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オーテマチエンヌの「卒業旅行日記2」【憧れのチベット編】

オン マ ニ ベ メ ホン。

一年前になりました。

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2000-08-27 ツェタン <お寺でのお作法>
2000-08-27 拉薩→ツェタン <最初は恥ずかしいけど、慣れると気持ちイイ、体験>
2000-08-27 私がチベットに行った理由(わけ)
2000-08-27 成都→拉薩 <タシデレ!>
2000-08-26 羽田→関空→広州→成都 <マイ・ファースト 中国>
2000-07-21 フランクフルト→成田 <またね、ばいばい>
2000-07-20 ジュネーブ→フランクフルト <朝焼けと最後の晩餐>
2000-07-19 フランクフルト→ジュネーブ <再会>
2000-07-17 フランクフルト3 <とても懐かしいもの>
2000-07-16 ローマ→フランクフルト<ひとつのクライマックス>


2000-08-27 ツェタン <お寺でのお作法>

ラサからバスで2時間ほど走って、ツェタン ホテルに着く。しばらく休んで、いよいよ待望の観光。さあて、仏教の世界へいざゆかん!

チベットにはたくさんのお寺がある。
私がその中で初めて訪れた寺が、このツェタンにあるタントゥク寺(昌珠寺)となった。
初めてみるチベットのお寺。
マニ車、バターのろうそく、タンカ(仏画)、キンピカの仏像。
なんだかみんな興味深い。

輪廻転生を信じるチベット仏教では、お経を読むことによってより徳をつみ、いつか最後に輪廻転生から解脱していくことを夢見る。なのでお経を読むことは非常に大事なのだ。
でもそんなことが面倒くさいっていうのは、日本人でもチベット人でも同じみたい。お経を読んだのと同じ効果、それがマニ車(まにぐるま)なのだ。

マニ車は、奈良の戒檀院に行ったことがある人なら知っているかもしれないけど、筒状の鐘に一面お経が書いてあり(中には実際お経が入っているらしい)、それを廻すと一回お経を読んだと同じ効果がある(と思われている)もの。
お寺には大きくて何人もで廻すマニ車から、一人で廻すマニ車もある。お寺のまわりにずらっとマニ車が並んでいて、それを廻しながらお寺の周りを一周するというのも巡礼のひとつ。
廻すだけでいいなんてお気軽なんだろう、と思ったら、ナント携帯のマニ車もあった。町中にいーぱい売っている。手で持てる大きさで、みんな歩きながらくるっくるっと廻している。

実は廻し方にもキマリがあって、必ず時計廻り。チベットではすべて時計廻りなのだ。お寺の順路も、町を歩く方向も、すべて時計廻り。すっごく重要みたいで、後日マニ車を購入し、喜びいさんで廻していた私はうっかり逆廻しをしてしまった・・・・そしたら隣を歩いていたおばさんにじーっと見られて気がついた。
チベットでは、時計と反対に廻る・廻すことは、よっぽどのことらしい。

それから、日本では普通お寺にはお線香だわね。香港でも、カタチや香りは違うけど、お線香だわね。
でもチベットは違うのだ。バターをろうそくの代わりに使う。だから、お寺にバターのにおいが充満している。これは、すんごくつらい。だって、ただでさえ、高度が高いから酸素が体に行き渡らないのにましてやすごいバターのにおい。窒息しそうになり、チベットの達人の説明もそこそこ何度も部屋を出てしまう。(チベットのお寺では、テーマ(?)毎に部屋があり、仏像が祭ってあるのだ。)
巡礼に来た人たちは、皆お線香をあげるごとく、袋に入ったバターをスプーンですくって捧げる。チベット人はバターとともに生きているから、彼ら自身がバターのにおいがする。慣れれば平気になるものなのかな。

そして一番すごいと思ったのが、仏像。
チベット人は実は派手好きで、なんでもコテコテの派手派手にする。仏像もタンカも、古くなったらすぐ新しいものに換えるか、修理してしまう。古いほうが良さがある、という価値観は毛頭持っていないらしい。
なので、仏像はキンピカ。

ただでさえ、密教の仏像の目はまるでインドネシアのガルーダのお面よろしく目をぐるっと見開いているので、すっごくこわい。それがキンピカの体に白い大きな目だから、めちゃくちゃこわい。
威圧効果を狙ってわざとそうしてあるらしいが、とりあえず私はこわさのあまりあまり密教の仏像は好きでなくなった。高僧グル・リンポチェはそのなかでも、すごい顔。グル・リンポチェはこの後もどこへ行ってもお寺に登場するが、いつも一目ですぐわかった。お願いだから、グル・リンポチェ、その目で私を見ないで〜〜〜。

