2002-07-01 わたし、きれい？
2002-06-30 旅の香りを探しに、その３。
2002-06-30 旅の香りを探しに、その２。
2002-06-30 旅の香りを探しに、その１。
2002-06-28 甘くて愛しいもの。
2002-06-26 ちょっとくらい、ずれても。
2002-06-25 ほのかに甘い。
2002-06-19 適応力。
2002-06-14 蹴っちゃうぞ。
2002-06-14 噛んじゃうぞ。

Are you chinese? わたしが、こちらに来てから、初対面の人によく聞かれる質問。

しかも、この質問をするのは、大抵はチャイニーズ。それがきっかけになって世間話が始まることが多い。彼らは、概してフレンドリーだ。半数くらいのひとは、“違うよ”というと、“あっ、そう。”と引き下がるのですが、半数くらいのひとは、“ＮＯ！” と、食い下がる。もしくは、“あぁ、お父さんかお母さんのどちらかが、チャイニーズなのね。”と、勝手に納得していたり（違う。）。次に多いのは、ベトナミーズ。これはきっと、ベトナム料理ばかり、お昼に食べているからだと思う。


クリーンルームの入り口の小部屋で、防塵服を着ている時、見るからに恐ろしげで巨大なお兄さんに、

"Are you chinese or japanese?"

と、聞かれたことがある。"japanese"と、恐る恐る答えると、瞬時に笑顔に代わり、japaneseは好きだ。と、だけ言って、去っていった。

数ヶ月後、またしてもクリーンルームで作業中、同じ人がやってきて、また怖い顔で同じ質問をした。名前はなんだ、ここでなにしているんだ、お前のアドバイザーは誰だ、なんの実験をしているんだ、いつ終るんだ、と、詰問を始めた。

なんか、悪いことしたんかな・・・と、思いつつ、すぐに忘れてしまったのだけど、


また先週、今度は違う実験室で、どこかで見たことあるけど思い出せない人が、親しげに声をかけてきた。あの恐ろしいお兄さんだった。眉間に皺を寄せて、不機嫌そうに喋る、でも、よく喋る、あっ、そっか、この人、怖がらせようとしてたんじゃなくて、仲良くなろうとしてくれていたのね、と、その時初めて、理解した。（ちなみに、こうやって怖がらせる彼は、ロシア人）


あまりに巨大なので、びびっていた、しゃどう。

しゃどう猫のこと、あんまりからかえませんな。


ボタンを押して測定するだけの簡単な実験だったので、ぴーちくぱーちく、と。アラスカの話をしていた。２０年前にならっていた日本語も、使ってみたかったらしい。あれこれと単語を並べてくれた。

“ところで、しゃどう、“diffusion”って日本語でなんて言うの？”

“・・・え、「かくさん」だよ（変なこと聞くのね）”

“なに、それ、どういう意味？”

“広がって散らばってって意味だけど、なんでそんな事聞くの？”

“違うっ！” と、青筋立てて怒るお兄さん。

聞きたかったのは、“beauty”、だったらしい・・・。

ちなみに私は、日本語の言葉の由来や理由を、説明するのが好きだ。これは日本語生活を離れてから思ったこと。せっかく覚えるのなら、綺麗な言葉を使って欲しい。だから、英語だって同じように、なるべく耳触りのいい言葉を選んで使うようにしている。「お疲れ様」と、「ご苦労様」の違い（これは上級者向け）。たくさんある一人称や二人称の使い分け方。

で、今回、聞かれたのが、「美しい」と「綺麗」の、違い。特に女性に対して使う場合。
"Oh, she is gorgeous!"のニュアンスで伝えたい。さて、どうする？

実は、よい答えが思い付かない。

あなただったら、どう答えますか？

しゃどう＠写真はテキサス、オースティンの民家の前で。


＃＃夕食は、玉ねぎたっぷりのほのかに甘い親子丼と、オーガニックトマト。しゃどう猫は、また外出中です。

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つづき。

大抵の人は、年をとるにつれて、いろいろな理由をつけながら、楽に、スマートに、生きていくことを選んでいく。優雅に、賢く、親切に、すこしだけ自分を演出しながら。その道を敢えて選ばなかったトマトは、真正面からぶつかっていた。時には格好悪く、アンバランスに見えるけど、彼のしたためてきた業績、名声、奥の深さ、将来性の大きさ、才能。時にはずる賢く、でも大胆に。どこまでいったら満足するんだろう？ きっと、ずーっと、ハングリーなのかな？ だから、目を離せない魅力がある。


