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ナライフの「怒涛の映画&サッカー日記」

サッカーも映画も前世紀に大いなる飛躍を遂げました。さて、この新世紀、この2つはどう進んでいくのでしょうか?誰も分かりません。でも好きなんです。

目次 (総目次)   [次の10件を表示]   表紙

2008-06-20 シド・チャリシー!
2008-02-22 レベルの差とスタイルの違いと・・・
2008-01-22 2007年の映画
2007-07-03 エドワード・ヤン!!
2006-12-28 2006年の映画
2004-07-21 カルロス・クライバーを追悼する
2004-05-12 山中貞雄という映画監督について A
2004-05-12 山中貞雄という映画監督について @
2004-01-23 2003年僕が観た映画と今年の映画
2003-12-09 小津安二郎の生誕100年に思う


2008-06-20 シド・チャリシー!

 シド・チャリシーが亡くなった。ご冥福をお祈りします。
私の最も好きなミュージカル映画『バンド・ワゴン』でフレッド・アステアと踊ったあの優雅な姿が忘れられない。 
 アステアと言えばジンジャー・ロジャースだが、一番輝きを見せた組合せの相手はシド・チャリシーだったのではないか。スタイルが抜群で、踊りも素晴らしく、『雨に唄えば』でジーン・ケリーと踊った場面も良かったが、彼女のキャリアの白眉はやはり『バンド・ワゴン』だろう。
 ハリウッドのミュージカルは『ウエストサイド物語』以降、最近の『シカゴ』や『ドリームガールズ』に至るまで、カットを細かく割り、編集で歌や踊りを繋いでいく“MTV的”なものばかりとなってしまったが、フレッド・アステアやジーン・ケリーが活躍した頃、即ち、1930年代〜50年代は、ダンスシーンになると、カット割りを殆どせず、長廻しのフルショットでじっくり至芸を味あわせてくれていた。好みはいろいろあろうが、淀川長治さんがいみじくもおっしゃっていた、「ミュージカルは『ウエストサイド物語』の登場で壊れてしまいましたね。」という意見に私は賛成だ。
 そのミュージカル映画が一番輝いていた頃の、私にとっての最高傑作が『バンド・ワゴン』、最高のダンサーが、フレッド・アステアとシド・チャリシーだ。アステアの自伝『Steps in Time』で、アステアはシド・チャリシーに惜しみない賛辞を贈っているが、まさに『バンド・ワゴン』での“ガールハントバレエ”には痺れたし、何と言っても“ダンシング・イン・ザ・ダーク”は優美さの極みで、素晴らしいセット美術とキャメラの中、2人のシンプルな白い衣装が美しく、特にシド・チャリシーの美脚を見せるために作られたであろうスカートの見事なつくり、ぴったりと息の合った2人のダンス、何回でもそこだけ繰返して観たくなる、映画史上に残る瞬間だと思う。
http://jp.youtube.com/watch?v=duLFwcsc6Nc&mode=related&search=

 シド・チャリシー、ありがとう。


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フィー子さま、たしかに、追悼記多いですね。気付かなかったです・・・たまにはもう少し景気のいい話しないといけませんね。 / ナライフ ( 2008-06-23 09:34 )
ナライフさん、追悼記が多くないですか?! こういうミュージカル映画もお好きだとは結構意外な感じがしました。昔の美人は本当に美人で、うっとりします。 / フィー子 ( 2008-06-20 21:43 )

2008-02-22 レベルの差とスタイルの違いと・・・

 あまりの力の違いに、プロとアマの試合を観ているような、そんな試合だった。セルティックVSバルセロナ。
 リーガ・エスパニョーラに憧れていた中村俊輔にとっては夢に見た対戦だったろうが、無残な敗北感しか残らなかったのではないか・・・セルティックのホームでありながら、ボール支配率もシュート数も圧倒され、はっきり言ってセルティックの見せ場はほとんどなし。それでも2点を取り、2度はリードしたのだから、それ自体、奇跡的だとは思う。
 とは言え、チャンピオンズリーグという世界最高レベルの真剣勝負の舞台で、ファーストタッチでのボールコントロールや一瞬のフェイク動作で抜いてしまうテクニックといった個人技術の点で、これほどの差を感じたのも過去にあまり覚えがなく、極めて図式的ながらも本質を突いていると思われる、ボール技術に関してのラテン系及びアフリカ系とアングロサクソン系との「差」が如実に顕われていたのは否めない。
 技術に差があるからこそ、走力、パワー、組織力、といった点で立ち向かうのがセルティックの道だったわけだが、そういった点でもバルサは劣っておらず、まだカンプノウでの試合が残っているとは言え、セルティックが勝ち上がる可能性をあまり見い出せない印象である。
 その一方、注目の「アーセナルVSミラン」は、今季絶好調でプレミアリーグにありながらアングロサクソン系ではないテクニカルで美しいパス攻撃をするアーセナルが予想通りボール支配率では圧倒しながらもあと一歩で得点には至らず、堅い守備と時折見せるカウンターやピルロやカカやセードルフらの個人技が光るミランが何とか守りきってスコアレスドローとなり、ジュゼッペ・メアッツァでの次戦が更に興味深いものとなったのであり、こちらはスタイルの「違い」はあってもレベルに「差」がなく、がっぷり四つのゲームだった。それにしてもセスク・ファブレガスは凄い・・・
 一見、アーセナルが優位に見えたゲームかも知れないが、ミランの底力は不気味。次戦、ミランがホームでアーセナルの攻撃を抑えながらカカやパトの一撃で沈める可能性がありつつ、ホームで失点を許さなかった、つまりアウェーゴールを奪われなかったアーセナルが1点入れさえすれば一気に優位に立つわけで、その可能性も十分に感じさせる、何とも刺激的な90分になりそうだ。
 チャンピオンズリーグ、いよいよ佳境に入ってきた。
 

