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庭の門

ディックの庭。彼の小宇宙。
彼はその門に立っている。
彼自身の内部と外部の境い目に。
ぷぷっ(←?)

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2001-10-04 テクノポップの魅力(後半)
2001-10-04 [serious] P様への応答 6 【感情と理性】の続き
2001-10-04 [serious] P様への応答 5  【感情と理性】
2001-09-30 [serious] P様への応答 4  【論理的と道義的】
2001-09-29 [serious] P様への応答 3  【今回のテロ事件と湾岸戦争】
2001-09-29 [serious] P様への応答 2
2001-09-29 [serious] P様への応答 1    【愛の形】
2001-09-19 [serious] 「報復は当然?報復は処罰?」への補足
2001-09-19 [serious] 報復は当然?報復は処罰?(後半)
2001-09-19 [serious] 報復は当然?報復は処罰?(前半)


2001-10-04 テクノポップの魅力(後半)

 三日前、やっと手に入れた! Echo&The Bunnymenの“Ocean Rain"というアルバム。今から三週間ほど前に富士ロックのビデオを見たんだけど、その中で一番良かったのがこのバンドだった(パティ=スミスもすごかった)。特に"Killing Moon"という曲が僕のツボにハマりまくりで、泣きそうになるほど。このバンドは名前はよく聞いてたんだけど、曲は聞いたことがなかった。
 "Killing Moon"は深い挫折感と悲しみに、差し込む一筋の光といった感じの曲で、ホント泣きそうになるほどいい曲。毎日聞いてる。

 この曲の持っている脆さや弱さというのは、僕がテクノポップ(というか、ニューウェーブと言ったほうがいいかな)に惹かれたもう一つの理由に通じるものがある。中学の頃、当事、流行ってた歌謡曲やロックに触れたとき、僕にはあまりに強く、健全な人の感情が歌われてると感じた。ところが、ニューウェーブのアーティスト達の多くは、語弊があるかもしれないけど、すごく弱虫なロックだと感じた。悲しみや絶望の深さ、ナイーブさといったものが、当事ラジオやテレビから流れていた曲より際立っていた。

 キュアー、ニュー・オーダー、デペッシュモード、ジャパン等々に見られる脆い感情、極端なナイーブさが、思春期の僕の胸を締め付けた(今でも!)。しかも、そういった感情を扱いながら、けっしてナルシスティックでウェットな感じはせず、極めて冷めた観点からそういった感情が表現されているところもよかった。

 今回、半ば封印していたニューウェーブの作品たちを聞きなおして、あらためて自分はナイーブな曲、メランコリックな曲が好きなんだということが分かった。新たな発見もあってとても楽しかった。
 
 聞きなおすきっかけになったのは、404様のかつての日記です。今回の「テクノポップガイド」では取り上げられなかったけど、PIL,ギャング・オブ・フォー、ヒューマン・リーグ等々、かつて、僕が心底夢中になったアーティスト達が目白押しで、すごく刺激されました。404様に感謝。

  

つっこみ 先頭 表紙

うぅっ・・。僕もこういう話を心おきなくしたいです。「ネタ」についても教えていただきたいです。Bunnymenのアルバムでお勧めのとかないですか?このバンドについてはほとんど何も知らないのです。 / ディック ( 2001-10-06 00:15 )
いやあ、ほめてくれてありがとう。また、こういう話が心おきなくできるようになったらいいなあ。ネタはあるんだけど。 / 404 Not Found ( 2001-10-05 22:17 )

2001-10-04 [serious] P様への応答 6 【感情と理性】の続き

 人間は隅から隅まで理性的な存在というわけではないし、いついかなる時も理性的であるわけはありません。同時に、人間は隅から隅まで感情的であるわけでもないでしょう。いくらか理性的で、いくらか感情的なのが現実の人間です。
 
 理性より感情を優先してもよい場合もあると思います。ですが、冷静に振舞わないと、他者に深刻な被害をもたらす恐れがある場合は、しっかりと自己批判的な理性を持つ必要があります。この理性は被害者の関係者の感情を無視するのではなく、それらの方々の感情もきちんと考慮に入れた上で、さらなる被害者(アフガンの人もアメリカ人も含まれる)も考慮に入れて、最善の策を考える理性です。先ほど被害者の関係者のカウンセリング等々について触れましたが、被害者関係者の感情を考慮にいれた理性的対応というのもありうるわけです。

 ですから、被害者の関係者の感情に配慮した感情的対応(恫喝や報復攻撃)か、それとも、被害者の関係者の感情を無視した理性的対応(理想論?)か、二つに一つではないのです。被害者の関係者の感情にも配慮する理性的対応というものもあるわけで、僕が今まで唱えてきたのはまさにそれです。

戦争の悲惨さというのは被害だけではなく、加害もそうであり、加害だけではなく被害もそうです。これは歴史を振り返ればすぐわかることです(例えば日本は、アジア太平洋戦争において原爆や空襲の被害者であると同時に、アジア諸国への加害者でもあるし、今も続いているパレスチナとイスラエルとの紛争も双方が被害者かつ加害者です)。アメリカ政府およびアメリカ国民は被害意識・被害感情だけでなく、加害への敏感さも持って欲しいと痛切に願います。
 もちろん、日本政府および日本人もテロの被害者たり得る事だけでなく、加害に荷担してしまうことにも敏感であるべきです。

