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まりんの「徒然日記」

ふりぃのかうんた
ふりぃのかうんた

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2018-05-25 ダリダ〜あまい囁き〜 (原題 DALIDA) シューマンズ バー ブック (原題 SCHUMANNS BARGESPRÄCHE)
2018-05-22 モーリス (原題 Maurice)
2018-05-21 ピーターラビット (原題 PETER RABBIT)
2018-05-16 モリーズ・ゲーム (原題 MOLLY'S GAME)  ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜 (原題 STRONGER)
2018-05-15 私はあなたのニグロではない(原題 I AM NOT YOUR NEGRO)
2018-05-12 フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 (原題 THE FLORIDA PROJECT)
2018-05-07 サバービコン 仮面を被った街 (原題 SUBURBICON)
2018-05-04 アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル (原題 I, TONYA)
2018-05-02 ザ・スクエア 思いやりの聖域 (原題 THE SQUARE)
2018-05-01 パティ・ケイク$ (原題 PATTI CAKE$)


2018-05-25 ダリダ〜あまい囁き〜 (原題 DALIDA) シューマンズ バー ブック (原題 SCHUMANNS BARGESPRÄCHE)

『ダリダ〜あまい囁き〜 (原題 DALIDA)』

製作年 2017年
製作国 フランス
配給 KADOKAWA
監督/脚本 リサ・アズエロス
キャスト
Dalida/スヴェヴァ・アルヴィティ
Orlando/リッカルド・スカマルチョ
Lucien Morisse/ジャン=ポール・ルーヴ
Richard Chanfray/ニコラ・デュヴォシェル
Luigi Tenco/アレッサンドロ・ボルギ
Lucio Sanieri/ブレンノ・プラシド
Jean Sobieski/ニールス・シュナイダー
Eddie Barclay/ヴァンサン・ペレーズ
Bruno Coquatrix/パトリック・ティムシット

凄く綺麗でパワフルで魅力的な女性よね。

でも彼女の歌は、メロドラマチックで、あまり私は得意じゃないんだな。

恋をして、歌うことが楽しくて・・・って彼女が裏で見せる絶望した顔が悲しい。
それでも頑張って歌に生きたんだな。
才能が有って、美しくても、手に入れたい物と吊り合わない。彼女はどうしたら幸せになれたんだろうね・・

せめて、ずっと変わらない存在としてルシアンが居てくれたらなぁ。
男たちは勝手に魅了され、焦がれ、嫉妬し、自滅して行くんだもの。

Julia RobertsのEat Pray Loveみたいな生き方をした時期も有ったのね。
歌は凄いよ。本当に、力をくれる。
だけど、彼女ら、彼らにも癒しは必要でしょ。ファンには何も出来ないからね‥哀しいけどね。


『シューマンズ バー ブック (原題 SCHUMANNS BARGESPRÄCHE)』

製作年 2017年
製作国 ドイツ
配給 クレストインターナショナル
監督/脚本 マリーケ・シュレーダー
キャスト
Charles Schumann

観終わったら、さあ、バーに行こうか?本物のカクテルを飲みに。・・・って思うよね。
見ている最中に、もう飲みたくてたまらなくなるから。

N.Y.のバーではjazzだったり、ハバナではキューバミュージックだったり・・ってBGMが、また良いの。
更に、氷が揺れる音や、シェーカーを振る音を彷彿とさせる、音が効果的。
ブルーのスーツが白壁に映えたり、映像もそりゃあ素敵。
その地独特のバーで、そしてそれぞれのポリシーを持った一流のバーテンダーたち。
Charles Schumannの二人の弟子が質問に答えるんだけど、饒舌な後輩と寡黙な先輩なんだけど、Charles Schumannの仕事に関する質問に対しては、とても雄弁に、深い洞察力と共に師への賛辞が溢れだす先輩弟子が印象的だったな。

日本のシーンも多いです。でも日本のあんなバーは、敷居が高いだろうなぁ‥

細かい指示の無いレシピを見て、配分を何通りも変えて検証し、最高の配分を探り出す。そして出来上がったそのバー、そのバーテンダー独自の味。
でもそれって、色々な仕事で言える事だよね。仕事にプライドを持って居たら。
職人だったら更にね。
うん。奥が深い。
そして美味しいバーに連れて行ってうんちく語れる知り合い欲しい。

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2018-05-22 モーリス (原題 Maurice)