先頭 表紙

大名さま〜 私は高校の修学旅行で広隆寺に行きましたが、お堂の自動ドアには興ざめでしたぁ〜 ところでみうらじゅん氏によると、広隆寺の弥勒様はエマニエル夫人のポーズにも影響を与えているはずとか...他にもウルトラマンのモデルであるとも言ってましたが... / マイケル ( 2000-09-17 16:20 )
あやや様、こちらこそありがとうございます♪「ひまじん」ライターなる肩書きまでつけていただけて光栄です。でも私は「ひまじん」なだけなのですよぉ。今日のアリー楽しみですね! / オーテマチエンヌ ( 2000-09-15 13:03 )
ほにゃらら様、さすがですね、仏像にもお詳しいとは!私も弥勒さま好きです。柔和なお顔がなんでも許してくれるマリアさまのようで。。。。 / オーテマチエンヌ ( 2000-09-15 13:01 )
↓追加「来ていただき」のあとに「ましてありがとうございました!」が消えてました。(;△;)ハズカシ。 / あやや ( 2000-09-15 03:33 )
オーテマチエンヌさま、先ほどはウチの日記に遊びに来ていただき、まだ書き始めたばかりで「ひまじん」ライターのかたからつっこんで頂いたのは初めてです。感激しました!さてさて、私も読みに来ました!すでに熟読モード突入です。 / あやや ( 2000-09-15 03:17 )
実は私もちょこっと仏像LOVEですね♪ですね♪ですねですねですね♪好みのタイプは広隆寺の弥勒さまです。その目で私を見て欲しい。。 / 携帯マニ車ほしいほにゃらら ( 2000-09-14 23:32 )
しばらくさぼってしまってすみませんでしたっ!復活しましたので、またどうぞごひいきに。 / オーテマチエンヌ ( 2000-09-14 22:01 )

2000-08-27 拉薩→ツェタン <最初は恥ずかしいけど、慣れると気持ちイイ、体験>

さて、ラサ空港に着くとミニバスが用意されていた。
私たちAグループ19人と、日本から一緒の添乗員さん、チベットの現地ガイドさん、旅行社のチベット駐在員さん、そしてチベットの達人、みんな乗ると満員の大きさのミニバスだった。

”チベットの達人”は、このツアーの目玉サービス。なんせ、ツアー名も『チベットの達人がご案内する! ラサ・ショートン祭スペシャル8日間』。
チベットの達人とは、チベットについて著書を出している、カリスマ的存在のチベット通日本人のことなのだ。これはとてもラッキーだった。とおりいっぺんの説明ではなくて、仏教の細かい知識・歴史からチベット人の日常生活まで広い範囲についてさまざまな話を聞けたし、すんごいくだらない質問まで気軽にできたのだから。ま、それは彼の気さくな性格ゆえんかもしれないけど。(ちなみに彼のHPはhttp://www.tibet.to 興味のある方はいってみてくださいまし。)

そのチベットの達人の説明を聞きながら、バスの外を見る。
道の左手には雄大なヤルツァンポ川がゆったり流れている。見渡す限り、川、荒れ地、山。

「さて、高度が富士山の山頂くらいのところまで来ています。昨日からお話ししています通り、お腹から深呼吸をすることを心がけてください。それから、血中酸素濃度の計測器を回しますから各自昨日の数字と比べてみてください。」
この辺は高度3,650mくらいなので、体に負担がかかる。胸だけで呼吸をしていると胸が痛く苦しくなるので、お腹から呼吸をしてなるべく多く酸素を摂取する必要がある。そう、昨日から一生懸命添乗員さんが説明してくれていた。指先を挟むだけでカンタンに血中酸素濃度を測る測定器も昨日から使っていて、平地での酸素濃度と心拍数とを比較するよう言われていたのだ。

「わ、75%だって。すごい下がってる〜。昨日は98%だったのに!」
びっくりして、こんどは心拍数が上がる。自分では何の変化を感じないのだが、体は確実に高度の影響を受けているらしい。
「ほら、深呼吸してみてください。そうすると濃度がすぐあがるから。どうやって深呼吸したら一番効果的に濃度があがるか、今のうちに覚えておいてくださいよ。」

また、高度順応には、深呼吸と同じくらい、水分を摂取することが効果的らしい。
ミニバスには、大きなチベタン魔法瓶(勝手にそう命名。)何本にもお茶が用意されていた。車中では皆ひっきりなしにお茶を飲む。
そんなうちに、空港を出発して小一時間だったであろうか、バスが止まった。

「第一回トイレ休憩です。道路の右側は男性、左側は女性です。」
「???どういういみ?」
要するに、青空トイレ。そりゃそうか。川と山と荒れ地しかないところに一本道。トイレがあるような施設もなにもない。
運転手さんも慣れたもの。ちゃあんと皆が隠れるブッシュがたくさんあるポイントを選んで車を止めてくれる。

「やだぁ、ちょっと恥ずかしいわ〜。」なんて最初困っていたおねえさま方も、ツェタンに着くまでの何回かで、すっかり青空トイレに慣れてしまう。
これが、ホント爽快なのですよ、女性のみなさん!よっぽどくさいトイレに閉じ込められるよりははるかにマシ。というより、かなり快適!でも、そんなこと日本じゃ、誰も教えてくれないですよね。青空トイレが爽快なんて。きっと男性陣はとっくの昔から知っているくせに。

