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海(うみ)。の「恋愛小説」

下手ですが、読むと心がほ・・・っと温かくなるような短編を書きたいと思います。
この日記はある日突然なくなるかもしれません。その時は小さな恋が終わった時かもしれません。

目次 表紙

2003-11-11 携帯
2003-10-20 朝。幸せな時間(とき)
2003-10-03 友情と愛情の間(はざま)
2003-10-02 思いを馳せる
2003-10-02 電話
2003-10-02 電話


2003-11-11 携帯

10月25日

久し振りに楽しい1日だった。
しばらくお互い忙しい日が続き、会えない時が続いただけに充実した日だったと思う。
特にいっぱいおしゃべりしたわけでもなく、はしゃいだりしたわけでもない。
海辺の美術館で遥か昔に描かれた絵画や彫刻をたっぷりと時間を掛けて見て周り、
現実から逃避するようにその時代や空間に浸る。
余韻に浸りながらふたりで海を眺めた。会話もない時間も苦痛にならない。
きっと疲れているのね。今、こうして心を洗おう。
入館した時は明るかった空も、美術館を出た時にはもうすっかり日は暮れていた。
休日だというのに人もまばら。私達ふたりだけと言ってもいいほど。

昨日からずっと一緒にいられてとても嬉しいけれど、でももういい加減帰らなきゃ。
私達はちょっと遅い夕食を済ませ、駅に向かった。ここで彼とももうお別れ。
まだまだ名残惜しいけれど、バイバイ またね。

本当はもっともっと一緒にいたいのに。もっともっと声を聞いていたいのに。


変えたばかりの携帯が腕に持ったバッグの中で鳴った。
携帯の小さな画面はそれがさっき別れたばかりの彼からだと教えてくれている。
慣れない手つきでぎこちなく通話ボタンを押す。

「もしもし、今何してるの?」
ついさっきまで聞いていたはずの声が小さな無機質な箱を通して優しく届く。

「今、電車待ってる。   そっちは?」

「何してると思う?」

「さぁ、何かしら・・・。」
なんとなく視線を移してみると、そこには携帯を持った彼がこちらを見ながら微笑んでくれている。いたずらな笑顔。直接耳に響く声と少し遠くに見える彼の姿。
さっき別れたばかりなのに、その声はもう既に懐かしくて、その姿は恋しい。
まるで私は中毒患者ね。あなたがいないと気が狂いそうよ。

彼は私が見えなくなるまで見送ってくれた。
次はいつ会えるのかしら。
せめて孤独死してしまう前に私を助けてね。

つっこみ 先頭 表紙

B.J.さまへ   男の人もそういうものなんですか?同じ思いでいてくれると嬉しいですけどね。 / 海(うみ)。 ( 2003-11-12 22:08 )
み〜さまへ   最近は携帯で写真が撮れるから写真日記みたいに保存できるからいいですよね。でも写真持ってないんですよ。 / 海(うみ)。 ( 2003-11-12 22:01 )
思い出してしまいました。あの頃のことを・・・彼女も、こんな風に考えていたのでしょうか。向こうのホームにいる彼女に電話をかける。声を聞けると嬉しくて、自然に笑顔がこぼれました。 / B.J. ( 2003-11-11 20:45 )
「まだいてくれた♪」 本当にうれしいね♪(o^v^o) 気配り大事です♪ 携帯に入っている画像も自分を励ましつなぎとめてくれる大切なもの♪ がんばって♪ / み〜 ( 2003-11-11 12:13 )

2003-10-20 朝。幸せな時間(とき)

9月14日

外では蝉が鳴いている。
窓からはまだ朝の冷気を含んだ空気が優しく部屋に入ってきて、
心地よく髪をなでてくれる。
私は特に用事があるわけでもなく、ただ本を読んでいる。
ソファにゆったりと腰掛け、優しく身体を受け止めてくれる柔らかなクッションに体重をまかせて、
蝉の声だけが遠く響く静かな時間。
私はこの時間が好き。
白いリネンのベッドでは彼がまだ安らかで無邪気な顔をして眠っている。
幸せな時間。