生きていく上で（私にとっては、研究者として、にもなるけど）、本当に嬉しいことって、なんだろうか？ と、ときどき思う。愛する人達、愛する猫達、美しい音楽、美味しいチーズケーキ、大地の薫り、綺麗な夕日、もちろん、しかり。愛、夢、お金、名声、尊敬、信頼、自信、もちろん、しかり。

だけどね、自分の中から生み出されるもの、育っていくもの、時間をかけて育てていく、自分の中の核の様なもの、それが見えたり、たまに形になって外に現れてくるとき、まだまだ、そんな事は少ないんだけど、なんだかね、心の底から躍動感、というか、充足感、というのが、湧き出てくるんだと思う。それがなんであれ。


またね、ちょっとだけ "hard time"、が、やってきそうな予感。でも、


" We will see."


しゃどう。



写真は、ヨセミテ公園を照らす夕日。東側（ネバダ側）から抜けようと走っていたら、月が昇り、日が静かに沈みはじめた。全てを真っ赤に染める日の光と、反射する岩の神々しさに、時が過ぎるのを忘れた。


＃＃しゃどうの夕食は、秋刀魚の蒲焼き缶詰と枝豆、白いご飯と、りんごとレタスのサラダ。デザートはもちろん、チーズケーキ。しゃどう猫も、ちょっとだけ、ですが、大喜びで食べていました。

先頭 表紙

つづき。

不景気になると、真っ先に削減されるのが、大学への研究費。煽りを受けて、トマトグループも、不景気の波が、また押し寄せてきた。セロリグループだって、裕福じゃない。セロリのサバティカの為に予算削減、していて、他の学生は、みんなサポート切られてしまった。足りない分は、セロリ自身に支払われるお金の中から捻出して、しゃどうに払っているくらいなのだから。


基本的で、あたりまえすぎる事なんだけど、お金がないと、困る。わたしだって、３年間働いてきたので、多少の貯えはあるのだけど、やっぱり、無収入は、致命傷。さらに授業料なんて払うことになったら、あっという間になくなってしまう。“しゃどうの分は大丈夫だ”と、ボスは保証してくれているんだけど、万が一、なんて、やっぱり考えてしう。お金と一緒に、プレッシャーもたっぷり、支払われているんだよね。

でも、お金が少ない、というのは、ただお金が少ない。ということだ。っていうと、“お前は本当にお金に困ったことがないんだろう！”って、いつも言われちゃうんだけど、確かに、本当に困ったことはない。わたしの場合は、ただ、＋αの分が少ないだけだ。生活を脅かすような経済難には、陥ったことはまだ、ない。


やっぱり、一番ショックを受けているのは、トマトだろう。学生を雇えない、必要な装置が買えない、維持費だってばかにならない。出張の予定は前からあったものの、ふらっと居なくなって、ほとんど音信が途絶えてしまった。帰る予定の日になっても、帰ってこない。メイルのメッセージにも携帯電話のメッセージにも、ほとんど答えず、たまに、好きにしていいよ、と、いう返事がくるだけ。

東の果てにいるはずのトマト。単に忙しいだけなのかもしれないけど。


こんな事をいうと、まだまだ蒼っちいと思われるかもしれない。なんだかんだいっても、生活は保証されているからだ、と、言われるだろう。

けど、お金は単に、お金だ。大丈夫だ。お金が少ないけど、私たちの体は健康で、存分に働ける。私も少しは経験を積んだので、他の学生を指導したり、手助けしたり、ボスの仕事のサポートもできる。お金を使う代わりに、頭と体を使うことを優先したらいい。人が羨むような事を、どんどんしでかして、いろんな物を産みだそうよ。時にはめちゃめちゃな人だと思う事はあるけど、特別に才能溢れた人だと信じている。今は、時期が悪いだけ。今に、使い切れなくて困るくらいの研究費が、すぐにやってくる、はず。

逆境は、人を強くする。不安や愚痴や不平や不満、心の許せる人になら、いくらだけこぼしてもいいと思う。いやになったら、逃げ出す、のもいい。だから、戻ってくる時には、いつものように偉そうにしていて欲しい。

"it's the life, the important thing is how to fight with..."


