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さくらもちの「無用日記」

実用じゃない楽しみが、いくつも

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2004-05-21 細道男伊達
2004-05-12 しばらくぶりに
2004-04-28 びっくりシャリアピン
2004-04-13 BSで便利にミュージカル
2004-04-04 犬神家の一族
2004-03-26 Wish upon a suspected star
2004-03-21 レオナルド・ダ・ヴィンチの番組
2004-03-12 ノイシュバンシュタイン城とモナリザ
2004-03-06 見ました「ホシに願いを」
2004-03-02 アチラの授賞式


2004-05-21 細道男伊達

 四月から始まった「吾郎の細道」なんですが、私は関東なので水曜日の深夜、楽しみに見ているわけです。最初のうちはなかなか色っぽい会話もあったりして、家族が寝静まった暗闇で、ひとり見ているのがとても後ろめたい気分になったりもしたのですが、ここのところ違う面白さに展開してきていて、ワタクシ的にはやっぱりお芝居をしている吾郎さんが一番と主張しながらも、心が弱く傾いてしまうのでした。この水曜日に放送された分では、トマトが育っていたりするお家へ行って、掃除機を使ったり料理をしたりするという状況で、なぜかこまこまと生活の知恵を述べる語り口のおかしさと、のれんに腕おしの奥様の組み合わせがおかしくて、その上おひげのある吾郎さんの姿が、なんかすごくゴージャスで場にまったくそぐわない、と、テンポと違和感の相乗効果でたまらない面白さでございました。

「忘文」もそうですけど、最近の吾郎さんの番組は、一人で一般の人を相手にするシチュエーション。「忘文」の、手紙の相手に話し掛ける折り目正しい姿も好もしいし、「吾郎の細道」でソフトで意地悪な風情もとてもいい。この人のお芝居のどこが好きって、とくに舞台だと明らかなんですが、芝居の相手にも、劇場の空気にも不定型のように沿っていける、反応の速さと柔軟さなんですが、番組でいろいろな人と話す姿を見ていると、根は共通した資質なのかなと思うのでした。

 しかし美男のひげっていうのは不思議な効果があるもので、玉ねぎ刻むんでうつむく姿がなんともいえない艶めく風情。立ち姿のラインもいつのまにか変化してきましたよね。この立ち姿、舞台で穴のあくほど眺めたいんですが。

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台所でのシャツ姿の広い背中が際立っていた回でしたね。あの後ろ姿をまた舞台で拝みたいものです。 / えりちん ( 2004-05-28 15:23 )
特に最後の1行、100回繰り返したくなるほど禿同です。 / サイトー ( 2004-05-23 09:27 )
先週、今週とどーいうわけか『地元シリーズ』でして、テレビ見ながら「うわーここは!」「きゃーあそこは!」と叫んでおります。思わず深夜に「タウンページ」めくったりして。 / かねちゃん@湘南の住人 ( 2004-05-21 21:51 )

2004-05-12 しばらくぶりに

 NHKハイビジョンで海老蔵襲名の特集番組をやっていたのだが、いきなり「暫」の舞台中継がはじまった。そのつもりでなく見ていた(いわゆる襲名ドキュメント、だけかと思ってた)ので得した気分。テレビで見ても目出度さ満載でこういう舞台ってなかなか出会える機会がないから、劇場にいらした方がうらやましい。鎌倉権五郎は少年なんだよ、と解説されてもピンとこないもんだったけれど(だってあの姿だ)、今の新海老蔵だと納得がいく。あと時蔵がとてもよくて、最近見るのがいつも楽しみな女形さんなのだった。
 遠ざかっていた歌舞伎座に、最近またちょこちょこ行くようになったけれど、なんというか二十年ぶりに見ます、なのである。役者の二十年たった姿をなにごともなかったように見られるっていう歌舞伎の凄さをあらためて感じるのであった。で、二十年たたないとできなかった芸っていうのがあるんだなあ、というのも感じるのであった。六十近くなってかもし出されてくる芸っていうのは、若い役者の花よりも「見逃しちゃいけない」とわけもなく気持ちが焦る五月なのだった。

