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Yutaの「海日記」

ふりぃのかうんた

潜り漁師(電灯潜り)のYutaの日記です。




HPもありますよ

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2003-03-30 エビがとれません
2003-03-28 浅瀬
2003-03-24 オゴー
2003-03-21 手製の水中銃
2003-03-21 ボラれたよ
2003-03-20 お葬式
2003-03-15 もずくずくずく〜もずく食べてもあんまり太らない♪
2003-03-14 石垣サファリパーク
2003-03-13 砥石
2003-03-13 スーナ


2003-03-30 エビがとれません


エビが4月から6月までの禁漁期に入るので、もう最後だと思ってエビ獲りに行ったのですが、エビが獲れずに魚ばっかり…。

エビ獲りのつもりで、クーラーボックスを小さいやつだけ持っていったので、入れ物がありません…。バケツや発砲スチロールの箱などに手当たり次第に入れてきました。エビ獲りの場合、エビは生かして持ってくるのでボックスは必要ないのです。

やっかいだなあ。もうエビも禁漁だよ。エビは一匹でした。無念。

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2003-03-28 浅瀬

 昨日は久しぶりに僕の心の師匠であり、目標でもあるミヤジ君に秘境のポイントに連れて行ってもらいました。彼は僕が電灯もぐりをはじめるきっかけになった人です。

 ところで、石垣島の周りはサンゴ礁で、とても浅く、大きな船では自由に走り回ることの出来ない海です。岸の近くは小さい船でも、なかなか移動も難しいのです。

 写真で、うっすら黒っぽく写っている所はサンゴの浅瀬で、船底や船のプロペラが引っかかってしまいます。ですから、このようにたくみによけつつ走らなければなりません。

 とくに、方言で「ワタンジ」とか「ユクサンビシ」と呼ばれる所は、浜から沖まで一直線に浅瀬が伸びていて、干潮の時には歩いて沖合い一キロくらいまでいける所で、満潮時でないと船で横切ることは出来ません。このようなワタンジに、わずか幅1、2メートルの切れている所があったりして、そういうところをフケミチとかフナミゾといって、船を通すためにはおぼえておかなければなりません。これはウミンチュには必須のスキルです。

 とくに僕らのように夜、船で移動する、電灯もぐりのウミンチュは、これを覚えていないと仕事ができません。明るい時だったら、このように見えているので、見ながら行けるのですが、夜は電灯で照らしたり、山の影や陸の明かりや水面から飛び出ている岩の位置関係などで場所を当てるのですが、これを頭に入れるのが大変です。

 僕はまだ、この辺は知らないので、こうやって人といったときに憶えておくのです。こういうのは感覚のものなので、自分で船の舵を持たないと憶えられないもので、人の船に乗せてもらっている時などは全然憶えられません。今はGPS等の便利な機械がありますが、やはり最終的には自分の感覚で憶えないとだめみたいです。

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2003-03-24 オゴー


 海草シリーズ。夕べはオゴーが生えてました。

オゴーは僕は食べたことが無かったのですが、夕べはオゴーが生えているのが見えたので、まずは食べてみようと思い、少しだけ採ってきました。ちなみにバケツに入っているのは、グルマグ(シモフリアイゴ)です。これもおかずです。

噂では、スーナよりオゴーのほうがおいしいという話なので。

スーナはゆず醤油で食べたのですが、今回は中華風ごまドレッシングで食べました。

うーん。どっちもおいしいなあ。

スーナは文字で表すとクキクキっとした食感なのですが、オゴーはザクザクした感じです。ドレッシングは今回の中華ごまドレッシングのほうが海草には合うみたいですねえ。

スーナもオゴーも和名は知りません。スーナのほうは、インドネシアでは「アガルアガル」と言うようです。

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2003-03-21 手製の水中銃


そういえば昨日、人の水中銃を見せてもらいにいったのだけど、そのことを書くのを忘れてました。

石垣島の人は、なんでも自分で作るのです。この水中銃はすごいです。ミヤジマ君もこの人にいろいろ聞いて作っているのです。

機関部はスティーブ・アレクサンダーで、銃身はマホガニーをサンドイッチしたチークです。シャフト(もり)が乗るレールには、アルミサッシのレールを利用してあります。銃床には脚立の脚につけるゴムを利用しています。

シャフトはパイルを使っています。塗ってあるのは体育館の床に塗るニスです。機関部以外の、グリップや引き金などのパーツも全て自作です。

ウミンチュは既製品をあまり信用していません。どこの誰が作ったか分からないようなものは信じられないのです。実際、ウミンチュのハードな使用に耐える道具というのは、既製品ではめったにありません。たいていすぐに壊れて、タカアタリ(費用対効果が引き合わないこと)します。

