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まりんの「徒然日記」

ふりぃのかうんた
ふりぃのかうんた

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2018-10-10 ブレイン・ゲーム (原題 SOLACE) LBJ ケネディの意志を継いだ男 (原題 LBJ)
2018-10-07 イコライザー2 (原題 THE EQUALIZER 2)
2018-10-04 かごの中の瞳 (原題 ALL I SEE IS YOU)
2018-10-01 2018年9月にスクリーンで観た映画
2018-10-01 クワイエット・プレイス (原題 A QUIET PLACE)
2018-09-19 リグレッション (原題 REGRESSION)  顔たち、ところどころ (原題 VISAGES, VILLAGES)
2018-09-12 ブレス しあわせの呼吸 (原題 BREATHE)  ヒトラーと戦った22日間 (原題 СОБИБОР) 500ページの夢の束 (原題 PLEASE STAND BY)
2018-09-10 アントマン&ワスプ (原題 ANT-MAN AND THE WASP)
2018-09-06 判決、ふたつの希望 (原題 L'INSULTE) プーと大人になった僕 (原題 CHRISTOPHER ROBIN)
2018-09-01 ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 (原題 BORG/McENROE) タリーと私の秘密の時間 (原題 TULLY)


2018-10-10 ブレイン・ゲーム (原題 SOLACE) LBJ ケネディの意志を継いだ男 (原題 LBJ)

『ブレイン・ゲーム (原題 SOLACE)』

製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 ポニーキャニオン
監督 アフォンソ・ポヤート
キャスト
ジョン・クランシー博士/アンソニー・ホプキンス
ジョー・メリウェザー/ジェフリー・ディーン・モーガン
キャサリン・コウルズ/アビー・コーニッシュ
見知らぬ男/コリン・ファレル


これは、推理物ではありません。有能な捜査員が活躍する話でも無い。

Hearts in Atlantisを思わずにはいられなかった・・
Anthony Hopkinsの役が、彼が演じたテッドと被るんだもの。不思議な力を持つ老人。
「親は子供より先に死ななくてはいけない」そんな台詞すら、早世したAntonを思わずに居られないじゃないですか。
Colin Farrellとターゲットの青年を挟んで対峙するシーンなんて、青年がAntonに思えてくる・・
Fright Nightのジェリーですから、Antonにとっての天使と悪魔ですもの。

果たして、このストーリーの中のColin Farrellは、悪魔かどうか・・
凄く切羽詰まった思い。優しい語り。

私が、被害者たちの立場なら、お願いしたいと思うかもしれない。苦しみたくはないし、自死は勇気がいる。

だけど、父の最期が本来の形では無く、連続殺人の被害者としてだったら‥癌で亡くなった大好きな友人だったら‥
残される方は、どうだろう。
もしかしたら、友や家族と病気に立ち向かう貴重な時間を持てたかもしれない。それは人生の最高の思い出になったかもしれない。
愛する人に囲まれ、微笑みながら最期を迎えられたかもしれない。それを断ち切られるのは辛い。

「彼の時間を一秒だって奪うべきじゃ無かった」それも真理だ。
最愛の家族と過ごせる時間。子供の成長を感じられる時間。それは一秒だって多く欲しかった筈だ。苦しくても。

尊厳死を尊重する私が言うことじゃないけど。

この映画は酷くAntonを思い出させる。
彼の最期には1分有ったと言う。もっと長いと言う説もある。それを思うと、即死は救いだとは思う。
父の最期はどの位時間が有ったのだろう・・

これは、大切な人を、病気や事故や自死で失った経験のある人間には、酷く辛い。迷わせる。



『LBJ ケネディの意志を継いだ男 (原題 LBJ)』


製作年 2016年
製作国 アメリカ
配給 ツイン
監督 ロブ・ライナー
脚本 ジョーイ・ハートストーン
キャスト
リンドン・B・ジョンソン/ウッディ・ハレルソン
ロバート・F・ケネディ/マイケル・スタール=デビッド
リチャード・ラッセル/リチャード・ジェンキンス
ラルフ・ヤーボロー/ビル・プルマン
ジョン・F・ケネディ/ジェフリー・ドノバン
レディ・バード・ジョンソン/ジェニファー・ジェイソン・リー

