2001-10-19 良薬は口に苦し。
2001-10-18 ずる休み。
2001-10-17 待ちぼうけ。
2001-10-15 はら。
2001-10-08 毒グモ注意報。
2001-09-30 ごうとう。
2001-09-27 はわい ５。
2001-09-26 あご−ひざ。
2001-09-25 はわい ４。
2001-09-19 はわい ３。

ずる休みの効果もあってか、気分は上場。しばらくペースを落として、宿題を片づけることにします。早いもので、もう、来学期（来年）のクラスの登録がもうすぐ始まるのだ。今学期とっているのは、３つ。薄膜クラスと表面科学クラス。固体の表面で、分子が飛び回ったり、くっついたり、離れたり、というのを熱力学を交えて、物理的側面、化学的側面から、分析、解説。内容は、そこそこ面白いが、やはり、「良薬は口に苦し」です。もうひとつのクラスは、週に一回のコロキウム、リフレッシュメントも振る舞われる。クッキーやウェハスをかじり、コーヒーやジュースを飲み、話を聞く。宿題もテストもなく、出席点だけが加算されるという、気楽なモノ。

今でこそ、授業の内容はほぼ、時間中に理解できるけど、来たばっかりの頃から、一年くらいは教授達の話す英語が殆どわからず、かなり苦労しました。ノートを必死で取り、後から本で復習しつづけても追いつかず、特にはじめて来たばかりの頃は、教授が、なにげなくボソボソっと喋る宿題の提出期限すらも聞き取れなかったりして、もう、なにがなんだかわからなかった。当然、テストの点数も、びっくりするほど悪く（ノビタ君の点数並！）自分は、本当にアホなんじゃないかと、随分悩みました。こういう時に、たいていは同じ国から来た人同士で助け合ったりするものなのですが、新入生の中にも、学科の中にすら日本人は居らず、情報は漏れるは、助けも求められないは、で、泣きそうでした。

そんなとき、たまたま仲良くなったのがコリアンの新入生達。やっぱり、英語が全然だめなのと、顔が似ているので親近感がわき、いつもつるむようになりました。「英語なんて見たくも聞きたくもない〜」と、英語で愚痴るのも矛盾してるよね、なんていいながら、少しずつ発音も直し、単語も覚えながら。韓国語と日本語は、意外と近い一面があり、「微分積分」は、「びぶん、じょっぷん」だし、数に関しては「二乗」はそのまま「にじょう」。日本語の発音を少し濁らせると、熟語はほぼ同じ。だから、うっかり日本語を交えて説明しちゃっても、間違えたことすら気がつかなかったり。「爪切り」も、そのまま「つめきり」で通用します。面白いでしょう？

それでもやっぱり、慣れない環境と、ジェットコースターに乗っているような忙しさ、英語力の不足も手伝って、点数はボロボロ。答案が返ってきたときには半泣き（立派な殿方ですら）になりながら、燃やしてしまおうかと思う。でも、親友だったのパセリとだけは、こっそり見せあって、「あぁ！ 俺達、アホコンビだ！ 今に国に追い返されるぞ！」なんてきつい冗談で励ましあいながら、だんだん元気になっていったり。（ちなみに、韓国語では「パーボー」が、アホにあたる。）

もう、２年も経つのに、鮮やかに思い出せます。

しゃどう＠３日連続更新は久しぶり。

＃＃夕食は、マーボー豆腐と、ご飯と生野菜のサラダ。固ゆで卵もつけました。しゃどう猫は牛と鶏の猫まんまです。

先頭 表紙

朝、起きようとしたけど、なんだかだるかったので、そのまま、ずる休みした。今日は講義もない日だし。そう言えば、昔は「ずる休みの女王」として名を馳せていたものだ。

「ずる休み」は、プロダクティブであってはならない。前日ではなく、朝、起きたその日に、「なんとなくだるい」という理由で休む。休むことで何かを犠牲にしてはいけない。休んでいても、「なんだ、あいつ、いないなぁ。」くらいの用事のない日でなきゃいけない。もちろん、事前に誰かに知らせてはならない、だって、「ずる休み」なんだから、適当に、突然に、なんとなく、そしてだらだら過ごすのが理想。学生の特権ですな。

