今回の調査目的の一つ「ミツクリザメの顎の構造解明」
これについては色々な説があるので是非解明せねば!
上の写真が収納状態、中が突き出した状態、下が顎骨
の標本です。
上と中の写真を見比べるとまるで違う生き物の様です
が、間違いなく同じ生物です。
下の顎骨の写真を見ると、意外にも他の鮫と同じ顎骨
を持っています。
顎骨は左右に分かれていて、上下で4個の軟骨で形成
されています。飛び出す口の謎は顎骨には無い様です。
上の収納状態の写真を見ると、上顎が頭の向きと平行に
収納されているのが解ります。
頭部軟骨の下に上顎を収納するスペースがあり、無理なく
収納出来る訳です。
では何故口を極端に突き出す事が出来るのか?
ヒントは下顎に有りました。
下顎は、特に収納されず、上顎にそってついています。
内側には舌があり、下顎と一緒に突き出されます。
捕食の際には、まず上顎が収納スペースから出て、
同時に頭全体の形を縦長に替えながら下顎が広がります。
顎骨が4個に分かれていますので、真ん中の結合部が開き
横に広げる事も出来ます。
他の鮫も補食の際頭全体の形を変えて噛みつきますので、
鮫の世界ではごく一般的な行為です。(例:ホホジロ鮫)
ミツクリザメは上顎を顎骨分突き出す事が出来るので、
頭全体の形を変える事によって極端に顎全体を突き出す
事が出来るのです。
しかも、下顎の内部には舌を残したまま。
実際に自分の手で顎の開閉をやって見たかったのですが、
ホルマリンによって固定されているので堅く、全く動き
ませんでした。
捕獲直後でないと無理な様です。 |