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ガス欠コインさま、お久しぶりです。セルティック、仰るとおりの結果でしたね。力の差があり過ぎましたね。ただ、俊輔のトップ下はチームにフィットしていたと思いました。それにしても今のアーセナルは強いですね。アンリが居なくなって逆にチーム力が上がりましたね。 / ナライフ ( 2008-03-06 09:22 )
2つとも、ゲームを見ることはかないませんでしたが、俊輔なんで、スコットランドに行ったんでしょうね、いまさらながらですが。某宗教団体の総本山があるからだとも言われていますが、僕が認めるアングロサクソンはガスコインだけです、未だに。セルティックが上がっていくことは、まずないと思います。 / ガス欠コイン@ご無沙汰です。 ( 2008-03-03 00:21 )
KATSUMI様、ご無沙汰しています。そうですね、ミランは2点リードしないと安心できない、という状況ですもんね。アウェーゴール・ルールが戦術的にも心理的にも大きく影響しそうですね。 / ナライフ ( 2008-02-26 08:07 )
ホームで攻めに出たミランが守りきれるか心配、ミラニスタな私です(笑)。 / KATSUMI@適度に活動 ( 2008-02-25 22:50 )
陸上の短距離走、言い得て妙ですね!バルセロナ、決して2シーズン前のような輝きを取り戻してはいないと思うのですが、それでも凄かったですね。 / ナライフ ( 2008-02-22 17:25 )
俊輔のポジション、あまりにも忙しかったですね。1本、光るパスがありましたが、味方が鈍く残念でした。それにしても、最後、メッシ、エトゥー、アンリの3人が前に並んだときは、陸上の短距離走か、と思いましたよ。後ろからのボールを受けながら一度も止まらずミスることなく全速力で前に走っていける選手だらけですよね、バルサって。 / フィー子 ( 2008-02-22 15:56 )

2008-01-22 2007年の映画

とあるところに発表したリスト、2007年の私の洋画ベスト10、邦画ベスト10です。2007年に日本で公開された映画から選ぶのを原則としていますが、一部06年末に公開されたものもあります。
<洋画>
 『夜顔』(仏・葡/マノエル・デ・オリヴェイラ)
 『ここに幸あり』(仏・伊・露/オタール・イオセリアーニ)
 『クィーン』(英/スティーブン・フリアーズ)
 『今宵、フィッツジェラルド劇場で』(米/ロバート・アルトマン)
 『デス・プルーフ』(米/クエンティン・タランティーノ)
 『街のあかり』(フィンランド/アキ・カウリスマキ)
 『リトル・ミス・サンシャイン』(米/ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス)
 『デジャヴ』(米/トニー・スコット)
 『スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい』(米/ジョー・カーナハン)
 『ロッキー・ザ・ファイナル』(米/シルベスター・スタローン)
<邦画>
 『サッド・ヴァケイション』(青山真治)
 『魂萌え!』(阪本順治)
 『天然コケッコー』(山下敦弘)
 『叫』(黒沢清)
 『神童』(萩生田宏治)
 『幸福な食卓』(小松隆志)
 『素晴らしき休日』(北野武)
 『蒼き狼 地果て海尽きるまで』(澤井信一郎)
 『それでもボクはやっていない』(周防正行)
 『サイドカーに犬』(根岸吉太郎)
日本映画がテレビ局と広告代理店に牛耳られつつある状況が、どう贔屓目に見ても映画の質の向上に貢献していないと感じています。その中では上記の邦画は素晴らしく、ここに居る監督たちの今後の更なる活躍を願って止みません。洋画に関しては、上位3作は文句なしの傑作だと思います。意外に思われるかも知れない『ロッキー・ザ・ファイナル』、荒唐無稽な物語をあくまでシンプルに徹し、ロッキーの心理的葛藤など一切描かずに100分という短い時間に収めた、スタローンの経済性は見事、というか聡明な判断だと思いました。
今年はどんな年になるのでしょうか?既に邦画では、どこにも良さが見出せない『銀色のシーズン』がある一方で、『かぞくのひけつ』と『人のセックスを笑うな』が抜群の出来栄えです。今年も数々の映画との出会いが楽しみです。

