himajin top
まりんの「徒然日記」

ふりぃのかうんた
ふりぃのかうんた

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2019-03-20 サッドヒルを掘り返せ (原題 SAD HILL UNEARTHED)  バジュランギおじさんと、小さな迷子 (原題 BAJRANGI BHAIJAAN)
2019-03-19 サンセット (原題 NAPSZÁLLTA)
2019-03-16 ふたりの女王 メアリーとエリザベス (原題 MARY, QUEEN OF SCOTS)  キャプテン・マーベル (原題 CAPTAIN MARVEL)
2019-03-15 アリータ:バトル・エンジェル (原題 ALITA: BATTLE ANGEL)
2019-03-13 マイ・ブックショップ (原題 LA LIBRERÍA)  たちあがる女 (原題 KONA FER Í STRÍÐ)  ウトヤ島、7月22日 (原題 UTØYA 22. JULI)
2019-03-11 シンプル・フェイバー (原題 A SIMPLE FAVOR)
2019-03-09 運び屋 (原題 THE MULE)
2019-03-06 天国でまた会おう (原題 AU REVOIR LÀ−HAUT)
2019-03-05 あなたはまだ帰ってこない (原題 LA DOULEUR)
2019-03-02 グリーンブック (原題 GREEN BOOK)  移動都市/モータル・エンジン (原題 MORTAL ENGINES)


2019-03-20 サッドヒルを掘り返せ (原題 SAD HILL UNEARTHED)  バジュランギおじさんと、小さな迷子 (原題 BAJRANGI BHAIJAAN)

『サッドヒルを掘り返せ (原題 SAD HILL UNEARTHED)』

製作年 2017年
製作国 スペイン
配給 ハーク=STAR CHANNEL MOVIES
監督 脚本 ギレルモ・デ・オリベイラ
キャスト
エンニオ・モリコーネ
クリント・イーストウッド
クリストファー・フレイリング
アレックス・デ・ラ・イグレシア
ジェイムズ・ヘットフィールド


いきなり見覚えのある顔が出て来て、え?と思ったらMetallicaだ!!
James Hetfieldのインタビューも沢山出てきた。

続・夕陽のガンマンを愛し、そのロケ地に思い入れのあるファンが、名場面の跡地を復元しよう‥と言う愛に付き起こされ、50周年一大イベントに催すまでのドキュメンタリー。
映画の関係者や、サッドヒル文化連盟のメンバーの思い入れのある興味深い話もたくさん聞けた。

聖地巡礼って、日本でも主にアニメファンが良く用いる言葉。
自分の好きな事、思い入れのある事に例えたら、凄く共感できると思う。
映画の中の世界に憧れるだけじゃ無く、その物語の一部に成れるチャンスに、皆が興奮しているのが良く分かる。
何より、同じ物を好きな仲間が集まっているのだから、盛り上がらない訳がないのよね。
あの土地の近くで生きている人には、自慢できる場所だろうし。

荒廃してた状態でも、整備し復元した状態でも、感慨深くその地を畏敬の念で見つめる人々が凄く印象的でした。
そして、式典で流れるコメントね。誰の為でも無く自分の為にやったんだけど。凄いご褒美だった。
人生に、こんな風に思いがけず報われる瞬間って、有って良いと思うわ。素敵だ。


あぁ‥そう言う事だよね・・って映画好きとして心の琴線に触れる言葉の数々をいただいたけど、どんな言葉がどう刺さるかは、きっと人それぞれよね。

どうしてMetallicaのJames Hetfieldが・・?って思ったけど、そうか。彼らは、もう何十年もライブの開始に、続・夕陽のガンマンのサッドヒルの緊迫したシーンのBGMを使っているんだって。あの警鐘で、ドラムが飛び出してきてカウントを始める。メタリカのライブ開始シーンが映画のエンディングって!座席でヘドバンメロイックサインしたくて困った。今すぐライブ行きたくなった。


『バジュランギおじさんと、小さな迷子 (原題 BAJRANGI BHAIJAAN)』

製作年 2015年
製作国 インド
配給 SPACEBOX
監督 カビール・カーン
脚本 V.ヴィジャエーンドラ・プラサード 、 カビール・カーン 、 パルヴィーズ・シャイク
キャスト
Pawan Kumar Chaturvedi Bajrangi Bhaijaan/サルマン・カーン
Shahida Munni/ハルシャーリー・マルホートラ
Rasika/カリーナ・カプール