つっこみ 先頭 表紙

↓への補足。僕が「ご希望」しようが、しまいが、人の意見に反論・批判をなさるのなら、論拠を示すことは、この種の議論に参加する際の最低限のマナーです。僕の意見のどこがどうして「揚げ足鳥」なのか、はっきり示さずに「揚げ足取り」呼ばわりなさることのマナー違反にも呆れますが。 / ディック ( 2001-10-09 19:30 )
「はっきり言って大人気ない文句」だとご自分でもお分かりなら、まず、最低限の謝罪をなさるべきでしょう。それもなさらずに、「ご希望であれば・・論拠見つけてみます」などとおっしゃるのは、確かに、はっきり言って大人気ないですね。 / ディック ( 2001-10-07 22:46 )
さんざん人の意見を矮小化なさった上で御批判なさっておきながら、「揚げ足取りは、時間の無駄」とおっしゃる厚顔無恥。自分達の安心を確保するためなら、他国の人を殺しても、国土を破壊しても、いたしかたないとお考えになる自己中ぶり。どれを取っても呆れるとしか言い様がありません。 / ディック ( 2001-10-07 22:22 )
面識のない者の意見を、「あなた」呼ばわりしつつ批判なさっておきながら、ディック様の意見は、意見としてリスペクトしたつもりだとかおしゃる混乱・矛盾。私はシリアスです、とおっしゃっておきながら、「私のつっこみはすべて削除してくださって結構です」とおっしゃる身勝手さ(削除されてもかまわない程度のツッコミをなさっておきながら・・)。まともな論拠をほとんどお示しにならずに「議論ができた」とか「感情論だけ」ではないなどとおっしゃるナルシズム。(続く) / ディック ( 2001-10-07 22:17 )
そもそも、あれやこれやいろんな意見・手段が考えられるなかでどれかを選び、決定することが政治や行動であって、アメリカ政府はある一つの手段を選び取り、それを僕は最善のものではないと批判しているわけです。このようなコンテクストにおいて、あれやこれやいろんな意見があって当たり前だとか、「どれが正しかなんか決められない」とかおっしゃることの虚しさにお気づきにならないとは、あきれてしまいました。 / ディック ( 2001-10-07 21:26 )
最後に、メッセージを載せましたので、よろしければ、日記ご覧ください。 / プルー ( 2001-10-06 23:49 )
はっきり言って大人げない文句で終わりたくなかったので、ご希望であれば、日本がこのテロリストグループの危機から安全である論拠見つけてみます。でもこちらのメディアには、日本のことはほとんど話題にも登らないので、難しいでしょうね。 / プルー ( 2001-10-06 03:36 )
論拠を示すつもりがないとは、一言も言ってません。揚げ足取 りは、時間の無駄でしょう。これで、ほんとにさようなら、です。 / 私は、シリアスです@プルー ( 2001-10-06 03:22 )
批判的につっこみを感情論だけ!でしたとは、思っていません。 どれが正しいかなんて、決められないし、ディック様の意見は、意見として、リスぺクトしたつもりです。これで、もう二度とここへは、来ません。もし今までの突っ込み等が意味を成さないとおもわれるのなら、私のつっこみは全て削除してくださって結構です。私は、お互い、意見が違ってもあくまで違ったものとして議論出来たと思っていたのですが。。。 / プルー ( 2001-10-06 03:18 )
(続き)もし、きちんとした論拠を示す気がないのであれば、また、お互いに議論してより正しい見解に達しようという気がないのであれば、今後seriousに書かれた文章にはつっこまないで頂きたいと思います。お互いにとって非生産的なやり取りになるでしょうから。 / ディック ( 2001-10-06 00:06 )
「あなたが理論を展開することに、何ら問題はない」、「違う意見を否定するつもりもはない」のなら、なぜ、seriousに書かれた僕の文章に、明らかに批判的に見えるツッコミを入れられたのでしょう?他人を批判するのにしっかりした根拠や筋道がなければ、正当な批判とはいえないのではないでしょうか。それとも、それも現地の人間ならではの感情を持ち出せば正当性などなくてもOKなのでしょうか。 / ディック ( 2001-10-05 23:54 )
「色々な考えを持った人がいてあたりまえ」だと僕も思います。ただ、僕は、この一連の議論で、単なる主観的・個人的感想以上のこと(普遍性のあること)を、できるだけ、言おうとしてきました。そしてプルー様も、単に個人的・主観的考え以上のものとして発言なさろうとしているのだろうと思った(誤解?)から、その問題点(根拠が薄いことや論理が曖昧なことなど)を指摘して、批判させてもらってきたわけです。 / ディック ( 2001-10-05 23:53 )
「感情にまかせきった加害行為」という箇所を「過度に感情を優先した加害行為」に訂正します。 / ディック ( 2001-10-05 23:21 )
ディック様のような考え方は、こちらでも反戦デモを行っている人達や、NYタイムズの半ページにでかでかと反戦のメーッセージを載せる人達と相通じるものがあると思います。ここは、あらゆる人が住んでいますもの、色々な考えを持った人がいてあたりまえだと思います。 / プルー ( 2001-10-05 22:16 )
最後に、多くの市民を無差別に殺戮(無目的に)するテロリスト、へは武力による威嚇は重要だと感じます。あらゆる手段を使った後の最終手段が、武力の行使だと思ってます。 私は、アメリカがアフガニスタンの周囲を囲み、テロリストグループが、今のところ際立った活動を行えないでいるという点で、効果的だと思っています。 / プルー ( 2001-10-05 21:59 )
日本が安全だと思う根拠は、少なくとも、イスラムファンダメンタリストの過激派にとっては、日本は、範疇にないように思うからです。彼らが憎むものは、アメリカ、ヨーロッパのような西洋のもの、女性の地位が高く、離婚率があり、ポルノがありと彼らが忌み嫌うところだから、かしら。日本にもあるのだけど、日本は彼らにとって、西洋のものという感覚はないのじゃないかと思っただけです。これは、私が思っただけのこと、あなたが満足するような、証拠は、残念ながら見せられませんが。 / プルー ( 2001-10-05 21:51 )
ディック様へ、私が書いてることは、あなたにとって、正当性を欠く、いささか感情的なものかもしれません。残念ながら、その場所にいなければ分かり得ない感情は存在します。あなたが、あなたの理論を展開することに、なんら問題はないと思います。表現の自由ですもの。議論する権利がないとは言ってません。私達の意見は相容れないもの、だと考えます。違う意見を否定するつもりもないです。私は、今、アメリカにいて(長年住んでますが)その進む道を私なりに判断して、静観していくつもりです。 / プルー ( 2001-10-05 21:50 )
二つ目のつっこみへ(続き)。仮に日本が安全だとしても、「このテロの恐怖は、分かり得ない」というのは言い過ぎです。現場にいなければ現場のことは「分かり得ない」のなら、歴史記述も裁判も成り立ちません。現場の人々の恐怖をそのまま僕が感じるというのは勿論無理ですが、一定の理解をし、判断を下す事は出来ます。(そして僕は、その判断をこの日記に書いた) / ディック ( 2001-10-05 20:02 )
二つ目のつっこみへ。「大丈夫かもしれない」という安心を得るためには武力的威嚇しかないわけではないということを僕は言ってきたのです。他にも手段が考えられるのに他国の人々や国土を破壊するような手段をとるべきではないと。「安全な場所にいる方」って僕のことですか!?日本が安全だと言える根拠を示していただきたいものです。 / ディック ( 2001-10-05 20:00 )
一つ目のつっこみへ。僕は、武力行使が「テロリストを撲滅するため」役立つのか、役立たない!と主張してきたわけです。「国民の安全性」を守るために、「威嚇は必要」ない、国連と協力してきちんと法に基づいた処罰を!ということを言ってきたわけです。残念ながら、プルー様は、僕のこういった反論をきちんと退けるどころか、反論が突きつけられた主張をほとんどどそのまま繰り返しているだけのように思えます。 / ディック ( 2001-10-05 19:36 )
その威嚇があるおかげで、アメリカ国民は、私もですが、大丈夫かもしれない(まだ、かもですが)と感じられるのではないでしょうか。安全な場所にいる方には、このテロの恐怖は、分かり得ないと、思います。NY近郊に住むものだけでなく、セキュリティの厳しさを感じたりすることでも、恐怖は感じられるのです。 / プルー ( 2001-10-05 04:27 )
期間限定で、日記をアップすると思いますので、ご覧になってください。アメリカの武力行使準備は、テロリストを撲滅するための一つの政策であり、外交、経済色々な方面から行っていること、目的は、武力行使でなく、交渉をうまく行かせるため、そして国民の安全性の為に、テロとそれを温存する政府への威嚇は必要だと感じます。 / プルー ( 2001-10-05 04:24 )
念の為、初歩的な指摘を。「僕にはあいつを殺してほしいという感情がある。そういう感情が確かに僕の中にあるのだから、あいつを誰かに(国に)殺してもらうのはやむをえない。」というのは暴論です。つまり感情は暴力行為を正当化できない。 / ディック ( 2001-10-04 16:53 )

