するほど、うれしかった。
で、ワーク。もう定員いっぱいだったのを、氏に直接お願いし、スタッフに了承を得て、見学をさせてもらった。その甲斐は大有り。影絵の技術がどうこうではなく(それも素晴しいのだが)、氏の創造姿勢から刺激されるものがあった。「楽しんで創る。」いや「創る事を楽しむ。」という方が近いかもしれないが、その大事さを再認識させてもらった。
ワーク後半で、氏は舞台の裏側を大公開してくれた。そこにはちょっとした、しかし的確な仕掛けが満載。それを説明する氏を見ていて、「これを思いついて、実際に作る。そして上演して、お客さんにうける。きっと楽しかったろうなあ。」と僕は思いをはせずにはいられなかった。そして、それは僕ら創造者の出発点なはずなのだ。しかし、最近の自分の中に、難しく難しく考え、なにか「ねばならない。」というような縛りにあっている部分があったような気がするのだ。 |