インドの映画って個性的だけど、自国や文化への愛を感じる。確立した世界観よね。
変に西洋かぶれの映画を作る某アジア国の映画の風潮より、好感持てる。
だけど、インド万歳な映画じゃないんだけどね。

不器用で真直ぐ・・が定番ね。インドではそれが男性に求められているのかな・・切実に。

バジュランギはちょっと度を越えていて、そこはやっぱり、馬鹿なんじゃないかと思うんだけど、凄く強い信念で遂行しているので、一緒に居るのはちょっと辛いな。
彼に当てられ、己の狡さに嫌気がさしながら、ちょっとだけ勇気を出す・・そんな人の方に惹かれそうだな。

そんな彼は神を愛するあまり異教徒異文化を受け入れられないんだけど、パキスタンで出会った老師の寛容さにハッとするシーンが好きだな。器の違いを見せつけられたわよね。


インドの女優さんは本当に美人だけど、子役のシャヒーダーも、凄く可愛いです。

先頭 表紙

2019-03-19 サンセット (原題 NAPSZÁLLTA)

『サンセット (原題 NAPSZÁLLTA)』

製作年 2018年
製作国 ハンガリー=フランス
配給 ファインフィルムズ
監督 脚本 ネメシュ・ラースロー
キャスト
イリス/ユリ・ヤカブ
ブリル/ヴラド・イヴァノフ
Mrs. Müller/モーニカ・バルシャイ

イリスの、ノスタルジーなのかな・嘗ての両親の店で働きたいと言うのは。
最初の願いは、兄の存在を知った事によって大きく変わって。
兄探し、秘密の暴露、女の子たちを救う事・・と。中々危険を顧みず、ある意味はた迷惑な行動力。
皆が秘密主義なので、謎のは発言をして振り回していくので思い込みなのか事実なのか、中々すっきりしないのですが、王族もが顧客の高級帽子店と、労働者階級の人たちの粗暴さと、目立ちます。
・・・でも貴族だって中身は一緒だったわ。
すっきりするストーリーでは無いです。

先頭 表紙

2019-03-16 ふたりの女王 メアリーとエリザベス (原題 MARY, QUEEN OF SCOTS)  キャプテン・マーベル (原題 CAPTAIN MARVEL)

『ふたりの女王 メアリーとエリザベス (原題 MARY, QUEEN OF SCOTS)』

製作年 2018年
製作国 イギリス
配給 ビターズ・エンド=パルコ
監督 ジョージー・ルーク
原作 ジョン・ガイ
脚本 ボー・ウィリモン
キャスト
メアリー・スチュアート/シアーシャ・ローナン
エリザベス1世/マーゴット・ロビー
ヘンリー・スチュアート/ダーンリー卿/ジャック・ロウデン
ロバート・ダドリー/レスター伯爵/ジョー・アルウィン
ベス・オブ・ハードウィック/ジェンマ・チャン
ジェームズ・ヘップバーン/ボスウェル伯爵/マーティン・コムストン
リッチオ/イスマエル・クルス・コルドバ


ブーリン家の姉妹The Other Boleyn Girlのアン・ブーリンの娘エリザベス。
あの野心家のアンの娘のエリザベス。覚悟を持って女王となったとても健気で、魅力的な女性に描かれていますね。

一方メアリーは自信満々で怖いもの知らずで、奔放で。ちょっとはた迷惑に描かれている。
勿論、歴史物語は真実を語っていないことが多い。誰かが思い描いた1つの説でしかないので、真に受けるほど歴史に対してお人好しでは無いのですが。

女王は常に男たちに利用され、決して安全では無い。一方的に断罪されてしまう、とても不安定な位置にいる。

ひたすらエリザベスが魅力的だったわ。


『キャプテン・マーベル (原題 CAPTAIN MARVEL)』

製作年 2019年
製作国 アメリカ
配給 ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督 アンナ・ボーデン 、 ライアン・フレック
脚本 アンナ・ボーデン 、 ライアン・フレック 、 ジェネヴァ・ロバートソン=ドゥウォレット
キャスト
Carol Danvers / Captain Marvel/ブリー・ラーソン
Nick Fury/サミュエル・L・ジャクソン
Walter Lawson / Mar-Vell/ジュード・ロウ