１０時過ぎにシャワーを浴びて、猫と戯れながら、昼ご飯の支度をする。しゃどう猫はことさらご機嫌で、トイレに座ると、膝に飛び乗り、頭をすりすりする、シャワーのタブに入り込んで転がりながら甘える。シャワーの水の勢いが激しくなるまでは、責めてくる水溜まりに攻撃を仕掛ける、でも、ピシャッと跳ねる、手を振る、そして逃げる。

シャワー上がりに体の水気を払い、頭を拭いていると、タオルごしに勢い良く肩に飛び乗り、頭を叩いたり、肩に座り込んだり、動く手に悪戯したり、と、じゃれる。コンタクトレンズを入れようと、容器を開けると、すかさずアタック、水を汲むと、先に飲む、悪戯の限りをつくします。でも、ふわふわして暖かくてたまらない。

昼ご飯には肉うどんを、めんは細めんにした。茹でる時に酢を少し加えると腰がでるらしい。調子に乗って作っていたら、少し食べ過ぎてしまった。食べおわったら買い物にでも出掛けようと思っていたのだけど、お腹がいっぱいになったら、また眠くなったので、ベッドに転がったら、そのまま、また眠ってしまった。

しゃどう猫はそれが不満で、叫びながら、なんども背中に飛び乗ったり、枕元の置物にあたりちらしたり、あちらで、がちゃん、こちらで、がたん、と、音を立てていたけれども、私があまりに動かないので、またそのまま、眠ってしまったようだ。

夕方、チャイムの音で目が覚める、とりあえず聞かなかった事にして寝続けていたんだけど、しゃどう猫が怖がって（怖がり）、布団の中に入り込んで隠れている。しばらくしてから起き上がって玄関を見に行ったけど、やっぱり誰もいなかった。しゃどう猫は、それから外に散歩に出掛けたのだけど、１０分もしないうちに、「暑くてたまらん！」といいながら帰ってきた。

それから、一応、予約を入れていた仕事があったので、１６時から出勤。２時間も働かないうちに面倒くさくなってきたので、家に帰る。猫、大喜び。

しゃどう＠写真は、ハワイの猫、るーるーちゃんです。

＃＃夕飯は、親子丼と、フカヒレスープ。丼は、玉ねぎを大量に入れて、柔らかくなるまでいためました。玉ねぎの甘さが、まだ本調子でないお腹にほんのりと。胃腸薬を正露丸から、キャベジンに移行しました。食前にきゃべ２、食後にキャベジン、で、本調子がつくまでお腹を保護してゆきます。しゃどう猫は、今日もターキー猫まんまです。

先頭 表紙

待ちに待った新聞社の来る日、昨日、１０時前の約束に、早めに着いて、ドキドキしながら支度をしていました。９時５０分、まだ来ないよね、でも、なんとなくチョロチョロ動き回る。

１０時キッカリ、には来ないみたい、掃除でもしてようかな。

１０時１０分、トマト先生からお電話、でも、まだやってこない。

１０時２０分、・・・ジャーナリストは時間を守らないっていうし。。。

１０時３０分、・・・にしても遅い。

１１時、トマト先生、階上から降りてくる、ご機嫌斜め、連絡すらとれないらしい。

１２時、相変わらず人影無し。

１７時、・・・？？？

というわけで、スッポカサレマシタ！ 大方のところ、warが始まり、anthrex騒ぎが始まり、、、で、駆り出され、連絡するのすら忘れてしまったのだろう、と、思われます。

昨日は具合も悪かったので、怒る気力もありませんでしたが。。。でもガッカリ。

こんな時勢だからこそ、こういう些細でも明るい話題が必要なのに。サイエンスやテクノロジーの発展で、こんなものができた、これからはこんな生活もできるかもしれない！いままでは想像できなかったけれども、こんな事が可能になるかもしれない！と夢を売らなきゃいけないのに。これから先、生きていくことは、不安の塊ではなく、希望のかけらを拾い続けることでもあるんだよ、というメッセージが、、、
（段々、大袈裟になってきたからこの辺で止めます。）

こんな事にめげずに、私は私で研究を進めていきますことよ。
（後から来てくれた方が、きっと、もっといい結果を発表できるはず、むふ。）

しゃどう。

本日から、夕食シリーズ開始。昨日まで、病のため、殆ど口にせず。食欲もなし。そろそろ食べないとやばそうなので、今夜はフカヒレのスープを作ってみました。また溶き卵を入れすぎて、卵スープになってしまいましたが、とろりとした触感と、口の中で蕩ける温かさが心地よく、二人前をペロリと食べてしまいました。ご飯も炊いて、海苔海老ふりかけと。デザートには美味しいみかんの缶詰。食べおわったらかなり元気になりました。しゃどう猫は、七面鳥猫まんま、です。

