2001-09-24 ちょっと不思議な似たもの同士
2001-09-23 彼をなくした日
2001-09-22 今宵の我が家　（砂州子ちゃん仕立て）
2001-09-19 悲しきひとめぼれ
2001-09-15 ハルさん
2001-09-10 楽しいお出かけ
2001-09-07 チャレンジ精神出し惜しみ中
2001-09-05 元気の素
2001-09-04 課長の信条
2001-09-03 恋する乙女ちゃん

はじめてあった時から、彼女とは何かが通じ合う気がしていた。

私たちは趣味思考が良く似ている。
一緒に出かけてふと私が感じた事を口にすると、同時に彼女からも同じ言葉が発せられる事がよくある。
背格好も同じくらいなので、たびたび姉妹に間違われる。
『もしかしたら前世は、二人で一人の人間だったのかもしれない・・・
彼女が陽で、私が陰の部分を形成していた。。。。』
と感じた事がある。

昨日会った時、彼女は大きな吹き出物をこめかみに作っていた。
「２〜３日前からできているんだけど、とっても痛くって。。。」
その吹き出物は大きなイボのように膨れ上がり、見るからに痛々しかった。
そして今日になって潰れていた。

ところが、今度は私の鼻の横がなんだか膨れてきた。
それは時間が経つにつれ、ほんのり赤くなって触ると痛い。
どうやら吹き出物のようだ。
今度は私が、彼女と同じ吹き出物に悩まされる番らしい。

全くこんな事がリンクしていたって、私はちっとも嬉しくない。
どうせなら、ピンチの時不思議と誰かが助けてくれるとか、
初対面の人がウェスティンホテルのフレンチをおごってくれるとか、
そういう美味しいところを彼女とリンクしたいのだが、どうもそれは無いようだ。

そして今彼女は秘密を持っている。
私には何も言わないが、彼女の心が読めるので大体の状況は把握している。

こちらはリンクしない方がいい。。。。かな？

先頭 表紙

その若い女はまっすぐに私を見つめて言った。
「私に彼をちょうだい。」
「私には彼が必要なの。彼の力があれば、私のほうがアナタなんかよりずっと素敵になれる。」

突然の彼女の申し出に、私は驚いて目を見張った。

確かに彼女は若い。
彼が彼女の力になれば、彼女はさらに磨かれて輝いていくのは目に見えている。
一方の私は、これから坂道を転がるように醜く老いていくだけだ。

時は残酷だ。
私にも彼女のように輝いていた時が確かにあった。
だが、それはいつの事だったかは思い出せない。

私の青春はいつ終わっていたのだろう・・・・

そう考えると、なんだか空しくなってため息が一つ漏れた。

女は様子を伺うように、私の顔を覗き込んできた。
「どう？彼を渡してくれる気になった？」

だが、『ではどうぞ』と、すぐには大切な彼を渡すわけにはいかない。
私にとっても彼は大切な存在なのだ。
しかし、彼はどう考えているのだろう？
私は彼をじっと見つめていた。
彼は黙ったままだった。。。。


女は私ににじり寄ってくる。
今度は媚を売った声を出してきた。
「お願い！ちょ・う・だ・い！」






そうね、私よりあなたの方が彼の力でもっと素敵になれる。
とうとう根負けした私は、彼を女に渡すことにした。












「ありがとう！お母さん。」


そう言うと、娘は嬉々として片手にスカート、もう一方の手に福沢諭吉を掴んでレジへとかけて行った。



こうして私は大切な彼をまた一人失ってしまった。。。。

先頭 表紙

台所の蛍光灯が切れてしまいました。
二本あったうち、一本は随分前に切れていました。
一本つけば、読書する明かりが必要なわけでなし、別に困らないのでほっておいたのです。　　(ズボラですいません）

「あら困ったわ〜・・・一本切れたときに、すぐ新しいのを買っておけばよかった。」
と思っても、時すでに遅し、台所は真っ暗でございます。

仕方が無いので、非常用のろうそくを探しました。
本当はキャンドルを灯して、
「まあ☆ロマンティック！」
な気分に浸りたかったのですが、以前に灯しっぱなしで寝てしまい、朝には一本燃え尽きておりました。
「これは火事になったら、あぶねーじゃないか！」
ということで、あれ以来キャンドルは当分購入禁止の我が家。