2001-10-04 [serious] P様への応答 5  【感情と理性】

≪おどしをかけたり、ラディン氏を暗殺計画を練ったり(真実かいなかは分かりません )といった行動は、正当化し難いものでしょうが、今の状態はやむを得ないというのが、正直な気持ちです。こういう感情は、ディックさんなら、無視したいと思われるでしょうが。。。≫ (プルー様の 2001-10-02 03:05 のつっこみ)

 「やむをえない」というのは、他に方法がない場合にそう言えるのであって、いまの常態はそういう場合ではありません。武力行使によらずに交渉や国連に訴えて身柄引渡しを求めるという方法もあるのですから。

 ここで言われている「感情」という言葉に、おそらく、僕とプルー様を根本的に隔てているものがあるのではないか、と思います。プルー様は、一方で、僕の言ってる事は「きわめて論理的」とおっしゃりながら、他方で、自分の中には「何かが違うという感覚」があるとおっしゃいます(9/29 4:36のつっこみ)。プルー様のお考えは、おそらく、「ディックが言ってる事は、理屈としては(理想論としては)かなり正しいが、私は感覚的・感情的に受け入れられない」といったところではないでしょうか。あるいは、「これだけ大きな怒りと悲しみを招く出来事が起きたのだから、その、アメリカ国民の怒りや悲しみ不安といった感情を配慮すれば、脅しや暗殺計画や武力行使もやむをえない」といったところでしょうか?

 僕は今回のテロに大きな怒りと悲しみを抱いています(もちろん、犠牲者の関係者と同じだけ、と言ったら欺瞞になるでしょうが)。もし、日本であんなテロが起きたら、あるいは、僕がニューヨーク市民や被害者の関係者だったら、もっともっと大きな怒りと悲しみを抱き、「疑わしい人物やそれをかくまう連中は脅しても暗殺しても攻撃してもかまわない」という「感情」が湧いてくると思います。だから、プルー様の感情を理解できないわけではないです(全く同じ感情を共有するということはもちろん無理でしょうが)。

 しかし、だからといって、その感情は<実際に武力行使をやむをえないものとして肯定すること>に必ずしも繋がらないし、繋げてはならないと思うのです。被害者の関係者やこの事件で心の傷を負った方々に対しては、アメリカ政府は心理カウンセリングや補償等々といった方法で、傷を癒すことに力を注ぐべきであって、人殺しや破壊行為をしたところでテロの恐れはなくなりません。今のやり方でタリバンやビンラディン氏を倒したところで、他の反米テロ組織の反米意識がますます高まるだけです(ラディン氏はテロ組織の英雄となり、反米テログループの心の支えになるでしょう)。

 一刻も早く、犯人を逮捕すべきですが、逮捕は軍事的な恫喝によってなされるものではありません。きちんと相手に証拠を示してそれでも身柄を引き渡さないのなら、武力行使もやむをえない面があると思いますが(ただし国連の承認を得るべき)、今のような武力による威嚇や攻撃準備は、そういった正当な手続きのない≪過度に感情を優先した加害行為(報復)≫だと思います。(続く)