先頭 表紙

どういうわけか調子が悪くなってしまったので、今日は休憩。風邪じゃないとは思うんだけど、まず、体がダルイ、階段を歩くと目眩が、吐き気？ お腹の調子も悪いし、何も食べられないし、と、症状は軽くないんだけど、病気という気分ではない。たぶん、食中りだと思うのですが。唯一の心当たりは、数日前に食べた羊肉のステーキ、でも、火は良く通していたし、肉も新しいのを使っていたから、大丈夫だと思うんだけど。。。原因不明。

とはいえ、ここ数日間、具合の悪いのを押して働き続けていたのですが、今日は出張から帰ってきたボスのトマトに（登場人物に名前をつける事にしました、アルファベットじゃ味気がないので）、「働きすぎ！ 家に帰ってリラックスして治して来なさい！」と珍しく優しい言葉を掛けられました。仕方がないので、今日はのんびりムードでしゃどう猫と遊びます。映画も借りてきました。前から見たかった、「chocolat」です。買い物もして帰ろうと思ったのですが、体力がもたず、やっぱり自宅療養。掃除もしたいけど、体力ないし、帰ってきて正解だったのね。

先ほどから、しゃどう猫が嬉しそうに鳴きながら甘えてきています。部屋に寝そべって、にゃー、頭を摺り寄せてにゃー、パソコンのキーボードの上に乗ってにゃー、膝によじ登って、頭を摩り付けてにゃー、ゴロゴロいいながら鳴くので、文字どおり、ごろにゃーん、と、鳴いています。頭を撫でるとさらに擦り寄ってくる、歩くと数歩前に体を投げ出し、お腹を出して、撫でて〜！ っと、目で訴えてきます。こんな可愛い猫と一緒に住めるだけでも、私はかなりの幸せ者だと思う。

ともあれ、最近、かなり無理して働いていたのも、明日の朝、地元の新聞社が取材に来てくれるからなんです。夏に始めたプロジェクトが、完成度は低いものの、そこそこ人に見せられるようになり、それじゃあ、ってことで、トマト先生が新聞社を呼んでくれたのです。本当は先月の予定だったのですが、折りしもテロ事件の翌日、ポンプも運悪く壊れ、と不幸が続き、延期になった。

せっかく紙面に載るんだから、もっともっと、いいものを作ろう！ っと張り切り、朝も昼も夜も休日も返上で、頑張っていた、のですが、、、しかも、まだまだ学生の身分、授業も宿題も人並みにこなさなきゃいけないので、実験の待ち時間に宿題、授業の合間に実験。追いつめられると、不思議と集中力が増すものです、疲れを感じなくなってきます。体には良くないのですが。

昨日までのモノで、そこそこ良いものも出来上がってきています。今日はゆっくり休んでもいいのかな、と、思っています。お肌が綺麗に写るように、今夜は泥パックを！

しゃどう＠お腹は大切にね！

先頭 表紙

「毒グモ注意！」

久しぶりに古いラボを訪れたら、この張り紙。アメリカの隅っことはいえ、一応、ここは文明国である。なんで実験室に毒グモが住んでいるわけ？ 張り紙によると、Black willow という種類の蜘蛛、黒地に赤い縞模様があって、致死性の毒を持っているという。

しかも、棟の一帯が、うっすらと白く煙っている、火薬っぽい匂い？ 木の燃えたような匂い？ 室内で花火をやると、確かこんな匂いが残るはず、、、なんて一瞬呑気に考えていたけど、これって、やっぱりどこか燃えてるってこと？ どうして火災報知器が働いていないの？ 一番火が出そうなのは、しゃどうの使っている化学室だから、毒蜘蛛警告を無視して調べに入った。煙くさいし散らかっているけど、燃えているものはない。と、すると残りの二つの実験室が怪しい。

日曜日の夜８時、当然、誰も来ていない。他の部屋の鍵はもっていないので、とりあえず換気から。ドラフトを最大オープンにし、外に通じるドアも全て開ける、と、小さな蜥蜴が全力で逃げていくのが見えた。風が通ると、煙も薄くなっていったから、火種はもう消えているか、小さなモノだな、と、ひとまず安心。隣りのラボを使っているＤ君に連絡を入れる、さらにもうひとつのラボの非常用電話番号にも電話して、しばし到着を待つ。