Stan Leeへの愛に溢れるオープニングで感動していたら拍手も起きてた。
登場シーンは、思わず一緒に深く頷いちゃう。

まだ、宇宙人の存在を地球人が認識していない時代なのね。
そりゃ、衝撃的よね。彼女の存在は。

途中どんどん強くなるし。何でも出来そうだし。アベンジャーズの隠し玉になり得るのも頷ける。

Jude Lawが凄くはまり役だったなぁ。ラストの当たりが特に。

後は、クラーケンが衝撃的だった。そりゃあ、彼らが敬遠する訳です。
アベンジャーズが早く見たくなります。

先頭 表紙

2019-03-15 アリータ:バトル・エンジェル (原題 ALITA: BATTLE ANGEL)

『アリータ:バトル・エンジェル (原題 ALITA: BATTLE ANGEL)』

製作年2018年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
監督 ロバート・ロドリゲス
原作 木城ゆきと
脚本 ジェームズ・キャメロン
キャスト
Alita/ローサ・サラザール
Dr. Dyson Ido/クリストフ・ヴァルツ
Chiren/ジェニファー・コネリー
Vector/マハーシャラ・アリ

銃夢と言うコミックは最初の方読んだことが有って、最初何も知らずに予告を見た時、銃夢みたいだな‥と思いました。
そしたら、その通りだったのね。
最初の方は、可愛いサイボーグの女の子のハートフルなお話なんだけど、途中からどんどんバトルものになって来て、子供心にびっくりしたんだよね。

アリータだけじゃなくて、Dr.がイメージ通りだったなぁ。
雑多な地上の世界観がリアルです。

確かに、James Cameronが好きそうな世界観よね。でもコレ、続き作ろうとしているんだねぇ?余程気に入ったのね。アバターもまだなんだけどな‥

先頭 表紙

2019-03-13 マイ・ブックショップ (原題 LA LIBRERÍA)  たちあがる女 (原題 KONA FER Í STRÍÐ)  ウトヤ島、7月22日 (原題 UTØYA 22. JULI)

マイ・ブックショップ (原題 LA LIBRERÍA)

製作年 2017年
製作国 イギリス=スペイン=ドイツ
配給 ココロヲ・動かす・映画社○(配給協力:ミモザフィルムズ)
監督 脚本 イザベル・コイシェ
原作 ペネロピ・フィッツジェラルド
キャスト
Florence Green/エミリー・モーティマー
Edmund Brundish/ビル・ナイ
Violet Gamart/パトリシア・クラークソン

Emily Mortimerはちょっと困ったような笑顔が良く似合うと思うのだけれど、優しそうに見えて、頑固な役が良く似合います。

そして、Bill Nighy。背過ぎをしゃんと伸ばして大股で闊歩する。正しい老紳士を久しぶりに見たな。
初めて会った時に彼女を見送った後肩で息を吐き、頑張った自分を誉める不器用さが魅力的でしたね。

本は好きです。特にハードブックがね。ヨーロッパの凝った作りの本は、本当に芸術品ね。

狭い、保守的な街は厄介。皆波風を立てないように権力に従うから。
平和で穏やかなだけじゃない。
あのラストをどう受け取るか‥決してハッピーエンドとは言えない。
だけど、確実に、一人の少女の人生を豊かに変えたと思う。


たちあがる女 (原題 KONA FER Í STRÍÐ)

製作年 2018年
製作国 アイスランド=フランス=ウクライナ
配給 トランスフォーマー
監督 ベネディクト・エルリングソン
脚本 ベネディクト・エルリングソン 、 オラフル・エギルソン
キャスト
ハットラ・アウサ/ハルドラ・ゲイルハルズドッティル
かくまってくれる男性/ヨハン・シグルズアルソン

環境活動家。しかも、中々過激な。
彼女は中々ラッキーで、いつも上手く擦り抜け捕まらない。
実際どれだけの成果が出たのかは解らないけれど、ニュースにはなった。
対照的に悟ったような双子の存在が、最後に生きてくる。確かに凄く良い精神修行の場所ではある。