つっこみ 先頭 表紙

それから、こんな初歩的な指摘をしなければいけないのも、虚しいのですが、僕が「Aという点で、武力行使は止むを得ない、とするのは理性的でない」と言っているのに対し、「Bという点でアメリカ政府は極めて理性的だ」という内容の反論・批判をしたところでそんなものは反論にも批判にもなりません。反論でも批判でもなく私の個人的意見だとおっしゃるのなら、さらにむなしいというほかありません(一つ上の日記の僕のコメントとプルー様の日記も参照)。 / ディック ( 2001-10-07 21:13 )
武力行使に必然性も正当な根拠もないから感情的といっているのです。その必然性のなさ、根拠の無さは既に何度も書いているので繰り返しません。これは単に僕の個人的感覚ではなく、一定の普遍性のある主張として述べています。だから、僕はできるだけ論理的に話を進めてきたわけです。 / ディック ( 2001-10-07 21:02 )
私は、最初から、過剰に感情的に武力行使準備を進めたとは、考えません。これ以上のテロ活動を防止するため、に取り急ぎ決めたと思います。ディックさまはどうして、アメリカ政府が感情的感情的と、おっしゃるのでしょう。それは、あなたの感覚ではありませんか。 / プルー ( 2001-10-06 03:45 )
アメリカ政府は過剰に感情的になって武力行使を決めた上で、どのように武力行使を成功させるかとかその他のことについて合理的に計略を練っているわけで、僕はその最初の決定がいかがなものかと批判しているのですが。。 / ディック ( 2001-10-05 23:16 )
アメリカは、極めて理性的に事を進めていると、私は、思っています。今後どうなるのかまだ分かりません。最悪の状態(戦争)だけは、避けられればいいと願っています。 / プルー ( 2001-10-05 22:08 )
日記にも書きましたが、あるいはそれ以上に、武力行使準備意外のことに、ビリオン単位でお金が使われております。あらゆること、です。詳しくは省きます。ディックさまの基本的な考えの中に、アメリカは好戦的ムードであると感じたので、そういう風に書きました。軍事力による解決のみ優先している訳でないということが言いたかったのです。 / プルー ( 2001-10-05 22:04 )
アメリカ人が「皆が皆、戦争賛成!ミサイルでも撃てばいい」だとか、「好戦的」だとかいった内容のことを僕がいつ言ったのでしょう!?相手の主張を矮小化したり、歪曲したりした上で、批判してもそれは批判になりません。アメリカ人全員を丸ごと批判するような包括的批判・全面否定などは、ビンラディン氏の発言「アメリカ人は全員的だ」と同じで、論外です。(「P様への応答 1」も参照していただきたい) / ディック ( 2001-10-05 19:20 )
二つ目のつっこみへ。そのようなカウセリングが行われている事は知っています。僕が言っているのは、武力行使に使う金と労力があるのなら、国は、もっともっと、国費と国の指導でカウンセリングと補償に力を入れるべき、ということです。 / ディック ( 2001-10-05 19:10 )
一つ目のつっこみへ。アメリカ人が「、Angerやfuryといった感情を抱いている」などと僕は一度もいっておりません。怒りや悲しみ、不安、焦燥といった感情から今のような武力行使への道を肯定する少なからぬ(全部の、ではない)アメリカ人や非アメリカ人、そして特にアメリカ政府を僕は批判しているのです。「安全な状態へ戻る」ために、また、「テロの攻撃からの恐怖から逃れる」ためには、武力行使でなければならない理由はないし、その効果は薄い(逆効果)ということは本文で書いているので繰り返しません。 / ディック ( 2001-10-05 19:02 )
皆が皆、戦争賛成!ミサイルでも撃てばいいと、思ってる訳ではないこと、です。ディックさまを始め日本人が、あるいは、ヨーロッパの左翼が考えているように好戦的では、ないのだということ、分かっていただければいいのですが。 武力行使は、あくまでも最終手段であると信じています。 / プルー ( 2001-10-05 05:13 )
カウンセリングはもうすでに、各企業や、シティで行われています。 / プルー ( 2001-10-05 05:09 )
NY近郊にいて、被害にあった人、助かったけれど、それがトラウマとなったひと、住居が住めない状態で苦労している人、ただ私のようにそこにいたけれど、大丈夫だった人と沢山いますが、皆、Angerやfuryといった感情を抱いてる訳ではありません。深い悲しみ、不安、焦燥などといったものがあふれ、テロリストをやっつけろ、戦争をせよと声を大にして思っている訳でもないのです。早く、もとの(?)安全な状態へ戻ること、テロの攻撃からの恐怖から逃れる事、などを考えているのではないでしょうか。 / プルー ( 2001-10-05 05:09 )
また長くなってしまいましたが、おそらく僕とプルー様の根本的な対立点に関わる問題なので、お許しを。 / ディック ( 2001-10-04 15:48 )

2001-09-30 [serious] P様への応答 4  【論理的と道義的】

≪タリバン政府側の証拠を提示せよという要求は、もし、彼らが、ビンラディン氏を始めとするテログループを温存(共存でしょうか、経済的利益を得てるので)してるのなら、彼らに、公平なる裁判は出来るのかという疑問が大きく残るのですが、まあ、証拠を出せというのは、極普通に考えれば、論理的なことです。≫ (9/29のプルー様のつっこみ)

 繰り返しになりますが、このテロ事件の関係者は国際法廷で裁くべきというのが、僕の考え(理想)です。現実的にどうしても不可能なら、中立性のできるだけ高い国で裁くべきだし、それも無理なら、アフガンとアメリカのうち、政府からの独立性と人権の尊重度が高い方の国で裁かれるべきです。いずれにせよ、報復ではなく、裁判で裁き、処罰すべきです。

 国際法廷やアメリカが裁こうという場合でも、(ラディン氏が首謀者だという証拠があるなら)証拠をタリバンに突きつけることは、身柄引渡しを実現するために有効でしょう。タリバンは、もはや、「証拠がないから引き渡せない」と言い逃れることができなくなるからです。

 「証拠を出せというのは、極普通に考えれば、論理的なことです」というのはどういう意味でしょうか???「極普通に考えれば、筋が通っている」という意味でしょうか?もしそうなら、アメリカ政府は、タリバン政府の筋の通った拒否行為を認めない、筋のとおとらない対応をしているという事になるのではないのでしょうか。

 論理的に偽であることは必ずしも悪いことではないですし、論理の飛躍や矛盾も必ずしも悪ではありません。例えば思考力の未熟な子供がつい間違った推論をしても、それは悪いことではないでしょう。でも、アメリカ政府がタリバン政府に、証拠を示さずに、身柄引渡を求めたのは明らかに悪だと思いますし、それに対するタリバンの拒否には一定の正義があると思います。
 自分の仲間を殺してしまいそうな国から、次のように言われたとしたらどうでしょうか。「お前の仲間はテロの首謀者である疑いが濃いので、首謀者だという証拠を今は出せないが、そのうち出すから、身柄を引き渡せ!」 仲間を引き渡すことを拒否するのも当然ではないでしょうか(自分が証拠を持っているのなら話は変わってきますが)。その拒否には一定の正義があると僕は思うのです。それゆえ、アメリカ政府には、きちんと証拠を示す道義的責任があると思うのです。

「証拠を出せ」というのは、単に「論理的なこと」なのではなく、道義的理由からそう言われるわけです。アメリカ政府による「最後通告」は、証拠も示さずに、身柄引渡しを要求していたばかりか、要求を飲まねば武力行使に取りかかるぞ、と言っていました。これは恫喝に等しいと僕は思います。「正義」の名の下に、著しく正義を欠いたことがなされた、と思います。あるいは、アメリカ政府は、正義や道義的責任より、政治的戦略の方を優先するのでしょうか?


