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YIN‐NER WORLD

【他言無用です。無断転載はご遠慮下さい】
現場に出て5年を過ぎましたが、まだまだ修行中。
相変わらず忙しいのか忙しくないのか良く判らない日々。

2010年夏の別荘

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2004-06-02 オイディプス
2004-05-31 6回も見てしまいました…
2004-05-21 ハマっています。
2004-05-17 そんなこともあり?
2004-05-12 あららら…(汗)
2004-05-12 引き受けるということ
2004-05-10 SUBJECT/OBJECT
2004-05-08 一日働くと
2004-05-06 田中一村展
2004-05-05 CASSHERN 追記


2004-06-02 オイディプス

6回目のCASSHERNをみたすぐ後に、マンサイの「オイディプス」をみる。
なんか似たようなテーマ(「父と息子」)のものを立て続けにみてしまった。
CASSHERNには3組の実際の「父と息子」のほかに、「上月博士と鉄也」「東博士とブライ」という象徴的な親子がでてきますね。
一番興味深いのは「東親子」に「老医師親子」が密かに対比されていることかな。

さて、オイディプスのほうの感想ですが…。
蜷川演出にしては、地味だったなぁ、と。
印象に残ったのはオイディプスとその母のイオカステ。親子とわかっていながらも、カーテンコールでマンサイと麻美れいがポーズをとると、この上もなく神聖なカップルと映ったところ。
あの気品…というか、神々しさは何なのでしょう。不思議。
いや、全て神への生贄というものは美しいものだと私は思っていますが。


またしても余談になりますが、オイディプス・コンプレックス…男児の場合、母親との交流に喜びを感じ、母親の愛情を独占したいと願い、そして父親を母親をめぐる競争者とみなし、母親と自分との間に父親が居合わせるのを疎ましく感じて嫉妬し、父親の不在や死を願うようになる。この『父親を殺し、母親を自分のものにしたい』という願望のことをいうのですが。
この作品からよくもまあそんな願望を分析して出すことができたなぁ…と思いましたよ改めて。
ソフォクレスの作品のなかでは既に父親ライオスは死んでしまった後ですし、オイディプス本人とはまったく直接の関係がないのですから。
…調べると、オイディプスコンプレックスの悲劇は「自己を知らず、事故の無意識に気がつかなかったことにある」(Bettelheim)とあり「オイディプス王の物語は自らの無意識を意識化し、自分自身を知ることがいかに重要なことか、しかしそれがいかに難しく、危険の伴うことなのかを示唆している」ともいえます。
(…ま、あんまり安易にサイコセラピイをオススメしないという点では私も同意見ですが)

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2004-05-31 6回も見てしまいました…

…まだあと1回くらいは行くかもしれません<CASSHERN
いや、別に知人が指輪を7回みたのに対抗しているわけではありません。

5回目くらいに初めてきがついたのですが、
アクボーンのクレイアニメと、サグレーの見ていた風景は「樹」というところで繋がっていたんですね(気づくの遅すぎ!)。
「樹」は生命そのものの象徴でもありますから、精神や魂の象徴である鳥が集まる風景は示唆に富んでいると思います。おそらくこれは戦場での最後の光の集まるシーンに通じているのでしょう。
樹…植物はこの映画では沢山つかわれていますね。
ミドリの研究していたのが植物だったということも、単なる設定ではなく、全体の構成に深く繋がっているのかもしれません。
温室の風景や、回想シーンの背景が緑地や公園なのも、将軍の息子の名前が幹雄なのも、ブライの城の部屋に芽生えがあるのも…全部イメージ上では繋がっているのかもしれません。

意外な発見としては、鉄也とルナを助ける老医師の持っていた写真。
これは別に映像を隠していたわけではなく、ちゃんとそのシーンで見ることができたということ!これは確か、キャシャーンの由来を話しているシーンで左下に注目するとわかります。顔がはっきり映っています。←目立たないように映っているあたりがニクイです。
隠していなかった…ということは、最初に見たときに気がついていた方もいたかもしれません。
そういう人はどんな風にこの映画を体験したのか、知りたいな、と思いました。

個人的には好きなところ満載です。
クーデターのシーンの内藤の上着の裏地の赤の使い方とかすごく好き。

戦場のシーンで兵士の顔立ちが区別つかないあたりも面白いです。
一瞬鉄也のようにみえる。…この監督は一人の人物に一つの役割…という風には割り振っていないのかもしません。複数の人間で一つの役割をしているように感じたり、役割り=人とは感じないところがあります。そういうところが物語的に面白いです。

最後のルナのセリフにブライキングボスの声が被さってくるあたりは何度見ても泣けます。

…余談ですが、鉄也の横顔をみていて「何かに似ているなぁ…」とずっと思っていたのですが、それで思い出したのは、ソクーロフ監督の「ストーン」という映画でした。
あそこに出ていた青年に雰囲気が似ているんだ、なんとなく。
よりによって地下鉄サリン事件の日に…どうしてもその日にしか時間がなくて、乃木坂の駅から六本木の映画館まで歩いていった思い出のある映画です。
死んだチェーホフの亡霊と青年の不思議な映画でした。
がらんとした六本木の駅の入り口の風景と相俟って印象に残っています。