Ｄ君は Dissertationの最終段階、これが書きおわれば晴れて最終diffenceを受け、ph.Dがもらえるのですが、この最後のまとめ、なかなか進まないらしく、ブツブツいいながら、すぐに駆けつけてきました。結果はシロ。またブツブツいいながら、帰っていきました。

（ちなみに、ph.Dを獲るためには、まず、講義のクレジット、成績の平均は３.０以上（４点満点）。qualification examの筆記、口頭、proposalをはじめとして、mainorでの口頭試験（筆記？）、first authorの投稿論文が３件、実験のデータが出そろって、指導教官の許可が出たら、dissertation（論文）を書き始めることができる。ph.Dの論文である以上、誰かの仕事を続けて、ちょっと条件を変えて、、、というタイプの題材は許されず、常に新しい分野の研究開発を求められます。平均で５〜６年かかります。）

ともあれ、もう一人が到着し、チェックしたところ、電気が一時的に落ち、メカニカルポンプとオイルの調子がひどく悪くなっていたために、煙とひどい臭いを発生させていたことがわかりました。あまりシリアスな状況ではなく、ホッとしました。

が、最後に残った問題は、毒グモである。どこかに隠れていることは確からしい。でも、しゃどうがここで実験する時間があるのは、今夜しかない。。。結局、長いズボンに運動靴、白衣、ラテックスの手袋で身を固め、「蜘蛛だもの、突然、追いかけて襲ってくることはないだろう」と結論を出し、周囲に目を配りながら、シャカシャカと、実験を続けていたのでした。

しゃどう。

先頭 表紙

はわいの日々から、すでに３週間もたってしまいました。想い出は、早めに綴っておかないと、薄れていってしまうようです。

先週の話になりますが、妙な事件が、近所のマーケットで起こりました。

露出狂強盗が現れたんです。レジからお金を脅し取ったのですが、逃げる時に、ついでにパンツも脱いでしまった。ヨワッチイのであっさり御用になったようですが。車の前で身体検査を受けている時に、ちょうど通りかかり、なんとなく目が合ったお巡りさん。職務中に不謹慎な表情はできません。でも、含み笑いを浮かべて、目の奥でにやりと笑っていました。買い物中のご婦人方や、レジのお姉さん達は、「ねぇ、見た！？」っと、にやにやにやにや。しゃどうは幸い、ブツを見ることはなかったのですが、つるんと向けたおしり、ぽっこりでたお腹をしっかりと目に焼き付けてしまいました。

あぁ、、、、

しゃどう。

先頭 表紙

いそいそと、ポンプを直しに出かけたのですが、いざ、始めようとしたところ、ラインがない、レンチがない、レギュレーターがない、、、とお粗末尽くし。ボスのＧ君が、「必要な物は全部揃っているから！」とあまりに自身たっぷりに言っていたので、ちゃんと調べてなかったんです。またオーダーし直して、明日に持ち越しです。今週中に終わるんかいな。

機嫌が斜めに差し掛かっていたのですが、Ｇ君はにやり、と笑って日本酒を出してきました。日本の企業の人が持ってきてくれたそうなのですが、お酒を飲まない主義だから、行き先は自然と、しゃどうのお腹の中になるのです。そのまま酒盛りでも、と、やましいことも考えましたが、「大学内は飲酒厳禁」という法律が怖いので、そのまま袋に入れて自宅に持ち帰りました。純米大吟醸です。

というわけで、後はハワイの続きを。ハワイ島で、車を借りてからです。

そのまま一路、火山のある火山公園まではしりました。道は一車線しかなく、比較的細い道が続いていたのですが、不思議と車の渋滞がない。驚いたことに、スピードの出せない大型トラックやバスが、道幅が広くなると、路肩に寄ってあげて、他の車を行かせてあげていたのです。先頭に遅い車がいないから、狭い道でもスイスイ、走れちゃうの。抜いていく車の運転手も、窓から手を出し、親指と小指を同時に立てて、「アロハ」サイン。美しい光景でした。本土の挨拶は、中指が立っていることの方が多いのに。。。感動。

