1時間おきに促進剤を飲む 飲むたびに痛みが増していくからちょっと飲みたくないけど えーいさっさと産んでしまおうと飲む そこへ実家の母と祖母がやってきた ダンナが連絡したらしいのだ
とりあえず遠いところ来てくれてありがとうと挨拶するものの あんまり話もしたくない状態なのでまた横になって耐える 私は「痛い」と口に出して言うのはイヤなのだ 余計痛くなる気がする うーんうーんと声をださずにうめきつつ3回目の促進剤と共に点滴が始まる ああああもうどんどん痛くなるタスケテオカアサーンとゆー感じだ たびたび診察しに看護婦さんが来る そのたびに家族は病室から出されて終るとまた入ってくる 中でどんな診察してんのかな?とか思っているのだろうなフフフ
痛みが増すと共に下っ腹に力を入れたくなる これが「いきむ」というやつか でもいきんでいいのかな? 「ヒッヒッフ−」とゆー有名な某呼吸法はいきみたい痛みを逃すためにある 子宮口が開く前にいきまないようにするのだ それはいつやればいいのだ?看護婦さんは何も言わない すげーいきみたいぞ痛いんだもん と思っていると「そろそろいきみたくなってきてるでしょ?」と お腹につけた器具のモニターをジッと見た看護婦さんに言われてハイと返事をする
「じゃぁ立って分娩室に行きましょう」
は?もう産まれるんですか?まだ病院来て4時間くらいだ 早くね?さっき早くても夕方か夜(に産まれるだろう)て言ったジャン!しかも自分で歩くのかよー立てるのかなぁ 少し動いても腰がものすごく痛い んで動きがのろくなりベッドからなかなか立てずにいたら「今からそんなでどうすんの!これから産むのよ!(怒)」と婦長さんから鬼の一括 うう 涙
病室の目の前の分娩室にもかかわらずすごい遠く感じた やっと入ったらこんどは分娩台に自分で上らされた これが分娩室かーとモウロウとしながら眺めてみる看護婦さん2人がテキパキと準備をしているが先生(医者)はいない ふと婦長さんをみるとカミソリ片手に「動くとケガしますよ」と凍るような一言を言う ううう怖いよーぅ そして剃った模様(激泣)あっとゆーまに出産の準備はでき 合図に合わせていきめと言う
あー産まれるんだ よく分娩室で何時間かかったとか聞くけど私はどうなるのかな あとどれくらいで産まれるんだろう とか思いながら両手両足にものすごい力を入れてふんばる 陣痛の波が消えると力がガクッと抜け 1分くらいしてまた波がきてふんばる 思わずいきみながらウ−ーッと声を出したら「声を出すそっちに力がかかるから声を出すな」と言われた
どれくらい時間が経ったかわからない そこへ先生がおもむろに登場 よくテレビとかだと手術するようなカッコで来るのに何故かいつもの白衣のまんまだ 腰から下に魚屋みたいな黒い前掛けをしていた
先生が来てなにやらゴソゴソした途端パチン!という音がして 足の付け根のあたりに生温い液体が流れた あーぁやっぱり切られちゃったか(涙)あんまり痛くはないけどな
もうだんだん手足に力が入らなくなってきた ふんばるたびに顔がすごく熱くなる 脳の血管切れるんじゃねーの?と思うほどだ ハァハァまだ続くのーと思った途端
身体の中からスルッと抜け落ちる感覚で子供が産まれた
一瞬の間のあと ホゲーッという産声が聞こえた
あっ 産まれたんだ |