2002-11-16 目が離せない。
2002-11-10 夜空のムコウに。
2002-11-10 宿命のライバル。
2002-11-08 人肌恋し。
2002-11-03 忍び込むピッザ、その３。
2002-11-03 忍び込むピッザ、その２。
2002-11-03 忍び込むピッザ、その１。
2002-10-27 飛行機から飛び降りる。
2002-10-24 花を愛でる心。
2002-10-20 甘いな。

久しぶりに和食をお昼にしようと、寿司屋に入った。天ぷらセットを頼んだ。・・・残念ながら、「ハズレ」だった。でも、枝豆は、美味しかった。お茶は薄かった。でも、まぁ、よくある事なので、少しだけガッカリしながら薄いお茶（お湯）をすすり、会計をまっていた。横のテーブルにいた男性が、“ちょっと、砂糖もらうよ” っといって爽やかにわたしのテーブルから砂糖を持っていった。なんに使うんだろ、まさかね、っと思っていたら、砂糖の粉末は、なんのためらいもなく、彼の熱々の日本茶の中に溶け込んでいった。

しばらく、目が釘付けのまま、唖然としてしまったけど、よく考えたら、紅茶やコーヒーに砂糖を入れるように、彼にとったら、緑茶もやや苦いから、砂糖でまろやかにしよう、と、いうだけのことなんだろう。マーケットでも紅茶の横に緑茶のティーバッグが並べられるほど、こちらの食生活には根づいている。抹茶アイスクリーム（抹茶もちアイスクリームが一番すき）だって、あの苦みと甘みが見事に調和している。案外、いけるのかもしれないな・・・なんて思いながら眺めていた。

以前、友達が遊びに来たので夕ご飯を作ってご馳走したりしていた。その時、ほかほかの白い炊き立てのご飯をよそって出したら、これって、醤油があうんでしょう？ と、ためらいもなく醤油を掛けようとしていた。この発想はお寿司に醤油をつけて食べるところからきているらしい。なるほどね、って、思う。確かに、お餅にして焼いて、海苔を巻いて醤油をつけて食べると、めっちゃくちゃ美味しいのに、ご飯に醤油は駄目、っていうの理に適ってない。日本人はお米には特別の思い入れがあるからね、っと、説明したら、へ〜っと、かなり驚いていたっけ。


・・・おっと、しゃどう猫が飛び乗ってきました。いつものように、わたしの右腕に体重を掛けてのしかかっています。背中をぐしぐしすると、肉球つきの手を開いたり閉じたりしながら喜んでいます。しっぽは、ぱたぱた、とふりながら、左手にからめて。ごろごろごろごろ。ん〜、今日も、やっぱり、格別に可愛い。



４６ 　　おもちゃはどんなものがお気に入りですか？

猫のおもちゃ？ 昔は、ねずみのおもちゃとか、紙屑とか、熊やいのししの縫ぐるみがお気に入りでくわえてどこにでも持ち歩いていたんだけど、最近は、しゃどうと直接遊ぶのが一番嬉しいみたいです。あっ、爪砥ぎ棒は、今でも愛用しています。


しゃどう @ 写真は、whitesands national park から。

先頭 表紙

先日、夜中に考え事をしていたら、眠れなくなってしまった。だからといって、なにもしたくないし、ボーっとしているのも、なんだかいやになってきて。外に出てみたら、月は出てなくて、晴れ渡った夜空の上に綺麗な星空が一面に広がっていた。もっと、よく見たくなったので、そのまましゃどう車に乗っかって、近くのサボテン公園（国立公園）まで、なんとなく走っていった。

たまに、もやもやする、というか、なんだか息詰まるように感じる事もある。人間関係だったり、仕事関係だったり、勉強関係だったり。考えれば、考え込むほど、暗い方に考え込んでしまう。人生には煮詰まる時期も必要だ、立ち止まる事、回り道する事を恐れちゃいけない。って、友達は言ってくれた。なんでもかんでも、することなすこと、うまく行かない事もある。それは、数日間だけかもしれないし、数週間か数ヶ月間かかるかもしれない。もっと長くかかる事もあるかもしれない。有頂天になったり、転がり落ちたり、しながら、なにかに気がついていくのだろう。

きっと、こういう時も必要なんだよね、って、頭ではわかっていても、憂うつなのは、いやなこと。お気に入りの優しい音楽を掛けながら、なんとなく車を走らせ、街をはずれていくうちに、少しずつ暗くなって、そしてやがては、家の明かりも街の明かりもなんにも見えなくなってしまう。キャニオンに入ると、ヘッドライトにうつるのは大きなサボテンと、うつろに続く、道だけ。