『モーリス (原題 Maurice)』

製作年 1987年
製作国 イギリス
配給 ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
監督 ジェームズ・アイヴォリー
原作 E・M・フォースター
脚本 キット・ヘスケス・ハーヴェイ 、 ジェームズ・アイヴォリー
キャスト
Maurice/ジェームズ・ウィルビー
Clive/ヒュー・グラント
Alec/ルパート・グレイヴス
Dr. Barry/デンホルム・エリオット
Mr. Ducie/サイモン・カロウ
Lasker Jones/ベン・キングズレー
Mrs. Durham/ジュディ・パーフィット



4Kデジタル修復を施した無修正版「モーリス 4K」

人も羨む1900年代初頭の英国上流階級ですよ。
階級が全てを与える時代。階級を失く事が何よりもの懲罰になる時代。

ケンブリッジ大学に通う、若く前途洋々な青年たち。
傲慢で自信に満ちた彼らだけれど、恋の病だけは、身分も年齢も関係無い。
彼らは身を焦がす。恋してはいけない相手に。国が違えば、時代が違えば、有り得る恋が、この国では、この時代では大罪になる。
私には外国人ゲイの友人もいるので、無関心ではいられない。
思いが通じる相手に出会ってしまったのだから仕方が無い。本来だったら羨ましい話だ。
Cliveはゲイと言うよりバイなのか。それよりも、自分が一番大好きなんだと思う。
Mauriceはゲイなのだろうな‥Alecもそうかな・・
今もゲイの彼らが完全に自由になった訳じゃないだろうし、そのつもりは無くても無意識な差別が有ったりする。

でもそこの愛として存在している以上、無い事には出来ない。
だってゲイは種の保存が基本出来ないから絶対数が少ないだけで、異常や変異じゃ無く本来だったら異性愛と同様の数が用意されているのかもしれないよ。背が高い、低いと同じように。なのに異性愛が正しいって誰が決めたんだ?
種の保存が出来る方が偉いなんて考えは、病気や年齢による差別を生むんだよ。

Hugh Grant若いなぁ。でも昔から役どころ、変わらないなぁ。

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懐かしい・・・・。Alec役のルパート グレイブスをシャーロックに出てることしばらく気がつきませんでした。お、お、おじさんになってる。時間の流れを感じました。あれから30年。そりゃそうですよね。 / にゃんまげ ( 2018-05-23 16:49 )

2018-05-21 ピーターラビット (原題 PETER RABBIT)

『ピーターラビット (原題 PETER RABBIT)』

製作年 2018年
製作国 オーストラリア=アメリカ=イギリス
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督 ウィル・グラック
原作 ビアトリクス・ポター
キャスト
ビア/あひるのジマイマ・パドルダック/ローズ・バーン
トーマス・マグレガー/かえるのジェレミー・フィッシャーどん/ドーナル・グリーソン
マグレガーおじさん/サム・ニール
カトンテール/デイジー・リドリー
フロプシー/マーゴット・ロビー
モブシー/エリザベス・デビッキ
ピーターラビット/ジェームズ・コーデン


PETER RABBITの絵本そのまま・・いや、むしろそれ以上にリアルで可愛い動物たち。
この世界観は大好きです。

・・・なのですが、この映画はおとぎ話では無いと作中語りでも言っているように、そんなに可愛い内面の動物ではありません。
それも知恵が有る分かなり性質が悪いタイプの。

トムとジェリーは好きですか?ジェリーが好きじゃない人はキツイかも。
私は好きじゃないです。だから、ピーターの行き過ぎの悪戯嫌いです。
不遇の幼少期だった分、誰かの笑顔の為に全力で仕事に情熱をかけ、行き過ぎな位尽くすトーマス青年が嫌いじゃない。
頂き物の双眼鏡の為に、川に飛び込む誠実さも。
その彼を理不尽な目にあわす畜生の浅はかさにイラつきました。
優しくないんです。私。

そうは言っても挟んでくるスズメが歌う歌は楽しいし、毎朝嘆くけたたましい雄鶏は結構ツボ。
そして展開自体は王道なので安心してみましょう。

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2018-05-16 モリーズ・ゲーム (原題 MOLLY'S GAME)  ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜 (原題 STRONGER)

『モリーズ・ゲーム (原題 MOLLY'S GAME)』

製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 キノフィルムズ/木下グループ
監督 脚本 アーロン・ソーキン
原作 モリー・ブルーム
キャスト
Molly Bloom/ジェシカ・チャステイン
Charlie Jaffey/イドリス・エルバ
Larry Bloom/ケヴィン・コスナー
Player X/マイケル・セラ
Dean Keith/ジェレミー・ストロング
Douglas Downey/クリス・オダウド
Harlan Eustice/ビル・キャンプ
Judge Foxman/グレアム・グリーン