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フィー子様、分母に入っていますよ。と言っても、あまり娘と映画を観ていないですけれど・・・ 『マリと・・・』は未見です。娘の同級生には観た人が居るらしく、面白いらしいですよ。たまたま昨日、何か観たい?と娘に尋ねたら『アース』か『Mr.ビーン』ですって・・・ / ナライフ ( 2008-01-28 16:04 )
マイケル様、ご無沙汰しています。『人のセックスを笑うな』の井口奈巳監督、デビュー作の『犬猫』も是非観て下さい。正直言って、第2作は第1作を超えなかったな、という感想を持っています。いずれにせよ、井口監督は確かな才能を持った監督だと思います。恐らく僕はこれから彼女の作品は追い駆けると思います。 / ナライフ ( 2008-01-28 16:01 )
お誕生日おめでとうございます!! 子供向け映画も分母に入っているんでしょーか?マリと子犬の物語はごらんになりましたか? / フィー子 ( 2008-01-27 19:28 )
去年は「007」とボサノヴァのドキュメンタリー映画の2本しか見ませんでした... 「人のセックス...」気になってます。小説は今ひとつピンと来なかったんですけど、山崎さんが朝日新聞に連載していたエッセイは好きでした。 / マイケル ( 2008-01-23 09:57 )
上記、抜けていたものが1つありました。『長江哀歌』(中国/監督:ジャ・ジャンクー)が抜けていましたね。一昨年のフィルメックス映画祭で観ていたのですが、昨年公開でした。これは洋画部門の上位に入ります。 / ナライフ ( 2008-01-23 08:36 )
フィー子様、分母は80前後です。そう考えると入る確率が高いベスト20ですね。1/4ですもんね。DVDや名画座等で、旧作ながら僕にとっては初見、という映画も結構あるのですが・・・ / ナライフ ( 2008-01-23 08:33 )
マッキィ様、原作を読んではいませんが、恐らく『人の・・・』は、あらすじは変わっていないかもしれませんが、小説と別物になっているのでは、と思います。言葉に置換可能な描写がなく徹底的に映画的な画面になっていると思います。 / ナライフ ( 2008-01-23 08:29 )
ほんとにいつもたくさん見ているので驚きます。いったい上記の映画の分母はどのくらいなんでしょうか?! / フィー子 ( 2008-01-22 22:37 )
見たかったけど見逃した映画がいくつかラインアップされてるので、見逃したことを今さら悔やんでいます。人のセックスを笑うな、小説を読んでいるのでその違いを楽しみたいです。 / マッキィ。 ( 2008-01-22 21:53 )

2007-07-03 エドワード・ヤン!!

 エドワード・ヤンが亡くなった。台湾の映画監督である。59歳だったという。今から7年前の映画『ヤンヤン夏の想い出』が遺作となってしまった。一部の映画フリークくらいしか知らない名前かも知れないが、台湾映画界をホウ・シャオシェンと共に支えていた人であり、同世代にスピルバーグ、ロブ・ライナー、ヴィム・ヴェンダース、ジョン・ウー、チェン・カイコー、チャン・イーモウ、ジム・ジャームッシュ、ソクーロフ、等々が居て、現在の映画界を支えていると言って良い監督たちの世代の人なのである。
 ヤンの映画で一番昔に観たのが、『恐怖分子』だった。シャープで端整な映画だった。そして、何といっても圧倒されたのは『クーリンチェ少年殺人事件』(1991)であるのは、あの頃彼の映画を観ていた誰にとっても共通する実感だろう。その2年前の、ホウ・シャオシェン監督の『悲情城市』も圧倒的な傑作だったので、当時、僕は、台湾映画の凄さに驚愕した。しっとりとした情感と悠然たる語り口のイメージがあるホウ監督と、シャープで切れ味鋭い演出のヤン監督。好対照の二人に関して、「どっちが好きか」「どっちが上か」などという議論もあったようだが、僕はどちらも大好きで優劣などをつける存在でない、という感じだった。少なくとも、同い年のスピルバーグ、同じアジアで同世代のカイコーやイーモウよりは映画の作り手としての感性と才能は上だ、とは確信していた。
 その確信は今でも正しかったとは思うのだが、商売としては彼らの後塵を廃していたと言えるだろう。スピルバーグは言うまでもなく、中国のカイコーは『さらばわが愛/覇王別姫』のヒットでハリウッドにも進出、イーモウは『初恋のきた道』あたりからヒット作を連発しているが、ヤンは遺作となってしまった『ヤンヤン夏の想い出』ですら、カンヌで監督賞を獲得したとは言え商売的には寂しいものだった。そもそも1990年代を代表する傑作と信じて疑わない『クーリンチェ少年殺人事件』などは、版権の問題等で未だに再上映も無ければDVDにもなっていない。
 エドワード・ヤンの才能が、時代には早過ぎたのだろう。その評価にはまだ時間がかかるかもしれない。孤高の天才は、その死すら早過ぎた。合掌。