適当なところに車を寄せ、ライトを消し、エンジンを止める。窓を開けて、空を見上げたら、数え切れないほどの星が、これでもか、って、くらいに存在を主張しながら光っていた。なんの音もしない。首がいたくなるくらい頭を傾けて、くいいるように空を眺めると、真っ暗な隙間から、次々と小さな星が新しく見え始める。ひんやりと体が凍えだすまで、しばらくそうしていた。

綺麗だった。街の明かりで、近くにある巨大なサボテンも、くっきり見えた。風の音だけ聞こえた。その夜、泣きたくなるくらい夜空が綺麗だったことに、気がついた人が、世界にどのくらいいるんだろうか。

また、車を走らせて、街に戻る。遠くから見える街の明かりは、まだらで、それでも柔らかに、優しく、包み込むように光っていた。わたしの住む場所、戻るべきところは、あたりまえの顔でそこにあり、少しくらい逃げ出していても、知らん顔で迎え入れてくれる。大学の傍の通りまで戻る。いつもの景色に戻る。凍えるほど寒いと感じたのに、角の温度計は６４Ｆを表示していた。もしかしたら、また、いつものように、勝手に思い込んで、勝手にひねくれ曲がって、いただけなのかもしれない。人が優しいから、あなたが優しいから、いつも、甘え過ぎてしまう。そして不安になってしまう、のかもしれないね。

そう考えていたら、眠気が襲ってきた。家に着いてそのままベッドにもぐりこんで、泥のように眠ったら、気持ちよかった。


そんな日があっても、いいよね。




４５ 　　砂の飛び散り対策はしてますか？

箱の周りに新聞紙を引いています。新しい箱を買ってきて、傍に放り出しておいたら、砂を入れる前に、さっそく用を足されてしまった。気に入ってくれたようですが・・・。



しゃどう。

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車を敷地内に停めようと近づくと、お隣りの猫、アラモちゃん、いつもどこからか駈け寄ってくる。嬉しそうに走ってきて、しゃどうにスリスリ、しゃどう車にもスリスリ、するのだ。可愛いのだけど、動いている車には懐かないでね、と、すこし心配だ。お隣りさんの猫だと分かってからは、あんまり自宅にはいれないようにしているのだけど、ドアの前で待ち受けていて、すごい勢いで中に走り込んでくる。どうやら意地になっているようだ。

買物から帰ってくると、いつものようにしゃどう猫が、物音を聞きつけてドア越しに、大声で鳴いているのが聞こえてくる。ドアを開けると、しゃどう猫は外に飛び出そうとする、アラモちゃんは中に飛び込もうとする。スクリーンドア越しでは、猫達がにらみ合い。ジャー、バシン、と、ドアをバシバシと猫パンチしながら喧嘩しているのだ。もう、なにがなんだか、わからない。この２匹は、もう、仲良くなることはないのだろう。


最近は、ひまじん日記を書こうとすると、かならず右腕にのしかかってくるしゃどう猫。撫でろ、と、強要、しているのか、書かせろ、と、せがんでいるのか。



４４ 　　トイレ砂のおすすめは？

基本は、固まるお砂、よね。


しゃどう＠写真は、夏のアラスカ。冬のありぞなと同じくらいの気温です。アラスカの人々は、７０Ｆを超えると、暑い！と、不平を言いはじめるのよ。と、レストランの隣りの席で食事をしていた女の人が言っていた。


しゃどうの夕食は、鶏もつ鍋。鶏のもつは、ぐつぐつと、時間を掛けて煮ると、柔らかくてこくと歯ごたえがでてきます。出し汁も最高。しゃどうは、ターキーと、鶏の猫まんま。お腹の調子は、戻ったようです。

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衣更えをしていたのだけど、途中で飽きてしまった。ハロウィーンの頃から、スイッチを押したかのように、朝夜の冷え込みが激しくなってきた。昼間も、７０−８０Ｆくらいまでしか気温は上がらず、半袖では薄ら寒くなってきました。ワシントン州（北の方）からの訪れた人達にとっては、気持ちのいい夏の晴天の日、らしいけど。