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平日でも難しいですか?うーん…どうしたもんか。 / かねちゃん ( 2004-05-21 21:52 )
イベント参加したいなー・・ / さくらもち@6月はさらに激戦だとか ( 2004-05-21 14:30 )
十八番の演目がずらりと並び、さすが歌舞伎界一大イベントだとワクワクします。団十郎さんは心配ながら、歌舞伎界全体で支えてくださってる感が染みます。 / まゆみ ( 2004-05-14 00:00 )
歌舞伎観劇1年生、御年80歳になりなんとする方が「やっと芸事のなんたるかがわかってまいりました」っておっしゃるのを聞いてなんつー世界なんだ!と身震い。海老様には微力ながら客席から熱い声援を送って後押しできればいいなと思っております・・・その前にチケット取りがえらいことになりそうな気もしますが@松竹座(^^;) / よこ! ( 2004-05-13 23:06 )
初日があいた後でせめてもでしたけど、長い長い襲名興行ははじまったばかりですもんね。ホントに驚きました。 / さくらもち ( 2004-05-13 20:52 )
心躍る襲名月が一転、なんだか心騒ぐことになってしまいまして…関係者各位、なによりご本人と海老蔵くんにいっぱい掛け声をかけたい気分なのでした。 / かねちゃん@未ログイン ( 2004-05-12 22:27 )

2004-04-28 びっくりシャリアピン

 昨日の午後NHKBSでやっていた映画「ドン・キホーテ」1933年製の仏映画で、主演はフョードル・シャリアピンだった。シャリアピンの名前は知ってたけど、シャリアピン・ステーキの名前のもとで、ロシアのバス・バリトンの歌手とて、丸々と福々しい巨漢タイプだとばっかり思っていたのに、画面のシャリアピンは、ドン・キホーテにふさわしい、鶴のような長身痩躯の姿で、ほんとにあのシャリアピンなのか、たしかに歌も歌っているけど・・と半信半疑になってしまった。しかも芝居が凄くうまいし。どことなく歌舞伎役者のような味わいで、名優の風格なのである。

 で、調べてみたところ、ホントにそのシャリアピンだった。彼の演技力の素晴らしさはつとに知られたものだったそうで、彼自身も演技についてはなみなみならぬ自負と情熱を持っていたらしい。ロシア・オペラはもちろんだけど、他にはグノー、ボーイト両方の作品のメフィストフェレスが当たり役だったそうで、写真を見るだけでも舞台やキャラクターのイメージがどんどん伝わってくるカッコよさである。思いがけず、こんな素敵なお方の存在を知ることができて幸せな気分であった。珍しい映画をやってくれてありがとうである。往年の名歌手ってステキだったのね。

 往年ってほど昔ではないけど、舞台はもう退いていて、一度聞いてみたかったなーと思っているのはニコライ・ゲッダ。この人を知った動機は非常に不純でして、吾郎さんが明智小五郎をやったテレビ朝日のドラマ「陰獣」のとき、テレビ誌にのった佐藤嗣麻子監督の「音楽はホフマン物語」という一言にのって、オペラの全曲版を買ったのだった。で、ちょこっと以前のなんでお安いし、指揮もクリュイタンスだしで選んだ、そのCDのタイトル・ロールを歌っていたのがニコライ・ゲッダで、スタイリッシュな正統派で、でもちょっと小粋な歌声にとても惹かれたのである。↑関連で「ファウスト」も当たり役だったみたい。世代が違うので、シャリアピンのメフィストフェレスとの共演はもちろんないですが。

 吾郎さんでホフマンみたいな役っていうのは見てみたいかもですね。美形メフィストフェレスなんてのも捨てがたいけれど。

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先日モイラ・シアラーの「ホフマン物語」@BSを観たのに、すっかり「陰獣」のことを忘れておりましたわ(汗)。ホフマンも狂言回し的ですね。そして嗣麻子さんの「八つ墓村」にも期待です。 / えりちん@おひさしぶりです ( 2004-05-28 15:19 )
「ひっぷほっぷ」とかに広がられるとちょっと困るんですけど、わりと守備範囲の方向を保ってくださってるんで嬉しいですわ。というか年々クラシカル度(いろんな面で)が高くなってて嬉。 / さくらもち ( 2004-05-13 20:54 )
不純な動機(!)でいろいろ視野や趣味が広がるのは楽しいですよね。いろいろ新しい発見もあるし。 / サイトー ( 2004-04-30 21:27 )