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2004-05-21 ハマっています。

「CASSHERN」…4回も見ています。
私は同じ映像を何度も見るタチじゃないんですが。
この映画の映像はすごく好きです。

見るたびにいろいろなことを思います。
あの培養液に浸けるシーンは「洗礼」を連想するなぁ…とか。
「洗礼」も死と再生ですからね。

「CASSHERN」ってあの映画ではたまたま鉄也がそう名乗ったけれども、
あの一連の「出来事」そのものが「CASSHERN」という神?の現れだったんじゃないか…とか。

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>みーさん。良かった…というか、あの映画は私の好みにピッタリはまるものだったんですよね。ちょっと詰め込みすぎな感じを受ける人もいるかもしれませんが、全部理解できなくても分かるし、何度見てもいろいろ考えられるし、何よりも一生懸命つくってあって、ヘンな妥協がないところがすきです。賛否両論あるのは仕方ないと思います。万人に受けるようなものを目指したら、あんな作品にはならなかったでしょう。 / YIN ( 2004-05-31 23:53 )
ふ〜む、そんなによかったんですか。。。賛否両論ですね、あの作品は。興味わくなぁ。。 / みー@こんばんはぁ(^-^) ( 2004-05-21 01:32 )

2004-05-17 そんなこともあり?

非通知の電話に出ることなんて、本来はしない私だけれど。
どういうわけか、その電話にはでてしまった。
夜中も過ぎていたのに。

「もしもし?…こんな時間にごめんなさい」
…知らない男性の声。

きいてみると、2日前に恋人と別れて、さびしくて適当に電話をかけてみたという。
ずいぶん遠いところからの電話だった。
礼儀ただしい人だと思ったので、少しお話をした。

それにしても、適当に電話をかけてみた、その相手がカウンセラーとは。
私のほうも、たまたま出た電話がそんな電話とは(笑)。

元気になったんだろうか。
ちょっと面白い体験でした。

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>摩人さま。さて、当の本人さんはどうだったんでしょうね(汗)。あとから気味悪く思ったりしなかっただろうか…(苦笑)。だいたい相談室以外でカウンセラーということがバレると引かれることが多いし… / YIN ( 2004-05-19 23:33 )
偶然っておもしろいですよね。人生自体が偶然の連続なのかもしれませんね。 / 摩人 ( 2004-05-17 02:09 )

2004-05-12 あららら…(汗)

相談室の仕事の引継ぎで、後輩に何度かメールをしているんだけれども、
……反応がない。

いっぱいいっぱいだったし、
大丈夫なんだろうか…心配になってきた。

実は、治療者とクライエントって紙一重のことがあるんですよね。
病気に近いところにいるが故に、その障害が良く判る…といいますか(汗)。
だから、強い負荷がかかると、具合を悪くするひとって、結構多い。
どうかすると、本当に病人のほうに行ってしまうひとも………

修士論文を書いたり、課題が重なったり、重篤なケースを担当することになったりすると、調子を崩したり…最悪は、病気そのものが誘発されてしまうことがあります。
じつは私もちょこっと具合が悪くなります。
ウツっぽくなったり…といいますか、もともとが循環気質ですけれど。

私の場合は、どこかに防火シャッターか堤防みたいなものがあって、
破綻に至らないというシステムが出来てしまっているようですが。

それが無い人は本当に危ないなーと思います。



まあ、自分のように破綻に至らない(至れない?)ということが必ずしも良いこととは思いません(人生、何が幸いなのかわかりませんから)。

高校生のとき、「私は何があっても精神的に破綻はできないだろうな」と直観的に悟ったことがあります。つまり、常に正気のなかに生きていかざるを得ない、逃げはきかないし、ギリギリのところまでいけるかどうかもわからない(クリエイティブな人はある意味時にガケップチまで行くことができる人たちだと思います)。
それはそれで、なんともいえない寂しさ…というか哀しさのようなものがありました。芸術家に憧れていたから尚更のことでした。

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2004-05-12 引き受けるということ

4月に京都で某先生にお話を伺った折、
「大体において、臨床心理士は、精神科医とくらべると、クライエントを引き受ける力において、まだまだ足りない」
ということを聞いた。

最近、実習で診察の陪席させていただいているが、
「精神保健指定医」としての医師の仕事ぶりに、その言葉をしみじみと思い出している。
国家資格というものは重い。
来た患者さんは引き受けなければならない、という責任もあるのだろう。