ちょうど、芝生に転がって、本でも読みながら居眠りしたいくらいの陽気、です。

しゃどう猫も、人肌が恋しくなってきたようだ。今夜も、電源を切ろうとモニターの前に座った瞬間、にゃにゃにゃぁ、と、鳴きながら膝の上に飛び込んできた。

撫でてやると、得意げに擦り寄ってきて、ごろごろ、腕に寄りかかって肉球と爪をくにくにっと、押し付けて甘える。

耳を傾けて、半目を開けて、ひげをぴくぴくさせながら、撫で撫でを催促しています。

・・・なにかを書こうと思ったんだけど、猫が乗っかった腕が重くてタイピングがはかどりません。しかも、撫でるのを止めると不満そう。キーボードに指を伸ばそうとして動いていたら、だんだん猫が不機嫌になってきました。

そんなところが、すっごく可愛い。

だから、もう、寝る事にします。

おやすみなさい。



４３ 　　トイレはどんな形のものを使ってますか？

長方形で、吹き抜けのやつです。最近、スーパージャンボサイズに変えたら、気に入ってくれたようで綺麗につかっています。



しゃどう。



しゃどうの晩飯は、鶏の腿肉と、手羽先。バターで焼きました。しゃどう猫は、肉の一部と、関節と、骨を少しかじりました。節食をはじめたら、急にしゃどうの食べ物に興味を持ちはじめたようです。くいつく姿はまるでドロボウ猫。そんなところも可愛い。

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つづき。


悪戯電話にしちゃ、なんでわたしの名前をしっているんだろう？

なんて思いながら、「しらねぇよ」と、少々不機嫌に答えたら、彼は名を名乗った。

サマープログラム（ＲＥＵ）でラボを訪れていたやんちゃな男の子だった。なんでも、夏の思い出話をしていたらしい。なら、金曜日の夜１１時にラボに電話して、実際に誰かが中で働いているか、賭けてやろうって話になり、わざわざ、カンサスから電話をしてきたらしい。あまりにわかりやすいので、思わず、笑い転げてしまった。



ありぞなの夏と、アップテンポでヒーットアップした日常生活。

過ぎ去ると、懐かしく思い出されるのか。

夏にやられ、今以上にヒートアップしていた自分達を思い、くすくす、と、笑ってみた。ありぞなは、まだまだ、熱い。わたしも、まだまだ若くて青い。



今週初め、キャンパス内で朝早く、試験中に教授が３人もshotされるという、tragic なeventがあった。gunmanは、ひどく冷静に、教室内の学生を全員追い出してから、自分自身に引き金を引いたという。

週の半ばには、「これから図書館にいる奴を片っ端から全員 shootしてやる」という狂言の通告があり、夕方から半日以上、図書館が閉鎖された。


そんな中でも、淡々と続いていく日常生活。

だからこそ、大事にしていきたいとあらためて思う。


そして、わたしのからだは、一週間近く続いた、アメリカンファーストフードに侵食され、悲鳴をあげかけている。自炊と、健康管理の大事さに、あらためて気付かされる。


頼むよ、セイロガン。



４２ どこにおいてありますか？

セイロガン？ じゃなくて、猫のトイレね。部屋の片隅です。当然。隅っこ。


しゃどう。

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つづき。

三日目、ハロウィーン。素敵なお友達が、ハロウィーンの可愛い動画を送ってきてくれた。朝、真っ先に開いてびっくり。しゃどうの部屋に入ってくる人に、みてみて〜っと、文字を訳しながら公開したら、おおうけでした。お昼は、研究所全体でやるポットロックパーティー。ロビーに美味しそうな食べ物が大量に並んでいたので、先を争って食べた。

夜には、またしてもお客様が、ピッザとケンタッキーフライドチキンの箱を抱えてくれた。建物内に空いている部屋がなかったので、スタジアムの傍の芝生に座り込んで、ミニピクニック。暑くもなく、寒くもなく、ほんと、気持ちのいい季節になりました。パトロール中のお巡りさんが、何事かと、一応覗きに来たのですが、爽やかに、「ピザ、食べる？」と聞いたら、そのままにっこり笑って、去っていってしまいました。


４日目、忙しさも佳境に入る。外に食べに行く暇がない（しゃどうだけ）ので、冷蔵庫の中の食べ残しピッザとチキンを暖めて食べる。夕方、またお腹がすきはじめると、素敵なお客様、アイスクリーム、買ってきてあげるよっ、と、大きなカップに山盛りのチョコレートアイスクリームを買ってきてくれた。美味しいのだけど、なんとも量が多い。食べ終わる頃にはすっかり体中が冷えてしまった。