雨期がまだ開けてないせいか、空がいまいちすっきりしない。
午後はツェタン観光の予定だが、雨が降ったらいやだな。だって、雨が降ったらどうするのかなぁ、トイレ。

先頭 表紙

kametravels様、ごめんなさい、背景の色はどうしてもこだわりたいんですぅ!でもどうやらノートの液晶で見る色とデスクトプで見る色と違うみたいなんですよね。私には、茶色と紫の間の色に見えてるんですが。。。。 / オーテマチエンヌ ( 2000-09-14 22:00 )
青空トイレは気持ちいいけど、絶対誰にも見られてないってことが条件。アフリカでしゃがんでいたら、近くを人が通りかかったりして(見てないかもしれないけど)、気が気ではなかったという経験があります。今後の展開楽しみにしてます。(ワインレッドに青字はちょっと見づらいです。日付とか。) / kametravels ( 2000-09-12 13:47 )
臭くて狭いよりは良い、かな。雨だとちょっと悲惨な感じもするけど。ちなみに(?)今日から義父母が広州やら敦煌へ旅立ちました(ちゃんと行く先聞いていない嫁) / ティキティキ ( 2000-09-10 20:22 )
あろう様、やみつきになってしまうかもしれませんよぅ! / オーテマチエンヌ ( 2000-09-10 01:04 )
青空トイレ。。。ちょっとためらいはあるけど、一度は経験してみたいかも。。。 / あろう ( 2000-09-10 00:15 )

2000-08-27 私がチベットに行った理由(わけ)

何年前だったかもう思い出せないのだけど、ルクセンブルグに住んでいた頃、
「週末にブラッセルに行く用事があるんだけど、一人で行くのはつまんないから一緒に行こうよ。」
大ちゃんがそう誘ってくれたので、特段予定もなかった私は大ちゃんご自慢のBMWに乗せてもらい、時速190kmでブラッセルへ向かった。

かといって用事があるわけでもなく、しょうがなくぶらぶら”Tin Tin Shop”へ。
”Tin Tin"(タンタン)はベルギーのマンガの主人公。ベルギーはもちろん、世界中で人気のキャラクター。私たちの仲間うちでもバツグンの人気だった。
なにか新しいものはないかと店内を見回すと、『タンタン展』のポスターに目がとまる。

「タンタン展かぁ。待ち合わせにはまだ時間があるし、行ってみようかな。」
お店の人に場所を聞き、地下鉄を乗り継いで目的の博物館に到着した。しかしながら博物館でマンガの展示をするっていうのはすごいなぁ。。(王立博物館での展示だったのだ、これが。)でも入ってみて、納得。単なるマンガの展示じゃなかったのだ。新作マンガを描くために取材した写真や資料を展示していたのだ。

その新作マンガのタイトルは”Tin Tin au Tibet”、つまり”タンタン、チベットを行く”。
館内ではチベタンホルンとドラのテープが流れるなか、たくさんの写真や下地となったスケッチ類、衣類、ラマ僧や仏教に関する資料が展示され、一種独特の雰囲気をかもし出していた。

「私もチベットに行ってみたい!」
展示を見終わる頃にはすっかりチベットに魅了されていた単純な私であった。
(出口でその新作マンガを買ったことは言うまでもない。。)


それ以来ずっとチベットを心に思っていたものの、チベットに関する情報も少なく(ガイドブックなど地球の歩き方しかない!)、あまり調べもしない私は旅行できない地域ではないかと勝手に思い込み、まったく足が向かなかった。

今回の卒業旅行も実はネパールにでも行こうかと考えていた私は、某ネパール方面に強い旅行社に資料請求した。そうしたら電話に出た親切な担当者は
「この時期ネパールは雨期で、ヒマラヤはまったく見れませんよ。一応、同じ感じの別の国のパンフレットも一緒に送っておきますね。」
そっか。雨期か。じゃあ仕方ない、ヨーロッパにでも行くか。
考えの浅い私は資料を送ってもらうようお願いしたにもかかわらず、その場でヨーロッパ行きを決めていた。(で、ドイツに行ったわけです。)

後日送られてきたパンフには長年の憧れの地・チベットのツアーも含まれていた。
「うわぁ!チベットのツアーもあるんだ!!でも、チベットってクスコより標高が高いんだ。高山病に注意だって。う〜ん。。でも年に一度のお祭りだって。行ってみたいなあ。う〜ん、悩ましい。」
一瞬踊った心も”高山病”の一言でしぼんでしまった。以前クスコでひどい目にあった記憶がある私としては高山病(正確に言うと高度順応)は避けて通れない道とわかっていたのだった。行きたいけど、でもアレは辛いなあ。

その夜、テレビをつけると、ブラピ演じるハインリッヒ・ハラーとダライラマ14世がブランカンに映っていた。
これはもう行くしかないでしょう、と誰かに言われたような気がした。

先頭 表紙

どちらが先なんでしょうね〜、ほにゃらら様 / オーテマチエンヌ ( 2000-09-09 21:51 )
のらくろ級に昔の漫画で所謂「しょうちゃん帽」を被っている「しょうちゃん」と「タンタン」ってとっても似ていると思うのですが。。 / ほにゃらら ( 2000-09-09 02:15 )