 

つっこみ 先頭 表紙

一つ目のつっこみと、前々回の日記へのツッコミに対して。タリバン政府の中にも穏当派は居ますし、パキスタンを仲介して交渉したい、という政府コメントも何度も出ています。にもかかわらず、アメリカは相手に証拠を示さずに、「交渉はしない。身柄引き渡せ」の一点張りなわけです。したがって、アメリカ政府とプルー様のタリバンへの不信は正統性がないと思います。<まともな対話の末の『いたしかたない』『最終手段』>としての武力行使」などとは、とても言えないと思います。 / ディック ( 2001-10-04 09:06 )
「こういう感情はディックさんなら、無視したいと思われるでしょうが、、、」という箇所に対して。僕は「無視したい」とは思いません。無視してはならない、と思っています。これについては、少し長くなりそうなのでまた本文の方で。。 / ディック ( 2001-10-04 08:49 )
おどしをかけたり、ラディン氏を暗殺計画を練ったり(真実かいなかは分かりません )と行った行動は、正当化し難いものでしょうが、今の状態はやむを得ないというのが、正直な気持ちです。こういう感情は、ディックさんなら、無視したいと思われるでしょうが。。。 / プルー ( 2001-10-02 03:05 )
相手が、タリバン政府なら、いたしかたない気持ちがあります。信頼できる筋が証拠を提出せよというのとでは、違うと思います。武力行使するぞ、と言わなければ、どうころんだってタリバン政府が協力するようには、思えません。アメリカ政府のやり方が正しいやり方とは思ってるわけでは、ないのですが、何千人もの死者を出したこの惨事を早くなんとかせねば、という意識があるようにおもいます。 / プルー ( 2001-10-02 03:04 )

2001-09-29 [serious] P様への応答 3  【今回のテロ事件と湾岸戦争】

プルー様への応答 3
 
≪湾岸戦争においては、アメリカが全面的に加害者とは思っていません。今は、その議論より、今後起こりうる事に集中していたいです。≫ (9/29のプルー様のつっこみの一部)

 湾岸戦争においてはアメリカが全面的に加害者であるとは僕も思ってません。ただし、少なくとも次の三点には注意しなければなりません。
1 アメリカ側の死傷者より、イラク側の死傷者の方が圧倒的に数が多かったこと。
2 アメリカ側の死傷者は兵士に限られていたのに対し、イラク側の死傷者は子供や老人も含む民間人にまで至ること。
3 アメリカはイラクの国土や建物を破壊したが、イラクはしなかった(あるいは、できなかった)こと。

アメリカが、「全面的に」加害者ではないにしろ、大規模な加害を行ったことは間違いありません。

 イラク側にも非があるにしても、だからといって、アメリカの大規模な加害行為が正当化されるわけではありません。<相手も悪いことをしたんだから、自分も〔別の〕悪いことをしていい>などという論法は、成り立たないからです。

 以上のことを前提に話をします。プルー様は、湾岸戦争に関する議論より、「今後起こりうることに集中したいです」と言われます。でも、「今後起こりうることに集中したい」とは何を意味しているのでしょうか。<今後起こりうることをきちんと把握したい>という意味も含まれるのでしょうか。
 
 今後起こりうること・今後起こることをきちんと把握したいのなら、アメリカが過去に中東の人々に対して何をしたのか、そしてそのアメリカの行為によって、どんな結果が中東の国々にもたらされたのか、という歴史的経緯を知る必要があるでしょう。歴史的経緯を知らなければ、〔仮に報復が開始されたとして〕タリバンや中東の民衆が報復攻撃に抵抗する理由が十分にわからないし、なんで、そんなことが起こるのかも分からないのではないでしょうか。つまり、「今後起こりうること」をきちんと把握するためには関連する歴史的経緯を知る必要があると思うのです。

 先に述べた様に湾岸戦争でアメリカは大規模な加害行為を中東で展開しました。それが中東の国々における反米感情の原因の一つであることは明白です(もちろん、事情は複雑で、フセインがイスラエルを空爆することによって戦略的に、<イスラエルとそれを支援するアメリカVSイスラム社会>という図式を中東に広めたという面もあるのですが)。ですから、湾岸戦争に関して、どの程度アメリカに非があるのか、どこがどれだけ怒っているのかということを知ることは、今後起こりうることを、「今」、きちんと把握し、判断するために必要な事だと思います。

つっこみ 先頭 表紙

「理想論より」、とおっしゃいますが、他国や自国の大規模な暴力に関わる今のような状況においてこそ、きちんとした理想を確認しておくことがきわめて重要だと思います。感情にまかるあまり新たな悲劇を生んでしまうことを避けるために。 / ディック ( 2001-10-04 09:21 )
最初の僕のつっこみ。<中東の国々の日>は<中東の国々の非>の間違いです。 / ディック ( 2001-10-04 08:42 )
そして、このような類似点(<とんでもなく酷いことをやった奴は痛い目にあわせてもかまわない>)こそ僕が最も批判していることです。アメリカ軍が武力行使したら、中東諸国の人々から「『多数の市民を殺戮することに何の感情も持たない』アメリカ政府」と言われる可能性は大いにあるでしょう。 / ディック ( 2001-10-04 08:40 )
「理解しえない憎悪」「どのようなロジカルな説明もつかない」というのは言い過ぎではないでしょうか。<自分達の仲間や国があれだけ酷いことをされたたのだから>と言って無関係な市民まで巻き込んだ攻撃をするという点で、テロ組織のやったこととアメリカがこれからやろうとしていることは似ていると思います。その様な類似点をもったものとしてテロリストグループを理解することができると思います。 / ディック ( 2001-10-04 08:39 )
当面の対策を考えたら、もちろん、セキュリティ−を確立することも不可欠です。ただ、もうちょっと長期的に考えるなら、中東の国々からのアメリカへの反感を取り除くことも大切です。だから過去の加害行為についても反省し、謝罪や保証、サウジアラビアからの軍の撤退を含めた、しかるべき処置をすべきというのが僕の考えです。その上で、中東の国々の日を追及したほうが説得力もあるのではないでしょうか。 / ディック ( 2001-10-04 08:17 )
理解し得ない憎悪。今は、理想論より、早くテロリストをという気持ちで一杯です。手段は、今の正直なる私の気持ちは、何でもいい、市民を巻き込まないのなら、です。 / プルー ( 2001-10-02 02:53 )
残念ながら、このテロ事件後に精神的、経済的に打撃を受けてる市民には、そして政府にも余裕がなさそうです。集中したいという意味は、テロリストを出来るかぎり、撲滅すること、このような惨事が起こらないようセキュリティを確立することです。ディックさんのおっしゃりたいことは、もっともでしょう(全て掌握したわけではないです)が、多数の市民を殺戮することに何の感情も持たないテロリストグループには、どのようなロジカルな説明もつかないように思います。 / プルー ( 2001-10-02 02:50 )

2001-09-29 [serious] P様への応答 2

続々 プルー様への応答 2

≪CNNには、サスペクトになった経緯が書かれてありました。≫ (プルー様からのつっこみの末尾の箇所)