アメリカ合衆国大統領物は、伝記的な物も架空の物も数多くある。
なので、何となくシステムは理解しているよね。
世界に対して隙を見せちゃいけない。

ジョン・F・ケネディは人気ですよね。ルックスだけじゃ無く、やろうとしていたことも魅力的。
家柄やら、家族やら、恵まれ過ぎ。
そして、不運。

まぁ、あの状況で大統領になる方も辛いけど。
だけど、真摯に、道を違わず進んだのは見事でしたね。
悩める姿と、堂々と渡り合う姿が印象的。


私は黒人が好きだから、感謝するしかないな。

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2018-10-07 イコライザー2 (原題 THE EQUALIZER 2)

『イコライザー2 (原題 THE EQUALIZER 2)』


製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督 アントワン・フークア
キャスト
ロバート・マッコール/デンゼル・ワシントン
デイブ・ヨーク/ペドロ・パスカル
上官スーザン/メリッサ・レオ
マイルズ/アシュトン・サンダース


完璧すぎる・・強すぎるマッコール。
いつも試されてそうで、側に居たら疲れるけど。
タクシーの中で、さらりと関わるくらいだと、凄く良い時間をくれそうだ。なんなら、励まされ、慰められたり、人生変わったり。
そんな彼のささやかな毎日は素敵だ。知り合った人を放って置かない親切心。
おせっかいかもだけど、何とか出来ちゃうバックボーンを持って居る事が、また、強い。

暴力的な物語に、そう言う彼の新設や温かさを挟んでブレない人間性を示しているよね。

行く道を救われたマイルズが遺した画が素敵だ・・

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2018-10-04 かごの中の瞳 (原題 ALL I SEE IS YOU)

『かごの中の瞳 (原題 ALL I SEE IS YOU)』

製作年 2016年
製作国 アメリカ
配給 キノフィルムズ/木下グループ
監督 マーク・フォースター
キャスト
ジーナ/ブレイク・ライブリー
ジェームズ/ジェイソン・クラーク

ジェームズは、自分を頼りにしてくれる、清楚でか弱い女性が好きなんだよね。
実際ジーナはそうで、だから上手く行っていたんだけど、それは目が不自由だったからで。
例え見えるようになっても、自分の掌の中で、自分が見せる物だけ見て喜んで居て欲しかったのよね。

女性の方が、好奇心や物欲や、変身欲が強いのよ。
そして大抵の男性は支配欲と独占欲を持っていると思う。
大体、電車の中や人混みで、必要以上に連れの彼女をかばう男性はそうよね。それ見る度に、その彼女、一人の時は絶対君より逞しいよ?と思う。
騙しているとかじゃなくて、好きな相手に甘えているんだろうけど、好きじゃ無くなったら甘えなくなる。
その時に、男性はこの映画を思い出すかもね。

見えなかった物が見えるようになったんだもん。そりゃ好奇心も働く。色々経験してみたくなる。
あ〜これって、専業主婦が、子供が手を離れて外に出始めた時に夫婦に起こる危機と一緒だなぁ‥
それまでは自分の稼ぎ・・と威張り支配して来た相手が、自分のお金、自分の時間、自分の仲間を外に持つ。
受け入れられない男性陣一昔前は多かった。今はどうかな?最初から共稼ぎならそうでもないのかな。

兎も角、

ジーナが美しい事と、見えなかったからこその変化が、大きくて、溝も大きくなったけど、珍しくは無いんだな。

見えないからこその彼女の脳内に広がる世界は幻想的でした。

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2018-10-01 2018年9月にスクリーンで観た映画

2018年9月にスクリーンで観た映画は10本でした。
2018年小計は170本。

9月は全然見られなかった・・でも良いんです。他の事に時間を空けておいたんですから。
それに良い映画が多かった。


 
 リグレッション (原題 REGRESSION)
 
○顔たち、ところどころ (原題 VISAGES, VILLAGES)

○ブレス しあわせの呼吸 (原題 BREATHE)
 
 ヒトラーと戦った22日間 (原題 СОБИБОР)
 
○500ページの夢の束 (原題 PLEASE STAND BY)

 アントマン&ワスプ (原題 ANT-MAN AND THE WASP)