火山公園は、唯一の活火山。マグマが吹き出ている所は、危険地帯のため、近づくことすらできませんが、そこから数マイル離れた所からでも、海に流れ込む溶岩の煙と水蒸気が実際にみえ、夜になると、lavaが真っ赤に生まれ出てくるのも見える。公園内でも、実際に水蒸気が地面から吹き出して煙っている所が多い。黒光りする溶岩にも、時間の経過とともに、草が生え、花が咲き、木が育ち、山となり、森となり、再び生命が宿っていく。神秘です。海際のドライブウェイは黒い溶岩が日に照らされて光り、海が日に晒されて光り、風が音を立てて走り抜けていく。硫黄の匂いも薫ってきて、少し頭がくらくらしました。写真は、溶岩がアーチ型になって海に流れたものです。

夜は火山街の火山宿へ。ガイドブックによると、火山街にはおしゃれなレストランやＢ＆Ｂが立ち並び、アーティストが住み着いている素敵な所。と、あったのですが、、、、、なにもありませんでした。郵便局が一番立派だったかしら？ ともあれ、火山宿は、木に囲まれたお洒落なＢ＆Ｂでした。こじんまりとはしているけど、部屋の飾りや、シャワールームの使いごこち、家の中は土足禁止（ハワイルールらしい）、広々とした応接間。作りたての朝ご飯。オーナーのセンスが散りばめられていて、いつまでも居座りたいなと、思うほどです。庭には、猫が二匹、るーるーちゃんと、たいがーちゃん。ネネ（鳥）と、イノシシの親子も、庭に遊びに来ていました。街（？）自体にも人が少なく、音も明かりも、夜になるとほとんどいない。泊まり客も、何故か皆、余計な音を立てないで動いていました。

その夜、しゃどう猫ちゃんの様子を聞きに、友達に電話してみました。残念ながら繋がらず、その日の連絡は取れずじまいでした。後で聞いた話ですが、ちょうどその頃、しゃどう猫は、家出をして、外を遊び歩いていたそうな。

しゃどう。

先頭 表紙

先週末に真空ポンプがついに動かなくなり、研究もペースを落としていました。２１時前には家に着いて、のんびり夕ご飯を作り、猫とお喋りをしながら過ごしています。夕飯を食べた後に、出かけなくていいのは、すごく楽。ちょっとした休暇気分です。とはいえ、朝から講義もあるし、違うシステムを使っての実験は続けているので、オフではないのだけど。昨日完成したデバイスをテストしたら、かなりの完成度でした。日頃の疲れもふっとびます。少々の問題は残っているものの、もう少し定量的なデータを集めれば、次の学会に間に合うでしょう。ちなみに今の所属では、卒業に必要な投稿論文は、first authorで最低３本、です。夏にした実験のうちから、先生がいつのまにか、学会のアブストラクトも６件だしてしまいました。そんなにこなせるのか？ おい。結果もろくにまとめていないのに、論文書け〜、書け〜、と、脅かしにくるので、この前、噛み付いてあげました。

主に使っている真空ポンプは、吸収ポンプの一種です。ヘリウムガスの圧力で、ポンプ内の温度を絶対零度近くまで下げ、気体を直接凍らせて、張り付かせます。気体の冷凍庫やね。液体の窒素までは見たことあるけど、固体の窒素は見たことがない。厳重に絶縁してあるから、中をみることはできないんです。やっぱり、透明なのかしらね。張り付かせているからには、キャパシティーには限界があって、定期的なメインテナンスが必要。vacuum歴、未だに３ヶ月なのですが、他にできる人がいないので、自分で調べてやらなきゃいけない。困っていたら、友達がいい文献をコピーしてくれました。

文献を読んでいくと、"knee-jerk"という言葉が目立ってきました。例えば、こういうときに、こうするのは、"knee-jerk"である、という感じ。しかも、試したことがある方法もいくつかちらほら。"knee"は、ポジティブな表現であるけども、jerkは、ネガティブな表現です。近くに辞書もなかったので、しばらく考え込んでしまいました。

答えは、「考え無しの行動、簡単に思い付き、一見良さそうにみえるが、実はよくない。」です。語源は、「あごを触って、膝と勘違いする」ところから。

サポートセンターにも同時に問い合わせたところ、ポンプの言動から、ヘリウムガスが汚れているんだろう、という仮説に納まりました。ということで、明日は、届いたメインテナンスキットを使って、ガスの再生をいたします。ポンプはまた、働くようになるのでしょうか？