臨床心理士は、自分の手に負えない部分を避けて通ることができるからな。
実際、力のない治療者は、問題の核心に触れることができない。
(それ以前に、クライエントさんに力を見抜かれて中断することが多いけれども)
後輩たちのケースをカンファレンスで聞いていると、怒りを覚えることさえある。
かといって、臨床心理士が医師の立場に同一化してもあんまり治療的ではないのだけれども。
でも、もっと私たちは責任を自覚しながら、ケースを引き受けるべきなのだろう。
ひとの人生にかかわる仕事は、いい加減には済ませられない。

「医療保護入院」に陪席してそう思った。

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2004-05-10 SUBJECT/OBJECT

2度目のCASSHERNを見に行く。
これで、ようやく映像の構成を含めて全体が見えたような。

人はついつい、原因を追究したがりますが、この映画は意味を見出すことを目指しつつ見たほうが建設的だろうなと思う。
なんでCASSHERNの雷が落ちてきたなんて考えるよりは、
この物語にどういう意味を見出すことができるか、のほうが大事なんじゃないか?
「なんで?」なんて因果論的に理由を考え出したら、とたんにつまらない詮索に終わってしまう。

大量の血を見た後、歩いていると献血の呼び込みにあう。
あの映像のせいか、不思議と触発される。
何年かぶりの献血。

献血ってのは奇妙だ。
自分のなかにあったものが、たちまちモノとして扱われていく。
成分や比重のチェックなんてのも機械化されて、見ていて不思議。
あの血液パックのチューブを切るなんて、ヘソの緒切っているみだいだ。

それにしても、若い人が多いなあ。
勝手知ったる…という様子で漫画本何冊も抱えていた女の子。
風邪がなおっていないで、白血球の量が倍ちかいので「今度」ということになった。
「輸血を受ける人は体が弱っていることが多いから、白血球が2倍もあるとちょっと…」という看護婦さんの説明を傍で耳にはさんでなるほど、と思う。

そんなに体調が悪いのに何故献血?

献血は一種の自傷行為だという考えもある。
自分が受け入れられる手段として献血を選ぶ、というのもアリのような気がする。
いずれにせよ、不自然に健全なものと病的なニュアンスが入り混じった不思議な空間でした。

ハーゲンダッツのアイスクリーム美味しかった(笑)

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>あめんほてっぷさま。はじめまして。ツッコミありがとうございます。私はいつも車で献血していたので、献血ルームの雰囲気にはびっくりしました。献血車だともっとクールなんですけれど。4ヵ月後に行く気になるかどうか…う〜ん、でも生身のコミュニケーションを求めるんだったら、私は献血ルームよりは美容院とかでしょうか… / YIN ( 2004-05-19 23:30 )
一人暮らしを長らく続けていますと、献血ルームへ行く、というのが職場以外でのまとまった生身のコミュニケーションの時間であったという時期がありました。久しぶりに行ってみようかなと思いますが、ルームに行くのには電車で行かないといかんのだよね〜せめて自転車で行ける距離でないと(^-^;)。 / あめんほてっぷ@はじめまして&キャシャーン観ました ( 2004-05-13 23:02 )

2004-05-08 一日働くと

午後9時から翌午前1時までは意識がありません。
現場では気が張っているのでしょうか?
そんなに疲れている気はしないのだけれど。

帰りに無性にゼリービーンズが食べたくなって、●ニプラで買って
電車のなかで食べていました。でもアソートよりもサワーミックスがいい…(汗)
ストレス溜まると、ジャンクフードに走り、
リカバリモードでは、オーガニックに走るという、極めて判りやすい食性。

写真は買うことにしたスピネルのルースのセット。
ブレスレットにする予定。
スピネルはピンクがきれいだとか、赤はルビーより良いといいますが、
私はスチールカラーのものが好きです。


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直径3.5ミリだから、この写真よりは相当小さいですね。 / YIN ( 2004-05-08 02:34 )

2004-05-06 田中一村展

思い立ってみてきました。
本当は美術館まで行きたいところですが、なにせ奄美は遠い。


…で、見てきた結果。
奄美まで行きたくなりました(爆)。

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>のびんばさま。とっても気に入って、クリアファイル4つも買ってきてしまいました。南国の草花をみていると、ちょっと気分がほっとします。それにしても、形のとりかたや色あいなどがとてもすてきです。画集も買おうとおもたのですが、妹が既に購入していました(笑)。先を越された… / YIN ( 2004-05-08 02:36 )
今 検索してネット上で作品を拝見いたしました。 めちゃステキ〜美しい。 ワタクシも行きたくなっちゃいました。 / のびんば ( 2004-05-07 22:41 )

2004-05-05 CASSHERN 追記

シンプルだけど、複雑で重い。
人は生きている、というだけで、人はこれだけのことに出会うのだな、と思いました。

父と息子の物語。
母から娘への流れ。
暗示された兄弟葛藤。近親相姦。
集団化することによる退行。
死を忘れることによる傲慢。

生きる、ということは、それ自体で重いということを忘れてはならないのですね。
↑日常すっかり忘れていますが(自戒)

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