ラボに初暖房をいれたら、みんな、暑がってしゃどうの部屋からでていってしまった。

しかも、そのアイスクリームが、その日の夕食、となる。


夜に、ひとりで残りの実験にいそしんでいたら、電話が鳴る。またトマトか、うるさいな、と、ちょっと怒りながら受話器を取ると、耳慣れない声で、


「・・・しゃどう？ 俺が誰だかわかる？」。



つづく。



４１ トイレはいくつおいてありますか？

やや大き目のがひとつ。でも、最近、うっかりはみ出して箱のそとに落とすようになってきたので、更に大きいのを購入してみました。さてさて、使いごこちは？


しゃどう。

先頭 表紙

じわじわと、からだに忍び込むピッザ。


ラボに急なお客様が現われた。大事なお客様だから、しっかり相手をするように、っと、トマトからお達しを受けて、文字どおり朝から晩まで相手をしたり、実験をしたりするはめに。自分の本来の仕事や授業の課題なども、そのまま免除になるわけでもなく、まったく、困ったもんだと、最初はむくれていたのですが。

訪れた彼らは爽やかでユーモアたっぷりの素敵な方々でした。


一日目、お昼はお気に入りのイタリアンレストランへ。３チーズのパスタをご馳走してもらいました。ひとりの時は、いつもこっそり訪れている馴染みの店だったので、お友達（？）をたくさん連れてきてくれたと大喜びで、ひとり分の食事を無料にしてくれた。

夕方、ちょっとお腹がすいたな、と、階段を降りてきたら、大きなピッザの箱を満面の笑顔で抱えてラボからでてきた。なんて素敵な人達なんだろう、と、感激する。


二日目、お昼はお気に入りのベトナム料理店へ。香ばしいビーフのボン、をご馳走してもらいました。タピオカ入りのチョコレートミルクティーを食後に。夕食は、忙しさのあまり、食べ損ねる。夜中近くに、前日の食べのこしのパスタを暖めてたべる。

ハロウィーン前夜だったので、白衣を着用。髪の毛をすっぽり包み込むクリーンルーム用の真っ白い帽子を被り、手術ようの顔をすっぽり覆うマスクを顔に。透明な防護眼鏡で顔の上部を覆い、装置のメインテナンスをしていた。他のフロアにものを取りに行くのに、いちいちつけはずしするのが面倒くさい、と、そのままの格好ででていってみた。

夜だったから、幸い、誰にも会わなかった。


部屋にもどるとき、小さな図書館の中で、まだ勉強している大学生がいた。

コツコツと歩く気配に気がついて、彼は顔をあげた。

目が合ったので、わざと無表情のまま、通り過ぎてみた。

彼は、一瞬、びくっとし、なにかいいたげに、他に驚きを共有する相手がいないか、きょろきょろしていた。本気で驚いていたみたいだった。


面白かった。

ちょっと、いぢわるな、わたし。



つづく。




４０ ご飯全般で気をつけていることは何ですか？

食べさせ過ぎないようにしています。猫のことあんまりいえないけどね。


しゃどう。

先頭 表紙

雨交じりの冷たい風に吹き付けられながら、開け放たれた小さな飛行機の扉から、下を眺めていた。ごごーっ、ばたばた、という轟音。遥か下に道路が見えた。家も車も玩具みたいに小さかった。気がついた時には、もう空の上にいた。怖がる暇なんてなかった。

まず、ひたすら落ちていくのを感じていた。重力を感じるというよりは、無重力だった。雨粒が、顔に当たって、風がゴーグルを叩き付けるように。少しずつ、近くなっていく地上を眺めながら、ふっと力を抜いて両手を広げてみた。気持ちよかった。自分も風のひとつになったみたい。なんていう開放感。

そして、インストラクターがパラシュートを広げた。浮力が、どどっと、ひとしきり体にかかったあと、するするっと、また空の上に向かって引き戻されていった。


音のない、静かな、静かな世界。


ふわふわ、ふわふわ、と空中を漂っている。すこしずつ、すこしずつ、地面の位置は近くなっていくのだけど、玩具の箱庭みたいになった街並みと、点みたいな車が動くのをボーっと眺めながら、頭を空っぽにしてみた。体の重さを感じない。頭はびっくりするくらいすっきりしていて、気分はこれまでに経験したことがないほど爽快で。まるで、自分の体がなくなってしまって、ただ、目と、思考だけが、空中の上をふわふわと、漂っているみたいだ。

高揚感を、ひしひしと味わっていたら、インストラクターのお兄さんがサービスで、ゆーっくりと、ぐるぐる旋回しながら、時間を掛けて降りてくれた。

“気分はどう？”

