2003-02-02 宇宙生活での食事
2003-02-01 あっと言う間に宇宙も２月
2003-01-29 普通の宇宙の一日
2003-01-28 少し地球に戻って来たような・・・
2003-01-27 宇宙にいてもめずらしく気分穏やか
2003-01-26 宇宙を飛んでいます
2003-01-18 一大事、同時多発入院発生、気を確かに
2003-01-17 気持ちだけはしっかり持たなくては！！
2003-01-16 さすがにストレスが溜まってきた
2003-01-15 入院して一週間、なんとか生きてます

１月の入院生活は苦闘が多かったためか、何と記憶が飛び飛びです。
日記も結構書いているし、意識を失ったことはないはずなんだけど、３週間もあったのが、数日しか経っていないように感じられます。
今の状態から思うと、それまでは自分で手動装置付の車を運転して会社勤めをしていたなんてまるで信じられません。
遠い昔の夢の世界の出来事のようです。
住み心地の余りよくない宇宙生活での、一仕事でもあり、努力でもあり、楽しみでもあるのが食事です。
ここは食事は結構よい方だと思います。ただ、魚が多いです。私はただ物理的に食べにくいだけなのですが、魚嫌いの人は辛いかも知れません。
この前は、お刺し身が出てびっくりしました。マグロの赤身で大手スーパーよりもいいものでした。
ゆうべは、ウナギのかば焼き。
宇宙で一番食べにくい物は、うどんでした。
箸がまだうまく動かせないので、滑るし、麺は重いし、こぼしまくる。
地球の物で一番食べたかったのが、日清のカップヌードルで、きのう持ってきてもらいました。
こんなにおいしい物だとは思いませんでした。ただ、あの縦型の器は宇宙では支えるのが不安定で、押さえてもらいながら食べました。

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昨日からリハビリが始まりました。
簡単な文章を手書きするのに、５分もかかったし、訓練時間の間は座っているだけでも大変でした。本当にぐったりでしたが、回復するにしたがって疲れも減るのだと思います。
土日は、リハビリはお休みです。
平日は、これだけの長さの日記を書く自信がありません。
今日は主治医の回診があって、普通なら喘息はこれくらい回復するともうすぐ退院だそうです。
しかし、私がまだまだ宇宙状態で、リハビリも始まったばかりだし、リハビリの先生からもともとの障害の悪化もちゃんと検査する必要がある、と伝えると、まだ様子見ということになりました。
とても、まだまだ帰れる状態じゃない体力レベルと感覚レベルです。
今日は、まあまあ調子よかったです。
朝酸素を外してみて、初めて公衆電話に行きました。めまいの中で重く感じる受話器を取り、しびれる手で実家に電話して、「もしもし、ここまでこれた、じゃね」と言って切り、自力で部屋まで戻りました。
これだけでも、すごい進歩です。ちょっと地球が近づいた気がします。
インフルエンザが完治した姪と妹に会いました。姪がこんなに成長していたとはびっくりです。
ここ数日の宇宙感覚には時間の波があります。
朝が一番地球に近くなり、夕方以降の状態が悪いです。

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入院生活というと、退屈を想像しそうですが、宇宙での生活は案外暇ではありません。
隕石や流星の多発地帯など、宇宙空間の流れの悪いときは、耐え忍ぶので精一杯です。
朝は６時に目が覚めて、寝たままおしっこと検温をして、薬の吸入をして、それから熱を測って、８時にご飯。
食事が終わって歯を磨くと、なんと１０時になります。
体が重く、すべての動作が、地球にいるときよりずっと遅いので、あっと言う間に昼が来て、割りと早く一日が終わります。
今日は、友達からプレゼントが届きました。厚い本は、まだ読むのは大変ですが、贈ってくれた、海の写真集は軽くて、横になって何も考えずにぱらぱらとめくっていると、心が和みます。
地球に帰って、本物の日本の海を見に行きたいです。
それでも、今日は累積で７時間くらい車椅子に座っていられるようになりました。少しずつ、回復しています。
明日から、地球に帰るためのリハビリのプログラムのスタートです。
もっと早く一日が過ぎそうです、毎日日記が書けるかどうかも分かりません。

