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揚水の「人生薔薇色計画」

僕のハンドルは「ようすい」ではなく「あげみ」と読みます。表記はaghemiとしています。

妻の海月は「くらげ」と読みます。



ふりぃのかうんた

yesterday ふりぃのかうんた today ふりぃのかうんた


自分が何者であるか今よりももっとわからず身悶えしていた学生の頃、何をしたらいいのかについて友達と話しに話した。
結論は出なかった。どころか何をしてもいいんだということにすらなった。
ただし、本当に何をしてもいいというのではなかった。
一つだけ基準がある。
それは俺の、俺たちの、ひいてはほかの人たちの人生を薔薇色にするか、その一点。
時々それを思い出しては行動する。
それが僕たちの人生薔薇色計画。



    よそいき仕事日記   

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2007-11-27 カモノハシにはへそがない -上-
2007-11-27 カモノハシにはへそがない -下-
2007-11-19 偽りのエース
2007-11-18 おのれー
2007-11-13 ガス爆発
2007-11-10 最低の夫
2007-11-01 やっっっっっっったぜドラゴンズ!!!
2007-11-01 やるかドラゴンズ
2007-10-31 やったぜドラゴンズ
2007-10-29 申し訳ない


2007-11-27 カモノハシにはへそがない -上-

人はどうしてこういう時、靴を脱ぐのだろう?

屋上に自分できちんと揃えた靴を見て考えた。どこかでその理由を論じたことを聞いたか読んだかしたような気もする。が、それがなんだったかどこだったか、思い出せない。

外人は靴、脱ぐんだろうか?

おそらく、脱がないだろう。だとしたらこういう所作は日本人、あるいは屋内に入る時に靴を脱ぐ文化圏特有なものなのだろうか?
そうであるならば、これは、どこかに向かう、旅立つ、というのではなく、帰る、ということになるのか。

この期に及んでくだらないことばかり考える自分に呆れて失笑する。
内ポケットから封筒を取り出して、少し考えて靴の下に敷いた。なるほど脱いだ靴は遺書が風で飛ばされないようにする重しになるのだなと思った。

思えばくだらないことばかり考えて過ごしてきた人生だった。
くだらないことを考えながらも普通に生きてこられればそれでよかったのだろう。
仕事の上でも特にできる人間ではなかったが、取り立てて無能なわけでもミスが多いのでもない、平凡以上に目立たない男だったのだろうと思う。しかし逆にそれが災いしたか、そもそも自分は蚊帳の外だった会社ぐるみの不正の責任を押し付けられた。
トカゲの尻尾切りにしてももともとそこにあるかないかすら意識もされない尻尾であるのなら、切る方にしてみれば文字通り痛くも痒くもないのだろう。自分はそういう扱いをされる男なのだ。

家に帰れば浪費家の妻は、もともと横領など濡れ衣に過ぎないのだが、夫がその横領したことを責める前に、使い込みだなんてわたしにはちっともいい目を見せないでいったいどこに使ったのか、と言って責め立てたものである。
倹約しなければやっていけない、結婚はできないといったことに対して、そんなことはない、わたし頑張るからと言って強引に結婚話を進めた彼女は、それから十数年、ついぞ一度たりとも「頑張った」ことはなかった。
それを思い出し考えると、不思議に笑えてきた。先ほどの失笑とはまた違う、素直な笑いだった。

なんで結婚なんかしたんだろうな。

結婚したい、と最初に思ったのは。
あれはいつのことだろう、小学校か。
そう、初恋の相手は、小学校の時の教育実習生だった。
きれいな顔立ちなのになぜか地味な印象で、周りも特に彼女を見て騒ぐようなことはなかった。熱心な学生だった。周りが騒ぐようなことがなかったのが、ひそかな恋心を温めるのにはとても都合がよかった。
彼女は今頃どうしているだろうか。

国語の時間、彼女は黒板に大きく「カモノハシにはへそがない」と書いた。
カモノハシの写真を引き伸ばしたボードを見せて、これは動物でしょうか、鳥でしょうかと児童に問うた。みんな動物だと答えた。口は鳥みたいだけどね。
誰かが言った。そう。口が鳥、鴨のくちばしみたいだからカモノクチバシ、カモノハシなの。それからその生き物が卵生であるということ、原始的な哺乳類といわれていることなどを教えてくれた。
だからお乳を飲んで育つ生き物なのに、おへそがないの。