 お解りのことと思いますが、「容疑者」とは国の機関によって指定される者です。そして、僕の批判は、<国側はちゃんと証拠に基づいて、「容疑者」扱いしているのか?>というものです。当の国側が証拠を提示していないのだから、マスコミが何を報道しようが(その記事を国側も裏付け、公式に証拠として認めない限り)、容疑者であるという裏付けがないのではないでしょうか。
 もちろん、アメリカ政府がラディン氏を「容疑者」だと判断しているということは確かです。ですが、今の段階では、その判断は証拠に基づいていないじゃないか、というのが僕の批判です。

 したがって、ここでもアメリカ政府は証拠を提示する必要があるのではないでしょうか。
 
 僕は二三日前に、今日あたりに証拠を提示するというブッシュ大統領の声明をテレビニュースで聞きました。もしかして、もう既に出ているかもしれません(昨日は早朝のニュースしか見ていません)。それが本当にラディン氏が首謀者であることを裏付けているかどうかは、実際にそれを確認してみないと分かりません。

 いずれにせよ、アメリカは報復攻撃をすべきでない、他の方法を採るべきだと思います。

先頭 表紙

ブルー様が僕へ寄せられた、二度目以降のつっこみに関しては重要と思われる論点に限定して、本文の方で応答させてもらいます。 / ディック ( 2001-09-29 21:05 )
ブルー様、お忙しい中、僕の長い返事を読んで下さったこと&それに返事を下さったことに感謝します。率直に言って、プルー様の最初のツッコミの真意が僕にはよく分からなかったので、多くの質問&ありうる誤解の除去をさせてもらいました。「つっこみが、あちこちにあって」も、僕は気にならないので、その点はお気になさらぬよう・・。 / ディック ( 2001-09-29 20:55 )
つっこみが、あちこちあってすみません。ずっと前につっこみしたきり、見返すのを忘れてました。と、言うより、他の日記でちょっと苦い思いをしましたので、意識的にしておりませんでした。 ディックさまの考えは、きわめて論理的でよく分かります、が、私の中にある、なにか違うという感覚があって、うまく言葉で説明が出来ません。 / プルー ( 2001-09-29 04:36 )
武力行使は、あくまでも最終手段だと、思ってます。アメリカ(を象徴する西洋のもの)への異常なまでの憎悪は、話合いというものを拒否してるかのように感じます。ラディン氏を引き渡されたとしても後継者もいるし、簡単には解決出来ないことは、確かでしょう。 アメリカの報道(世論)も、武力行使を全面的に善しとしているわけではないです。貧しい、市民がもうあの事件以来、さらに今、食べ物の供給手段が断たれてしまったため、さらに苦しんでることとも、戦争になればもっと苦しむことも分かって、いると思ってます。 / プルー ( 2001-09-29 02:20 )

2001-09-29 [serious] P様への応答 1    【愛の形】

プルー様への応答 1

≪アメリカが、なにもかもすばらしいとは、いいませんが、そこは、民主主義と自由の国(その自由が、テロリストを国内にて飛行機の操縦のスクールに行かせたという、矛盾ありの)ですので、無実の人間をテロリストにしたてあげてるわけではないと思います。≫(前回のプルー様の突っ込みから抜粋)

 まず、もしかしたらあるかもしれない誤解を解くために、僕は反米論者ではないということをはっきり言っておきます。アメリカに関して好きなところ・尊敬できるところはいっぱいあります。文化面(ある小説家、音楽家、画家等)、男女差別撤廃が進んでいるところ、商業や学問の世界でも競争原理がよく働いているところ、第二次大戦中の日系人の強制収容所問題でかなり誠意ある対応をしたこと、等々。けれども、アメリカ政府は、同時に、少なからぬ過ち犯したと思うのです。アメリカという国家は、湾岸戦争、ユーゴ空爆、イスラエル支援、原爆、等々において他国民に多大な被害を与えた加害者でもあるわけです。にもかかわらず、自らの加害の歴史を十分反省せず、再び、武力による報復に急ぐのは間違っているというのが僕の立場です。アメリカを否定したり、反米感情から罵ったりしているわけではありません。
 
どんな個人もどんな国家も、素晴らしい点ばかりではなく、過ち犯しうる存在だと思います(「アメリカが、何もかも素晴らしいとは言いませんが」というところを見ると、プルー様もおそらくそのことを認めてらっしゃるのでしょう)。もし、友人や好きな人が、過ったことをしたり、しようとしているのなら、その過ちを指摘し、改めさせるのも一つの愛の形ではないでしょうか。僕は、稚拙ながら、そのような意味で「愛ゆえに」今回のアメリカ政府の対応を批判したわけです。日本についても同様に考えています。日本にもいい点もあれば悪い点もあり、悪いところに対しては批判的な態度をとっています。ただ、日本の場合は、僕は日本という国の主権者の一人なわけですから、責任の範囲や重さがアメリカの場合と違ってきますが。

「無実の人間をテロリストに仕立て上げてるわけではないと思います」という箇所を読むと、「アメリカは無実の人間をテロリストに仕立て上げている!」というようなこと主張している人が存在して、プルー様はその人に反論しているように読めます。その人は僕なのでしょうか。もし、そうお考えならば、それは誤解です。ラディン氏はそもそも裁判・判決を受けてないのだから、今の段階では、このテロ事件に関して「無実」でも有罪とも言えないと僕は考えています。政府が証拠を公式発表していないのだから、「サスペクト」と言えるかどうかも疑問です。僕の主張を定式化すると、「アメリカ政府は、今の段階では、無罪か有罪かきちんと裁かず、証拠も示さずに、ラディン氏をテロリストと決めつけている」。
 
 プルー様はアメリカを「民主主義と自由の国」とおっしゃっている。確かに、少なくても合衆国憲法の理念は民主主義と自由ですし、多くの場面でアメリカでは民主的だし自由だと思います。その理念とそれらの場面に限って言えば、優れた国ですし、日本も見習うべき点があると思います。でも注意しなければいけないのは民主主義や自由も法によって保証されているということ、アメリカは法治国家だということです。法治国家では報復による加害は許されません。犯罪者は法に基づいて裁かれ、刑を確定された上で、相応の処罰を受けるのです。国際法上でも報復は正当化されません。