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地球は、寒いようですが、宇宙の生活は不思議です。
今日の横浜は、快晴です。
突然、身体が熱くなり汗が滝のように出たり、かと思えば、全身が凍ったように冷たく感じます。
一日で、地球の四季をみんな体験できます。
突然、苦しくなったり、死ぬほど悲しくなったり、心臓が締め付けられる恐怖で殺されるような感じになったり、一日のうちの感情の変化が、地球にいるときよりとても激しいです。
取り乱してどなりちらしたり、八つ当たりしないでいたりするのが、やっとです。
先週は、鏡を見ると、あまりの自分の目付きの怖さに仰天しました。
本当に先週の宇宙感覚は、日記やメールが書けるどころではありませんでした。
今日から、点滴がなく内服のステロイドです。少しずつですが浮遊感覚が地球に戻ったような感じがしますので、このまま内服で喘息発作が起きないでほしいです。
体力や手の感覚はまだほとんどないです、物は重くてしょうがないし、しびれるし、酸素を外していると呼吸すること自体が疲れます。
食事なんて本当に一仕事したくらいです。
朝は調子いいのですが、午後になると辛くなってきます。

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宇宙からみる、横浜の街は雨が降っています。
昨日は、宇宙ステーションに友達がお見舞いに来てくれました。
寝たきりに近い弱っている状態を見せるのはどうか正直ちょっと迷いましたが、海外で働いていて今日出発してしまうし、弱いところを見せても大丈夫な間柄だと思ったので、会えて本当によかったです。
酸素ボンベを持って、３０分部屋の外で話しました。
談話室は、ゆらゆら浮遊していましたが、会話は私の予想以上に弾みました。
遠いところ、３人で本当にありがとう。
今日はレントゲンを撮りに行きました。宇宙ステーションから出てエレベーターに乗るなんて１０日ぶりくらいで、同じ病院の中なのに、ものすごい長旅をした感じがしました。
宇宙でのキー入力は、まだ難しいですが、今日は今までで一番気分が穏やかです。

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２４０時間連続で点滴をして、命は取り留め、喘息自体はよくなりました。
しかし、あまりに強力なステロイドを使ったので、副作用と後遺症で、ほとんど寝たきりになっています。
ここ一週間、宇宙にいるような感じです。
平衡感覚は、なく、世界が傾いているし、みそ汁は、石のどんぶりのように、重い。ホントに、重力がおかしくなった状態です。
人生で、これだけ体に力が入らなく、感覚を失った経験は初めてです。
頭がおかしくなったのかと驚くかも知れませんが、本当です。
正気や意識をなんとか維持しています。
やっと、これだけキーを打てるようになりました。

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昨日の日記を憂鬱にひしがれながらアップした直後、なんと内科医をやっている友人が訪ねてきてくれるという嬉しい事件が発生。
もともと彼女とはマレーシアやタイの趣味で知り合ったんだけど、それがたまたま本職が、となって今入院中のここを紹介してくれたのが運のつき。今はほかの病院で働いていて会うのは何年振かってくらいなつかしくて、もちろん病気の専門的な話もいろいろしました。
やはり、今年は重症喘息が多く、飲み薬でコントロールできなくなった重症喘息には２４時間の点滴をずっと入れるしかよい方法はなく、わたしの場合など先週ここに入院できただけでもラッキーなくらいこの冬は重症喘息が多いんだそうです。
頑張る気が出てきました、必ず生きて帰りますよ。
そのあと母が着替えを持ってきてくれたり、ベッド環境をセットし直したりしてくれて、窓際も結構快適に。
これ以上親には負担かけたくないんだけど、さすがにこれだけ動けないし弱ると申し訳ない。
この前なんて本当に生死の心配したみたいだし。
初めての窓側は、左右の勝手が違うわりにもぐっすり眠ることができ、夜中に研修医に当たり散らす夢（早くなんとかしろ！とか言ってた気がする）を見たものの、目覚めの呼吸困難はあまりありません。
今日は辛いながらもつかの間の平和な心が味わえるといいなあ。
さっき担当医が来て、明日から酸素と点滴を昼間は外して様子を見るかもということになりました。点滴酸素の常時接続も２４０時間が経過しようとしています。本当に、一時でもいいから自由に動きたいです。
午後からはやはり疲れて、遠慮せず介助してもらって昼寝（先週の日記に１日当たりコール１０回以上って書いたけど、今はそんなに生易しくはない不自由さ）、なんと寝ている間に遠くの友人からお花のプレゼントが、感激です。
看護婦さんに窓辺に飾ってもらうと春らしくてきれい、やはり気持ちだけでもしっかり持とう。
不自由ながらの、しばしの平和。
しかし、世の中皮肉なもので、１歳８カ月の姪がインフルエンザで４１度の高熱を出し緊急入院とのメールが！
どうなる、絶対全員元気に生還するぞ、にょろろん一族！やはり私だけでもしっかりしなくては。
お花で心安らかに、ただし芯は強く乗り越えなければ。