2004-04-13 BSで便利にミュージカル

 家の高校生、学年はじめの音楽の時間で、先生が見たことある人〜という挙手アンケート(?)をとったという。「ウェストサイド物語」「マイ・フェア・レディ」「ジーザス・クライスト・スーパースター」と、「ボレロ」ちょっとネタが古いんじゃないかと思うのだが、案の定ほとんど手があがらず、一人で三度も手をあげた彼女だけが悪目立ちしたらしい。ジーザス・・は最近WOWOWで舞台版の中継が、ウェストサイド・・はNHKのBSで放送されて、たまたまどっちも録画して、皆で見たのだった。「ボレロ」は、レーザーディスクで見ました、レーザーディスクどうしてくれよう、家にまともなDVDプレーヤーがないのは、LDのトラウマをひきずっているせいである。ついでにベータのビデオもある。ボレロといえば、パトリック・デュポンが東京バレエ団と共演したのと、ショナ・ミルクが五反田ゆうぽうとで踊ったのをベータで持っているのだ。超貴重。あのころはNHKもほいほいとバレエ中継をやってくれて便利な時代だったなあ。

「ウェスト・サイド物語」はいつ見てもトニーのリチャード・ベイマーが間抜けで、改めてソンドハイムの歌詞がいい。あとダンスがですね、細かいポイントまで「こう」なんだろうなと、やっぱり振付の細かいニュアンスを伝えていくのって難しいらしくて、「FOSSE」も、見る人が見ると、フォッシー存命中と全然違う、踊り方が!ということになるそうだ。ジェローム・ロビンスっていうとなぜかショパンで作った作品を一番見ているかも・・。オトナなダンサーが踊ると本当に素敵なのだ。

「マイ・フェア・レディ」は吹き替えオードリーっていうのがひっかかるし、そのせいか音楽ワクワク感がなんだか欠ける。ジェレミー・ブレット様の若き姿が見られるのが面白いんですが、こういうテレっとしたタイプの二枚目がああいうホームズ役者になっていくかと感慨深いものがあります。

 ミュージカルとか音楽の映画ってノリの悪い監督さんが作るととてもイカンなものができてしまうのだった。「ホシに願いを」の吉川ディレクターはなぜかそのへんのノリが凄くよかったのが驚きだったのですが、普通のドラマやらせておくのがもったいないです。

 

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と、とおいっ!つながりだけど、そうかあ〜〜 そいでもって稲垣吾郎とウエストサイド物語の世界って衣装的には一番遠いけど、今回見直してシェイクスピアの移し変え的にも上手な作品だなーと思ったのでそこんとこは近づいてほしいかも / さくらもち ( 2004-04-17 18:14 )
「ウエストサイド物語」歌は決して上手いとは思わないけど、音楽は大好きなんです。時折サントラ聞いたりしてます。WSSを見てジャニーさんは芸能へ進出した訳で、その結果役者稲垣吾郎がいるという(かなり無理な)繋がりも感じますし。 / まゆみ ( 2004-04-14 23:42 )

2004-04-04 犬神家の一族

 稲垣吾郎の金田一耕助と聞いて、横溝作品をはじめて読んだ。淡々とした品のいい文体で、なにか明白な雰囲気に、今まで映画や周辺から抱いていたイメージと大分違うなと軽く驚く。昨日やっと放送された「犬神家の一族」まさに文庫のページをめくっていたときと同じ感触があって、たしかに原作に丁寧によりそって、丁寧に作っていった作品で、そういう清々しさみたいなのが非常に印象に残った。ただ、丁寧なだけじゃなくて、全体をひっぱるドライヴ感が心地よく、行き届いて勢いもあるという、作り手がいいときに作ったいい作品というのは、なんともいいもんであります。