それにしてもこれだけのものを身の回りの物を使って自分で作れるものなんです。なんでも買うことばっかり考えている僕らの世代からしたら、信じられません。

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2003-03-21 ボラれたよ


明日モズクを採りに行くのに、船のトレーラーの車輪のベアリングがダメになっていたので、交換していました。

石垣ではみんな、船のトレーラーは自分で亜鉛引き鋼材や車輪の部品等の材料を集めて、鉄工所で溶接してもらって作ります。

車輪の部分には、廃車の部品を使います。普通、野山や空き地に不法投棄されている廃車をチェックしておいて、使えそうな部品を取ってくるのですが、近頃は不法投棄も少なくなったので、たまに不法投棄の廃車を見つけても、あっという間にボディー以外のパーツはなくなってしまいます。

常日頃から必要な部品のことを考えて、目を光らせていなかったので、しょうがないから解体屋さんに買いにいくことになりました。前に買った時は2つで3000円だったので、まあそんなものだろうと思っていたのですが…。

「ハイサイ。兄さん。これと同じのある〜?」
「あるよ。2つで一万円だよ。トレーラーに使うのだろ?」
「いい一万円?…」
「今みんなこれ使うから玉数が少なくてよ。これも本当は○○マリンに出すやつなんだけどよ。」
「…(絶句)」
「普通はみんな自分で(廃車から)はずして一万円だけど、これは上等にはずしてあるし、きれいだから、兄さんマルバチクヮイ(まるもうけ)だよ。」
「これのベアリングはへたってもタイヤが外れないから危なくないさなあ。」

本当は別ので作ってもいいのですが、この解体屋の兄ちゃんの言うとおり、これは上物です。それに錆びないように、これに合ったアルミホイルを探してきて着けてあるし、最近タイヤも交換したばかりなので、どうしても同じのが欲しいのです。この〜。足元見てるなあ。マルバチクヮイはそっちだろ。

だけど狭い石垣には解体屋さんはここぐらいしかないし、今後の付き合いもあるので、こういうときに値切らない方が良いのです。仲良くなれば、今後安く(あるいはタダで)手に入れることが出来ます。

「しょうがないなあ〜。ちょっとお金下ろしてくるからまっててね。」

結局一万円払って買いました。その後いろいろゆんたく(おしゃべり)しているうちに、この兄ちゃんは、イカ曳き(イカをトローリングで釣る釣りかた)や釣りが好きで、僕のと同じくらいの船も持っていることが判明しました。話を聞いていると、トレーラーも上等に作ってあるようです。

「だ〜。ちょっと見せてごらん。」
といって、近くにある船のトレーラーを見せてもらいました。むむむ。これはなかなか良く考えてあります。重量バランスもパーフェクト。これなら片手で楽に車と連結できます。しかもサスペンションつき。さすが解体屋さんは上手につくるなあ。

それにしても高いなあ。こんなもんが一万円もするわけないでしょ。
次回は3000円くらいに値切ってやるからな。おぼえてろ〜。

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2003-03-20 お葬式


昨日はうちの奥さんの実家のお葬式で、那覇に行って来ました。

うちの奥さんのおばあちゃん(89)が亡くなったのです。

お葬式はとても立派なお葬式でした。僕は出身は内地なのですが、やはり沖縄のお葬式はすごいです。と、同時に、大変でもあります。僕も受付のお手伝いをしたのですが、スケールも違いますが、いろいろな点で内地のお葬式とは違います。

お通夜は普通ですが、
翌朝、出棺して火葬、拾骨、その後、告別式なのです。
告別式が終わったら、お骨をお墓に入れます。
普通、本土の場合は告別式のあと出棺となって、一般の弔問のお客さんは出棺の時までしかいないですよね。出棺の前にお別れをいうんですよね。

沖縄式は、お墓に入る前にお別れを言うのです。
そして、遺族や、親しかったみんなでお骨の入った甕と言うか壷を持ってお墓に行くのですが、お墓がすごいです。

奥さんの実家のお墓は、自然の洞窟を利用したお墓で、沖縄でも結構古いタイプのお墓です。お墓の扉を開けると、中には先祖代代のお骨が入った甕が大勢あって、なかなか賑やかです。とても古そうな立派な四角い厨子甕もあります。沖縄は、門中墓といって、一族みんなが同じお墓に入るので、たくさんの甕があるのです。

