【Buongiorno,notte】★★★
Marco Bellochio監督、Maya Sansa主演。
1978年、イタリアで起きた、テロ組織『赤い旅団』によるアルド・モーロ誘拐事件。その始まりから終わりまでを、組織の一員である若い女性の目から綴った作品。
大変な映画を観てしまった、という一言に尽きた。
自由か死か。
思想か生活か。
公か私か。
極限の選択を迫られることなく、個人の幸福を追求して生きていられるって、幸せというか、幸せに鈍感になるというか。
大義のために生きるというのはしんどい人生だろうなあ。
テロリストにせよ、政治家にせよ。
冒頭、真っ暗な室内に少しずつ光りが入り、Mayaの貌が照らし出されていくシーンで、一気に引き込まれた。
Maya Sansaの瞳がとにかく雄弁で素晴らしい。
【Blueberry】★☆☆
Jan Kounen監督、Vincent Cassel主演。
アメコミ原作のウエスタン映画。
Jan Kounenとは、どうにも合わないらしい。
少しも面白いと思えないのだったら諦めもつくが、それなりに面白いのに、一番盛り上がるはずのシーンで醒めてしまうのが辛い。
主人公の義兄(?)Runi役のTemuera Morrisonが格好いい。
そういう、キャラクターの格好良さを楽しむ映画なのかも。
【Violence des echanges en milieu tenpere】★★☆
Jean-marc Moutout監督、Jeremie Renier主演。
何というか…、夢も希望もないリアルな映画。
パリが舞台、という設定から連想されるであろうものとは、おそらく無縁なのではないかと。
『Lost In Translation』でも喪失感、諦観のようなものが描かれていたが、ソフィアの場合、小道具立てにファンタジーがあった。
一切のファンタジーを排除されてしまうと、観ていて心が疲弊する。
と言いつつ、とても好きな映画。
フランス映画らしいと言えば、そうかもしれない。
『イゴールの約束』のJeremie君がこんなに立派になって……と、ちょっとしんみりしたりもした。
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