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フィー子さま、つっこんで下さり有難うございます。闘病の中、ジャッキー・チェンとの共同プロデュースでアニメーション映画を製作中だったという噂は聞いたことがありますが、真偽の程は?です。なんでも、ジャッキーがモデルのカンフーの達人の物語だったとか・・・ / ナライフ ( 2007-07-06 07:48 )
59歳じゃあ、まだまだ監督として悔いが残るでしょうね。撮影途中だったものとかないのかしら? / フィー子 ( 2007-07-05 22:34 )

2006-12-28 2006年の映画

 今年も残りわずか。ワールドカップがあったり、海外出張が多かったりして、例年より鑑賞できた映画が少なくなってしまったという点で実に残念ではありましたが、あるところの「2006年公開の映画のベスト10」企画に入れた自分のリストをもって、久しぶりの更新といたします。とても「日記」ではありませんね、これは。こういうの「年記」って言うんですかね。

2006年1−12月でのベスト10
@『百年恋歌』(台湾:ホウ・シャオシェン監督)
A『硫黄島からの手紙』(米:クリント・イーストウッド監督)
B『太陽』(露:アレクサンドル・ソクーロフ監督)
C『父親たちの星条旗』(米:クリント・イーストウッド監督)
D『ゆれる』(日本:西川美和監督)
E『MiV』(米:JJエイブラハム監督)
F『レディ・イン・ザ・ウォーター』(米:M・ナイト・シャラマン監督)
G『LOFT』(日本:黒沢清監督)
H『フラガール』(日本:李相日監督)
I『ありがとう』(日本:万田邦敏監督)

 そして、「シネマヴェーラ渋谷」という映画館がオープンしたことが、2006年の日本映画界にとって特筆すべき画期的なことだったと思います。この1年の収支が大変心配ですが、先見性、独創性のある特集が目白押しでした。中でも「勢揃い!『次郎長三国志』全13部作参上!!」は、「待ってました!」と叫びたくなる企画。マキノ監督の次郎長シリーズ全作を観ることができ、至福の映画体験でした。

 最後に。来年公開が決定している作品をどうしても紹介させて下さい。タイトルは『三峡好人』。監督は中国のジャ・ジャンクー。11月に開催された「第7回東京フィルメックス映画祭」のオープニングで上映された、今年のヴェネツィア映画祭で金獅子賞を受賞した映画ですが、これがドミュメンタリーと劇映画の二分法を軽々と超えてしまうような傑作です。因みに、会場で、蓮實重彦氏とドナルド・リチー氏が並んで鑑賞されているのを見かけたのも軽い驚きでした。