義父さんが、「おーい、じいさん。ばあさんが来たよ。」といってお墓の中をのぞいて声をかけます。

お坊さんの説明によると、「昔は土葬なので、シルヒラシといって、手前の方に棺桶を安置して、数年後に洗骨をしてから厨子甕にいれて、奥の方のご先祖様のところに置いたのですが、今は火葬で、洗骨と言うのはありませんから、すぐにおじいさんと一緒にしてあげましょうね。ええと、おじいさんはどれかな?どなたかご存知ですか?」

というのですが、みんな、「ええと、あれじゃないかなあ」「うん、たぶんこれだな」「ほんとかなあ」などといっていて、お坊さんが、「間違えるといけないので、確かめた方がいいですね。ちょっと、どなたか、中に入って甕のふたを開けてみて下さい。」というのです。

そこで、奥さんの弟が入ることになりました。「これ?開けるよ」「暗くてよく見えないよ。」「誰か懐中電灯もってないのか。」「懐中電灯もってくりゃよかったなあ。」「みんなで覗いたらなんにも見えないよう。」などと言いながらみんなで入り口から中を覗き込むので、余計お墓の中が暗くなってよく見えません。

「あ、蓋の裏に名前がかいてあるよ。うん。これだこれだ」といって、無事、おじいさんの甕の隣におばあちゃんの甕も置くことが出来ました。

お坊さんが、「扉を閉める前に中に入って見たい人はいませんか?次にどなたか亡くなるまでは扉は開きませんよ。」というので、ちょっと入ってみたかったのですが、やめました。

義父さんが、「じゃあな、さよならばあさん。元気でな。」と声をかけて、扉を閉めました。

なんだか、とても温かいお葬式でした。沖縄では、様々な法事のイベントがあって、一族がお墓の前に集まって、ピクニックのようにお弁当を食べながら先祖と一緒に一日過ごすのですが、お葬式に参加させてもらって、その考え方と言うかコンセプトがよくわかりました。亡くなるのは悲しいけれど、ここに来ればいつでも会えるというのがあるのかなあ。

ちなみにお墓の扉の開け閉めにも、いろいろと決まりがあって、前に亡くなった人の家の人が、次のお葬式の時に扉を開けるのだそうです。

奥さんは初七日まで実家にいるということなので、僕だけ先に帰ってきました。

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 はじめまして。僕も沖縄のお葬式に行ったことは何回もあるのですが、運営(?)側に参加したことは無かったので、とても勉強になりました。ちなみに厨子甕は、美術骨董品として価値が高く、よく盗まれたりするそうです。 / Yuta ( 2003-03-20 22:51 )
はじめまして きれいな日記ですね 沖縄の墓は独特なんですね / イッセイ ( 2003-03-20 14:04 )

2003-03-15 もずくずくずく〜もずく食べてもあんまり太らない♪


 今日は朝からマサおじいに電話でたたき起こされて、丸秘ポイントにもずくを採りに行きました。まだ時期が早いので、もずくが生える場所は限られています。その場所を知っている人しか採れません。

 そんなわけでやってきました。丸秘ポイント。あれ?まだマサおじい来て無いじゃん。

 マサおじいが来るまでこの木陰でまた寝てました。

 けっこう4時間ぐらい泳いでたのですが、一ト缶に2缶分とちょっとぐらい採れました。写真ではもっとあるみたいですが、塩漬けすると水分が抜けて、大分減ります。一缶は今度うちの奥さんが那覇の実家に行くので、その時に持ってく分です。石垣では初物のもずくです。ちょっとは今日、生で食べようかな。

 これから塩漬け作業です。これがかなりきついのです。もずくのなかに手を突っ込んで、塩をたくさんいれて、ぐるぐる混ぜるのですが、もずくってぬるぬるのせいで結構固いので、力がいるのです。だけどこれがちゃんと出来ていないと痛みやすくなってしまいます。

 今日は久しぶりに昼の海を泳いだので何だか疲れました。いつもと違うことをすると疲れるなあ。

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2003-03-14 石垣サファリパーク


 今日はうちの奥さんは仕事が休みで、僕も明日はセリが休みだし、天気も良いので牧場道に行ってきました。

 石垣北部の東海岸は石垣牛の放牧場になっていて、道は無いのですが、海岸に行きたい時は牧場道を通らせてもらうのです。

 舗装道路はなくて、放牧地の草原の中の車のわだちを通っていくので、高級車では無理ですが、軽トラックや汚い四駆に乗って、お弁当やお菓子を持ってあまり人の来ない砂浜に行くのです。アスファルトの道やコンクリートの建物が全然無いので、眺めも最高で気持ち良いです。いつまでもこんな風景が続けばいいなあ。