この映画の特徴はBGMが生・・って言うか、俳優たちが演じている横で生バンドの舞台みたいに演奏しているの。
そこに居るのが不思議な存在。基本、中の人たちには見えていない設定。
だけど、無人の部屋や切迫したシーンにストーリーと関係ある面持ちで演奏したり歌ったりしている。
最初凄く違和感あったけど、途中慣れた。ちょっと微笑ましくさえ感じた。


ウトヤ島、7月22日 (原題 UTØYA 22. JULI)

製作年 2018年
製作国 ノルウェー
配給 東京テアトル
監督 エリック・ポッペ
キャスト
クリスティーン/インゲボルグ・エネス

ノルウェー、2011年7月22日。
兎に角、絶望的に怖い。犯人が見えない。たった一人の犯人が、69人の若者たちを殺害したなんて・・
何処か一時でも安全と思える場所が有ったら、対策を考えたり、犯人が一人と分かれば戦う方法を見出せたかもしれない。
だけど実際に起きたらそんな余裕はないんだな。逃げ惑い、パニックの中で憶測だけが飛び交うの。

これはドキュメンタリーじゃないので、登場人物は実在しない。
だけど、自分が嫌いだったり、保守的だったり、妹を心配したり、将来を夢見たり、一人一人に大切な人が居て、人生が有ったと思うと、本当に、リアルなのです。

これは教訓的ではないので、こういく時にどうしたらいい・・とか教えてくれるわけでもないし、鈍してこんな事が起きたのか‥と考えさせるわけでもない。
だから人生を大事に・・とか、家族を大事に・・とか言いたい訳でもないと思う。
こういくことが有った。こう言う事が起こり得る。それを忘れないで欲しいのかもしれない。

先頭 表紙

2019-03-11 シンプル・フェイバー (原題 A SIMPLE FAVOR)

『シンプル・フェイバー (原題 A SIMPLE FAVOR)』

製作年 2019年
製作国 アメリカ=カナダ
配給 ポニーキャニオン
監督 ポール・フェイグ
原作 ダーシー・ベル
脚本 ジェシカ・シャーザー
キャスト
Stephanie Smothers/アナ・ケンドリック
Emily Nelson/ブレイク・ライブリー
Sean Townsend/ヘンリー・ゴールディング
Diana Hyland/リンダ・カーデリーニ
Margaret McLanden/ジーン・スマート
Dennis Nylon/ルパート・フレンド

動画ブログを駆使した、今時な映画。
ラストが実話物のその後みたいで笑ったわ。

思えば、ママ友って子供同士が仲良し・・と言うだけで繋がる不可思議な関係。
過去も思想も嗜好も家庭環境も経済状況も知らないまま、お互いの家に行き来するようになる。
凄く親密で、かけがえのない友のような気がするけれど、子どもが大きくなって、自分の生活を取り戻したら消えてしまう。

失踪してから知る、友人の知らない顔。まぁ、彼女の場合、夫も知らなかったんだから、相手が悪かったけど。
ステファニーは人が良さそうな顔して読めないし、エミリーに関しては、何も見えて来ない。
ショーンもね。良き父ではあるけど、良い夫かは不明。

ただ巻き込まれておたおたするだけかと思ったら違った。中々強かだった。人を上辺で判断しちゃダメね。

先頭 表紙

2019-03-09 運び屋 (原題 THE MULE)

『運び屋 (原題 THE MULE)』

製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
監督 クリント・イーストウッド
脚本 ニック・シェンク
キャスト
アール・ストーン/クリント・イーストウッド
コリン・ベイツ捜査官/ブラッドリー・クーパー
主任特別捜査官/ローレンス・フィッシュバーン
トレビノ捜査官/マイケル・ペーニャ
メアリー/ダイアン・ウィースト
ラトン/アンディ・ガルシア
フリオ/イグナシオ・セリッチオ
アイリス/アリソン・イーストウッド
ジニー/タイッサ・ファーミガ