しゃどう＠ハワイの続きはまた今度ね。

先頭 表紙

週末にかけて、自宅からのインターネットが不通になってしまった。たまに通じなくなるのはよくあることだから、っと、放っておいたのだけど、週があけても未だに開通する見込みがないので、調べてみたら、なにがしかの改訂で、アクセスポイント自体が廃止されていました。通じないはずです。怒る気にもなれなかったので、丁寧な苦情メイルをサポートセンターに送ったら、数十分もしないうちに丁寧なメイルと、代わりのアクセスポイント、と接続手順が送られてきました。やれやれでございます。

しゃどう猫は、ここ数日間、夜になると玄関脇に座り込んで、ガラスに張り付く蜥蜴のお腹を切なげにながめています。時には椅子の上から、時には床に寝そべって靴を枕に上目遣いで、動いたときにはすかさず飛びついて、裏側から叩いています。夜更け過ぎにもドアをゴトン、ガタンと揺さぶる音をたてています。こんな御時勢なので、玄関の戸をドンドンと叩かれると、かなりどきっとしてしまいます。が、猫は素知らぬ振りです。


そうそう、ハワイの続きです。３日目からは、また別行動で、大ハワイ島に向かいました。一人旅の再会です。ハワイはどこの大陸からも一番離れた南の島で、ハッピーなところです。事情があるとはいえ、一人旅はさすがに見かけませんでした。ハワイ一人旅万歳！

大ハワイ島に降り立つと、まず湿気の匂い。しっとりと露の降りた朝の匂いがしました。ここで借りたのは真っ赤なdodge。いつもお世話になっているenterpriseの支店がないので、thriftyに予約をいれました。朝から眠そうに応対してくれていたのですが、私の免許証をちらりとみて、満面の笑顔。

「２５歳になってないから、＄１５増しよん！ （はぁと）」

スマイルの使い方はそうじゃないだろう、と、思った。
（注、２５歳以下である事を自慢しているわけではない。）

つづく。

しゃどう＠左端にみえる小さな赤い点が、dodgeちゃんです。

先頭 表紙

つづき。

そこそこで切り上げて、ホテルに戻り、シャワーを浴びた後、式のためにドレスに着替えました。今回用意したのは黒の肩紐のシンプルなロングドレスで、ショールが唯一の飾り。アクセサリーもシンプルなシルバーの鎖をくびに掛けるだけ。鏡を見ながら、１０分以上支度に時間を費やすことが殆どないだけに、久しぶりにしっかりした格好をすると、背筋も伸びるような気がします。

式は、街の中にある小さな教会で、両家族だけが集うシンプルなもの。静粛な雰囲気の中、神父様の静かな祈りの言葉、ハワイの歌、アベ、マリアを歌う歌手の歌声が、本当に透明で、目を閉じると、外から潮風を運んでくるよう。風に撫でられるってこういう感触をいうのかな、なんて思いながら、兄夫婦を祝福していました。花嫁さんも綺麗でした。双方の両親とも、涙を拭っていました。いい結婚式だったな、と、思います。

写真撮影が終わった後は、ビーチサイドのバッフェに移動して、晩餐会。今度は、せっかくなので昨晩買ってもらった海模様のむーむーを着ていきました。スリットが入っていて、歩くと風がふわって服の中に入ってくるから、体も心も軽くなったような気分になれます。ハワイの正装って、自分が気持ち良くなれるようにできているようです。あれだけ街中で売っているにも関わらず、着て歩いている人は殆どおらず、ホールでもレストランでも、行き過ぎるたびに、皆に視線を向けられていました。（さすがに、指まではさされませんでしたが。）それでも気にせず、ハワイを細胞の隅々まで楽しんでいました。

レストランでは海の幸のバッフェ。海際の夕日が良く見える所に座れました。目の前にビーチがあり、大きな夕日が、海の反対側に、少しずつ、少しずつ、赤さを増しながら沈んでいきます。シャンパンと、美味しいお魚と、楽しい会話と、心地よい潮風。夕日が沈んだ後にも、空には濃い赤味が残り、赤味が暗闇に変り、星が輝き出す。海辺にはひとけがなくなり、ときどき起こる波が白いしぶきを揚げて直線的に走る。これを昔の人は楽園と、呼んだんだろうな。

しゃどう。

先頭 表紙