いつも通り、9時ちょっと前に先生が来た。
「前の部屋に行ったら、いないからびっくりしたよ。 どこに行っちゃったのかと思って・・・」
昨日の午後、部屋を移動したのだった。
もうすぐ退院だから、手術したばかりの人と部屋を交換した。
「窓側はいいね。 外の景色が見えから気分もいいでしょ。」
ちょっと寒いんだけど〜。
「昨日、管を抜いたんでしょ。 見せて。」
「疵口はきれいだね。 何も問題はないみたいだよ。 あとで消毒してもらって。」
ハ〜イ。
「手術跡、見た?」 『まさか、見てませんよ。』
「なんで、見ないの?」 『だって、怖いじゃないですか〜。』
「きれいに手術できたんだから、見てよぉー。」
「お風呂は?」 『今日、シャワー入ります。』
「退院は予定通り、明日ね。」 ちょっと寂しいなー。(^^;;
昨日友達が持って来てくれたお菓子を見て
「美味しそうだね。」 『どうぞ、食べて下さい。』
「いいよ、開いてないから。」 遠慮してるよ。(笑)
『開いてるからどうぞ!』
「じゃ、1つ。」 『そんなこと言わないでたくさんどうぞ。』
「リハビリはどう?」 「なんか、肩が硬いよー。」 とまた肩を揉まれた。
先生が帰ると、Tさんがやって来た。
Tさんと部屋が分かれちゃって、つまんない。
「先生、疲れた顔してなかった?」 そっかな〜?
「昨日管を抜いたところを見てくれたんだけど
”血液は漏れてないはず”って言ったのに、漏れてたのよ!
そしたら、”あ、漏れてる” って焦ってたよ。」
「いつも自信満々なのに・・・笑っちゃった〜。」 だって。
今日は、胸が硬い気がする。 昨日までとは、全然違う感じだ。
看護婦さんに相談すると、「C先生に夕方、診てもらいましょう。」
何でもないといいんだけど。
体が回復してきたら、やることなくてヒマだな。
たまにリハビリやったりするけど、ベッドでゴロゴロ。
本を読もうと思っても、あんまり集中もできなくて・・・
病院にいると一日が長い。 今度は私がTさんの部屋に遊びに行った。
色んな話をしてるうちにレオの話になった。
私はレオとの出会いから別れまでを涙しつつ語った。
Tさんも子供の頃、犬を飼っていたと言う。
今は2代目の捨て猫ちゃんが家にいるそうだ。
そんなTさんだから、熱心に私の話しを聞いてくれた。
レオに対する思いを全てはきだしたら、なんだか気持ちが落ち着いた。
「レオちゃんは、本当に幸せなワンちゃんだったのね。
今は天国で楽しく暮らしているわよ。」
本当にそう思う。 レオ、ありがとう。 Tさん、ありがとう。 |