2000-08-27 成都→拉薩 <タシデレ!>

4:30起床、5:15出発。
出発が早いので、朝食は前夜にサンドウィッチとバナナを渡された。

お腹がペコペコだった私は拉薩行き中国西南航空に乗り込むや否やさっそくサンドウィッチをほおばる。でも、離陸した途端、なんと機内食が出てきた。1時間半のフライトなのに、サービスいいなぁ。とほほ。お腹いっぱいになってしまったよぉ。。
その上、スチュワーデスじゃなくて客室乗務員はライスorヌードルと聞いている。ってことは暖かいごはんらしい。わー、どうしよう。。。・・・いやしい私は結局誘惑に勝てず、ついついこれも食べてしまった。
ヌードルは油そばみたいな感じだったけど(ひとくち食べた)、ライスは白いお米にキャベツと豚肉のあんかけ炒めがついていて、なかなかおいしい。これに枝豆炒めが別についていて、これもおいしい。さすが中国4千年の歴史!機内食までおいしいとは。
(と思ったのもこのときまでで、実は機内食は暖かいもの以外はワンパターン。バゲット、アップルデニッシュ、カステラ、枝豆炒めwith魚肉ソーセージ は毎フライト必ず出てきた。付け加えると機内放送もまったくワンパターン。最初に素人ビデオ投稿(さんまの番組みたいなののアメリカ版)、そのあとに”mouse hunt”が上映された。計4回、まったく同じ機内食にまったく同じ機内放送。おそるべし、中国。)

この成都→拉薩フライトはどれも朝早いのだが、たいてい時間より遅れるらしい。それも納得できるほど雨期がまだ開けきっていない夜明け前の空には厚い雲が垂れ込めていた。
ただ夜明け前といっても6時は過ぎている。無理矢理北京時間に合わせているので必然的に成都でも拉薩でも夜明けの時間は遅くなってしまうのだ。(ちなみに拉薩では8時過ぎに夜明けだった。)
でも今日はすごくラッキーだったようで、定刻に近い時間に離陸することができた。わー、幸先いいかも。


「タシデレ!」
チベットでは誰かがどこかへ行ったり帰ってきたりすると、白い”カタ”という布を首に掛ける習慣がある。(ハインリッヒ・ハラーがダライラマ14世にかけてもらったアレね。)
空港に着くと、さっそくガイドさんが首にカタを掛けてくれた。

チベットに来たんだ。

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おっ、さっそくお約束の彼が登場ですね。。。 / 7 years in ほにゃらら ( 2000-09-05 23:04 )

2000-08-26 羽田→関空→広州→成都 <マイ・ファースト 中国>

6:30AM羽田集合。

チベットはグループビザでないと入境できないので(裏ワザはもちろん存在するけど)、何年ぶりか団体ツアーに参加。いったいどんな人たちがチベットに行こうと思うのだろう?と興味津々だったが、意外と若い人が多いのにびっくり。南米団体ツアーの経験からするとフルムーンの夫婦が多いのではないかと思っていたんだけど、やはり高山病を懸念する人が多いのかな。それとも熟年層は大手旅行会社のツアーに集中するのかな。

このツアーは参加者が40人(!)だったため、AグループとBグループに分けられる。同じツアーだけど、まったくバラバラに行動するらしい。私たちAグループは東京発の人のみ。Bグループには大阪発の人も合流する。さてどんなツアーになるのだろうか。
荷物はJASで乗り継ぎ先の広州までチェックイン。

初・関空。
テレビで見たことはあったけど、やはりとてもキレイ。そしてデザインがフランクフルト空港に似ている。思わずキョロキョロしてしまう。夏休みのせいかすごい混雑。そして、さすが大阪人。何がというと、行列には必ず横入りする人がいる。大阪は中国の文化を強く受けているせいか。(後で痛く経験するが、中国人はとにかくすごい割り込みをするのだ!)
まあ、ここでむっとしてもしょうがない。

関空から約3時間で広州へ到着。
私の人生で初めての中国。

いくら旅行好きでもやはり縁のある土地とそうでない土地とがあると常々感じていたけれど、私にとって中国は後者であった。でも今日からは違う。縁ができたのだ。
時差1時間。時計を遅らせる。空港を見回すとすごい熱気。この雰囲気の差は時差1時間では埋めれないような気がする。日本ではもう感じられない活気が充満している。

「15分後にまたここに集まってくださ〜い。」
ちょっとだけの自由時間となり、さっそくトイレへ。中国はトイレ事情がすごいと聞いているが、どんなものか!?と思ったら、普通のトイレ。中国ももはや洗練された国?(と思っていられたのはこの日までだった。)

成都で迎えた中国での初めての夜は、バッゲージダウン23時というハードスケジュール。つまり、翌朝が早すぎるので荷物は前の日のうちに預けてしまうということ。ああ団体旅行。でも荷物を運んでもらえるのはなんとありがたいことか!重い荷物を運ぶことが人生何よりも大キライな私としてはただただありがたい。