“これまでにないくらい、最高の気分よ。” って、空の上で叫びながら。


そして、しばらく飛んだ後、くしゃり、と、しなやかに地面に到着した。

芝生の上にひっくり返って、今、降りてきた空を眺めた。


薄く曇った空の隙間から、太陽光が差し込んできていた。目を細めながら、きらきらと雲に反射していく光の行き先を追っていた。まだまだ、見果てぬ世界があるのだな、と、思ったら、ますます嬉しくなってきた。



３９ 　　何を食べてお腹を壊したりしますか？

たいていは食べ過ぎが原因なんだよ。だから、今、しゃどう猫は、節食中なの。


しゃどう。

先頭 表紙

ある美しい日曜日の午後、しゃどうは大きな garden のお店に行ってきました。うちの中を少し華やかにしよう、と、散歩がてら、草木の匂いを感じ、鉢植えの中に収まった何千もある花々のなかから、気に入ったものを探すのを楽しんでいたのです。

ハイビスカスの鉢の前で、足が止まった。豪快で真っ赤な花弁が大きく開き、柔らかい匂いにうっとりと、しながら、どの鉢を連れてかえろうか、じーっと眺めていた。


ふと、後ろに気配を感じた。


聞きなれた音に、顔を上げると、なんだか退屈そうなトマトが、笑っていた。

“こんなところで、なにをやっているんだ”

それは、しゃどうが先に言おうと思っていた台詞だった。

ひととき、仕事を忘れ、自然に身をおき、リラックスを楽しんでいたのに。

なぜに、貴方はそこにいるの？ あぁ、奥様の付き添いね。しかも飽きちゃったのね。そうね、見るからに花を観賞して喜ぶようなタイプじゃないし。退屈しのぎに、いいものを見つけた！ とばかりに、嬉しそうに世間話もそこそこに、しゃどうと仕事の話をはじめた。

しばらくして、奥様があらわれ、買う予定の花を見せに、トマトを連れていこうとした。

しぶしぶ、ついていくことになったトマト。仕事ぉ、仕事ぉ。と、呟いている。

日曜日の美しい午後と、お花よりも、仕事を愛しているようだ。



突然、トマト、しゃどうが家に連れて帰ろうと思っていたハイビスカスの花を見て呟く。

“こういう大きな花、摘んで中の蜜を吸うと旨いんだぞ。”

本当だってばっ！ ほら、ほら、と、真剣にしゃどうの目を見ながら、花を摘もうとする。しかも食べようとしている。わたしの花になにをするのよっ、静かにみてなさいよ、もう、あっちいってよ。っと、怒るしゃどう。やっとのことで追い払う。

結局、悩んだ末、まだつぼみの沢山ついているハイビスカスと、シクラメンの鉢植えを買うことにした。家に帰って、しゃどう猫を牽制しながら、うっとりと観賞する・・・

はずだった・・・のに。


数日経って、次々と、新しいつぼみが花を開いていく。そして、ついつい、思ってしまうのだ。沸き上がる想いを振り払うことができないのだ。

“甘いのかな、美味しいのかな”・・・って。

しゃどうが幼い頃、住んでいたマンションの近くには、沢山の椿が植えてあった。春になると桃色の花を沢山、咲かす。近所の悪がき達と、誰も見ていない隙を狙っては、花を摘んで、蜜を吸っていた。都会の椿は、少しひんやりとしていて、柔らかくて甘い。

・・・純粋に花を愛でる心。・・・食べれるかな？ ・・・わたしの心は、もう純粋ではないの？ わたしの心に影を残した。あなたは、とっても罪な人。

と、しゃどうは呟いている。



３８ 　　虫などを捕って食べてしまうことはありますか？

食っちゃわるいのか？


しゃどう猫。

先頭 表紙

猫ようブランケットを、

買ってもらった。

とりあえず、寝心地を、

試してやることにした。



３７ こっそり猫さんの

お気に入りのおやつは？


秘密を喋ったら、

秘密じゃなくなっちゃうからな。

教えてやんない。


しゃどう猫。


＃＃しゃどう猫の夕食は、カリカリのみっ！ （節食中） しゃどうは、お呼ばれして、蕩けるように美味しい手作りの蒸しサーモンと、ドイチュのワインをいただいてきました。オードブルにかりかりに焼けたブレッドと、ダックのペーストとキャビアまで。うむー！！！

先頭 表紙