先頭 表紙

次回の日記で、まとめて返事します。 / ディック ( 2001-09-30 05:57 )
タリバン政府側の証拠を提示せよという要求は、もし、彼らが、ビンラディン氏を始めとするテログループを温存(共存でしょうか、経済的利益を得てるので)してるのなら、彼らに、公平なる裁判は出来るのかという疑問が大きく残るのですが、まあ、証拠を出せというのは、極普通に考えれば、論理的なことです。 / プルー ( 2001-09-29 01:27 )
日記にも書きましたが、近いうちに、証拠を提示するとのことです。内部では、まだどこまで公表するかでもめているようです。湾岸戦争においては、アメリカが全面的に加害者とは思っていません。今は、その議論より、今後起こりうる事に集中していたいです。このつっこみウィンドウでは書ききれないので、誤解が生じ易いですが。 / プルー ( 2001-09-29 01:22 )
「愛の形」とか「愛ゆえに」とか言うと、うさん臭い説教の様相を呈してきますね(笑い)。もっとクールで適切な表現が見つかるといいんだけど・・。 / ディック ( 2001-09-29 00:24 )

2001-09-19 [serious] 「報復は当然?報復は処罰?」への補足

前回の日記で、≪報復するのではなく、法に基づく裁判と処罰をすべき≫と
いった趣旨のことを僕は言った。
だが、その場合、どんな法でも法に服すのが良い、と思っているわけではない。
ナチスのニュルンベルク人種法とか、戦前の治安維持法のような法は、
ある種の人々の基本的人権を著しく侵害しており、正義の理念に反している。
では、どんな法ならいいのか。
 
国際人道法がモデルになりうると思う。国籍を超えた基本的人権が保障されている
からだ。裁判は常設国際刑事裁判所(ICC)でなされるべきだと考える。
この裁判所は、人道に対する罪・大量虐殺の罪・戦争犯罪・侵略の罪の四つについて、
国家が裁く意志や能力を持たない場合、普遍的管轄権によってこれを裁くことができる(*)。
アメリカ政府が着々と報復への準備を進め、「容疑者」の暗殺をも企てていること
を考えるなら、≪アメリカ政府は容疑者を裁く意志がない≫と見なしうるのではないだろうか。

ちなみに、アメリカはこの条約に強力に抵抗していた。
自国民が訴えられるのを免れようと、この条約に例外規定を入れようと工作し、
各国から批判されている。そして、日本もこの条約に著名していない。

もちろん、ICCで裁くというのは理想であって、現実的には難しいだろう。
だが、可能な限りこの理想に近づけるべきだとは言える。
少なくとも、基本的人権を保障したどこかの国の裁判で容疑者が裁かれ、
(有罪判決が出たなら)相当する処罰を与えるという道筋をとるべきであって、
裁かれてもいない者を報復攻撃することは許されないと思う。


*この裁判所の設立条約(ローマ条約)には、130ヶ国以上の国が著名しており、カナダ、フランス、イタリア等、30ヶ国以上がすでに批准している。

先頭 表紙

うーん、何で国内に事件関係者がいたら、多くを公表できないのでしょう?何がマズイのでしょう?ラディン氏が犯人だということが裏付けられたら、更なるテロの暴発が起きるから(?)でしょうか。「事件関係者を刺激してはいけない」というような極めて曖昧な言い方なら正当化できないこともないのかもしれないですが。。もしかしたら、僕は、軍事アナリストしか分からないような、専門知識がいることをプルー様に尋ねているのかもしれませんが。。。 / 今日はこれにて失礼しますディック ( 2001-09-29 02:14 )
国内には、まだ今回の事件に関わっている人間がいるので、多くを公表したくなかったのではないかと思ったのです。ある程度、めどができたので、近いうちに公表すると発表したのでしょう。もちろん公表することで、各国の具体的な協力を得るためです。 / プルー ( 2001-09-29 01:41 )
もう一カ所訂正。僕の最初の突っ込みでの「ブルー様」は「プルー様」の間違いです。プルー様失礼いたしました。 / ディック ( 2001-09-28 22:20 )
訂正。このつっこみの三つ下の「半アメリカ」は「反アメリカ」の間違いです。 / ディック ( 2001-09-28 21:42 )
以上のような諸事情からして、アメリカ政府は証拠を示すべきという帰結が出てくると僕は思うのですが、逆に、隠す必要(戦略的な必要性?)が出てくる理由が僕には分からないのです。もし、よろしければ、教えていただきたいと希望するしだいです。まだ、お応えできていないポイントがあると思うのですが非常に長くなってしまったので、また機会を改めてということでお許し下さい。 / ディック ( 2001-09-28 20:50 )
実際に報復が始まれば、民間人も含めて多数の死者が出ます(湾岸戦争の時も「ピンポイント爆撃」と称して、多数の民間人死傷者が出たことは周知の事実です)。にもかかわらず、はっきりした証拠を確認することなしに「特定の証拠はあるはず」ということで報復を開始することに問題はないでしょうか。「証拠はあるはず」だった、しかし実際には無かったとしたら、どうでしょう。「あるはず」ではなく、実際に「ある」んだと言えるためには、証拠を提示しなければならないでしょう。 / ディック ( 2001-09-28 20:38 )
「疑いが濃い」にも関わらず、実は真犯人は別の人だったということは歴史上、何度もあります。最近ではサリン事件の最初の「容疑者」とかもそうですね。中東における半アメリカのテログループはアルカイーダの他にも多数存在していることも考慮に入れなければならないでしょう。もし、首謀者がラディン氏でなかった場合、報復攻撃をすることによって取り返しのつかないことになるわけです。したがってアメリカには、ラディン氏が首謀者である証拠を示す〔最低限の〕道義的責任があるのではないでしょうか。 / ディック ( 2001-09-28 20:26 )
第三に、世界の人々に、アメリカの報復は「正義の戦い」だと言うことをアピールし、広く国際的協力を取り付けるためにも、ラディン氏が首謀者である証拠を示すことは大きな意義を持つはずです。以上のような様々なメリットがあるにもかかわらず、証拠を「極秘にしたい」理由は何なのでしょうか?以上、アメリカの国益という点から質問させていただきました。しかし、さらに重要な道義的な観点からの話もしないわけにはいきません。 / ディック ( 2001-09-28 20:04 )
それ故、証拠を示すことによってタリバンの拒否の姿勢をかなり崩すことができるはずです。第一にこの点で証拠を示すことはアメリカにとって有益なことだと思われるのですが。。第二に、アメリカの世論や有識者の一部の政治家には「こいつが首謀者だという証拠がないのに軍事的報復に出るのはおかしい」と言って、報復に批判的な人々がいます。そういった批判勢力を説得し、世論をまとめるために、証拠を示すことは当然役立つわけです。(続く) / ディック ( 2001-09-28 19:53 )
ブルー様。初めまして&突っ込みありがとうございます。これはブルー様のつっこみに対する批判ではなく、情報を求める質問なのですが、なぜ、アメリカ政府は、証拠を「国内や近くにいるテロリストグループに対して極秘にしたい」のでしょうか?証拠を極秘にすることでアメリカ政府に何のメリットがあるのでしょうか?タリバン側は、証拠が示されていないことを一つの理由にして、ビンラディン氏の身柄引渡を拒否しています。それゆえ・・・ / ディック ( 2001-09-28 19:43 )
ラディン氏をプライムサスぺクトと見るにあたっては、特定の証拠はある筈です、それを具体的に公表しないのは、まだ国内や、近くにいるテロリストグループに対して、極秘にしたいからではないでしょうか。アメリカが、なにもかもすばらしいとは、いいませんが、そこは、民主主義と自由の国(その自由が、テロリストを国内にて飛行機の操縦のスクールに行かせたという、矛盾ありの)ですので、無実の人間をテロリストにしたてあげてるわけではないと思います。CNNには、サスペクトになった経緯が書かれてありました。 / プルー ( 2001-09-20 04:58 )