ホテルの”スカイレストラン”で思い切り辛〜いマーボー豆腐と冬瓜のスープを食し、お腹一杯になって、バスローブを着て寝る。

明日はいよいよ拉薩(ラサ)だ。

先頭 表紙

マエヤムタ様、ありがとうございます♪これからもごひいきいに。 / オーテマチエンヌ ( 2000-09-05 09:48 )
そんな自由人なあなたが私は好きです。 / マエヤムタ ( 2000-09-05 08:48 )
おお、これは読みやすい。 / ぽた公 ( 2000-09-04 20:26 )
くっちー様、背景の色にはどうしてもこだわりたかったので、思い切って文字色を変えてみました。これはいかがでしょう? / オーテマチエンヌ ( 2000-09-04 18:40 )
って、ラマ僧をイメージって書いてありましたね。 / くっちー ( 2000-09-04 18:31 )
おかえんなさいまし。どこぞへ消えていたのかと思ったら、チベットだったですのか。ところで、背景色はもちっと薄くして下され。まさか、辛い辛い四川料理に合わせて、この色になったのでございましょうか。 / くっちー ( 2000-09-04 18:30 )
あろう様、楽しみにしてくださっていたなんて光栄です。ちなみに、このページの配色はラマ僧をイメージしてみました。 / オーテマチエンヌ ( 2000-09-04 17:49 )
オーテマチエンヌ様。お帰りなさいませ!旅行記、楽しみにしていたんですぅ。 / あろう ( 2000-09-04 17:29 )
無事帰ってまいりました。早速のつっこみありがとうございます。色合いは試行錯誤中でございます。字をちょっと黒目にしてみました。いかがでしょう?またご指摘くださいまし。 / オーテマチエンヌ ( 2000-09-04 17:17 )
お帰りなさいやし。待ちわびました。しかし、このファンタグレープのような色合いは、読み辛いでやんす。 / ぽたりん ( 2000-09-04 17:15 )

2000-07-21 フランクフルト→成田 <またね、ばいばい>

「うわー、おかあさんのおみやげ何にしよう?」
2週間近くいて、イタリアまで行って、そして何にも買ってない。やばいでしょう。成田まで送ってくれたにの何にもなしでは、絶対やばいでしょう。

”宴”(覚えてる人いるかしら。パレスホテル系の日本食やさん。)での最後のランチを食べ終えて、さっそくHauptwacheへ直行。今日は 20時50分の飛行機だからまだまだ時間がある。でも、別の買い物もしなくちゃいけない(ってことはないけど)し、わー、あせあせ。

おかあさん確かビルケンシュトックが欲しいって言ってたなあ。健康サンダルならなんでもいいかな。あ、メフィスト発見。セールだ!ラッキー。
見た目はどうも理解ができないくらいダサダサ(死語?)なのだけど、一度履くと病みつきになる”ドイツ人サンダル”。ドイツ人って外国に行っても絶対履いてるんだな。でもその気持ちわかるよ、私には。とにかく歩きやすいよね。でも靴下にサンダルってのはどうしても真似できないけど。

例によって金曜日なんで16時に仕事を終えた妹がアパートに帰ってきた。
「空港でなんか食べよう。」

空港に着いたら、あまりに混んでいてびっくり。おまけに3時間近く前に着いたのに、もう窓側の席がないなんて!!!!!土曜日に帰ると混むから、1日前に、と思ったのが間違いだったらしい。夏休みで日本に帰る人でJALのカウンターはごった返していた。とほほ。金曜日は16時で終わるもんね、妹だけでなくて、みんな。

「このターミナル、マックあるよ!ねえ、食べようよぉ〜」
実は2週間前にドイツに着いた時から妹がマックにおススメバーガーがある、と言っていたのだ。で、私はそのおススメバーガーと、シュリンプフライ(まるでナゲットのようにシュリンプがフライになっていて、マンゴーソースかパイナップルソースをつけて食べる。おいしそうでしょ。)を頼んだ。

「おいし〜い。ホント、お肉の味がする!」
お肉の味がする、ってなんだかマヌケな表現なんだけど、ほんとにお肉の味がするの。アレを食べると普段食べてるハンバーガーは何なんだろう?と思ってしまうくらい。いわばステーキとハンバーグの違いってかんじかな。とにかく、ドイツに行く機会があったらぜひ食べてもらいたいくらい、おいしいハンバーガーであった。名前はね、ちょっと思い出せないけど、チーズバーガーロイヤル、みたいなかんじだったよ。
「やっぱりマクドナルドは企業努力が違うよね。各国でいろいろ新しい商品考えてさ。」
な〜んてわかったフリしながらマンゴーソースでシュリンプフライを食べていたら、time is flying、搭乗時刻になってしまった。

「じゃあ元気でね。またね、ばいばい。」
二人ともあっさり、握手もせずに別れた。だって、うじうじしてたら現実的になっちゃうじゃない。今度はいつ会えるかね、なんて話したら、お涙流れちゃうじゃない。今回だって、妹に会うの1年半ぶりだったんだもん。
妹もまったく同じことを感じてたからこそ、あっさり別れたのでしょう。あっさり別れたわりには姿が見えなくなるまで手を振っていたもん。



オーテマチエンヌの卒業旅行はとりあえずここで一旦終わりでーす。でも実はこれが第1弾で、今月末に第2弾が控えています♪(第3弾もあったりして?!それはヒミツ、っていうか知らない、私も。)なので、この日記の続きはまたその後で。シー・ユー・スーン。 ア・ビアント!