と、よく言われた。いつも、めちゃめちゃに頑張って働いているのは知っている。朝早くから来て、夜中の１〜２時になっても、オフィスの電気が消えていないときもある。（消し忘れているときもある。） 真剣に生きている人は、感情の起伏も激しい。喜怒哀楽の表現はそのまま、八つ当たりもするし、威張るの好きだし。

つづく。

写真は、ヨセミテ公園の木。

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朝（昼）ご飯の仕度をしていたら、激しい破壊音。機嫌良く騒いでいたしゃどう猫が、うっかりして、しゃどう猫皿を蹴っ飛ばしてしまった。運悪く、カウンターの上から落としたもんだから、豪快に皿は飛んだ。ドライフードは飛び散った。しゃどう猫は、怒られると思ったのか、びっくりして逃げていきました。

ブツブツいいながら片づけ、寝室を覗くと、首を伸ばしてこちらを伺うしゃどう猫と目が合った。声を掛けると、大喜びで走って甘えにきた。ちゃんと分かっていて、機嫌をとっていたようです。もちろん、見事に成功。


仕方がないので、買物に出かけた時に、紫色の花が一輪描かれた、フルーツ皿を。新しいしゃどう猫の食器に。知ってか知らずか、今日は一段と甘ったれなしゃどう猫。今も、キーボードの横に設置してあるマウスパッドに寄りかかって、手が動くのを眺めています。キーボードの上に乗るのは諦めたようです。でも、おかげでマウスが操作できません。


そろそろ、旅にでたくなってきた。どこでもいい。でも、気分は北寄りに。

モンタナの氷河公園、アイダホでのんびり、ワイオミングの黄石公園、アラスカの広大な自然と湖。アラスカは広大だ。一軒ごとの敷地のスペースの広大さ、雪と湖に閉ざされた大地故、あちこちに飛行場があり、多くの人が自家用飛行機を持っている。人々は、空を飛んで移動するのだ。海からは鮭やマス、が、川を駆け上り、毎日新鮮な魚を釣ってきては、近所の人々と分け合って食べる。毎日、誰かしらは釣に行くので、毎日、新鮮な魚が食べられるのだ、という。

と、いう話を、仕事中に、延々と語り続けていたお兄さん、あなたは罪な人。


というのも、随分前にトマトに降りることになっていた予算、伸びに伸びていたのだけど、もしかしたら、降りなくなるかもしれない。しゃどうに支払われるはずのアカウントが、空っぽなのだ。幸い、セロリが引き続きサポートしてくれているから、基本額は振り込まれているのだけど、いつももらえるはずの、夏の、補修分、（これが、結構な額になるんだけど）が、据え置かれている。

なんか少ないな、と、思って秘書姉さんに聞きに行ったら、そういうことだった。しかも、トマトは出張先で音信不通に。


つづく。

写真は、久々にヨセミテ国立公園。帰り道に、迷い込んだ道の先には、裸の木達が、優雅に寄り添っていた。

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ラボの同僚が、しゃどう用にチーズケーキを買ってきてくれた。ケーキといっても、一切れ、二切れ、と、切り分けてあるあの小さなケーキじゃない。ちゃんと箱に入った円柱形のレアチーズケーキ。表面は純白でなめらか、だけどチーズとクリームが混ざって、ぽすぽすっとした粗さが粉雪のよう。真ん中は、クリームっぽい甘〜いチーズ、下は薄めのスポンジ。ナイフでそっと好きな分だけ取り分けて、三層を、口へ、そっと。

クリームの甘さ、柔らかさ、チーズのほのかな香りと舌触り。冷たくて心もとない柔らかなレアチーズが、舌の上でスポンジと混ざって確固な甘さと優しさを残してくれる。喉を通りぬけると、糖分の一部は脳へと昇っていき、少し疲れた頭をシャキッと起こしてくれる。


幸せってなんだろうって聞かれたら、今なら、はっきり答えられる。


“美味しいチーズケーキ”


レアチーズケーキ。わたしの体を駆け抜けて、目には輝きを、表情には活力を。

あぁ、レアチーズケーキ。



えっ？ みんなで食べるとなおさら美味しいって？

ふふふ、しゃどうのお仕事場、実は殿方ばかりなの。

"we are happy if you are happy..."