 時代の色あいのある作品は、美術や衣装だけでもごちそうでとりあえず楽しいのだけど、日本のテレビドラマだと中々無理かなあと諦めていたところが、今回これだけのものが見られるとは。町並みや家屋敷を探すのも大変だろうけど、セットや衣装もよかった。三姉妹の着物、ああいう羽織と着物の色の組み合わせは今では見られないし、三人それぞれの個性が色合いでわかって並んでいるシーンは倍面白い。着付けも、今の着方よりゆったりめに着付けていたのではないだろうか。洋装の男性陣も、背広の線などちゃんと昔ふう。犬神家のセットは、市川監督の映画版のより居心地がよさそうで(映画のはいかにも陰惨寒そうだった)、建具など凝ってましたねえ、松子夫人の居間もとってもコージー。

 小説を読んだ金田一のイメージは、繊細で奇矯な人。いきなり吾郎さんのイメージで読んでいた不埒な私、唯一不安はハカマさばきとシャツでしたが、流石上手く作って出てきた。終戦直後の設定だけど、マントをひるがえして歩く姿は大正幻影、探偵のロマンチック・アゴニーが似会う俳優。見たい吾郎さんがそこにいて、至福の三時間。贅沢をいたしました。

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メイキングなど見るといろいろ試行錯誤もあったみたいで、まさに誕生と申せますでしょう>よこさま / さくらもち ( 2004-04-09 20:51 )
ファズさま 衣装や美術にばっかりまず目が行くみたいなのですよね。だから「登場人物の心象風景」とか全然どうでもよかったりする私です / さくらもち ( 2004-04-09 20:47 )
日々の雑用もようやく落ち着き、どっぷりと稲垣金田一にはまっております(人、それを猿リピートという!) まさに独特のスタイルを持った稀有な金田一役者の誕生見届けさせていただきました、みたいな。ああ、秋までがまた長い。 / よこ! ( 2004-04-09 05:34 )
美しいものは細部にまでこだわる事で生まれることを、画面を通してひしひしと感じました。もちこ様の日記、衣装のことなど勉強になります。ああいった空間にしっくりはまってしまう吾郎さんの存在感、稀有な人だと改めて思いました。 / ファズ ( 2004-04-08 01:06 )
まゆみさま アメリカ編は上手い導入だったと私も思います。すべてにおいて、テレビドラマ基準を大きく超えて目の娯楽でもありました / さくらもち ( 2004-04-07 09:10 )
サイトーさまどうもです。ウヒョウヒョしながら3時間がすぎてしまいましたね。今回パソコンに録画したので、わたくしも色々未来がひらけております(間違えてつっこみしなおしで、順番が前後してしまいました。早々のつっこみ恐縮です) / さくらもち ( 2004-04-07 09:03 )
あっという間の3時間。家も町並みも衣装も佇まいも、妥協の無い贅沢さが嬉しくって。アメリカ編も金田一の人となりを理解するのに上手に作ってありました。いとおしいわー耕さん。 / まゆみ@待ったね ( 2004-04-06 23:32 )
作り手のこだわりとともに、これからの金田一をどうするか、という点がとてもエライと思いました。古いものを再現して、それが新しさにつながるんですよね>おととさま / さくらもち ( 2004-04-06 20:13 )
わたゆきさまはじめまして。物語の世界からして吾郎さんがいるべき風情でしたね。そのうえ面白かったです / さくらもち ( 2004-04-06 20:11 )
半襟なんかも美しくしかもこっていて作り手のこだわりというものが感じられました。本当にうつくしい趣のあるたたずまいが印象的な作品となりましたね。うまく21世紀型金田一として立ち上げたなあと思いました。 / おとと@しかし待ったわ〜〜 ( 2004-04-05 21:09 )
面白い作品でした。私の中では間違いなく稲垣吾郎の代表作になりました。見たい吾郎さんにしっかり会えました。 / わたゆき@はじめまして ( 2004-04-05 16:52 )
本当に原作を大切にして作っていて驚きました。おっしゃるとおりまさに至福の3時間でしたね。またお宝が増えました。コウも耕助も愛しいです。 / サイトー ( 2004-04-05 09:07 )

2004-03-26 Wish upon a suspected star

 本日NHK総合で放送。見直してみて、やっぱり「私の好きなもの」のシーンが最強に好きかと。大江千里・熊倉一雄もったいない豪華キャストその2コンビ(その1は松金よね子・笹野高史コンビ)がほっこりと歌う後ろに、骨格標本とか構造不明の包帯まいた足とかが通過していたり、パパイヤ氏の頭上に咲く黄色い花とか、細かい遊びごころが一杯の上、画面と音楽のタイミングがなんとも絶妙。このシーンに限らず、「ミュージック in」としてはどの場面も凄く成功していてホントに楽しかった。