ねぇ、知ってる?
私、ずっとあなたのことが好きだったのよ。
ねぇ、知ってる?
昔、あなたが他の女の人と付合い始めた頃、私誰にも言えないままやきもち焼いてたのよ。
ねぇ、知ってる?
私、あなたの声が好き。いつも優しい言葉を掛けてくれたよね。
あなたの腕も好き。力強いしなやかな腕で包み込まれている時間(とき)がとっても幸せなの。
あなたの瞳も好き。優しいけれど、強い瞳。見詰められると吸いこまれそうになる。
ねぇ、知ってる?
本当はあなたの全部が好きなのよ。

私は本を読むのを止め、そっと彼の顔を覗きこむ。そこには大好きな人の気持ちよさそうに眠る顔がある。
本当に幸せな時間。
ずっとずっと、あなたといたい。

つっこみ 先頭 表紙

B.J.さまへ  はじめまして。自分と同じように相手も思ってくれたらこんな幸せはありませんよね。私の場合は一体いつになるんでしょう・・・。笑 / 海(うみ)。 ( 2003-10-27 23:16 )
心を揺さぶられます。素敵な小説ですね。きっと、「全てが好き」と思える相手と通い合えたとき、すでにあなたも同じように思われているのではないでしょうか? / B.J. ( 2003-10-25 16:18 )
そうですよね、私もそう思われたいです。全てが好きって・・・。 / 海(うみ)。 ( 2003-10-23 00:06 )
あ〜、私もこういう風に思われてみたい〜。純粋に好き、全てが好きと。 / み〜 ( 2003-10-21 05:58 )

2003-10-03 友情と愛情の間(はざま)

7月22日

男と女の間に、友情ってあるのでしょうか?
男の人が一緒にいて「安らぐ女性」というのは、一体どういう女性のことを言うのでしょうか?

つっこみ 先頭 表紙

B..J.さまへ  こちらこそつっこみを入れて頂いて有難うございます。B.J.さんは男性の方なんですね。男性の方の意見として大事に受け止めたいです。有難うございます。 / 海(うみ)。 ( 2003-11-11 00:29 )
私の日記へのつっこみありがとうございました。あ、ちなみに私、男です。よろしく(^o^)丿 / B.J. ( 2003-10-28 11:00 )
B.J.さまへ   改めて考えてみました。自分のことをわかってくれていて、自分にとって空気(酸素?)のような人でしょうか。B.J.さんって男性かしら、女性なのかしら? / 海(うみ)。 ( 2003-10-27 23:18 )
海(うみ)。さんが一緒にいて「安らぐ男性」というのは、一体どういう男性のことを言うのでしょうか?男女が求める「安らぐ異性」って、もしかしたらあまり差が無いかもしれませんね。 / B.J. ( 2003-10-25 16:09 )
ホント、わかりそうで難しい・・・、「永遠のテーマ」です。最近は一緒にいて疲れない、そして一緒にいると楽しくて自然なことのように思える人、なのかなぁ、と思ったりしています。 / 海(うみ)。 ( 2003-10-20 23:12 )
そばにいるだけで温かさが伝わってくる人かな〜。(体温じゃないよ)(o^v^o) / み〜 ( 2003-10-07 15:13 )

2003-10-02 思いを馳せる

9月13日

メニューを眺めながらどれにしようか考える。
サラダはシーザーかグリーンサラダ、パスタならペペロンチーノかタラバガニがいいな。
言葉に出したわけじゃないのに目の前の彼は私が食べたいと感じたものと同じ物を提案してきた。
ついでに大好きなブルスケッタも。
・・・・・私の心の声が聞こえるの?・・・・・
「これが食べたかったんだ」っと嬉しそうな顔。
・・・・・好みが似てるのね。・・・・・・・・