◎判決、ふたつの希望 (原題 L'INSULTE) 

 プーと大人になった僕 (原題 CHRISTOPHER ROBIN)

○ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 (原題 BORG/McENROE)

○タリーと私の秘密の時間 (原題 TULLY)

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2018-10-01 クワイエット・プレイス (原題 A QUIET PLACE)

『クワイエット・プレイス (原題 A QUIET PLACE) 』

製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 東和ピクチャーズ
監督 ジョン・クラシンスキー
脚本 ジョン・クラシンスキー 、 ブライアン・ウッズ 、 スコット・ベック
キャスト
エヴリン/エミリー・ブラント
リー/ジョン・クラシンスキー


これは、怖いね。

隕石に乗ってきた宇宙人?謎の生物の顔がグロテスクだし。
音を立てちゃいけない生活のストレス。
叫びたくなるだろうし、思春期なんだから、物を投げつけたくもなるだろう。
音楽が無いなんて・・と思ったら、イヤフォンで聴いていた。
やはり、一度その存在を知ってしまった人間には、音楽が必要なんだな。

Emily Bluntは、プラダを着た悪魔で初めて見た時から、大好きです。
あの作品の中ではAnne Hathawayの引き立て役ですが、絶対彼女の方が光ってた!
勿論美人なんだけど、それだけじゃない。なんか、奥深さを感じる。

今回も凄い迫力で、時に美しく、時になりふり構わず、とてもリアルに演じていた。
そして何より、ラストの笑み。
やっぱ凄い女優だわ。と再確認しました。

この映画は、兎に角女性の強さを再確認する映画でしたね。
そして、父の愛情として貼られる伏線の回収の仕方が上手い。これが映画の醍醐味よね。

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2018-09-19 リグレッション (原題 REGRESSION)  顔たち、ところどころ (原題 VISAGES, VILLAGES)

『リグレッション (原題 REGRESSION)』

製作年 2015年
製作国 スペイン=カナダ
配給 ポニーキャニオン
監督 アレハンドロ・アメナーバル
キャスト
アンジェラ・グレイ/エマ・ワトソン
ブルース・ケナー/イーサン・ホーク
心理学者/デヴィッド・シューリス

思い込み良くない。・・・って話です。

これは、ネタバレしないで語るのは非常に困難で、・・・と言うか無理なので。

Emma Watsonは、怯えるか弱い少女を演じるには、凛として芯が有りそうに見えてしまいますね。

話はオカルトと言うか、ホラーの方向に進んで行きますが、怖いのは人間です。
でも、始まりは愛だったと思うのです。家族愛。
大好きな母。息子の罪。贖罪。それが、変な方向に大きく広がり、引っ込みがつかなくなる。

未知と畏怖の念が、判断を狂わせるのでしょうか。当時、実際こんな騒ぎがいくつも有ったそうですよ?

ラスト肩すかしのように感じるかもですが、それも含めての映画化なのです。映画が、ではなく事件が、そう言うラストだったのです。


『顔たち、ところどころ (原題 VISAGES, VILLAGES)』

製作年 2017年
製作国 フランス
配給 アップリンク
監督/脚本 アニエス・ヴァルダ 、 JR
キャスト
アニエス・ヴァルダ
JR

良いなぁ・・ああ言う旅。そして旅のお供。
才能が有って、お互いを認めていて、敬意が有って、自分が有って。

ぶつかるし、曲げないし、でも影響し合う。お互いを流石!と思える。
そんな刺激し合える相手との旅は最高だろうな。
そして、写真がまた素晴らしい。仮にも写真を・・・しかも人物を撮るのを生業としている身としては、羨ましくてしょうがない。

出来ない理由を並べるけれど、そしてそれは確かに大きな壁だけど、出来ない訳じゃないんだよな‥
凄く羨ましくて、撮影旅行に出たくなる。

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2018-09-12 ブレス しあわせの呼吸 (原題 BREATHE)  ヒトラーと戦った22日間 (原題 СОБИБОР) 500ページの夢の束 (原題 PLEASE STAND BY)