 オチの、思い出の謎のメロディーが「スターダストのヴァースの部分だった」というのも激ウケ、本体は何度も何度も聞いてるのに、ヴァースは知りませんでしたってのはいかにもありそうだー。あ、しかし「スターダストのヴァースの部分」については、その昔「シャボン玉ホリデー」でハナ肇が歌っていたかも、説があって気になってるんですが関係あり? 「謎のメロディー」に関しては、冒頭で「この曲じゃないか」と出てきたのが「死ぬのは奴らだ」で、これがはじめて見たボンド映画だったんですよワタシ、サントラ買いましたもん。嬉。

 鈴木聡脚本は、言葉づかいがすっきりさりげないけど、紋切り型をすすっと避けているところが好き。吾郎さんの岡本捜査官は「クール」の役どころで大きな振幅はないけど、吾郎さん独特の、素早くトーンの変わる間のよさを楽しめる展開が随所にあって、脚本家わかってるなあ感がありました。人情家の刑事さんに苛立っていて、でも表面そういう顔をしてはいけないわけで、でもやっぱりむっと来てる感じをさりげなく細かく芝居して見せたりするところが、やっぱりいいですねー。スーツ姿もほっそりと美しかった。姿勢がキレイでしたね、立ち方がちょっと変わったのかなあ・・。

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「目」ってお芝居のポイントでごまかしが利かないですもんね。黙って目を使ってるお芝居を見るのが好き / さくらもち ( 2004-03-30 07:40 )
改めてゆっくり見まして今回『警視庁』くんの目の利かせ方がよいなーとすごく思ったです。 / かねちゃん ( 2004-03-27 23:06 )

2004-03-21 レオナルド・ダ・ヴィンチの番組

 2時間以上の大作ドキュメンタリーとて期待しておりましたんですが、なんだか「お母さん」と「モナリザ」で結論がついてしまって、主題がはっきりしてわかりやすかったともいえますけど、せっかく長時間やるならメディチの美形ジュリアーノとか人気のチェーザレ・ボルジアとか、そういうネタも扱ってもらえたら嬉しかったのにという番組でした。あとレオナルド自身の美形ぶりも楽しみたかったんですが、ちょっと違ったですね。

 ということでイタリアめぐりの吾郎さんについては、古都の雰囲気をまとってますますよろしかったです。コートの立ち姿を満喫いたしました。ただもうちょっと、レオナルドの絵と吾郎さんと入れ替わり立ち代わりな画面、というのが見たかった。優男の彼とレオナルドの描く中性的な人物と、絵的にとても相性がいいんじゃないかと思うのですよね、そこんとこが非常に心残りでございます。

「なんで冒頭プロコフィエフなんだ?」とか「結局ディスカバリー・チャンネルですか?」とか言ったりもしておりましたが、こういう番組はまた見たい。今回予習にと田中英道「レオナルド・ダ・ヴィンチ 芸術と生涯」(講談社学術文庫)を買ったのですが、これが超オモシロの名著で、「ごろちゃんのレオナルド」がなきゃあ知らなかったはずの本、出会えて非常によかったでした。  

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森村泰昌『踏みはずす美術史』はお読みになりましたか?(講談社現代新書)けっこう面白いですよ。今回の番組、争えないもんですごく『特命』の匂いがしました…ショパンのフランス、レオナルドダヴィンチのイタリアときて第3弾はフェルメールのオランダですかね? / かねちゃん ( 2004-03-25 23:38 )

2004-03-12 ノイシュバンシュタイン城とモナリザ

「ホシに願いを」放送に向けてBSデジタルを導入したわけですが、ちょっと前にNHKのハイビジョンでお城にまつわる特集番組をやっていて、ルートヴィヒ2世の回のとき、ナレーション美輪明宏さんの巧さにも捕まって、ついつい見てしまいました。で、今日東急ハンズへ行ったら、3Dパズルの「ノイシュバインシュタイン城」が出ていたので買って帰ってきまして、作るのが楽しみです。ノイシュバンシュタイン城といえば昔平面のジグソーパズルもやったことがあるけど、お城の部分はちょっとだけで、あとは延々周囲の紅葉をつないでいた覚えがあるんですが、今度は建物本体だけだからきっともっと面白いでありましょう。立体だと「建ててる」感じも(もしかしたら)するだろうし。