探し回って出てきたのは、仏壇用のろうそく！
仏壇なんて我が家には無いのに何故に〜？
そうか、戸の滑りを良くする為に、前に旦那が買ってきたものでした。


背に腹は変えられぬ


そんな訳で、只今我が家の台所には、仏壇用のろうそくが数本灯されております。

ゆらゆらと揺れる炎は、それはそれは幻想的で美しくロマンティック！・…なわけは無く、
なんだかとってもぶ・き・み

以前勝手に食器棚が移動した事のある我が家。
今晩は、百物語で盛り上がりそうな雰囲気でございます。



　　注：動く食器棚を自慢しているわけではない
　　注２：仏壇用のろうそくが丑の刻参りに使用された形跡は今のところ無い

先頭 表紙

どうか笑わないで聞いてください。

私、不謹慎な事にひとめぼれをしてしまいました。
もう寝ても覚めても頭から離れない程、くびったけになっているのです。

そして今日、偶然街で貴方を見かけたとき、ドキドキしてしまいました。

こんな所で逢えるなんて・・・！？
でも、とても綺麗な女性がご一緒でした。。。。

貴方とその女性とは、まるで一枚の絵のように、しっくりなじんでいました。
オープンテラスの一番目立つ場所で、その女性は時々貴方に手をあてて、貴方の存在を確かめているようでした。

彼女は貴方に目をやりながら時間を気にして、なんだかとてもそわそわしているよう・・・
と思って見ていたら、
なんと彼女の目の前に、これまたとても素敵な男性が表れたのです。

なんてこと？！
彼女は素敵な貴方と、そしてさらにもう一人の素敵な男性とを手に入れているなんて！
。。。不公平だわ。。。



羨ましすぎる！
嫉妬と憎悪とが私の胸の中に渦巻いていきました。
せめてできることならば、貴方を私に置いていって欲しい。


でもそんなことは叶わない夢よね。。。









一目ぼれした貴方の名前は
フランクミュラー　スモールセコンド　ダイヤベゼル
定価　２１０万円　らしい・・・
一介の主婦には、とても手にする事のできない時計なのでした。

先頭 表紙

私には生まれた時から、お盆や正月に遊びに行く田舎の祖父も祖母もいない。
完全な核家族で育った。
そのせいかお年よりとのお付き合いは、なんとなく逃げ腰になってしまう。

が、ハルさん（仮名）に出会ってちょっと状況が変わってきた。

ハルさんは、現在７７才。
彼女はお歳を重ねるごとに、趣味が増えている。
俳句に詩吟はお約束。
編物・チラシで作った籠・ペーパーフラワーなどその数は増える一方。
彼女のお孫さんのお宅には、ハルさんからプレゼントされた趣味の物で埋め尽くされていっているという話だ。

そして今、彼女はＴシャツにイラストを描く事に燃えているようだ。
が、そこは伊達に歳をとっていないだけあり、イラストには大変迫力がある。
先日は大変写実的な『七福神』のイラストのＴシャツを、プレゼントしてもらった。

ありがとうハルさん。
お気持ちはとっても嬉しかったよ。確かにウチには今『福』が欠けている。

これを着て元気なハルさんと『七福神』の恩恵にあやかろうと思った私であった。

先頭 表紙

お友達と久しぶりにお買い物に出かけましたの。

最近、しょっぴんぐというイベントにトンとご無沙汰でしたから

頭の先からつま先まで、オシャレにも気合が入りまくりでしたわ。


ネイルだって、ねいりすとさんに十本の指全て違う模様を施していただき、

へあすたいるも、いつもの美容院でしゃんぷーせっとしてもらって、バッチリでしたわ☆

メイクもしっかり２時間かけ、ご近所の方からは、

「あら、今日は仮装ぱあてぃへお出かけね。」

と声をかけて頂きとっても光栄だったわ。

やっぱりオシャレは気合よね！

お友達も負けじとばかり

『いい年をしてアンタはギャルかい！』　　

と声をかけてあげたくなるような装いでしたわ。

二人が歩いているとみんなが振り向いて、私達に注目しているのがよくわかったわ。

視線が痛くて、随分昔に薬師丸ひろこが一世を風靡したセリフ

「カ・イ・カ・ン。」 古すぎてすみません

って声に出してしまいそうになったの。

でも、お目当てのお店の前で私は凍りついてしまったわ。

「閉まってる！」

同時にお友達は叫んだの

「開いてる！」


さてここで問題です。
お店は確かに閉まっていました。が、友が叫んだ言葉も事実です。
いったいどういうことなのでしょうか？














＜正解＞

ワタクシうかつでしたわ。

うっかりスカートのファスナーを開けたまま街を練り歩いていましたの。

道行く人々の視線が痛かったはずよね。

本当に変装してでお出かけしていたら、こんな事は何でもなかったのに・・・

当分友とのしょっぴんぐはオアズケだわ。。。。(号泣）

先頭 表紙

時々自分のいる場所に違和感を感じる。

ココハドコ？ワタシハダレ？

誰だか知らない人の被り物をかぶって、適当にその人物を演じている感覚。


今日はチャンスが舞い込んだのに、あれやこれやと理由を並べ立て、チャンスを逃そうとしている自分が居た。
わかってる。
ほんとうは新しいコトにチャレンジする元気が足りないだけ。
明日には答えを出さないといけないんだけどな。。。。

実力たいしてなさそうなあのコのチャレンジ精神にちょっとむかついて、対抗意識を燃やして得たチャンスだったけれど、やっぱり私には無謀な事をする勇気は無い。
悲しいな、石橋を叩いて渡らず、壊して逃げるタイプの性格。