Mollyの負けん気と才覚と度胸と正義感が凄い。こんな女性が実在するのだから・・尊敬するわ。
ラストの方でわかるその原動力がまた、切ないの。
父娘モノにはすこぶる弱い。更に頑固親父がKevin Costnerなのだから堪らない。
白髪になっても、皺が増えても、魅力的なままの稀有な方ね。

自業自得とはいえ、無意識の娘の反抗は何より応えただろう…
再会シーンは格好良過ぎね。流石ドクター。そしてそれ以前に、やっぱり父親。

私の父も子供に学校以上の宿題を出す人だった。TV、漫画は禁止で、本と自然と歴史が与えられた。
子供の頃は怖かった。だから被るのよ。泣くのよ。

あんな判決も有るのね。ちょっと感動したわ。


『ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜 (原題 STRONGER)』

製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 ポニーキャニオン(提供:ポニーキャニオン=カルチュア・パブリッシャーズ)
監督 デヴィッド・ゴードン・グリーン
原作 ジェフ・ボーマン 、 ブレット・ウィッター
脚本 ジョン・ポローノ
キャスト
ジェフ・ボーマン/ジェイク・ギレンホール
エリン・ハーリー/タチアナ・マスラニー
パティ/ミランダ・リチャードソン
カルロス/カルロス・サンズ

父と娘の話は大抵美しいのに、母と息子の話は、どうしてこうも情けないんだろう。

多分、母親は自分と我が子を切り離して見守るって苦手なんだな。息子の痛みは我が身の事のように痛い。息子が現実に傷付き、心折れて倒れる日が怖い。だから、折れないようにその恐怖を紛らわせるように、息子を盛り上げ、ウザがられるほどに現実を見ないのかな。

あんな酷い怪我をおって、変わらずにいるなんて無理だ。周囲を気遣い、立派に振舞って居ても。実際は一人でドアも開けられない。慣れる日は来るかも知れないけれど。どんなに英雄視され騒がれても良かったとは絶対に思えないじゃないか。
例えボストンレッドソックスで始球式をしたって。
私たち直る自信ないよ。

だけど、カルロスとの出会いは、それはもう、本当に幸運だったのだな。
人との出会いって不思議ね。他の誰でも無く彼が居て、お互いに必要で。
ストンと気持ちに整理が付く時が来る。それは、私にも有った。偶然目に飛び込んできた見知らぬ人の呟き。

そして、彼も誰かのそう言うきっかけになれる。それは本当に、お互いにとって救いなのだわ。

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2018-05-15 私はあなたのニグロではない(原題 I AM NOT YOUR NEGRO)

『私はあなたのニグロではない(原題 I AM NOT YOUR NEGRO)』



製作年 2016年
製作国 アメリカ=フランス=ベルギー=スイス
配給 マジックアワー
監督 ラウル・ペック
原作 ジェームズ・ボールドウィン
キャスト
メドガー・エヴァース
マルコムX
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
ジェームズ・ボールドウィン

何と発言していいか解らない。
私は日本人だから。
アメリカで、黒人として生きる苦労。受ける差別。憎悪や絶望。いわれの無い羞恥。
本や、映画で知っている。憤っている。だけど、それは本当に知っていると言う事じゃない。
当時の白人アメリカ人の多くも、自分は差別は持っていないと思っている。
だから自分たちの生活には入ってくるなと。

映画にも出ているじゃない。CMにも出ているじゃない。何が不満?と問う。
滑稽に見える役で、白人をヒーローに見せる為の引き立て役として、親切な白人の恵まれた奴隷として。
「全て夢だった」「目が覚めたら何も残って居なかった」と歌うソウルミュージックをBGMに映し出されるオバマファミリー。
色々な権利を得た筈なのに、今も無くなった訳じゃない。白人の友達が出来ても、違う目で見る人が居なくなったわけじゃない。
アメリカはどうしてそうなった?色々な物を排除して理想的な国家を作り上げようとしたせい?
だから排除したはずの人たちを受け入れられない?
ヨーロッパでは過去もひっくるめて、今。なのに、何て怯えた弱い心なんだ。

