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「短歌日記」

いしざきともこのページENTER

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2004-09-08 きょうのうた
2004-09-05 きょうのうた


2004-09-08 きょうのうた

 何か足らぬ何か足らぬといくばくの迷ひに掬う一匙の塩/蒔田さくら子

あー、なんか。前半部分のリフレインが、すっごい焦燥感を煽る歌です。
焦燥感はあるのに、どこか諦めているような感じがします。
漠然とした物足りなさとか、不満、ぽっかりと空洞があるような感じ、は
具体的に何が手に入れば解決するとか、楽になるとかではないのですよね、たぶん。
何か良くわからないけれど、それを求めて、自分が満たされたと感じる時の
充足感は快楽的ではあるけれど、どこまでいっても終わりがないから、
きっとどこかで諦めなきゃなのだろうな、とは思う。思ってるだけだけど。


 さっきまでいた場所がもうわからない潮の満ちゆくまでを見ており/いしざきともこ

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2004-09-05 きょうのうた

ともすると感情的になりすぎそうなとき、
だらだらと気持ちを書き殴れば、それはそれですっきりするのだけれど
吐き出しただけで、何も生まない、、、というのは、
なんだか勿体無い、と思うようになりました。
感情を公に出す、ということは、裸になるということと同じだから
そのこと自体に羞恥心を持つし、あとから後悔するくらいならば
やっぱり、そういうときこそ、短歌なのかな、って・・・私にとっては。
例えばそれが正の感情だとしても、負の感情だとしても、
いつかと「似たような」感情は心に沸き起こることはあっても
まったく同じ感情はひとつとしてないような気がするし、
一度きり、なのだと思うから、大切に出来たらいいと思います。
感情の一つ一つを、かたちとして残しておきたいと思うようになりました。

今日から、「きょうのうた」として、心に留まった短歌、思い起こした短歌を
日記ごとに書いていこうと思います。自分のもの(古いもの、新しいもの含む)
であったり、そうでなかったり、両方だったりすると思います。

 あの夏の数かぎりなきそしてまたたった一つの表情をせよ/小野茂樹

これは、恋愛の歌として読むととても美しく切実な歌ですが、
また別の視点から見ると、時間というものは決して戻せないこと、
だから余計に貴重なのだということを教えてくれる気がします。
 
 どの春も一度きりだよ草むらでたったひとつの鍵を拾った/いしざきともこ

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