先頭 表紙

口車様、そんなマックもあるんですね。さすが。 kametravels様、リチャード・ギアですって?きゃ〜〜 / オーテマチエンヌ ( 2000-08-12 02:50 )
ブラピよりもリチャード・ギアの方が確率高そうですね。(第2弾の大ヒント!) / kametravels ( 2000-08-11 14:25 )
ジュネーブで、丸ごと1両「マクドナルドの」塗装がしてあって、ハンバーガーショップになっている食堂車、見ました。写真もあるッす。 / 口車大王 ( 2000-08-11 11:43 )
ごめんなさい。何回も。ハニムーンの前に主語”ブラピが”をいれるの忘れました。 / Macaron ( 2000-08-11 02:33 )
ギリシャかな?ハニムーンに行くってなんかで読んだけど。ともあれ、又、楽しみにしてますー!私も何処かにいきたいわ。 / Macaron ( 2000-08-11 02:30 )
まだ行ってないよ〜ん。ブラピに会えるかも、です。でもアメリカじゃないよ。さてどこでしょうね。お楽しみに☆ / オーテマチエンヌ ( 2000-08-10 22:25 )
へー。では今ごろ第2弾の真っ最中? どこ行ったんかなー?? / しろ ( 2000-08-10 20:46 )
第2弾も楽しみにしてま〜す♪次はどこに行かれるんでしょうかね? / あろう ( 2000-08-10 19:53 )

2000-07-20 ジュネーブ→フランクフルト <朝焼けと最後の晩餐>

”私今どこにいるんだろう?”
目が覚めた瞬間、一面真っ白い壁だったので、どこかわからなかった。ああ、友達の家に泊めてもらったんだった。それにしてもいったい、今何時なんだろう?あああ!!そうだ〜!朝一番にモンブランを見ようと思ってたんだ。
次の瞬間、日本にいたらまず有り得ないくらいのすごい勢いで飛び起きて、窓の外を見た。ピンク色の朝焼け。

ゲストルームには大きな窓とバルコニーがあり、正面にフレンチアルプスが見える。昨日は霞んで見えなかったモンブランだけど、今は朝焼けの中、その黒い稜線がくっきり見える。普段無感動の私もさすがにこれにはちょっと感動。いや〜、東京からとっても遠いところに来たんだなあ。

午前中休みを取ってくれた友人に別れを告げ、お昼前の列車に乗る。また7時間かけてフランクフルトに戻らなくっちゃ。昨日は7時間かけて同じ道を来て、今日は帰る。まるで一泊二日で福岡まで新幹線で行くようなものだなあ。なんだかジャパニーズな旅。ま、いっか、私はニホンジンなんだし。
今回の旅行では、列車に乗ると寝てしまったので、今日こそは”世界の車窓から”並みに列車の旅を楽しむぞ!と気合いを入れていたんだけど、昨日の夜3時までしゃべっていたのがたたり、結局熟睡。あ〜あ。
唯一目が覚めていたフライブルグ周辺では、ロードレースがあるようで、車道の沿道にたくさんの人が集まっていた。毎日テレビでツール・ド・フランスを放映してたから、もしかしてドイツも通ったのかな。

列車は予定通り18時過ぎにフランクフルトへ到着。妹にさっそく電話を入れてHauptwacheで待ち合わせた。実は今日は最後の晩餐。妹の好きなものなんでもごちそうしますよ。
と言ったら、日本人駐在員に大人気の日本食に行きたい、と言ってきた。う、日本食。高いんでないの??と思ったら、そうではないらしい。なかなかリーズナブルでとってもおいしい日本食、ってことで大人気らしい。本当にそうみたい。だって、予約しなかったら入れなかった。

そっか。明日は帰らなきゃいけないんだ。そっか。帰りたくないなー。あ、でも帰っても会社に行かなくていいのか。そっか。ま、いっか。帰るか。

先頭 表紙

なるほど。ではシャモニー計画はジュネーブベースにします。ミラノも近いし、冬はバーゲンもあるし。。。 / オーテマチエンヌ ( 2000-08-09 23:14 )
シャモニーに行くなら、ジュネーブからがお勧めです。車で1時間半くらいかな。鉄道が通っているのですが、どローカル線で本数が少ない。そこでレンタカーとなりますが、スイスはVATが安いのでフランスよりレンタカーが安く借りられます。ま、冬の運転地震がなかったら、鉄道かバスですね。 / 口車大王 ( 2000-08-09 18:59 )
Uちゃん、ピンク・モンブランはもしかしてモンピンク?失礼しました。 / オーテマチエンヌ ( 2000-08-09 17:43 )
口車様、シャモニーにいかれましたか。いいなあ。冬にスキーに行きたいと狙っているんですよ、実は。 / オーテマチエンヌ ( 2000-08-09 17:39 )
家から富士山が見えるのに憧れている私でしたが、朝起きてモンブランが見えるなんて!!朝日でピンクに染まるモンブラン(イメージ)がしばらく頭から離れそうにありません。。。 / Uちゃん ( 2000-08-09 15:50 )
ジュネーブから寝ちまったんですか。そりゃまたもったいない。ローザンヌ周辺の一面のブドウ畑の中をレマン湖と対岸のアルプス見ながらって、絶景だったんですよ。ちなみに、私レンタカー借りて、シャモニーまで飛ばし、モンブラン上ってきました。地上は摂氏32度、展望台は摂氏0度という、すんごい世界でした。軽い高山病でくらくらするし。 / 口車ことOK小僧 ( 2000-08-09 15:02 )