私「そう言えば火星見た?」
彼「見たよー! 6万年ぶりなんだよ。スゴイ事だよね!」
私「うん、スゴイよね〜!それにホンットに赤いよね! 赤いというよりオレンジかな。一目見たらどれが火星か、わかった。この次近づくのは6万年後かぁ・・・。」


楽しい食事の時間が終わり、何度か訪ねている彼の部屋に行った。
私達は結構まじめに話をする。政治の話や仕事の話、恋愛の話・・・。
話の途中、彼が突然何か思い出したように部屋の照明を落とし、窓を開けて空を仰いだ。
私は彼に導かれ窓に近づき、彼と同じ方向の空を仰いだ。
そこには煌煌と輝く火星があった。
私達は6万年に一度地球に近づくという途方もない時間に思いを馳せた。
圧倒されそうな、途方もない時間の流れの中で、たった今私達はこうして同じ時間を生きている。

つっこみ 先頭 表紙

2003-10-02 電話

9月30日

私は今、恋をしている。でも、彼と付合っているという実感はない。

この間から彼が妙によそよそしい。電話で話をしていてもなんかだ上の空。
着信を残していたら、以前ならすぐに電話を掛けてくれたのにこの間はかかってもこなかった。なんだか彼が遠くなっていくような気がしていた。

思いきって電話口で彼に言ってみる。
「嫌いにならないでね」
・・・・・・・しばらくの沈黙。
短いはずの、長い時間。


彼「・・・・・・・もしかして、よくないこと妄想してない?」

私「・・・・・・・だって、いつも私からかけてるし、この間も上の空だったし・・・。」

彼「本人に確かめた?  勝手に決め付けてるだけでしょ?」

私「・・・・・・・・。」

彼「電話をかける時っていうのは、相手がいつもいいコンディションとは限らないんだよ。
  海(うみ)。さんも周りにお父さんとかいたら話づらい時ってあるでしょ?
  僕はあの時仕事中だったし、周りが聞き耳立てて聞いてたんだよ。」

私「・・・・・・・・。」

彼「いまからおいで」




ようやくある実感が込み上げてきていた。私の気持ちを満たしてくれる「嬉しい実感」。
出迎えてくれたのは、彼の優しい笑顔だった。
「いらっしゃい。よく来たね。」

つっこみ 先頭 表紙

み〜さまへ   読んで戴いて有難うございます。ヘタな文章で恥ずかしいです。 / 海(うみ)。 ( 2003-10-02 22:35 )
いいかんじです(o^v^o)♪ / み〜@はじめまして ( 2003-10-02 17:07 )

2003-10-02 電話

9月30日

私は今、恋をしている。でも、彼と付合っているという実感はない。

この間から彼が妙によそよそしい。電話で話をしていてもなんかだ上の空。
着信を残していたら、以前ならすぐに電話を掛けてくれたのにこの間はかかってもこなかった。なんだか彼が遠くなっていくような気がしていた。

思いきって電話口で彼に言ってみる。
「嫌いにならないでね」
・・・・・・・しばらくの沈黙。
短いはずの、長い時間。


彼「・・・・・・・もしかして、よくないこと妄想してない?」

私「・・・・・・・だって、いつも私からかけてるし、この間も上の空だったし・・・。」

彼「本人に確かめた?  勝手に決め付けてるだけでしょ?」

私「・・・・・・・・。」

彼「電話をかける時っていうのは、相手がいつもいいコンディションとは限らないんだよ。
  海(うみ)。さんも周りにお父さんとかいたら話づらい時ってあるでしょ?
  僕はあの時仕事中だったし、周りが聞き耳立てて聞いてたんだよ。」

私「・・・・・・・・。」

彼「いまからおいで」




ようやくある実感が込み上げてきていた。私の気持ちを満たしてくれる「嬉しい実感」。
出迎えてくれたのは、彼の優しい笑顔だった。
「いらっしゃい。よく来たね。」

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