私には、黒人の友人が居て、白人の友人もいて、彼らは仲良しだし、私にとっては同じくアメリカ人だ。フランス人も混じっているけど。
朝会ってハグする。おはよう〜今日も頑張って。またあとでね!また明日ね!って。
一緒にlunchに行ったり飲みに行ったり。その時肌の色なんて気にした事なんかない。
白人と黒人と日本人・・・と人に言われ、あぁ、確かにそうだね。で?と思う。
私が一番長くハグして長すぎ!と周囲にはがされる相手は黒人だけど。
ある日赤坂のシアターACTの側で出会って、彼に惹かれたのは、黒人だったからじゃない。笑顔があまりに爽やかで、話していてcharmingだったから。
彼が大好きだし、彼の白人の友人たちとも友達になったし、その人たちも大好きだから、私がこの映画を見たことで、何を感じるのか、どう感じるのか、気に掛けて欲しくない。

彼らは、何度も何度も立ち上がっているのだ。諦めず。命懸けで。
私は勿論そう人達が大好きだ。
だけど、偏見とか、同情とか、そんな感情は芽生えてない。
黒人なら誰でも好きな訳じゃない。白人皆が友達になれる訳じゃない。日本人だから・・と国際大会で贔屓目に見ることも出来無い。

だけど、君たちの苦労が分かるとか、味方だ‥何て言えない。背負って来た重い重い歴史を軽々しく扱えない。
私はアメリカ人じゃなくて、当事者じゃないから。知ったかぶりでしかない。

だけど無知は罪だと知っている。
彼らが、私たちが見て来たものを、どう見、どう感じて来たのか、知らないといけない。そして恥じないといけない。
その上で、変わる事無く友達でいたい。
日本に来た時、心安らかに過ごして貰うお手伝いがしたいだけ。
傷付けないで欲しい・・
あなたは私のニグロじゃない あなたは私の大切な人

先頭 表紙

2018-05-12 フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 (原題 THE FLORIDA PROJECT)

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 (原題 THE FLORIDA PROJECT)』


製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 クロックワークス
監督 ショーン・ベイカー
脚本 ショーン・ベイカー 、 クリス・バーゴッチ
キャスト
ボビー/ウィレム・デフォー
ムーニー/ブルックリン・キンバリー・プリンス
ヘイリー/ブリア・ヴィネイト
ジャンシー/ヴァレリア・コット
スクーティ/クリストファー・リヴェラ


Willem Dafoeですよ。モーテルの強面だけど、厳しいけれど、優しい支配人ボビー。
もう、どうしようも無い弱者な住人達に、心を砕いている。
あんな風に見守って叱ってくれる人が居る事が、子供たちにとって、どんなにかけがえのない事か‥

いつも笑ってお気楽に子供を育てているように見えるヘイリーと、いたずらばかりで怖いもの知らずで、下品で自由なムーニー。
本当は、知っているんだと思う。長くは続かないその日暮らしの生活だって。
凹んだら、泣いたら、疑ったら、壊れてしまう。だから強気に突き進んでた。
彼女たちのそんな弱さも、ボビーは分かっているんだね。
沢山見て来たんだろうね、あの場所で。

コレはもう、ムーニーのキャラが全てです。滅茶苦茶生意気で、クソガキで、腹立たしいけど、憎めなくて可愛い。何かを感じながら必死で楽しんでいる姿。あれどうやって撮ったんだろう。台詞なのかな・・自由にしゃべられたのかな・・凄い子役です。
何を伝えたかったのかな・・と思う。世の中の理不尽さ?女性の地位向上?母子を引き離す事への意見?同情?現状?分からないけど。

親友に訳が分からないまま切られ、追い詰められて会いに行ったのは、お金の為だけじゃないと思う。
泣きたかったんだ。親友の前で。助けてって言いたかったんだと思う。親友だから。
だからこそ、誰に言われるよりも辛かったんだよね。
大人は難しい。
親友の前で泣いたムーニーは対照的。その手を取って駆けだしたジャンシーの頼もしさ。

子供にはどうにもならない事が有って、離れ離れになって、もう会えないかも知れないし、変わってしまうかもしれない。
だけど、あの日手を取ってくれた親友がいたことは消えない事実で、きっと心の支えになってくれると思う。
あの日観たシンデレラ城。束の間の夢の国。手に入れられない幸せそうな家族。その景色はきっと凄く特別なものとして記憶に残るだろうな‥

先頭 表紙

2018-05-07 サバービコン 仮面を被った街 (原題 SUBURBICON)