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フィー子さん、もともと僕も妻もスキーをあまりやらないので娘と一緒に上達している感じです。スキーに関しては多分娘は僕を追い越してしまったので、誇らしいというより、“自分が情けない”という感じでしょうか・・・ / ナライフ ( 2007-01-31 19:02 )
スキーにはまってるなんて!凄いですね〜★雪山で見る娘さん、小さく見えませんか?誇らしいですね♪ / フィー子 ( 2007-01-29 19:39 )
ガス欠コイン様、ありがとうございます。またフットサルしたいですね! / ナライフ ( 2007-01-29 09:25 )
フィー子さん、ありがとうございます。確かに「かの地」でした。スキーにはまっている娘と一緒にスキー三昧でした。 / ナライフ ( 2007-01-29 09:23 )
お誕生日おめでとうございます。「手紙」、まあありなんでしょうね。 / ガス欠コイン ( 2007-01-28 06:01 )
お誕生日おめでとうございます!かの地でお祝いしているんでしょうか。素晴らしい一年となりますように・・・。 / フィー子 ( 2007-01-27 17:19 )
ガス欠コインさま、お久しぶりです。「手紙」、観ました。演出過多だと思いましたが、まあ、ありかな、と。 / ナライフ ( 2007-01-11 10:26 )
恥ずかしながら、昨年、劇場で観た映画は一本です。「手紙」。それなりに原作を描いていたけれど、東野圭吾氏の原作を超えることはかないませんでした。重厚さが違います。 / ガス欠コイン ( 2007-01-05 12:27 )
azzurriさん、お時間の無い中で観た2作がその2つとは!! 専門家ですら公開される全ての映画を見尽くすことは出来ない環境の中、観る作品に何を選ぶか自体、とても重要ですよね。 / ナライフ ( 2007-01-04 09:38 )
フィー子さん、「さんきょうこうじん」だと思ったのですが、日本で公開される時は別の邦題が付いているかも知れませんね。このベスト10は僕の個人的なものです。分かり難い文章でごめんなさい・・・本年もよろしくお願いします! / ナライフ ( 2007-01-04 09:32 )
気が付けば、今年は硫黄島2部作だけしか観られませんでした、、、こういう映画は、若い人にこそ観て欲しいですね。 / azzurri ( 2006-12-31 03:29 )
へー、楽しみにしてます。三峡〜ってなんて読むんでしょうか?(^_^;) ナライフさん、映画は趣味の域を超えてませんか?(笑) ところで上のベスト10は、ナライフさんが思うベスト10なんですか?あるところに載ってた、ということなんでしょうか?(なんかアホをさらしてるようなつっこみですみません(^^ゞ) / フィー子 ( 2006-12-30 10:45 )
マイケルさん、「怒涛」は削除しましょうかねえ・・・ 「リトル・ミス・サンシャイン」、僕も見たいんですよねえ。 / ナライフ ( 2006-12-28 13:08 )
ナライフさん、更新が全然「怒涛」の勢いじゃないですねぇ(笑)...ちなみに僕は今年は11本しか映画を見れませんでした。下半期は未だ2本だけで、うち1本が「ゆれる」でした。明日「リトル・ミス・サンシャイン」見るつもりですけど。 / マイケル ( 2006-12-28 10:39 )

2004-07-21 カルロス・クライバーを追悼する

 カルロス・クライバーが亡くなった。クラシック音楽好きの方ならご存知の名前かと思うが、私が知り得る限り最も才能溢れセンス豊かな指揮者だ。予期せぬ事態に悲しみを通り越して思考停止に近い状態だったが、やっと気持ちを整理することが出来始めた状況である。
 カルロス・クライバー。ベートーベンの交響曲第5番『運命』を始めとして、それが聞き古された曲であっても、彼が指揮をすると、まさに音楽がその場で生まれているかのように新鮮で、衝撃的で、その音の流れに身をずっと浸していたいという原初的欲望を抱かずにはいられない曲に生まれ変わっていた。手垢のついた曲が、「実はこういう曲だったのか」と思ってしまい、これまでの演奏が一気に古びてしまうような、そういう演奏を数少ないレパートリーにおいて披露してくれた指揮者だった。専門家ではないので真偽の検証をしているわけではないが、重厚長大がもてはやされ分厚い演奏が主流だったクラシック演奏界の流れに彼の演奏が一石を投じたのは間違いないと思う。余計な贅肉を落とした筋肉質な演奏とでも言えば良いのだろうか、オーケストラの人数を作曲当時と同じ規模に縮小し、甘ったるい感傷や深遠ぶった叙情を排し、純粋に音のみで勝負する演奏。アップテンポの部分では全ての音がいきいきと粒だち、圧倒的なエネルギーでドライブし、穏やかなテンポの部分では、感傷を排した透明な叙情で美しさが極まる。不世出の天才だったと改めて思う。
 その完璧主義からか、あるいは天才特有の気質からか、名が知れるようになった1970年代後半以降は、指揮台に立つことも少なく、たまに立ってももごく限られたレパートリーばかりを取り上げ、レコーディングも極端に少なかった。ファンにとってはフラストレーションのたまる存在ではあったが、ひとたび指揮台に立つと成功と熱狂は保証されたようなものだったと言って良いだろう。今思うと、1990年頃、彼がミラノ・スカラ座を引き連れて演奏した、プッチーニの『ラ・ボエーム』と、その3-4年後のウィーン国立歌劇場管弦楽団と演奏した、リヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』を、生で体験できたことは私の宝である。どちらも「空前絶後の名演」とか「歴史的名演」とか言われたものだが、どんな美辞麗句を並べても虚しくなるだけの、形容不可能な演奏だった。しかもクライバーの場合、その指揮ぶりが実に美しく流麗なので、オペラに行きながらも目線はオーケストラピットの指揮者に釘付けなのだ。恐らく集まった観客の多くも同じなのだろう。現在市販されいてる彼の指揮したオペラのライブDVD、例えば、ヨハン・シュトラウスの『こうもり』を観ると、オペラの映像にも関わらず、指揮者を捉えたカットの挿入がなんと多いことか。未体験の方は音だけでなく是非映像も観て欲しいと思う。
 今となってはごく僅かに残っているだけのCDやDVDでしかその演奏を体験できないが、彼の残した録音と映像は、20世紀が残した大きな宝だと思う。ヨハン・シュトラウスのワルツやポルカ、ベートーベンのシンフォニー4,5,7番、ブラームスの2,4番、モーツァルトのリンツ、ヴェルディの『椿姫』、プッチーニ『ラ・ボエーム』、ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』、R・シュトラウスの『ばらの騎士』、J・シュトラウスの『こうもり』・…音符はお同じでも、演奏者が同じでも、これだけの演奏を引出す指揮者は今後現れることはないだろう。合掌。