『ブレス しあわせの呼吸 (原題 BREATHE)』

製作年 2017年
製作国 イギリス
配給 KADOKAWA
監督 アンディ・サーキス
脚本 ウィリアム・ニコルソン
キャスト
ロビン/アンドリュー・ガーフィールド
ダイアナ/クレア・フォイ
ブロッグス/デヴィッド・ブラッカー/トム・ホランダー
テディ/ヒュー・ボネヴィル

かかると、首から下が麻痺する・・自発呼吸が出来ない・・怖い。

ドイツの重度障害患者の管理が、恐ろしくて。安全かもしれないけど、あれは、人生を生きていると言えるのか?
ロビンの姿は衝撃だろう・・と言う意味が良く分かった。
誰か死んで良いと言ってくれ・・と思う。

かなり最初の方に、雑談の中で、捕らわれたマウマウ団の話が出て来るのですが、それがずっと心に残っていた。
象徴的だなぁ‥と。
そして、それは、私だけでは無かった・・それが辛くも有り、救いでも有り。

奥さんが凄く気丈なんだ。そして、可愛い。
仲間たちも。彼よりマシ・・って思うんじゃ無く、自分はまだ何か出来るんじゃないか‥って思わせてくれる、プラスのオーラがきっとあったんだな。いつも人が集まってくる。

強く楽しく生き抜いた。誰にでも出来る訳じゃない。私は出来ない。すぐ死なせて欲しい。

『ヒトラーと戦った22日間 (原題 СОБИБОР)』

製作年 2018年
製作国 ロシア=ドイツ=リトアニア=ポーランド
配給 ファインフィルムズ
監督 コンスタンチン・ハベンスキー
キャスト
アレクサンドル・ペチェルスキー/コンスタンチン・ハベンスキー
フレンツェル/クリストファー・ランバート

実際に有った大脱走を元に作られたドラマだそうです。
なので、実際の人物や出来事は分かりませんが、今までに何度も語られて来た、狂気が描かれていました。

人間が、どこまで残忍に成れるか‥を試された歴史のような気もします。誰もが、凄く凄く試された。

ラストの、スローで走るシーンを見せられ、怖くて、早く!!と思うのですが、本人は、きっとそんな恐怖の中走って居たんだろうな‥永遠に感じながら・・



『500ページの夢の束 (原題 PLEASE STAND BY)』

製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 キノフィルムズ/木下グループ
監督 ベン・リューイン
キャスト
ウェンディ/ダコタ・ファニング
スコッティ/トニ・コレット
オードリー/アリス・イヴ

「感情」と言う概念で、他のクルーとの交流に苦労するスポックを自閉症の少女の中に見たんだね。
確かに、彼女が変わって行くスポックに興味を持つの、解る気がする。
分かり合いたい相手が居るから。

彼女が描いて居た物語を、読んで欲しかった相手が、泣けるね。周りが思っている以上に、望んでいたんだね。

Star Trekは、私にとっても特別な映画だ。Pavel Andreievich Chekov役でAnton・Yelchinが出ているのだから。
それに、Dr.ボーンズこと、Leonard McCoyは、Karl Urbanだし。
でも、Leonard McCoyの娘の名前、即答出来なかった。

クリンゴン語は理解できないけど、リンガーズにとってのエルフ語だと思えば、理解できる。
あれほど話せる人は、凄いマニアの中のマニア。そりゃあ仲間意識も芽生えるわ。
いや〜好きな設定よ。自分たちにだけ理解出来る言語で話す一体感。音楽用語でも、プロスポーツ用語でも、何でも良いの。
好きな思いが共通して居る事が伝われば。

Dakota Fanningがこういう役演じて、間違いが有る筈が無い。本当に、天才だと思うわ。

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2018-09-10 アントマン&ワスプ (原題 ANT-MAN AND THE WASP)

『アントマン&ワスプ (原題 ANT-MAN AND THE WASP)』

製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ディズニー
監督 ペイトン・リード
キャスト
Scott Lang / Ant-Man/ポール・ラッド
Hope van Dyne / The Wasp/エヴァンジェリン・リリー
Dr. Hank Pym/マイケル・ダグラス
Luis/マイケル・ペーニャ
Ghost/ハンナ・ジョン・カメン
Dr. Bill Foster / Goliath/ローレンス・フィッシュバーン