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ＣＴ検査は結局異常がなく、具合が悪い原因が特定されないまま、週明けまでの高い濃度のステロイド点滴の維持を言い渡されました。疲れます。
本当に、部屋から出られる日はいつになるんでしょう。
窓側の人が今朝退院したので、だめもとで看護婦さんに頼んでみたところ、あっさり引っ越しできました。
景色と広さにあこがれて移動したものの、収納や酸素コンセントの向きや位置が反転しているところまで考えなかったため、結構生活感覚が違って戸惑います。
それに、ベッドでおしっこをするときはカーテンをするから余り景色は見えなくなることも気が付きませんでした。ちょっと期待外れでしたが、昼間明るいのはやはりいいですね。
先週の水曜から特に進展がなく週末が近づき、すごく憂鬱です。意識がもうろうとしそうです。重症患者が板についてきましたよ。

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ここの日記に毎日、「息苦しい、動けない」ばかり書いて、読む人はさぞ不快なんだろうなあってわかっちゃいるんだけど、やっぱり書いてしまうんです。
動けないから公衆電話にも愚痴りも行かれないし、同室の人とは会話がないし、そして何より記録に残したい性分が出てしまい、見る側のことも気にしつつも、「読んでほしい」って微妙な心境です。
今日は昨日よりは楽だけど、やはり夕方以降の苦しさはあまり変わらず。熱も先週から３７度台前半です。
昨夜は腕に酸素濃度と脈拍をモニターして１２時間記録する機械をうでにはめました。腕時計の大きいくらいとコンパクトでも、指先に電極を挟むので食事とかはさすがにやりにくい。でも、リアルタイムで脈と血中酸素が出るので見ているとそれなりに面白いし、夜中目が覚めて、「わ、酸素濃度が低い」って思ったら、実際寝相が悪くて鼻から酸素が外れていたりしました。
今日は普通のＣＴ検査、前回入院したときと同じ地下の検査室でした。場所は首から胸まで、但し点滴と酸素持参の搬送なので、前回と違って手間はかかりましたよ、痛くもかゆくもないのは同じで、結果はまだ分かりません。
いつまで、この日記を平常心で続けられるんでしょう。

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昨日は午後から再びずっと苦しく、休日のため先生もなかなか捕まらなくて大変でした。
ステロイドを臨時で追加したものの、呼吸が楽になるどころか過呼吸になって興奮して、手はしびれて何をやっても失敗するパニック状態、その後落ち込んで眠りにつく。
これは喘息以外の病気を併発しているんで歯ということで、早速初めての耳鼻科へ。鼻から細いファイバースコープを食道の直前まで強引に突っ込まれました。結構な長さがあるものですね。
ちょっといたい診察でしたが、耳鼻科領域異常なし。今度は気管に麻酔をかけて肺の方まで管を通して調べる胃カメラよりこわい気管支鏡をするかどうかを検討するらしい。
今日で入院一週間、何とまだ一日たりとも平和でのどかな日を体験していません。
昼眠っていたら聞き覚えのある声が、何とほかの部署で働く後輩がわざわざ客先からたずねてきてくれて仰天。病院の場所すら教えていなかったのにすごすぎ、ホント嬉しかったです。
今回の入院で初めての家族以外の院外お見舞い客でした。
同じ会社と言えども何カ月も会話していなかったので、こっちはベッドに尿付で固定状態ながらも会話に花が咲きました。
遠いところ気を付けて帰ってね。
それにしても、ゆうはんくらいのじこくになったあとはなんでいつもこんなに苦しいんだろう。もう１週間進展ないじゃん！
忙しいしもっと重症なひとがいるのは分かるけど、早く呼吸を楽にしてほしい！あしたはＣＴ全身輪切りだそうです。

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