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お誕生日おめでとうございます。また文章書いてください。私ももう少し落ち着いたらサッカー日記、もっと書いていきたいと思ってます。また遊びに来て下さいね〜。 / フィー子 ( 2005-01-27 17:28 )
お誕生日おめでとうございます!お忙しい日々を送られていらっしゃるとは思いますが、お元気ですか? / azzurri ( 2005-01-27 12:08 )

2004-05-12 山中貞雄という映画監督について A

 『河内山宗俊』は、3作の中では若干魅力に劣るという声が多そうだが、何と言っても当時16歳の原節子(!)が、物語上のクライマックスの瞬間に、振り向くその立ち姿の素晴らしさと、そのタイミングでちらちらと舞い始める雪の動きの素晴らしさが、これ以上ないような映画的恍惚感に浸らせてくれる。遺作の『人情紙風船』は、救いようのない程暗く厭世感が漂っている映画だが、その一方でこれほど「美しい」映画はないと思う作品。三村明のキャメラで捉えられたモノクロの画面がどの場面を観ても素晴らしく、「美しさ」に満ち満ちている。
 最良の映画は、その良さを言葉に置換できうるはずがないことを承知しながらも「何か」を言いたくなってしまい、言葉に置換してみようという「無駄な」努力をしてしまいがちである。この、解決され得ない自己矛盾への誘惑は絶ち難く、したがって、芸もなく、「美しい」だの「映画的」だのといった、意味不明な形容詞を連発することになってしまって、言葉にしてしまった己を深く恥じることになるのだが、山中貞雄の映画は、まさにそれが「映画」そのものであるが故に、こうした自己矛盾の風土へと私達を追いやってしまうようだ。だから、映画評論家の山田宏一さんも「映画的な、あまりに映画的な」という「最上の賛辞」を山中貞雄に捧げているのだろう。
 実はこの『丹下左膳余話・百萬両の壷』と『河内山宗俊』がセットでこの度DVDとして発売されたのである。早速購入して再見、改めてその面白さを堪能した次第。また、実は『丹下左膳余話・百萬両の壺』のリメイクが現在制作中で、今夏公開予定という。監督は『冷静と情熱のあいだ』のキャメラマン津田豊滋。撮影、編集も兼ねており、配役は丹下左膳が豊川悦司、お藤が和久井映見とのこと。どんな作品になるか全く分からないが、これを機に一人でも多くの方々が山中貞雄を発見することになるかと思うとわくわくするし、そうした流れの中で、失われたはずの作品がどこかで発見されないか、と願わずにはいられないのである。
 

先頭 表紙

夢樂堂さま、たしかに、あの「間」は素晴らしいですね!山中監督作品出演役者へのインタビューなどを読むと、山中監督は、撮影時にストップウォッチを持って、厳密にショット毎の秒数を計算していたらしいので、恐らく全て最初から計算し尽くしていたのでしょうね。 / ナライフ ( 2004-06-04 09:57 )
あのテンポは独特。話芸でいえば間、これが楽しめます。 / 夢樂堂 ( 2004-05-28 17:19 )
八百八六助さま、そうですね、今の日本映画も世界的には誇れる水準だと思っているんですけど、何故か、同時代の自国のものに対する評価が厳しいのが世の常みたいですね。と言っても1930年代と今とでは明らかに30年代の日本映画の方がレベルは上だと思いますけど。 / ナライフ ( 2004-05-14 14:07 )
azzurriさま、いや実は『丹下左膳余話・百萬両の壷』なんかは、1930年代ハリウッドで興隆を極めた「ロマンチック・コメディ」そのものなんですよ。舞台が日本で、時代劇で、というところで一見違うんですが。当時の小津安二郎もハリウッドの模倣をしていましたが、山中貞雄の場合は模倣でなく、むしろ本家を上回っている、という感じなんですよ。 / ナライフ ( 2004-05-14 14:00 )
マイケルさま、これまたニッチな情報源!あのお二人は観ていたんですかねえ… / ナライフ ( 2004-05-14 13:53 )
フィー子さま、基本的に誰かの原作を映画用に脚色して彼が監督しているというスタイルです。脚本に関わっている時もあるようです。 / ナライフ ( 2004-05-14 13:49 )
ここまで言われるとみてみたいですね.やはり戦前の日本は凄いや.その流れも細々今まで続いているんでしょうけどね. / 八百八六助 ( 2004-05-13 23:08 )
古い日本映画ならではの“わびさび”は、今、マネできるものではないのでしょうし、ましてや外国人が真に理解して撮ることなんてできないんでしょうね、、、 / azzurri ( 2004-05-13 18:29 )
↓すいません、「貞雄」でしたね。 / マイケル ( 2004-05-13 18:01 )
山中貞夫の名前だけは高校時代から知っているのです。多分、大瀧詠一と山下達郎がラジオの対談で語っていたような...(これまたニッチな...) / マイケル ( 2004-05-13 18:00 )
存じ上げませんでしたが、魅力が存分に伝わってきました。その3作品の脚本や原文も山中さんなのですか? / フィー子 ( 2004-05-13 17:24 )