このシリーズは好きです。自分をダメダメだと思っている主人公が、愚直過ぎるほど良い人で。
別れた奥様ファミリーとの関係も素敵で。
でも、お嬢さんが良い娘過ぎて、ちょっと心配。早く大人になり過ぎている感じで。

痛々しいゴーストも、絶対に信念を曲げず正しく生きているDr. Bill も好きです。
あの人が居て良かった。

ウーさんのキャラも良いですよね。疑っているのか、信じているのか。でも、仲良くしたそうでそわってしている所とか。本当は、ファンでしょ?って言いたい。

エンディングの最後の最後まで引っ張るのが、このシリーズの特徴ですが、や。あれはどうなるのか、ちょっと心配ですね。

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2018-09-06 判決、ふたつの希望 (原題 L'INSULTE) プーと大人になった僕 (原題 CHRISTOPHER ROBIN)

『判決、ふたつの希望 (原題 L'INSULTE)』

製作年 2017年
製作国 レバノン=フランス
配給 ロングライド
監督 ジアド・ドゥエイリ
脚本 ジアド・ドゥエイリ 、 ジョエル・トゥーマ
キャスト
カメル・エル=バシャ
アデル・カラム

久し振りに、とんでもなく素晴らしい映画だった。

些細な事・・で始まったとはいえ、最初からキリスト教徒のレバノン人トニーの態度は腹立たしかった。
それは、ラストまで来ても代わらないのだけれど、彼が求めていた物が、お金じゃなくて、謝罪・・と言う意味が凄く理解できた。
愚かだと思うけど、彼を愚かにした過去が全てをひっくり返した。でもそれは、彼が望んだことじゃ無かった。
吐かれた暴言を伏せる事を貫いたパレスチナ難民のヤーセルと変わらず、高潔だった。

最初から最後まで、過去でさえ、公平で、正義感の強いヤーセル。本当に理不尽で気の毒。どこを取っても彼に非は無いし、謝罪する必要が全く感じられない。

だけど、世間を巻き込み裁判は注目を浴び、大統領が仲裁に入るくらいの事態。それでも収束しない。
収束させることが出来るのは、たった一つのヤーセルの行為で、その為に動いたヤーセルは、本当に、本当に、高潔だった。
トニーの過去を知り、だからと言って彼の態度は許せないけれど、罪は最初から認めていて。自分の為じゃない。彼にたった一つ救いをもたらすための行動。
そこに導いたのは、トニーの攻撃的な性格以前の仕事に対するプロ意識。それは称賛に値する。
そして、判決の後の二人。当然そうならないとおかしいと思うのだけれど、2人の決着はもう既についている。煩かった周囲を、もう、何も言わない。

こんな、清々しい美しい裁判の終焉。初めて見た。

凄く重いテーマを背負い、暴力的でありながら、凄く人間の優しさ、美しさを感じさせてくれた。
このラストは秀逸でした。


『プーと大人になった僕 (原題 CHRISTOPHER ROBIN)』

製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ディズニー
監督 マーク・フォスター
キャスト
クリストファー・ロビン/ユアン・マクレガー
イヴリン・ロビン/ヘイリー・アトウェル
マデリン・ロビン/ブロンテ・カーマイケル
ジャイルズ・ウィンズロウ/マーク・ゲイティス
プー(声)/ティガー(声)/ジム・カミングス
イーヨー(声)/ブラッド・ギャレット

プーはディズニーの中ではティンカーベルの次位に好き。
特にティガーが。でも今作はイーヨーも良かったな。あの後ろ向き過ぎる性格は嫌いじゃない。ティガーと対照的で。

コレは、凄く楽しい映画ではない。
実写で動くプーたちは可愛いし、いつも通りだけれど、コメディでも無いし。会社人間になったロビンと家族の溝や、戦争。
とても暗い部分も多い。

大人になった私たち誰もに、子供の頃の特別な場所が有ったはずで、大切なおもちゃたちが有ったはずで、おもちゃたちからしたら、持ち主の子どもが世界の全て。
ヒーローなのよね。大人になって忘れてしまうけど。きっかけが有れば思い出せる。
大人になったら、プーたちの行動ははた迷惑だし、相手をするのは面倒臭いかもしれない。なんだけど、代わらないプーたちが凄く嬉しい。