2000-07-19 フランクフルト→ジュネーブ <再会>

「お約束いただいておりますでしょうか。」
「はい、お約束してます。」
受付の上品なおじさんが通してくれた部屋は、レマン湖に面した、窓の大きいゲストルーム。真正面にはジュネーブの象徴の大噴水が見える。今日は快晴、窓の景色がまるで絵画のよう。さすが本家本元のプライベートバンクだわ。
お約束してるっていうか、駅から電話したら職場の受付に来てって言われたんだもん。これってお約束してるってことだよね。ちょっとドキドキしながらも、革張りのフカフカ椅子にゆっくり座ったりして。だって、こんなとこ、二度と座れないもん。億単位のお金を預けないと”お客様”になれない世界らしいからね。

4年ぶりに会った友人は忙しいらしく、結局仕事が終わるまでその辺をブラブラしたり、待ち合わせのカフェでボーっとしていた。
町はブランドショップや時計やがたくさん。まわりにはいろんな人。ジュネーブは今まで行ったことのある街とはまた違った空気があった。これってなんなんだろう?いわゆる”国際都市”ってヤツ?うーん、ワタシ的には、”インターナショナルで開放感のあるフランス”ってかんじなんだけど。ははは、訳わかんないかな。つまり、このなんだか妙な感じの素は、”フランスなんだけどスイス”ってことと、『インターナショナル』とはおよそ縁がないフランスなんだけどインターナショナルで開放感があるってこと。とにかくなんだかすーっごく不思議なかんじなんだけど、すごく居心地のいい街。気に入った。

夕食はレマン湖畔のオーベルジュで。
レマン湖南岸が高級住宅街らしく、ステキなお店も多い。大きなプラタナスの木々にライトがぶら下げられ、その下で、湖畔の風にふかれながら食事をする。これがジュネーブスタイル。気取りもせず、気ままなかんじで、楽しい仲間と話しながらワインを飲み、レマン湖の小魚のフライなんかを食べる。なんだかいいカンジでしょ。

お店はすでに満席状態で、交渉の末やっと席を作ってもらえた。ひさしぶりだったせいもあり、共通の友人の消息や楽しかった思い出に次から次ぎへと話がはずんだ。ああ、ベラベラしゃべっているうちにいつの間にか夜がふけてしまった。ぼやぼやしてるとまた最後の客になっちゃう。一緒に遊んでいたときもいつも最後までねばっていたからね。私たちは急いで残りのお茶を飲んで店を後にした。
あ、小魚のフライを食べてもお腹が痛くならない。治ったかな。

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おっしゃる通り、すずきと小魚と迷って小魚を食べました。でもあれはあそこで食べるのに意義がありますよね / オーテマチエンヌ ( 2000-08-09 14:12 )
私、逆のコースをたどったことがあります。ジュネーブは人口30万といったところでしょうか。面白いのは、同じフランス語話すのに、スイス人はフランス人がだいっ嫌い。1853年のフランスとの国境策定交渉でチョンぼやって、普通だったら平野後背地の山脈が国境になるのに、レマン湖畔の平野のど真ん中に国境があります。レマン湖は淡水すずきが有名ですが、食べませんでしたか。昨年、帝国ホテルのおっフランス料理屋で食べたら、スイスから輸入して出していたのにびっくり。 / 口車ことOK小僧 ( 2000-08-09 09:37 )

2000-07-17 フランクフルト3 <とても懐かしいもの>

「大丈夫?念のためお医者さんに行こう。日本人のお医者さんとドイツ人のお医者さんとどっちがいい?」

そりゃ日本人のお医者さんに決まってる。で、"フランクフルト生活事情(仮名)"に載ってた日本人の医者にアポの電話を入れてもらうことにしたら、そこが休みらしく留守電。おまけに留守電のメッセージが
「はあい、今留守なの。メッセージを入れてね、チャオ」
と入っていた(らしい→ドイツ語)。
「チャオ!だって。普通ちゃんとした医者はこんな言葉を留守電に使わないよ。ここはやめといたほうがいいね。ドイツ人にするよ。」

ところで、ドイツの医者は当たりはずれが大きいらしく、おまけに私のバアイ言葉の問題もあり心配だった。でも妹が会社の人に聞いてくれて、なかなか評判がいいというお医者さんに連れていってもらうことになった。

「心配ないですよ。薬の副作用でしょう。まずお腹を治すことが一番。湯たんぽでお腹を暖めて、それでもどうしてもだめだったら薬を飲んでください。それから胃薬の試供品があるからこれをあげましょう。」
診察と言ってもソファーに座りながらの診察だったので、不安な思いもせず診てもらうことができた。そっか。副作用か。え、今なんて言った?湯たんぽ???

