米(こめ)
言わずと知れたアジアの主食である。こういう文章を書こうとすると見慣れているせいか「米は日本人の主食である」と書きそうになる。「日本人の主食は米である」と書くならまだしも「米は日本人の主食である」という文面を見るとなんだか「ん??」という感じがしてならない。だって韓国も朝鮮も中国もタイ、ベトナム、香港・・・等々米を主食にしている国はたくさんあるのだ。何かこういうところに「単一民族国家なのだ。ガハハハハ!」という「くそくらえの理念」がちらっと見える気がして胸が悪くて「おえっっ」となる。(まぁ、私の気の回しすぎ、考え過ぎなんだろうとは思うけど)そういう点から見て私の大好きな表現がある。ずいぶん前の炊飯器かお味噌かなんかのCMで女優 三田佳子の言っていた言葉「お米の国の人だもの」というやつである。
この表現はいい!なんだかアジア全体を柔らかく包む感じで、お尻に蒙古斑のある人たちみんなが兄弟や家族みたいな感じに思えてくる。
直接は関係ないがこの「お米の国の人だもの」を体感したことがある。
大学生の頃仲良し4人組であこがれの海外旅行「グァム」に行った。(私も何年か前までは女子大生だったのでぃす)といっても沖縄に行くよりも安かったからという庶民的な理由からグァムに決まったのだけれど・・・。調べてみると「グァム」は東南アジアに位置していた。てっきり「ハワイ」の隣くらいにあると思っていた無知な私は少なからず驚いたのであった。飛行機に乗って3時間。あっという間にグァムに着いた。食事の全くついていない貧乏ツアーであったため、ガイド本片手にいろんなものを食べまくった。具がた〜っぷりと乗ったピザ、これぞアメリカ領!ってかんじのTボーンステーキ、BBQチキンを頼んだら鶏が半分出てきた。旅も三日目になり占領主アメリカの物ではなく地元のことも知ろうということで現地「チャモロ人」の経営する「チャモロ料理」のあるレストランに行くことになった。メニューを見ながらあやしい英語で何とか注文をすませた。私の頼んだ物は「EGG NOODLE」たまごめんである。出てきた料理はベトナムのうどん「フォー」とインドネシアの焼きそば「ミーゴレン」の間くらいの汁っぽい炒め麺状の代物であった。初めてのものを食べるときの「興味」と「おそれ」の混じった独特の興奮状態の中で私は一口目を口に運んだ。味わったその瞬間私は思ってもみなかった不思議な感情にとまどった。なんと泣きそうになったのである。その麺が特別おいしかったわけではない。懐かしい味がしたのだ!高級料理には出せないお母さんの味のようなそんな「ほっとする味」がした。もちろん食べたことのない初めてみる料理だったのにもかかわらずだ。後の三人も同じ事を感じたらしく少しニヤついてから後は一言もしゃべらず食べ続けた。すごく不思議な体験だけれどそのときに思ったのだ。
あーやっぱり「お米の国の人」なんだなぁ・・・と。 |