それから全員に紙を配り「〜ない」という文を思いつくままいくつでも書くよう求めた。
そうやって蒐集した文にざっと目を通した彼女は、そのうちのいくつかをカモノハシの下に書き加えていった。

「カモノハシにはへそがない」
「うちにはお金がない」
「クジラは空を飛ばない」
「よくわからない」

先頭 表紙

2007-11-27 カモノハシにはへそがない -下-

嬉しかった。
「クジラ」は自分の作品だったから。
大袈裟に言えば、ほのかな恋心を抱いていた彼女から自分が認められたような気がした。

彼女はそして上の二文と下の二文はそれぞれ仲間で、上と下のグループには違いがあることを子供たちに気付かせるよう誘導していった。
そういう授業だった。

くだらないことを考えるばかりでなく、くだらないことばかりよく覚えている。
けれど自分はそういうくだらないことがつまりは好きなのだろう。

「カモノハシにはへそがない」
「うちにはお金がない」
「愛もない」
「会社は自分を必要としていない」
「妻も必要としていない」
「しかしつらくはない」

こうやって屋上に上ってきたのはなにも発作的に、だとか思いつめてだとかいうのでもなかった。
会社の不正を告発する文書は警察と報道機関に送ってあるし、離婚届には署名押印して保証人にも記載を済ませてもらって、居間に置いておいた。ずいぶん前から用意をしておいて、ただなんとなく今日に決めた。
ただ、なんとなく、そう、

「やる気がない」

ではあちらでもこちらでも「必要がない」自分から見て、あちらやこちらはどうなのか。

「妻を必要としていない」
「会社も必要ない」

会社と家ぐらいしか行くところいるところのない自分の人生は?

「なにも面白くない」
「そんなことはない」
「よくわからない」

確かなのはなにもわからないことだけ、か。

「クジラは空を飛ばない」
「ペンギンは溺れない」
「魚は陸を歩かない」

あ、キノボリウオ、ムツゴロウ。世の中に絶対はない。必ず例外がある。そしてその「必ず」もまた必ずではない。
ここへ来た時は明るかった空も、昏い空気に包まれつつある。灯りがまばゆくなりつつある。

「街は眠らない」
「誰も気にとめない」

風が気持ちいい。

「面白くないこともない」

そうか、カモノハシにはへそがないし、うちにはお金も愛もないけれど、クジラは空を飛ばないから、よくわからくてもいい。

面白くなくもないことがすなわち面白いことでもないけれども、なにも面白くないことはない、面白くないこともないんだ。
死ぬほどのことでもないな。

封筒を内ポケットにしまって靴を履き、煙草を一本吸って屋上から降りた。
街はすっかり日中とは装いをあらため、夜の顔になっていた。
先生でも探しに行こうか。

俺は夜の顔をした街に紛れて歩き始めた。


                          -了-

先頭 表紙

ここ、僕のひまじん777番目の記事です。パチンコスロット一切やりませんが、ラッキーセブンかな、なんて思った。 / 揚水 ( 2007-11-27 22:34 )

2007-11-19 偽りのエース

戦闘機乗りで一番敵機を撃ち落とす撃墜王をエースと呼ぶらしい。
どう言い繕っても戦争は人殺し、優秀な軍人とはたくさん人を殺すことでもある。だから優秀な成績を収める部下同僚上司をエースと呼んで英雄視することは、ただ勇ましいだけではなく、哀しみやある種のあきらめも漂うのではないかと思う。

あれはまだ暑い日のことだった。
一日の疲れを癒すべく風呂に入ろうとした俺は洗い場で体を流す前にふと鼻をほじった。とても立派なブツが採れた。
なにげなくいたずら心を起こし、壁にくっつけておいた。

それから月日は流れ。

暑さも遠のき涼しくなり始めた頃、妻に「そういえば風呂の壁にいたずらをしておいたんだけど」と思い出して告白した。
「何が?」
「いや、気付いてない?」
「だから何が?」
「壁にさ」
「ああ」
「なんだ、気付いてたんだ、鼻くそ」
「ええ! あれ鼻くそだったの。いやだ。わたし、なんか虫をうまいことやっつけてそれを張りついたままとっておいたんだと思ってそのままにしてたのにー、鼻くそだなんていやだー」