こんなことじゃ現状を打開なんて、しばらくできそうもないね。
文句言いながら、現状維持が関の山。

先頭 表紙

ああ。。。。今日もいつものアレの時間になったようね。

なんだかちょっとイライラが出てきた。

アレの時間の頃になると、体もだるくて集中力も落ちてきてすぐわかるの。

。。。どうやら最近禁断症状が出るみたい。。。

本当は我慢しなきゃいけないんだけど・・・・

ダメだわ、我慢できない！


この白いサラサラしたもの。

そう、これが私を狂わせた。

最初はほんのちょっとだけ・・・・そんな軽い気持ちで口にしたのに。。。


ああ、ダメだわ私壊れたみたい。

これ無しではたえられないの!




我慢できない！落ち着かないのよ！!
















私はいつの頃からか
毎日会社で出されるコーヒーには、お砂糖を沢山入れるようになっていた。
あ、ミルクも勿論タップリね。

毎日のコーヒータイムのリフレッシュが、後半戦の仕事を左右しているんだもん。

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私の直属の上司の多古課長(仮名）は常々三つの言葉を信条としていた。

一つ　一寸先は闇 最近不況だからね

一つ　明日は我が身 そういえば先日リストラされた人が居たわね

一つ　他人は敵 なかなか信じる事ができ辛い世の中だもんね　


そんな多古課長は、一生懸命仕事をしているにもかかわらず、業績悪化の為減給という憂き目に最近遭っている。

オマケに先日は、車で自転車のオバチャンに軽く接触してしまった。
その際、転んでも自転車に傷もついていないそのオバチャンに
「激しく転んで、腰を打った。」
と言い張られ、人身事故の汚名まで着せられてしまった。
まさに他人は敵！
多古課長は、その白く広いおでこを真っ赤にして怒り狂っていた。


課長はいい人なんだけどなぁ・・・どうも幸薄い感じなんだよね。


多古課長は自分の未来を予知して三つの信条を掲げていたのかもしれない。




　　

先頭 表紙

我社の営業にもうすぐ三十路を目前とした女性が二人いる。
一人は７/２０の日記に登場した、バリバリやり手の女性。
そしてもう一人が、乙女ちゃん（仮名）である。

乙女ちゃんはバリバリ彼女（以下バリコ）と違って、一生懸命仕事をしているのに、なんとなく周りから上手く使われてしまっている。
だから、デキルオンナというタイプとはチト違う。
年収もバリコの半分もないようだ。
だが、性格は気取らず明るいチャキチャキタイプで、人当たりもいい。

その彼女がどうやら恋をした。
相手は我社唯一のジャニーズ系の光一クン（仮名）らしい。

光一クンはスラリとした肢体で、マスクも甘くイケメンだ。
喋り方もおっとりとしていて頼りなく、
「まもってあげた〜い！かまいた〜い！」
と女心をくすぐる要素を持っている。

彼は一人暮らしのせいか、ちょっぴりズボラでたまに無精ひげが生えていたりする。
と、乙女ちゃんは目ざとくそれを見つけ
「も〜う、みっともないから剃らなきゃ。」
とどこからかカミソリを持ち出し、彼のひげを剃ってあげている。

光一クンはそんな彼女に逆らう様子も見せず、なすがまま、きゅうりがぱぱ状態になっておとなしくかまわれている。

また光一クンは、よく残業をしている。
すると乙女ちゃんは、彼のいるフロアにやってきて部屋の隅に黙って座っている。
が、乙女ちゃんには残業など何もなく、彼をひたすら待っていることは周囲にはバレバレだ。
光一クンと一緒に残業をしている女の子は、
「背後霊のようで、恐い。。。」
と陰で言っているが、乙女ちゃんはそんなこた〜お構いなしで、仕事があるふりをして待っている。


しかし乙女ちゃんと光一クンの間には、大きな障害があった。（と周りには見えている）

光一クンはまだ若干ハタチのチェリーくん（きゃっ）だったのだ。　
チェリーくんはどうにかなるにしても、年齢差だけはいつまでたっても埋められない。
お互いあと十歳ほど年をとっていれば、そう気にもならない問題だが、今の彼にはもう少し若い女の子のほうがお似合いだ・・・・・と乙女ちゃんは悩んでいるようだ。

という考えも実は周囲の推測だが、遠からず当たっているようだ。

だから乙女ちゃんは自分が光一クンが好きという事を、誰にも言わない。
オマヌケなことに、誰にもバレていないとも思っているようだ。

ああ、悲しいかな。
確かに光一クンにとって乙女ちゃんは、いろいろよく気がついて世話をしてくれるおねーちゃんなのである。
（光一クンも他の人にそう漏らしていたらしい。。。）



それでも頑張れ乙女ちゃん!私達は応援してるよ。


今日も乙女チャンは甲斐甲斐しく光一クンの世話を焼いている。

先頭 表紙