北朝鮮の情報で、ドイツ人医師が病院を撮影した、映像を見た。
酷くすさんだ病院の中で、死んだ子供に瓶の点滴をしているシーンが流れる。
あれらは現実だというのに、酷く遠くの世界で起きている事の様だ。
情報の速度で世界地図を作ったら彼らと私たちの居る所はどれくらいの距離になるのだろうかと考える。
瓶で出来た点滴とそれを刺される死んだ子供。
何故死体にそんな事をしたのだろう?
そうゆう医療行為をする事で、北朝鮮の医師達の心の空間が満たされるからだろうか?
それとも偶然ドイツ人医師が偶然来院したので、埋め合わせるようにそうゆう事をした
のだろうか。
それが不思議で仕方なかった。
その反面、その番組の中で、広尾のER(緊急救急治療病院)の取材が入った。
人工心臓マッサージを続けられても呼吸が喘息発作のまま止まってしまった為空気が肺に
入っていかない少女がそこで、心臓停止を告げられていた。
設備の整っていない病院の中でハエにたかられながら死んでいく死体と、最新鋭の設備の整った病院の中で人工心臓マッサージに動かない心臓を無理矢理マッサージされる少女と死という意味に於いてはどちらに重きがあるという事は無いのだろうと思うけれど。
どちらが幸せだろうとは言えないけれど。
しばらくして、それらの映像のニュースの後にいつものバラエティ番組が始まった。
私はあの映像が窓から見える、曇った空が繋がったその下で起きている事なのか、実感が伴わなかった。まるで、サイコ映画を見た後の様なそんな気持になった。 |