って甘い言葉を掛けてくれるんだけに、甘いもの、苦手な人が多いの。

買ってくれた本人は、更に大きなレアチーズケーキを、自宅にキープしてあるって。

と、いうことは、


レアチーズケーキは、ぜ〜んぶ、わたしのもの。

わたし、だけのもの。

冷蔵庫の中にはね、

うふふ。


しゃどう＠砂漠もチーズケーキのように滑らかだ。


＃＃しゃどうの夕食は、ビーフ餃子と、チキン餃子（冷凍）とレタスとトマトのサラダ。ご飯には、コリアン岩海苔を載せて。しゃどう猫は、肉汁入りビーフ猫まんま。

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時差ぼけ。というよりは、体内時計がずれちゃった感じ。夏休みだから、好きな時に起きて、好きな時に働いて、、、なんてやっていたら、ついに日本時間までずれ込んじゃいました。日の登っているうちに帰れるようになった、なんていうと健康そうだけど、忙しかった時に、昼過ぎに学校に行って、そのまま実験していて、まとめていたら、次の日の昼近くになっちゃったのです。（ちなみに、この時は気が付かなかった。）これは、ちょっと、やり過ぎやね、っと思ったので、今週からは、徐々に朝型に代えていこうと思っている。

未だに、朝は調子が悪い（低血圧）、夜は眠くならない。困ったもんだ。

去年から、調子が悪くて困っているポンプとシステム。（名前はジョニー、だったはず）どうしても動かないので、リファービッシュ版のポンプを代わりに送ってもらって交換したのが昨年の11月。（cost $5,000） それでも動かないので、付属の圧縮機を交換してもらったのが今年の３月。（cost $3,000） そしたら、もうひとつの小さなポンプが壊れて、修理不能に（４月）。それでも働かないのでテクニシャンを呼んで直してもらったのですが（$200/hour）、彼がいなくなった後、また働かなくなった。モジュールを交換しても、やっぱりちゃんと働かない。

さすがのボストマトも、怒った。ポンプの会社に連絡し、カンカンに怒ったようだ。そして、しゃどうの連絡先を彼らに残して、なにも言わずに、旅立ってしまった（出張）。

ちょうどその日、実験が上手くいった自分へのご褒美に、半日休暇をとって、家でごろごろしたり、マッサージに通ったり、と、ご機嫌で過ごしていた。夕方頃に、ラボに行ったら、しゃどう宛てに、何度も電話があったよ、と、聞かされた。メイルも丁寧で長いのが入っていた。会社の人が、焦って何度も連絡していたらしい。

東海岸なので、時差は３時間。しかも彼らは朝が早い。メイルの時間を見ると、朝の４時とかにもう仕事を始めている（向こうは７時）。早起きしないと、連絡がとれなさそうなので、これを機会に朝早く起きることにしたのでした。


つづく。


しゃどう＠夜更かしグセを直すために、もう寝ます。続きは、また今度ね。写真は、ホワイトサンドパークです。小高い砂の丘を駆け上がったところ。素早く動かないと、砂に埋もれてしまいます。

＃＃しゃどうの夕食は、カニシューマイ（冷凍）と、野菜サラダ（トマトとレタス）。しゃどう猫は、ミックス猫まんま。猫用カップにミルクをついで置いてあるのに、いつもしゃどうのコップから飲もうとします。略奪愛？

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オーガニックミルクを買ってきた。映画を見ながら惚けーっと夕食をとっていたら、しゃどう猫が、さっそく味見しにきた。取り分けてやったら、真剣に飲んでいた。確かにほのかに甘くて、こくがあって、いつものミルクより美味しい。

先週、ひとつ、実験がうまくいった。もうちょいで完璧、の一歩手前くらい。新しく試した実験も、あっさりうまくいった。これもちょっとびっくり。だけど、嬉しい。体がふわふわと、浮いているような感じ。いえ〜い。

今年の夏は、投稿論文を二件、仕上げるのが目標。ひとつは、natureの子雑誌（つい最近創刊された）狙い。できれば表紙のを飾りたい、と思っている。だから、絶対に手を抜きたくない。研究テーマだけなら、何本も抱えているんだけど、実際にまとめて論文にするとなると、かなりの仕事量。注目されている新しい分野だけに、うっかり間違った事を発表してしまったら、 とてつもなく恥ずかしいだろう。だから、慎重に慎重に。

ボス達にも、この研究テーマで続々と、学会に招待講演を依頼されている。ボスが二人もいるので、この夏だけでも、5件の学会トークに名前を登録しています。んー、ますますホットに夏になりそう。でも、やっと、上昇気流に乗れたみたい。久々に嬉し。