 ジグソーパズルというと、モナリザが日本へ来たときに、丁度普及しかけの時期にあたって、すごーく沢山のモナリザのパズル、が売りに出たことがあります。実はモナリザの絵っていうのは、とくに印刷が悪いと後ろの風景もつぶれてしまうので「顔と手の一部分だけ作るとあとは真っ黒なピースばっかり」な状況に陥ってしまいがちで、初心者にはあまりお薦めできない絵柄だったりするのですよね。あのとき挫折した人は結構多かったのでは・・

 できてたものを壊してもとどおり組み立てるだけのジグソーパズルっていうのは、時間つぶしのなかでも一番無意味な気はします。ごそごそ遊んでいるとよく言われる。でも絵画のパズルなどはやってみると、絵の中の一部分に意外な色が使われてたりするのが、ピースひとつひとつと格闘してると判ったりして、それはそれでなかなかイイもんではないかとも思うのでした。

 そうだ、「最後の晩餐」ってきっとパズルが出てるよねえ、吾郎さんがイタリアへ行ったレオナルド・ダ・ヴィンチの特別番組は来週の土曜日だ。見てからやるか、見るまえにやろうか・・。

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2004-03-06 見ました「ホシに願いを」

 温泉大宴会と「私の好きなもの」このナンバーは(後者はとくに動機があるわけだが)何度も見ることになりそうです。この無駄なほど豪華すぎるメンツって、こういうところに生かされるわけなんですね。一小節だけ映るのでもぱっと場面が「できる」歌詞も伝わる、濃いーい表現力はこう使えということだったのかと、目からウロコで感動している今。まだこれから細かくチェックして楽しみたいのだけど、あと歌詞を覚えて日常使用したい。

 というミュージカルナンバーが前半に集中してしまって、後半がちょっと普通に人情ものに流れたのが唯一不満でしょうか。二人が「ラプソディ・イン・ブルー」からはじまってワンフレーズずつかけあいで歌っていくナンバーも面白かったのですが、あと吾郎さんミュージカルへ進出か?という心配はあまりしなくてもよさそうだったわ、残念。

 予告で流れていた「スターダスト」、ヴァースの部分だったので思い出すのに時間がかかったのですが、マニアの人ってどの曲もちゃんとヴァースから覚えてるものなんでしょうか? キリ・テ・カナワがヴァースからきっちりガーシュインを歌ってるCDを持ってるんですが、何度聞いてもこのヴァースがどの曲だったか覚えてないんですよね、だってメロディーどれも似たりよったりじゃん。脚本の鈴木聡氏はヴァースお得意なのか不得意なのかどっちかなとちょっと思ったり。「すみれの花咲く頃」にもヴァースがあるんですよね、関係ないけど。こっちはちゃんと覚えてる。

 振り付けは映像ってこともあって、そんなに目新しいテも使えなかったでしょうけど、テンポがあって楽しくて、あと冒頭のタップも、一斉にポアントで立つとことかカッコよかったです。あまりにも短かったけれど。ショー場面がもうちょっとミュージカル仕立てだともっと楽しかったんだけどなあー、普通に歌と群舞だった。

 吾郎さんの岡本捜査官、相変わらずの反射の細かい芝居に、ぐっと練れたカンジが加わってきているのでは。大杉さんとのコンビは期待してましたけど、期待以上にこれでもかと見せ場があってとってもおトク。このドラマ、作者がそれぞれの「歌」をモチーフにイメージを膨らませて作ったカプリッチョといった感じなんですけど、そういうちょい曖昧なスタンスに吾郎さんがとても似合っていました。