『サバービコン 仮面を被った街 (原題 SUBURBICON)』

製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 東北新社=STAR CHANNEL MOVIES
監督 ジョージ・クルーニー
脚本 ジョエル・コーエン 、 イーサン・コーエン 、 ジョージ・クルーニー 、 グラント・ヘスロヴ
キャスト
ガードナー/マット・デイモン
ローズ/マーガレット/ジュリアン・ムーア
バド・クーパー /オスカー・アイザック
ニッキー/ノア・ジュプ
スローン/グレン・フレシュラー

1957年に起きた人種差別暴動がモチーフになっているのだそうです。
幸福感いっぱいのイメージファミリーにキャッチフレーズ。アメリカン・ドリームの理想のような、綺麗でパーフェクト設備のな街。
つまり、裕福な白人の為の街なんですね。
差別はしないから自分たちの領域に入って来ないで。・・・と言う。排除する為なら手段を択ばない集団心理の恐ろしさ。
観ていて思わず拳をきつく握りしめてしまいます。

・・・とは言え、この映画の本筋はそっちじゃない。
そんな理想の街に越してきた黒人familyの隣家で起きるドタバタ劇なのですが、幸せファミリーが聞いて呆れる。
何が起きてどうなるかは、まぁ、兎も角何も知らずに観た方が良いと思うので、多くは語れませんが、罪悪感とか全然ない、利己主義が滑稽な位です。
滑稽ですけど、残酷です。

脚本にCoen兄弟の名前が有って納得だな。

Julianne MooreはMatt Damonより10歳ほど年上の筈だけど、全然違和感なく夫婦役で、しかも、上品で可愛らしかった。

あの夜、暴動と対峙して、翌朝検証しながら片づける警察官は大変だったと思うけど、その後、隣家の惨状とどこかから出て来る死体に頭悩ませるんだろうな‥と思うと気の毒だわ。
全てを説明出来る人はもう居ないし、子どもの証言から答え導き出すのもしんどそう。

兎に角、散々な夜を過ごした二人の少年。
一角を除いて、いつものように整然と美しい街並みの中で、早朝、何も言わずにキャッチボールが出来る相手が居るのって、凄い幸運だと思う。
2人が投げる白球が描く弧だけが、美しかった。

先頭 表紙

2018-05-04 アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル (原題 I, TONYA)

『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル (原題 I, TONYA)』


製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 ショウゲート
監督 クレイグ・ギレスピー
脚本 スティーブン・ロジャース
キャスト
Tonya Harding/マーゴット・ロビー
Jeff Gillooly/セバスチャン・スタン
LaVona Golden/アリソン・ジャネイ
Diane Rawlinson/ジュリアンヌ・ニコルソン
Shawn/ポール・ウォルター・ハウザー
Young Tonya Harding/マッケナ・グレイス

この映画は、事件の真実・・と言うよりは、Tonya側の証言はこうだった・・と言う検証Movie的な作り。
個性的な面々なので、それだけで充分成り立つ。頭の悪さがにじみ出ている。
おかしいでしょ。何言ってるの?と思いながら。
Tonyaの下品さや粗野さもそのまま。そこを際立たせながら。
だけど、愛されなくて、愛されたくて、スケートにしがみ付いている弱さも描かれていて、彼女の表情が凄くストレートで、そこは流石Margot Robbieって思う。

私はスキャンダルに疎いので、こんな事件が有ったとも知らなかった。
オリンピックも観ないし。
そりゃあセンセーショナルで、無責任に騒がれたんだろうな‥と思う。

この映画では、暴力がキーになっている。
利己的な母親の精神的、肉体的暴力と、元夫の典型的なDVと、無責任な報道をするマスコミ&それに乗る聴衆からの精神的暴力。

エレガントなフィギュアスケートの世界で、貧しい労働階級の娘Tonyaは異端で、ヘビメタで滑った事も有るの?そこはちょっと見てみたいけど。
身体能力が高くて、才能がって、努力も惜しまないで、民衆に愛されたくて頑張って頑張って。それでも情緒面の演技力、表現力は持って居なくて。
温かさが無い。そこはもう、どうしようもない。体操とか、そう言うのが向いていたのかもしれない。でもやりたい事と向いて居る事は違うしね。

実際の捜査で事件の真相は明るみになっているんでしょ?それぞれ償ったんでしょ?
スケート剥奪が正当かどうか、分からないけど、この映画の中のTonyaは応援したくなる不器用な女の子だった。