2004-05-12 山中貞雄という映画監督について @

 山中貞雄という名前を聞いてピンと来る方は稀有な存在だ。今私がいる会社の席の周りを見まわしても20人居て1人いるかどうかだろう。知っていればよいというものでもないのは承知しつつ、小津や黒澤は知っている、あるいは北野武は凄いぞ、などという暗黙の価値体系が、日本映画界にまつわる様々な言説から出来あがってしまっているとすれば、山中貞雄はどこに位置付けられるのだろうか。せいぜいが小津や黒澤といった太陽の周りを回る小惑星くらいな存在なのだろうが、全ての日本映画を見ているわけではないながらも「それなりに」数多く見ているつもりではある私の個人的意見としては、才能という点で山中貞雄はトップだと思っている。
 山中貞雄。1909年生まれ。1930年代という日本映画全盛期に20歳代で監督として活躍しつつ、戦争に召集され、1938年に帰らぬ人となった、夭折の人である。全部で26作品を監督したことになっているが、現時点で私達が観ることが出来るのは3本だけ。当時、映画は消耗品という認識だったらしく、上映終了後は特に保存することなくどんどん捨てたというから隔世の感がある。そのため、現存する山中作品は、『丹下左膳余話・百萬両の壷』、『河内山宗俊』、そして遺作の『人情紙風船』の、たった3作。どれもモノクロで時代劇というちょっと敬遠されがちな体裁なのだが、滅法面白い。しかもそれぞれ全くスタイルが異なる。
 『…百萬両の壷』は人情コメディとでも言うべき作品で、恐らく3作品の中では最もとっつきやすく、人気が高いと思われる。私も大学時代に、「映像論」なるタイトルのゼミを受講していてそこで初めて観たのだが、あまりの面白さに度肝を抜かれた記憶がある。音声は聞き取り難く、画面の飛びも頻繁で、保存状態が良いとは言えないのだが、その欠落を補って余りある素晴らしさなのである。舞台はもちろん純和風なので一見すると古めかしい日本映画なのだが、その演出ぶりは完全に当時のハリウッド映画である。グリフィスやホークスに連なる、簡潔にして効率の良い語り口、キャメラを同軸に据えての同一構図の画面をベースにした演出、そしてフォードや小津を連想させるローアングル。ハリウッドの最良の部分を完全に掌握しながら、更に「山中ワールド」と呼びたくなる独特のルーズな感覚は、現在のジャームッシュやカウリスマキの登場を既に70年前に予告していたかのようである。そして、そんな「演出」ぶりを全く意識させない程、映画としての「流れ」が自然なので、とにかく観ている側としては約90分間、「至福の映画体験」に満ちていると言って良い楽しさなのだ。

先頭 表紙

azzurriさま、ネットで評判が悪かったりすると観た気になってしまって「面白くない」つもりになってしまう、という人、結構あるんでしょうね。 / ナライフ ( 2004-05-14 13:35 )
フィー子さま、そうですねえ、唯一欠席しなかった授業でしたね。「え、何これ?」というような映画を上映してくれて、実はものすごく面白かったりして、新鮮でした。 / ナライフ ( 2004-05-14 13:33 )
ナライフさんにそこまで言わしめる映画、観てみたいですね^^ azzurriは映画館系のお仕事、試写状は来るのに全然観に行けません・・・レビューが書けない!と騒いでも、ネットで調べて、、、と。便利な世の中がちょっと疎ましい今日この頃(笑)。 / azzurri ( 2004-05-13 18:24 )
大学での映画論って楽しそうですねえ〜〜 / フィー子 ( 2004-05-13 17:25 )

