桟橋の傍の屋台に同級生と一緒だったT君は
「トイレに行って来る」と言って
そして、戻って来なかった。
探しに行った同級生が見たのは、
岸から遠く、波に飲まれていくT君の姿だったって。
あれからもう15年も経つのに、
また思い出して涙がでる。
私が今でも悲しいのは、
彼が居なくなった事ではなく
彼が抱えていた「片付けられないもの」が
多分、同じだから。
桟橋には母が通う歯科医院があって、
治療に付添い待ってる間、私は、
防波堤まで行き
腹這いになって海の中を覗きこむ。
そして
「お〜い T君、聞こえる〜?」
とか言ってみたりしてる。
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一昨日から、私の住む都市では雨が続いている。
今夜は、会社で一緒に仕事してる大学生が近所なので
私の車で送ってあげることにした。
パーキングでお金を払おうとして駐車番号を押すと
「?」5時間駐車なのに30分の金額しか出ない。
「故障?あ、誰かが間違えて払ったんだな。」自分にも記憶がある失敗と
「これってラッキー?」と学生の子と笑った。
そしてドアを開けると
知らないチェックの傘が助手席に。
「〇〇子、傘2つ?」
「は?私、ドア開けてませんよ。今、一緒にここまで傘さしてきたじゃないですかぁ〜」
「じゃ、この傘誰の傘?」
「先輩のではないの?」
「何?ロックしてた車に知らない傘?んなことオカシイでしょ。ははは…」
不思議な出来事があった夜でした。 |