いや俺が自慢げにしてたんだと気遣ってくれるのは嬉しいが、鼻くそでなくたって虫の死骸もどうかと思うぞ。
鼻くそなすりつけるような男が言うのもなんだが。

かくして偽りのエースは鼻くそ野郎であることが露呈した秋の話。
もう季節は冬の入り口。

そうそう、おじさん今日で37歳になったよ。

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ありがとうございます、まーこさん。やるな、ルチアちゃん、見込みがあるぞよ(笑)。 / 揚水 ( 2007-11-20 21:49 )
ありがとうございます、夢樂堂さん。今から聴きます。 / 揚水 ( 2007-11-20 21:48 )
お誕生日おめでとうございます。りっぱな物が取れた時って気持ちイイですよね・・w 昨日娘とそんな話をしてたところでした(笑) / まーこ ( 2007-11-20 14:01 )
誕生日おめでとう。君といつまでも、嬉し涙出したいときの歌です。 / 夢樂堂@未ログイン ( 2007-11-20 13:27 )

2007-11-18 おのれー

「お〜のれおのれおのれおのれー」とベルク・カッツェ(わかる人にはわかる)の真似をすると妻はバカ受け。

休日出勤で仕事だったけど、今日も帰ってきたら平和。

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2007-11-13 ガス爆発

今朝愛知県尾張旭市でガス爆発があったようです。

うちは尾張旭ではなく隣接市ですが、うちでもその音が聞こえたようです。
陸丸と胡麻鯖が怯えていたとのことです。

「煙草に火を点けようとしたら爆発した」と当の住人は話しているらしいのですが、怪我人が重篤でなければよいのですが。近隣の建物にも被害が出たらしいようです。
ガスの取り扱いには注意しなければなりません。

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そうなんですか。映像は見てないんですよ。昨日仕事帰りに近くを通ったら、消防か警察か、赤の回転灯の光が見えました。 / 揚水 ( 2007-11-14 20:12 )
ニュースの映像見たけどヒドイねぇ。近隣のガラスもなんもかんも粉々だったし。爆発するほどガスが充満してたなら臭わんかったのかな??? / まーこ ( 2007-11-14 00:28 )

2007-11-10 最低の夫

最近日付の感覚がありませんでした。もう11月10日なんですね。

で。

昨日実は妻海月の誕生日でした。
今朝なんだか元気がなくて、仕事に出掛ける最中に電話して「どうしたの?」と尋ねたのですが要領を得ません。

数日前に「あなたの知らないミミズのはなし」という本を取り寄せて買って、プレゼント用のラッピングをしてもらっておきました。

今日夕飯時、「揚水くんまだ気付かないの?」と尋ねられました。
美容院に行った風でもないし、なんだろう、と訝しんでいると、「メールはほかの人からもらったけど、言葉でおめでとうって言われなかった誕生日って初めてだよ」と言われました。

あああああああああああああああ!!!!

ごめんなさい。本買って渡すの楽しみにしてたのに、その日その日がいったい何日であるのか気にせず過ごしてました。
さいてー。いや赦してもらえはしましたが、さいてー。

本は喜んでもらえました。

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もげさんがた、ありがとう。 / 揚水 ( 2007-11-11 19:11 )
いやー、まーこさん、ねえ…。 / 揚水 ( 2007-11-11 19:11 )
海月さんおめでとー! / もげんぴファミリーより ( 2007-11-11 01:58 )
そーゆーのはさいてーではありません。さいてーなのはウチとかたアッチとかソッチの人の話・・w 赦してもらえて良かったですね。海月さん・・なんか可愛らしいです。 / まーこ ( 2007-11-11 00:41 )

2007-11-01 やっっっっっっったぜドラゴンズ!!!

おめでとう!

日本一!!

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2007-11-01 やるかドラゴンズ

山井凄え。

8回表終わってパーフェクト。
ダル相手に1点のみとは言え先行。

やるかドラゴンズ。

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2007-10-31 やったぜドラゴンズ

初戦を落とすとずるずる行くのが我が愛するドラゴンズの悪いくせ。

しかし、しかし!

王手!!

うむ。

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2007-10-29 申し訳ない

最近現場はひとり旅。
よくお互い手伝いあうよそのおじさんと二人のことも多い。それも気楽。
ウッドデッキ作るに一人で材刻んで一人でビスもみして、またそれも気楽でいいなあ。
寸法出したり計算したり数勘定したりしてる最中に空気も読まずに話しかけてくるお施主さんには閉口であるが。

帰り踏切待ちしていて車の運転席で「ええっくしゅい!」と大きなくしゃみをしたら、通りがかりの小学生の女の子が目を丸くしてこちらを見ていた。

ごめんなさいね、驚かせて。

そんな一日の終わり。

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