そう、湯たんぽ。あのエンジ色のゴムでできてる、ぐにょぐにょした湯たんぽ。

お医者さんに言われた通り、薬局で妹が薬と一緒に湯たんぽを買って来てくれた。ああ、懐かしい!これって取り扱いを間違えると中のお湯が出てきてヤケドしちゃったりするんだよね。おばあちゃんちに泊まりにいったときに出してくれたっけ。
どうやら湯たんぽはドイツではポピュラーらしい。普通に薬局で売っている。日本では今でも売っているんだろうか。
妹が買って来てくれた湯たんぽはおばあちゃんちのよりは気持ち垢抜けてしてた。

ちなみに、ドイツでは病気については基本、自然治癒力らしい。とともに病気になる前に予防、という考え方らしい。
薬局でもエヒナツィンといって免疫力を高めるハーブ(?)のグミなどや、フェンツェル茶などのハーブ茶がたくさん売っている。(日本でも売ってるのかな>おかぼさん)どれもこれもすごいにおいと味なんだけど、良薬口に苦し、なのかな。私には魔女がドロドロとかきまぜる薬草エキスにしか思えないんだけど。

ああ、寒いドイツで妹はあの湯たんぽを活用してくれるだろうか。

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うーん、記憶の糸をたどると、アキレス様のおっしゃる通りかもしれない。。。 / オーテマチエンヌ ( 2000-08-08 19:49 )
初めてのつっこみです。湯たんぽって、トタン板みたいな丸いので、エンジ色のは「氷枕」だと思ってた… / アキレス ( 2000-08-05 20:41 )
さすがまみさま。今度ラベンダーを試してみようっと。ちなみにそれってオイルでしょうか。 / オーテマチエンヌ ( 2000-08-05 12:15 )
オーテマチエンヌさま アロマを甘く見てたわね(笑)!アロマとは奥が深いのです。。傷口にラベンダー塗っておくとすーっと乾くし、立派! / (アロマ好きな)まみ ( 2000-08-05 07:38 )
ありがとうございます。アロマテラピーって思ったより立派なものなんですね。いまいち信じていなかった。。 / オーテマチエンヌ ( 2000-08-05 00:50 )
ドイツはどうか知りませんがイギリスなんかではアロマテラピーやミュージックテラピーなんかも立派な治療でそれ専門の病院もあります。日本でいう東洋医学のような物でしょうね。余談ですが日本語の『手当て』とは患部に手を当てて治すことからその名がついたそうですよ。本当かどうかは知りませんが。ともかく早く治してくださいね。 / おかぼ ( 2000-08-05 00:37 )

2000-07-16 ローマ→フランクフルト<ひとつのクライマックス>

旅のひとつのメインイベントであった『porta santa』をくぐった。

確かミオリンだったと思うのだけど、今年は絶対ローマに行くって言ってた。なんでも今年はミレニアムだから千年に一度”聖なる扉”が公開されるからって。”聖なる扉”をくぐると全ての罪が許されるからって。
週末はどこへ行こうか、と日本から妹に相談していたときにそれを思い出してこのローマ旅行を計画したのであった。

ところで、この時期のローマはかなり暑いだろうと覚悟してきたワリには結構過ごしやすい気候だったので、汗をあまりかかなかった。でも今日は素晴らしくいい天気。フォロ・ロマーノやコロッセオをぶらぶら観光しているとさすがにバテてくる。
「お姉ちゃん、水飲む?」
「うーん、お腹痛くなるからやめとく。」
そう、昨日薬局で薬を買ったけどやっぱり完全調子ではないから水を飲むのがコワい。あんなに食べたかったジェラートさえ食べれない始末。まあまあ治まってきたから水くらいいいかもしれない、とも思ったけどさすがの私も自重するかな。
・・・実はこの自重が後で悲劇をもたらすとは、思わなかった。

さて、2泊3日ローマの旅を遺跡めぐりで締めくくり、私たちは20時過ぎのフランクフルト行きのフライトに無事乗り込んだ。
・・・・・・・胃が痛い。いままで腸が痛かったのに、今、胃が痛い。
隣合せたドイツ人の夫婦が私と話をしようとしきりに英語で話しかけきたが、それに愛想のひとつを返すこともできないくらい痛い。

「空港のクリニックに行く?」
「大丈夫、取りあえず帰ろう。あなた、これから友達のバースデーパーティーがあるんでしょ。大丈夫だから。」
でも、フランクフルトに着いた頃には痛みがピークを迎えつつあった。タクシーに乗ってしまえばアパートはすぐなので、ガマンしようととりあえず荷物のピックアップへ。
でも・・・もう歩くのが辛いくらい痛い。ガマンできない。限界。立つことすらおぼつかない。
「ごめん、やっぱりクリニックに行ってもいいかな。ちょっと辛い。」
「わかった。とりあえずそこに座っていて。荷物取ってくるから。それからクリニックがどこか聞いてくるね。」

「うーん、薬の副作用ですね。通常よく起ることです。心配ないですよ。水をとにかくたくさん飲みなさい。そうすればすぐ治るから。」
尿検査までさせて、おまけに私を散々待たせた医者はいともあっさり私を帰した。薬も処方せずに、すごく高い診察代だけを請求して。
まったくドイツ人って何なの?ここにたどり着くまでもみんな不親切で、散々迷ってやっとたどり着いたってな具合なのに、やっと見てもらったら”水飲め”と言うだけなんて!でも怒る気力すら、もうない。こんなことならフォロ・ロマーノでもっと思いっきり水を飲んでおけばよかった。とほほ。

すっごく不安な気持ちのまま這うようにアパートへ帰り、5分毎に襲ってくる胃痛と戦いながら布団に包まってそのまま寝た。ああ我が妹よ、ごめんね、せっかくのパーティーに行けなくなっちゃって。あんなに楽しみにしていてプレゼントまで用意していたのに。
ああ明日になれば、本当にこれは治るんだろうか。なんだかすごく不安なんだけど。

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