地味に、派手なキャスティングね。

Clint Eastwood演じるアールはユーモアが有って、度胸が有って、中々頼もしい。
で、家族にはとことん嫌われている。
まぁ、そりゃそうなるわね‥って、昔ながらの、家の事は女に任せて好き勝手生きているタイプの古いタイプの男。
黒人にニグロって言っちゃうし。悪気はないんだけど、それが差別だなんて思いもしないで。・・・結構苦手なタイプかも。あの御婦人は良く冷静に訂正したなぁ。
出会う人を、虜にしていく魅力的な人なんですけどね。

Clint Eastwoodは、生涯現役だろうなぁ‥と感じる、流石な作品でした。

先頭 表紙

2019-03-06 天国でまた会おう (原題 AU REVOIR LÀ−HAUT)

『天国でまた会おう (原題 AU REVOIR LÀ−HAUT)』

製作年 2017年
製作国 フランス
配給 キノフィルムズ/木下グループ
監督 アルベール・デュポンテル
原作 ピエール・ルメートル
脚本 アルベール・デュポンテル 、 ピエール・ルメートル
キャスト
Edouard Péricourt/ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート
Albert Maillard/アルベール・デュポンテル
Henri d'Aulnay-Pradelle/ロラン・ラフィット
Marcel Péricourt/ニエル・アレストリュブ
Madeleine Péricourt/エミリー・ドゥケンヌ
Pauline/メラニー・ティエリー
Louise/エロイーズ・バルステール
Labourdin/フィリップ・ウシャン
Officier gendarme/アンドレ・マルコン
Joseph Merlin/ミシェル・ヴュイエルモーズ
Dupré/キヤン・コジャンディ
Monsieur le maire/ジル・ガストン=ドレフュス


これは、Pierre Lemaitreの原作小説が素晴らしいんだろうな。
勿論、脚本も、演技も素晴らしいけど。特に素晴らしいのは、エドゥアールの表情豊かな仮面の数々ね。
戦後の、正義もモラルも曖昧な時代。それでも逞しく生きているのだけれど。
・・・というか、あの状況でも人は生き延びられるのだなぁ‥と思う。
最初は苦しそうだったけど。
友達も出来て、生きる糧も出来て、楽しそうに笑って居てけれど、そう見えたけれど、痛みも、恨みも、苦しみも、消えてはいなかったのね・・
ちゃんと、芸術の道で生きている手段だって、有ったはず。
だけど彼は、自分の才能を、そうは使わなかった。

悲しいのは、心が通い合った筈の少女も、助け、助けられた、運命共同体みたいな彼も、彼を繋ぎ止めて置くための枷にはなり得なかったと言う事。
彼の最後の行動の直前に、彼の心には何が浮かんでいたんだろう。
大好きだった母なのかな・・それ以外の者に、もはや何の価値も無かったのかな・・

手に入れたと思った刹那の完璧な復讐劇。あんな残酷な仕打ちが有るだろうか。

そして、意外な所で繋がる、もう一つの父子の物語。最後まで、上手いな。

先頭 表紙

2019-03-05 あなたはまだ帰ってこない (原題 LA DOULEUR)

『あなたはまだ帰ってこない (原題 LA DOULEUR)』

製作年 2017年
製作国 フランス=ベルギー=スイス
配給 ハーク
監督 エマニュエル・フィンケル
キャスト
Marguerite Duras épouse Antelme/メラニー・ティエリー
Pierre Rabier/ブノワ・マジメル
Dionys Mascolo/バンジャマン・ビオレ
François Mitterrand - alias François Morland/グレゴワール・ルプランス=ランゲ

マルグリットの葛藤や行動は、難しいけど、分かるんだ。上手く言葉には出来ないけれど、理解できる。
彼女はインテリだし、理詰めで考えたくなる。だけど、頭で分かるのと、心で分かるのは違うから、葛藤するんだよね。
そう言う自分が受け入れられなくて、出した決断が最後のセリフかな。
彼女のそう言う面倒臭さを、ロベールも理解して居ての返しかな。

数多くのナチスドイツの戦争映画にはそんな中で、彼らを匿い、逃がし、支援するレジスタンスが存在し、それはもう、あの狂気の中でいつだって救いなのだけれど、当然なのだけれど、彼らだって命懸けだったのですよね。

