傷 12月22日(日)
第二が小学校に入学したとき、多少の覚悟はあったけど、やっぱりそれは現実のものとなりました。上級生によるイジメ。。。からかい。。。
「おまえの兄ちゃんってバカやな〜」「あ〜バカの弟や〜」
第二はチック、夜尿というカタチで傷ついていることを私たちに教えてくれました。本人に原因がないことでイジメにあう。もちろん、イジメなんてイジメる側が100%悪いのだけど、第二にとってはかなりキツかったと思います。
ワタシも担任とよく話し合いを持ちました。さいわい、第二の先生はけっこう心の教育のベテラン先生で、第二が卑屈にならないように、彼の持ち前の明るさを伸ばしてくれました。
あるとき、読書感想文を書くことになりました。
「先生がまだ本が決まっていないのなら、これ読んでごらんってさ〜」
と、一冊の絵本を持ち帰りました。「さっちゃんのまほうのて」という絵本でした。ワタシにはすぐに先生の意図がわかりました。
「さっちゃん」は生まれつき片方の手がありません。そのさっちゃんが自分の障害に気づき、悩み、克服してゆくという内容の本です。
第二はつたない表現でしたが、兄がみんなとは違うこと、そのことでイジメにあってつらかったことなど感想文に書きました。それが市の読書感想文コンクールで入選してしまい、ある日のお昼の校内放送で朗読することになったのです。
障害を持った兄の存在を隠さずに、逆に放送で発表する。先生が仕掛けた「荒療治」でしたが、それは大成功だったと思います。
それからイジメはほとんどなくなりました。
第三も同じ洗礼を受けました。彼は、傷ついていることを表に出さない性格です。
でも、「クラスの女子に(第三くんのお兄ちゃんって気味悪〜い)って言われる」とボソッと言いました。すぐに担任に連絡をとって相談しましたが、その時の担任は「相手の女子生徒には、注意しておきました」と言うだけで、第三の心のケアまではしてくれませんでした。その日から、第三が友だちを家に連れてくることはなくなりました。(6年ぶりで連れてきたのが彼女のみかんちゃんでしたが)
そして、学校ではちょっと斜に構えるような態度をとるようになりました。
先日の三者面談で第三は先生に対して反抗的だと指摘されました。でも、数人の先生にはとてもなついているらしいのです。ワタシはたったひとりでも、そんな先生がいることで安心しました。
でも、小学校時代のイジメが彼の心を硬くしたのだとしたら。。。あの時、もっともっと心のケアをしてあげるべきだったと悔やみます。
笑えない話なのですが、あの時第二に「さっちゃん」の本をすすめてくれた先生が今は第三の中学で、第三を「規格外の生徒」として冷たく見ているらしいのです。
第三の口から「あいつマジむっかつくしぃ〜」という先生に第二は救われて、その先生との出会いが第二に「教員」という目的を与えてくれたんだけど。。。
子供の心の傷は早めにケアしないと、かざぶたになってしまったり、傷跡が残ってしまってからじゃ遅いのかな〜。
「さっちゃんのまほうのて」いい本ですよ。http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=237 |