プーがこてんと、大人になったロビンに体を預けるシーンが、凄く可愛かった。
傷付いて、でも信じてて、全部受け入れてくれる。凄く凄く大切な存在。

やっぱり、プーとクリストファー・ロビンはああじゃないとね。

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2018-09-01 ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 (原題 BORG/McENROE) タリーと私の秘密の時間 (原題 TULLY)

『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 (原題 BORG/McENROE)』

製作年 2017年
製作国 スウェーデン=デンマーク=フィンランド
配給 ギャガ
監督 ヤヌス・メッツ
脚本ロンニ・サンダール
キャスト
ビヨン・ボルグ/スベリル・グドナソン
ジョン・マッケンロー/シャイア・ラブーフ
レナート/ステラン・スカルスガルド
マリアナ/ツバ・ノボトニー
ビヨン・ボルグ(少年時代)/レオ・ボルグ

テニスに興味ない人でも、一定以上の年齢の人ならこの二人の名前くらいは知っていると思う。
同じ時代を生きた、正反対の好敵手。そして名勝負。
緊張や、背負った思いや、周囲との関係が、ヒリヒリするくらいリアルで、目の離せない試合にハラハラして手に汗を握るし、そして泣いた。
Sverrir Gudnasonは本当に熱を秘めたクールなプリンスだし、Shia LaBeoufは本人はマッケンローそのものの悪童といわれる問題児だけど、だからこそか、マッケンローそのものに思えるほどの演技力。同じく天才肌ね。

凄いプレッシャーを感じながら、同じスポーツを、お互い本気でやっていたからこそ・・の絆。
それに、悪童マッケンローにとって、ボルグは子供の頃憧れた選手なのよね。
ちゃんと憧れの人として、若者の尊敬できる壁となった姿が素敵過ぎ。
最高の試合をしている二人だけの世界が、もう、たまらない。敵であり、唯一の理解者になる。

そして二作続けてのStellan Skarsgard。忍耐強く、そして見捨てない。素敵だったな。

本気のスポーツは、双方の背負っている世界が重すぎて、見ていて辛い。だからオリンピックとか、高校野球とか見られない。
どっちも負けて欲しく無くて。
日本だから・・って応援の仕方が出来ないんだな。私は。

だけど、そんな思いのずっと上を行っているんだろうな‥




ところで、ビヨン・ボルグの少年時代を演じているのは、ビヨン・ボルグ本人の実の息子Leo Borgだそうですよ。
凄いな。




『タリーと私の秘密の時間 (原題 TULLY)』

製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 キノフィルムズ
監督 ジェイソン・ライトマン
脚本 ディアブロ・コディ
キャスト
Marlo/シャーリーズ・セロン
Tully/マッケンジー・デーヴィス
Craig/マーク・デュプラス

これから結婚、出産する人は、覚悟を持って観て欲しいわ。
特に旦那の方に。

奥さんが妊娠したら、子どもは勝手に生まれて来る訳じゃなくて、そして、産み終った奥さんは、産み終ったら元に戻る訳じゃない。
肉体的にも精神的にも、時間を掛けて戻していくの。
産後の経過とか、体型とか、夜中の様子とか、汚れとか、しんどい頃思い出して、もうやめて〜〜!!って思った。
あの搾乳の日々。放って置いたら胸はカチカチになって熱を持ち、触れたら悲鳴あげるくらい痛いし、所構わず溢れ出してくる。
あの日々をこんなにリアルに描いた作品珍しいんじゃないかな。
そして、コッチはヘロヘロなのに、仕事をしているからとお構いなしに日常を崩さない旦那。ゲームする暇あったら奥様気遣え!って蹴飛ばしたくなるけど、アレが現実よね。

だけど、ここで使えるか使えないかが、その後の夫婦関係を大きく左右するのよ。
数年後、数十年後に、醒めた家庭内別居状態とか避けたいなら、せめて気遣う言葉や惣菜買って来るとか出来る事しておいた方が良いのよ。
眠る前の僅かな時間でも、育児代わって奥様寝かしてあげるとかね。

本当に、誰か助けてあげて‥って思う。そして誰にも頼れないマーロは、若くて自由だったころの自分に救いを求めたのね。

凄く凄くリアルだった。

先頭 表紙


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