作りが上手いな。

先頭 表紙

2018-05-02 ザ・スクエア 思いやりの聖域 (原題 THE SQUARE)

『ザ・スクエア 思いやりの聖域 (原題 THE SQUARE)』


製作年 2017年
製作国 スウェーデン=ドイツ=フランス=デンマーク
配給 トランスフォーマー
監督 脚本 リューベン・オストルンド
キャスト
Christian/クレス・バング
Anne/エリザベス・モス
Julian/ドミニク・ウェスト
Oleg/テリー・ノタリー

Christianの空回り感が凄い。

兎に角行動が裏目裏目に出る。
その行動の裏には、常に自分が他人からどう見えるか‥が有るんだな。

階級社会が問題・・と言いながら、兎に角見下している。庶民や貧民や女性を。それに、作品や作者もね。
金を産むことこそ大事。自分は失敗しない。全て高みの見物感。
色々なエゴを突きつけられた気がする。

でも、プロとして、あの動画を納品する方もどうかと思うわ。その後の炎上が巻き起こす事目に見える。
ラストは、あのテロップの後、少女の持ち物の一部とか、ポツンと落として置く位が良かったんじゃないかな。
靴とかね。履いて無かったかもしれないけど。ポツンと残された子猫が小さく鳴いている・・とか。
幸せそうにふかふかのパンをかじるもう一つのラストを用意するとかね。

まぁ、炎上が目的だったんだろうけど。
多分、現物を観にたくさんの人は来るでしょ。作者も有名になるでしょ。
そう言う意味で成功になる。批判は無料の宣伝。そういう社会だもんね。イヤらしいけど。

そのいやらしさが、上手い。本人無自覚な所も。

先頭 表紙

2018-05-01 パティ・ケイク$ (原題 PATTI CAKE$)

『パティ・ケイク$ (原題 PATTI CAKE$)』


製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 カルチャヴィル=GEM Partners
監督脚本 ジェレミー・ジャスパー
キャスト
Patti/ダニエル・マクドナルド
Barb/ブリジット・エヴァレット
Jheri/シッダルタ・ダナンジェイ
Basterd/ママドゥ・アティエ
O-Z/サー・ンガウジャ
DJ French Tips/MCライト
Nana/キャシー・モリアーティ

普通は音楽を聞いて、その何かが心の琴線に触れて。その音楽のファンになっても、それ以上に語る言葉を持たないけど、この部分の他の音をそぎ落としてもっとスローにして、私のラップに頂戴と言える才能、羨ましい。妬ましいと言っても良い。いや、格好良い。

コンテストシーンは本当に鳥肌モノ。でもその後のラジオのシーンも泣いたよ。それまでの環境のクズっぷりぶち飛ばす詩。歌声。
罵声を声援に変える力を持ってた。
夢を見るのも叶えるのも若者の特権。
後押ししてくれる大人が居るのも素敵。成功した憧れのスターじゃない。苦労してここまで来た人。
ちゃんと若者の夢を後押ししてくれる。格好良さを持っていた。

ママは嘗ては夢を見、叶える直前まで行き、諦めざる得なかった。
親に従って失った物、今の何もない自分に失望している。過去に縋りながら。
そしてつまらない大人になって、娘の道を否定する。白人らしく生きろなんて。哀しい言葉。
だけど、そんなママも、祖母も巻き込んで歌った歌詞は最高。

主演のDanielle Macdonaldも良いけど、普段はチャラい親友役のSiddharth Dhananjayが歌うと凄いのが感動的なの。凄く良い声。そして失礼な位偏見は無い所が魅力的。

開いたままの傷口のようなキャラ と言う通りなMamoudou Athieが演じたバスタードという青年が好き。
顔中ピアスで、墓地公園の悪魔崇拝みたいな小屋に住み、爆音で思いを叫ぶ。そして皆に背を向けられ罵声を浴びる。
だけど、普段の語り口調は最高に素敵。女性を賞品として扱う事に反感を持つ。
ちゃんとした家でちゃんとした教育を受けた人なのだと思う。そして壊れやすい原石のような繊細な人。
あんな、存在自体が宝物みたいな人に出会ったら、たまらない…
kissする為に唇のピアス取る所も好き。
彼の音楽を、叫びたい思いを伝える術のPattiに出会えたのは幸運ね。

音楽映画だから好きだろうと思ったけど、想像以上に良かった!

先頭 表紙


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