能天気に流れる、日本の紹介ラジオが、日本が、そんなドイツの同盟国だった事を思い出させます。

駅で、家族の帰りを待つ女たちが、印象的。それは、敵国日本でも有った景色で、戦争は、本当に哀しいのです。
今だったらきっと女たちも待っているだけじゃないかもだけど、でも、やっぱりしちゃ駄目なんです。

先頭 表紙

2019-03-02 グリーンブック (原題 GREEN BOOK)  移動都市/モータル・エンジン (原題 MORTAL ENGINES)

『グリーンブック (原題 GREEN BOOK)』

製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
監督 ピーター・ファレリー
脚本 ニック・バレロンガ 、 ブライアン・カリー 、 ピーター・ファレリー
キャスト
Tony Lip/ヴィゴ・モーテンセン
Don Shirley/マハーシャラ・アリ
Dolores/リンダ・カーデリーニ

南部で黒人が利用できるホテルや飲食店などをまとめたGREEN BOOK。
これがどんなに彼らにとっての命綱なのか、良く分かりました。
ドクがどんな思いでこのツアーを強行したのか‥そして、ドライバーとしての優秀さでは無く、どうしてもトニーを同行させたかったのか‥
南部を無事渡りきる為に必要な人材と、本気でトニーに賭けていたんだな。
その位危険な旅でした。

農園で働く黒人労働者を見て、何を思ったんだろう。そして彼らは、白人を運転手に高級車に乗っている黒人の彼を見て、何を感じたんだろう。


Viggo は役作りで体重20s増やしたそうですが、それでもhandsomeなままですね。
デンマークとアメリカ人のハーフで語学が堪能だから色々な人種の役演じて来たけど、今回はガサツで口が上手いイタリア人。頼もしくて、優しくて、守られたくなるわね…
イタリア系でも無いし自分が演じるのはふさわしくない・・と何度もオファーヲ断ったそうです。
それでも監督は諦めなかった。良く口説き落としたなぁ‥

ドクを演じたMahershala Aliは、助演男優賞も納得。孤高な感じも、トニーを引き留めたくて好条件を突きつけながら不安げに揺れる視線も、必死に尊厳を守る姿も、凄く愛おし位見事だった。

Viggoが、あの日ElizabethtownのOrlandが傷心里帰り旅行したケンタッキー ルイビル等を旅している姿は、感慨深いものがある。あの辺の道は、解りにくいのです。…通じた方は、お仲間です。


『移動都市/モータル・エンジン (原題 MORTAL ENGINES)』


製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 東宝東和
監督 クリスチャン・リバース
原作 フィリップ・リーブ
脚本 ピーター・ジャクソン 、 フィリッパ・ボウエン 、 フラン・ウォルシュ
キャスト
ヘスター・ショウ/ヘラ・ヒルマー
トム・ナッツワーシー/ロバート・シーアン
サディアス・ヴァレンタイン/ヒューゴ・ウィーヴィング
アナ・ファン/ジヘ
ベヴィス・ポッド/ローナン・ラフタリー
キャサリン・ヴァレンタイン/レイア・ジョージ
マグナス・クローム/パトリック・マラハイド
シュライク/スティーヴン・ラング

脚本、製作のPeter Jacksonの右腕、Christian Riversの初監督作。

原作は読んで居ないのですが、こういう物語を映像化出来るのは、そりゃあ、Peter Jacksonでしょ。
都市の動きが、凄い迫力で、リアルでした。

所々LOTRを感じました。
音や音楽の使い方は勿論、ナイフの投げ方や、人の落ち方や、間。雲の配置や壁の中の住居に至るまで。
それはもう彼方此方に。嬉しい限り。
アナ・ファンの仲間たちや集う場所が凄く個性的で、PJこういうの凝り出したら止まらないだろうなぁ‥と思いました。
アナ・ファンの仲間では、Karl Urban似の、コーラが好きだな。

Hugo Weavingが居るのも嬉しいですよね。厳格なエルロンド様。だけどアルウェンには甘々で。
ここでも、愛娘には優しい厳格な役なのですが、優しい目も素敵ですが、もう一つの顔もHugo らしくて。むしろ好きですね。

先頭 表紙


[次の10件を表示] (総目次)