この調子でいけば、来年の夏には卒業できそう。“ドクターしゃどう”・・・って、なんか弱そうだ。ひらがなとカタカナのコンビって、あんまりいかさないよね。ってのは、どうでもいいんだけど、そろそろ、その後の仕事、のことを真面目に考えなきゃいけないなっと、思っている。大学に残るのか（教授職を目指す気は全くないから、いるとしても数年よね）、企業か政府の研究所か。でも、政府っていったら、ほとんどミリタリー系か。同じ研究分野に留まるのか、それとも新しく移っていくのか。でも、選択肢を増やすためにも、いろいろな意味で、視野を広げて、勉強していないといけないのかな、っと思う。きっと、その頃になったら自然に答えは出ていると思うけど。

一年後は、どうなっているのかな？

しゃどう＠写真はニューメキシコのホワイトサンドナショナルパーク。この屋根付きの休憩所は、バーベキューセットつきなのです。もちろん、材料は自前でね。

＃＃しゃどうの昼食は、インド料理のバッフェ。夕食は、手作りのジャパニーズカレーライス（解凍）。しゃどう猫は、鶏の猫まんま肉汁入りを。

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片づけの話を日記に書いた翌日（もちろん、散らかっていたから書いたのです）、ラボに赴いたら、部屋は綺麗に片付き、道具箱も綺麗に揃い、ボトルの類も、頼む前から、綺麗に洗ってあった。ドアを開けた途端、いかにして綺麗にしたか、詳細な報告を受けました。前日、メッセージボードに「掃除しろ」とだけ書いて、帰ったのですが・・・。もしかして、ひまじん日記を読んでいるの？ でも、日記の存在を知ったとしても、自力で翻訳できるようになるまでは、十年くらい掛かると思うんだけど・・・。まぁ、いいや。

トマトボスも、北欧から帰ってきた。気温差は、２０〜３０℃あったみたい。暑い暑い、と、文句ばかり言っています。時差ぼけもなく、スッキリした顔をしているみたい、きっと、よい時を過ごしていたのでしょう、あぁ、羨ましい。

ありぞなは、どんどん暑くなる。モンスーンが近づいて、湿度も上がり傾向だ。昼間は４０〜４５℃。昨日、出かける前にボーっとしていたら、またしゃどう猫が飛び出して行った。いつもは、１５分くらいで根をあげて帰ってくるのだけど、待っている時間がなかったので、出したままにして出かけました。それでも気になるので、１９時過ぎに、様子見に家に帰って夕食をとることにした。恨めし気に睨んでいるしゃどう猫、歓声をあげながら、家に飛び込んでくる。しゃどう猫用水カップに直行。飲んで飲んで飲んで、がぶ飲み、小さなコップいっぱい、あっという間に飲み干してしまいました。

トマトは、連れ立ってランチを食べに行くのが大好き。しかも、１０〜１５分離れたお気に入りのレストランまで、“歩いて”向かうのが好き。冬場の、暖かい時期なら、のんびりお喋りしながら、ナイスなウォーキング、になるのですが、夏場は、ただ、暑いだけ。それでも、頑固に歩いて向かいます。お昼の一番熱い時間。これが、暑い、っていう暑さじゃなくて、本当に熱い、のだ。火傷しそう。

一年前、初めてトマトとランチに出かけた時、この炎天下の中を、熱い、熱い、っと、文句を言いながら歩く彼を見て、“この人、ちょっとおかしいんじゃないだろうか・・・”と、本気で思っていたけど、慣れって凄い。あんなに辛くてしかたなかったのに、白いキャップをかぶり、髪の毛を全部隠し（黒いから熱を吸収しやすい）、サングラスでガードすれば、あんまり気にならなくなった。ただ、熱い、だけだ。これも、トマト流トレーニングの一貫だったんだろうか？ 文句をいいながら歩くのも、また楽し。

自宅に戻り、部屋を眺めたら、あまりに凄まじい散らかりよう。仕事とプライベートは別物、って言えば格好いいけど、これはあまりにひどいでしょう、っと、自分でもいやになったので、新しいファイルフォルダーを作って、整理を始めました。原因は、無分別な、論文君。読もう、読もう、っと、思いつつ、机の上に置く。読み終わる前に、他の文献を探したくなる、印刷した物を机の上に置く、置ききれない、床に移動。また増える、増える、散らかる、散らかる、張り切りやのしゃどう猫も、加勢。

