手術が終わった頃、病院に電話して結果を聞いた。
”無事終わりました。 成功ですよ。”と言われるのを期待してたのに、思いもしない言葉を聞かされた。
「お腹を開いたら、すい臓が全部腫瘍化してました。 さらに悪いことに肝臓が末期がんに冒されていて何もできなかった。
すい臓のサンプルを少しだけとって、そのまま閉じました。」
目の前が真っ暗になった。 なんで? なんで?
「元気になりますか?」という問いに「う〜ん、むずかしいな。 あとは静かに暮らして・・・」
電話を切ると涙が溢れてきた。 母と妹に「レオ、末期がんだって。」というのが精一杯だった。
母が面会できたらしようというので、もう1度病院に電話した。 すぐに3人で病院に行った。
レオは看護婦さんに連れられて、よろよろと歩いてきた。
私たちの前に座ると、ぼーとしている。 まだ麻酔が効いているのかもしれない。
レオを見ると、3人とも涙が止まらなかった。
レオの頭や体を撫でながら、「レオ、大丈夫だよ。」 「早く元気になるんだよ。」「元気になってうちに帰ろうね。」と励ましてた。
レオは、全然反応しなかった。 ただじっと座っていた。
あまり長くいるとレオが疲れるので、私たちは帰ることにした。 先生に連れられて、また歩いて行った。
私たちにはどうすることもできない。 ただ、レオの快復を祈るしかない。 |