下の新米は
母が近所の精米所から買っているお米だ。
新米の季節になると、そこの奥さんが
鰹の佃煮をお裾分けしてくれる。
最初「たくさん作ったから」と頂き
美味しくて「出来れば次回又、食べたい」と
(ずうずうしくも)伝えてと母に言っておいた。
それから毎年頂いている。
その奥さんは
私の「元カレ」の義理のお姉さんだ。
元カレの実家は私の実家のすぐ近所で
私達は一緒に保育園に通った幼なじみだった。
だが、彼は1学年上で高校も違ったので
近所で顔を合わすことは有っても、口を聞くことはなかった。
そんな間柄だったが
上京をして就職したもののUターンして実家に帰った
21歳の私に彼は声を掛けてきた。
話をすると、共通点はやはり多い。
そんなこんなで、付き合うようになった。
後で気づいたのだが、彼は「女好き」で「自分大好き」な人だった。
そして、結婚を約束した女性から式当日に「逃げられた」過去が有った。
なぜそんな事になったのか
本人は「全くわからない」と言っていた。
半年もせずに私は彼に「色気がない」とふられるのだが
ショックで立ち直れない私のことなど
もう関係ないとばかりに
彼は隣町の人とその1年後に結婚した。
彼は私の実家のすぐ傍でレストランを始めた。
すぐに可愛い男の子も生まれた。
其の頃には私はもう吹っ切れていたが
彼の奥さんがアルバイトの男の子と子供を連れて駆け落ちしたと聞き
ちょっとだけ「ざまあ……」と思った。
彼が浮気したのではなく、奥さんが…なのだから。
私はその後、今住んでいる都市で再就職をして結婚したが
実家の近所のことなのでいろいろ噂は耳にしていた。
彼は同じ町の、男の子が二人いる×1女性と再婚をした。
その後は私もいろいろ有ったので彼のことは近所とはいえ忘れていた。
でも、実家の友達と会った時に
「娘が中学でも札付きの問題児に、意味もなく殴られて……」という話になり
いきさつを聞いた私は(殴られたのは数10人もいて学校も頭を抱えているそうな)
「それって家庭の問題が大きいのでは?」とか応えていると
友達が
「実はさあ、その子の(義理の)父親って○○君なんだよ〜」と
幼なじみの元カレの名が…。
「……あちゃあ…そうなん…」
その後、彼ら親子は警察沙汰などもあり隣の町に引っ越して行った。
その後ピザ屋さんを経営したが、今は閉店したとか…。
新米と鰹の佃煮を食べながら、
元カレを
(自業自得かっつ!!)と思う
秋の夜………。 |