あぁ、広〜い、書斎が欲しい。

更に、散らかるだけかな？


しゃどう＠写真は、火山島、ハワイは涼しかった。


＃＃今日の夕食は、みそ汁とクスクスと枝豆とチョコレートアイスクリーム。青バナナ、なぜか固くて皮がむけず。何故だろう？ しゃどう猫は、海鮮猫まんま、を。

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つづき。

でも、日常に、作業していると、なんとなくおろそかになってしまうものなのです。

いっつも、ボスが、うるさく言い聞かせているので、普通の時は、たいていみんな、綺麗にしています。でも、夜が遅くなった時とか、疲れている時、とか、ついつい、適当にしてしまったり、する。「だって、夜が遅くて、疲れてて、いっつも一所懸命やっているんだから、わかってようぉ」なんて、言い分けしていたりする。気持ちはわかるのだけど、そういう時こそ、かえって気を遣って欲しいのだ。

たいていは、誰かが気がついて、代わりに始末している。でも、誰も気が付かなければ、そんな小さなミスでも、誰かの研究をめちゃくちゃにしていることだってありうる。高価な装置を壊してしまうこともありうる。極端な話、ちょっとしたミスで、建物のフロア一つ、吹き飛ばしてしまうことだってありうる。そういう時にも言い分けするのか？ 疲れてて、面倒くさかったから？

たいがいの日は、わたしが最後に帰るので、戸締まりする時に、一通りチェックしている。嫁の落ち度を探して歩く姑のようだけれど、自分のリサーチを守るためだから、仕方がない。たいていは、片づけてあげてるけど、あんまりひどい時は、メモを残したり、翌日に説教したり、している。

あれや、これや、と、歯切れ悪く、でも達者に言い分けをする年若い学生達（年を取ってもする人は多いのだけど）、あんたね、そうやって、自分はしらない、とか、俺じゃない、とか、疲れていたから、とか、そういう言い逃ればかりをしているようじゃ、いい大人にはなれないのよ。だれも尊敬してくれないのよ。だれだって間違えはある。悪い時には、ビシッと認める、自分の行動の責任は、きちっととる、ぐずぐず言っていないで、シャキッとしなさいよ。まったく。

叱る時は、頭ごなしじゃなくて、ちゃんと理由をつけて話している。相手も反省したような、分かったような様子だ。けど、直るのは少しの間だけで、また、しばらくすると、すっかり、元どおりに戻っちゃうんだよね・・・。はぁ。地道に追いかけっこしてるしか、ないのかな。ちょっとむなしい時もある。

きっと、一度、失敗してみないと本当にはわからないんだろうな、そういうのって。


しゃどう＠はぁ・・・（溜め息）


＃＃しゃどうの昼ご飯は、ベトナム料理のバンと、チョコレートミルクティー。夜ご飯は、チーズ卵焼きと、枝豆と、トマトのマリネ。少し軽めにしてみました。

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そろそろトマトボスが帰ってくるのだけど、そろそろ恋しくなってきた。というのも、ボスがいない間、残っている学生の面倒をみる役が、自然とまわってくるからだ。

別に、頼られるのが嫌なわけではない。面倒なのは、お小言役。機械を使った後、とか、部屋を使った後、後片付けをしろ、とか、掃除をしろ、とか、メインテナンスをちゃんとしろ、とか、本当にもう、基本中の基本なんだけど、なかなか身につかない。言う方も情けないのだ。

自分しか使わない部屋や、オフィスを散らかしまくっているぶんには、なんの文句もない。わたしの部屋なんて、泥棒が入っても分からないくらい、散らかっている時の方が多い。

気にしているのは、実験室。とくに共同につかっているところ。しゃどうのラボは、光系のデバイスを扱っている。スケールは、ナノスケール（ナノは、１ｍの1億分の１サイズ）、小さな埃が、表面にそっと、乗っかっているだけで、そのデバイスは、contaminated!!! 使い物になりません。完成品は、水と酸素に弱い。大気中の湿度にも反応するくらい繊細。だから、こういう研究は、カラリとした砂漠気候の地域で発展しています。

保護をしていない、裸のデバイス。ありぞなでデモをした時には、屋外で、朝から夕方近くまで、なんとか持ち応えてくれたのに、封をしてカリフォルニアに持ちより、海辺のホテルで蓋を開けたときには、数秒のうちに、みるみるうちに湿気を吸って、色が変って壊れてしまった。・・・これは正直、驚いたけど。

・・・というわけで、本当に複雑な作業をする時は、クリーンルーム（綺麗な部屋、そのまんまやね）か、真空装置の中に入れて行います。しかも、薬品は、発癌性物質。でも、溶液を作ったり、準備をしたりってのは、実験室でやらなければいけない。となると、どれだけ気をつけなきゃいけないか、想像がつきますよね？

つづく。

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