2001-09-19 [serious] 報復は当然?報復は処罰?(後半)

(前回の続き) 
アメリカが報復をすれば、タリバンの指導者が言っていたように、
アフガン側もアメリカに対して報復してくる。
テロリストたちも再びアメリカを攻撃するかも知れない。
そうすると新たな被害者がアメリカ側に出る。
それに対して、再び新たにアメリカが報復する。
そうするとアフガン側に新たな被害者が出て、それに対する報復が・・・。
攻撃を防ぐための「自衛」の措置が相手の兵士を傷つけたり、
殺してしまうこともあるだろう。
この報復合戦、国家間における報復の悪循環こそが「戦争」と呼ばれるものだ。

人殺しや国土の破壊が悪として認められるなら、
報復で他国の民や国土を破壊することも許されないはずだ。
それにこれまでの悲惨な戦争の歴史をみても
報復の論理(やられたらやり返す)が戦争の動因になっていることは否定できない。
あれだけ悲惨な近・現代の戦争をくぐり抜けて来ながら、
その歴史から学ばないのも愚かなことだ。国際秩序維持のため、
正義の回復のためだと言うなら、国際法廷で容疑者を裁き、
責任の所在をはっきりさせた上で、罪を確定し、処罰するのが筋だと思う。

すでに見たように、報復の論理が戦争を生むのであった。
現在,世界各地で繰り広げられている戦争・紛争もそうである。
他方、処罰は、法という第三者の審級に基づいている点で
被害者の恣意による報復とは区別される。
そして、なにより、処罰は報復合戦に介入し、報復の悪循環を断ち切る。
テレビで「報復は復讐のようなものではなく、処罰だ」と
言う評論家を見たが、報復と処罰は以上のような点で異なっていることに
注意するべきだろう。
もちろん、戦争は法と裁判に基づく処罰ですべて片づく、と
僕は言っているわけではない。現実の裁判では偏った判決、誤審、
法の不備により正義が実現されないこともある。
しかし、その場合、「だから、裁判なんかあてにならない。報復だ」と
考えるべきではなく、その都度の裁判や法の欠陥をただしていくことこそが
重要であろう。

処罰から復讐的性格を排除するために、死刑制度を撤廃することも重要だと思う。
ちなみにヨーロッパ諸国や国連の戦犯法廷では死刑は廃されており、
最高刑は終身刑にとどまる。(僕が死刑制度に反対なのは
他にも理由があるが、長くなるのでここでは書かない)

いずれにせよ、捜査にさらに力を入れ、容疑者を逮捕した上で裁判にかけ、
罪を確定し、罪に相当する処罰を与える。これが原則だと思う。
報復の論理にからめ取られ、またもや悲劇を繰り返すことから脱するための原則だ
と思う。ところがアメリカ政府ははっきりした証拠も提示せずに、
ラディン氏を犯人だと決めつけ、発表し、
報復を正当化する国際世論を形成しようとしている。
そして報復への準備を着々と進めている。
力の入れる場所が間違っている、と感じるのは僕だけだろうか。

先頭 表紙

報復・戦争を克服するための手として、法・裁判に基づく処罰というものを今回の日記で提案しているわけです。ただ、法についてはもう少し具体的なことを説明する必要があります。次回にそれをします。 / ディック(ハセキョン?) ( 2001-09-19 17:31 )
報復の論理が戦争を生むというのには、全く同意します。戦争以外に手の打ちようはないのかな? / 京子 ( 2001-09-19 13:46 )

2001-09-19 [serious] 報復は当然?報復は処罰?(前半)

どんな歴史的経緯があったにしろ、民間人を含めた大量虐殺は許されない。
大量でなければいいのか?否、一人でも殺人は正当化され得ないだろう。
被害者やその関係者、およびアメリカ人が怒り、悲しむのは当然だ。
「したがって」報復攻撃をするのも当然だろうか?

タリバン政権の指導者は、アメリカが報復攻撃をしてきたら、
それに対して報復するとインタビューで答えていた。
また、テロの犯人たちが、今回のアメリカの被害は
<自分たちが受けた被害に対する当然の報い>と
考えている可能性は十分あるだろう。

つまり、報復という考え方こそが悲劇の元になっているのである。
アメリカが中東の人々に深刻な被害を与えていたとしても、
テロや物理的暴力によらず、
証拠を集め、国際法廷でアメリカを訴えるという手段もある。
あるいは、アメリカ政府の横暴を認めるアメリカ人(少数派とはいえ、
確かに存在している)と手を組んで
市民レベルの運動や言論による国際世論への働きかけという手段もある。
したがって、≪深刻な被害を受けた→何らかの手を打たなければならない→
報復だ!≫という論理は成りたたない。

同じ事がアメリカがしようとしている報復についても言える。
あのような卑劣極まりない悲惨なテロに対して
なにも手を打たないわけにはもちろんいかない。
泣き寝入りするわけにはいかない。
何らかの手を早急に打たなければならない。
だが、何らかの手を打つ(対策を講じる)ということは
報復をするということでなければならないのだろうか。
このテロの犯人や責任者は当然処罰されなければならない。
だが、その処罰は報復という形でなされるべきなのだろうか。(つづく)

先頭 表紙


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