 放牧地にはいろんな動物がいます。牛がいっぱいいますが、馬もいます。あと、いのししやキジもいます。海の近くの方を通っているとセマルハコガメもたまにいます。そういう動物を見ながら道無き道を進んで、砂浜に降りられる所を探すのです。ちょっとした探検気分です。

 今日はキジとサシバ(どこでもいるけど)を見て、「ガマヤのイトマンゴヤ」という場所に行きました。石垣にはイトマンゴヤと呼ばれている地名はいろんな場所にあって、昔、ウミンチュが泊まりで漁をするとき(昔は帆と手漕ぎだったので、遠くに行く時は泊まらなければならなかった)に、サバニを停泊した場所だったそうです。嵐などになっても雨風がしのげる洞窟があったり、崖がいい格好で飛び出したりしている所が多いです。

 上の写真は牧場道からイバルマグチという航路(というか、さんご礁の小さな切れ目)の方を見たところで、下の写真はスーホの白い馬です。

 石垣牛の放牧場なのに馬ばっかり撮ってますね。

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石垣はきれいなところですよ。でも開発の手がどんどん入ってます。まだ自然が残ってるうちに、ぜひ遊びに来てね。 / Yuta ( 2003-03-20 03:56 )
うわ、綺麗。しかも、カメまで歩いているなんて(セマルハコガメってかわいいですね……)。一度石垣にお邪魔してみたいです。 / みなみ ( 2003-03-16 21:57 )

2003-03-13 砥石


 今日は昼間、先輩のミヤジマ君のところに、テッポウの改造について相談に行ったあと、マサおじいのおうちに、モズクの選別の手伝いに行きました。

 海人はあまりいろんなことを人に教えないので、こういうときに手伝いしながら先輩のワザを盗むのです。

 モズクを人に売るつもりの僕としては、モズクを上等に塩漬けするスキルは必須です。しかもマサおじいのモズクは、手作業での昔ながらの塩づけのやりかたなので、なかなか勉強になるのです。なんといっても海人一筋50年以上です。

 マサおじいのモズクは、人に売ったりはしない自家用モズクなのですが、高級割烹やホテルなどで働いている親戚や友達にお願いされて、少しだけ分けてあげているのです。

 そういう最高級モズクを作るワザは何が何でもマスターしなければ。というわけで、喜んでお手伝いに行きました。

 おい、見てごらん。今日のモズクは色が上等だろ〜。などと話をしながらモズクに混じったザン草(ジュゴンの好物の海草)を取り除くのですが、僕には色の違いが今一分かりません。そうかね〜いつものとあんまり変わらないみたいけどがな〜。日なたにもっていって日にかざしてごらん。赤くしてきれいだろ。若いモズクは短いけど、赤くしてきれいさ〜。???そうかな〜。

 といいつつ、作業場のすみをふと見ると、変な石を発見。もしやこれは砥石なのでは…

 おじい、これ包丁研ぐやつ?。そうだよ。これって普通の石じゃん。いや〜普通の石とは変わるさー。どこにでもあると言うわけではないよ。今の人は、砥石はお店で買ってくるけど、僕なんかの頃は、わざわざとりにいったよ。これは上等の砥石だよ〜。

 …一体何十年使っているのでしょう。こういう使い込まれた道具ってなんかいいなあ。包丁は前に紹介した包丁ですが、こうやって並べて置くと、マサおじいのうみんちゅ人生を共に歩いてきた仲間って感じでいいなあ。僕ももっと道具を大事にしなきゃなあ。

 並べて写真を撮っていると、

 お前最近、変な物ばかり撮ってるなあ。あんなの撮って何かおもしろいわけか?。

 面白いさ〜。

 お前は変わってる。

 ふふふ。まさか自分の古びた海道具達が、こんなところに出ているとは思うまい…。

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2003-03-13 スーナ


 今日は仕事中に、おかず用にちょっとだけスーナ(和名は知りませんが、おいしい海草です)を採りました。

 スーナは石垣島では人気のある海草で、だけど、あまりたくさん無いし、採る人も少ないので、結構高級な食材です。美容と健康にいいらしいです。(なんか海草ってそんなのばっか)

 なんか最近アーサ、モズク、スーナと、海草にはまってます。ベジタリ食の海人っているのかなあ。

 アーサやモズクは生でも食べますが、スーナは茹でてから食べます。茹でると色が青くなってきれいです。

 今年初めてのスーナ。早く食べたいなあ。実はこれからご飯です。

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スーナはおいしいって言うか、味は無いのですが、歯ごたえがなんともいえない奇妙な食感でたまらないのです。 / Yuta ( 2003-03-13 09:23 )

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