先頭 表紙

あらためて見直すとミュージカルシーンの考えられない手間ひまのかかりぐあいとキャスティングの考えられない贅沢さにびっくりしますです。吾郎さんのお芝居はなんどリピートしても飽きない / さくらもち@みなさまつっこみありがとう ( 2004-03-09 00:08 )
配役やら各シーンの豪華さにドラマ堪能しました。その中で、吾郎さんの、相手のお芝居を受け止める細やかな一つ一つの表情にうっとりでした。 / まゆみ@デビューおめでとうです(遅) ( 2004-03-07 21:33 )
↑と同じシーン今日リピートしました(笑)。特に前半部分のドライブ感が私も好きです。おおおっとゆう感じでしょうか。ゴロ氏はゆうにおよばず素敵でした。 / おとと@「私の好きなもの」には負けたわ ( 2004-03-07 21:21 )
サイトーさん、あたくしも同様です・・・腹の底まで見透かされてるようなシーンの数々・・・映像化してくれて感謝感激大絶賛、でも、反面ちと悔しの微妙なヲタ心(笑)吾郎さんのお芝居は素晴らしかったです。台詞回しと声の美しいことったら! / よこ! ( 2004-03-07 10:01 )
楽しい75分でした。最近「こうキタか〜」とヲタ心に競争心をおこさせる(?)ような番組・作品に出会えて幸せです。(勝手に対抗心燃やしているだけですが・笑) / サイトー ( 2004-03-07 09:42 )

2004-03-02 アチラの授賞式

昨日はWOWOWでアカデミー賞授賞式をたらたらと見物。ちょっと前まで同じBSでもNHKのほうでやっていましたよね。現地CM中の日本のスタジオのしょーもなさは、どっちでやってもあまり変わりがないのでした。今みたいに生中継になる前は、年によって放送があったりなかったりで、ある年(かなり大昔)ゲリラ的に、フジテレビが深夜に放送したことがありまして、なんと解説を川本三郎さんがやったのです。濃いというかトリビアというか、それはそれはもう忘れられない面白さでした。フジテレビが放送したのは確かその一回だけで、当然川本さんの解説もそれっきりだったんですが・・あれはよかったなあ。どうせWOWOWでやるんだったら、華やかとか一般性とかもう無視して、ああいうヲタクホストにしてくれればいいですのに。ウェイン町山とかどうだろう。

トニー賞もつきあいは長いのですが、あれは授賞式で候補作品の一場面が上演されるので、そこ目当てにビデオをとって、あとでちまちま編集して見直したりしておりました。ブロードウェイに行けないショボいミュージカルファンのいぢらしい姿。でも一場面だけでも、なんかわかるもんですよね。パティ・ルポーンの「エヴィータ」なんか今見直しても凄いです。が、ここ数年、ミュージカルの新作で「これは」と思うようなのが出てこない。なんかホントにジャンルとしてミュージカルって枯渇しちゃいましたか? という感があったりするのですが、今年はどうなるんでしょうかしら。

これからは「ドラマでミュージカル」なのかもね(疑)

先頭 表紙

サイトーさま 多々お世話になっております。繁忙期を前になんとか参加できましたわ、がんばります。 / さくらもち ( 2004-03-04 18:24 )
よこ!さま おあとを慕いて参りました。トム・ハンクスはこないだ今さらのように「めぐり遭えたら」を見まして、若かったころの・・・てフィラデルフィアと同じ年の作品だったのか(驚) / さくらもち ( 2004-03-04 18:22 )
「ドラマでミュージカル」があなたを変えるであろう(確) 「ラマンチャ」は上演の歴史も長いし、周りのキャスティングもさまざまですからねえ・・ そういえばこないだ「ほん怖」に小鹿番さんが出てらして驚いた / さくらもち ( 2004-03-04 18:09 )
何だかいろいろと慌てふためいた今日このゴロですっかり出遅れました。いろいろなお話楽しみにしています。 / サイトー@春ですねぇ ( 2004-03-04 09:34 )
アカデミー賞特集と銘打ったNHK-BSの映画特集を楽しくみております。昨日はフィラデルフィア見れてうれしかった。このトムハンクスが一番好き♪ / よこ!@これからもヨロシクー ( 2004-03-03 21:24 )
ミュージカルってどうしても酔えないんですよー。なんでだろう?「ラマンチャ」も2回しか見てないし。ここはひとつ「ドラマでミュージカル」見て慣れよう(違) / かねちゃん ( 2004-03-03 21:06 )

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