2004-01-23 2003年僕が観た映画と今年の映画

2003年のベスト10を記す。順不同である。
『ゲアトルーズ』(デンマーク カール・ドライヤー監督)
『エルミタージュ幻想』(ロシア アレクサンダー・ソクーロフ監督)
『10話』(イラン アッバス・キアロスタミ監督)
『アカルイミライ』(日本 黒沢清監督)
『過去のない男』(フィンランド アキ・カウリスマキ監督)
『ミレニアムマンボ』(台湾 ホウ・シャオシェン監督)
『ぼくんち』(日本 阪本順治監督)
『家宝』(ポルトガル マノエル・デ・オリヴェイラ監督)
『キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン』(アメリカ スティーブン・スピルバーグ監督)
『エデンより彼方に』(アメリカ トッド・へインズ監督)
ここに挙げたのは、原則として2003年に日本で公開されたことになっており、かつ私が観ることが出来たものに限っている。ビデオやリバイバル等で観たものは、僕にとって初見だった映画でも外している。
『ゲアトルーズ』は1964年のデンマーク映画で、昨年日本初公開。カール・ドライヤー監督の遺作。映画表現を簡潔かつ単純の極みまで追求したかのような美しい作品。ただの不倫の物語がこうまで美しいとは!『エルミタージュ幻想』は、全編1カットということで話題を呼んだが、ラストまで全く飽きさせず圧巻。『10話』はイランの天才監督がデジタルビデオ機器1台を自動車内に据え置きにして1本の作品を創ってしまった驚愕の映画。スコセッシやマトリックス・シリーズが巨額の予算をかけているのと対照的。出来も対照的。『アカルイミライ』は、その居心地の悪さとさらついた画面作りに苛立ちを覚えながらも大好きな作品。『ぼくんち』は逆にその居心地の良さと観月ありさや真木蔵人の画面への納まり具合が見事。『過去のない男』は、もうカウリスマキ監督の至芸の極み。小津を敬愛しているこの監督ならではの面白さ。『ミレニアムマンボ』は、ドライヤーと対照的にキャメラを動かし、ズームやパンを多用する。ホウ・シャオシェン監督は既に名声と富を手に入れながらも映像表現でトライを繰り返し、その面白さを意欲的に追及している。『家宝』は逆にシンプルの極み。90歳を超えるオリヴェイラ監督の、演出の明晰さとゆるぎない画面作りにただただ敬服。スピルバーグの『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』はリラックスして映画制作を楽しんだに違いない。肩肘張らずにウェルメイドな作品になった。そして『エデンより彼方に』。以前の日記にも書いたが最近のアメリカ映画の中で地味ながらも素晴らしい出来栄えの作品だった。
 そんな中、2004年始まってまだ数日だが、イーストウッド監督の『ミスティック・リバー』に打ちのめされた。デビュー作『恐怖のメロディ』以来、監督としてのイーストウッドは、恐らく現在活動中の映画監督たちの中でも10本の指に入る存在だと思っていただけに、期待はしていたのだが、その期待を遥かに上回る出来である。巷ではアカデミー賞有力とか騒がれているようだが、『シカゴ』や『タイタニック』や『ビューティフル・マインド』などと一緒にして欲しくない、などという「意地悪な」気持ちから、アカデミー賞だけは獲って欲しくない、という倒錯的な感情さえ生まれてきている始末。演出、役者、キャメラ、脚本、等々、全てにおいて圧倒的な出来映え。

先頭 表紙

『アカルイミライ』は好きです。特にあのクラゲを使ってるところが個人的にはたまりません。 / エスカルゴ@PH ( 2004-02-27 19:46 )
しまお様、懸命にリハビリ中でございます。是非次回はご一緒に! / ナライフ ( 2004-01-28 09:13 )
おおネェさま、有難うございます! / ナライフ ( 2004-01-28 09:12 )
お誕生日おめでとうございます!早く一緒にボール蹴りたいですね。ご回復をお祈りしています。 / しまお ( 2004-01-27 23:16 )
はっぴぃ ばぁ〜すでい ♡ / あおネェ ( 2004-01-27 15:01 )
フィー子さま、有難うございます。娘は、もうわかるようで、朝、「おめでとう」と言ってくれました。でも恐らく、ケーキのろうそく、火を消すのは「あたしにやらせて!」となると思います… / ナライフ ( 2004-01-27 13:41 )
マイケルさま、有難うございます。今年もなるべく映画館で観る本数を多くしたいです! / ナライフ ( 2004-01-27 13:34 )
お誕生日おめでとうございます!!お子様もお祝いしてくれるのかな? / フィー子 ( 2004-01-27 12:17 )
お誕生日おめでとうございます。去年は映画館で10本見れたかどうか...今年はもう少し本数を増やしたいです。 / マイケル ( 2004-01-27 11:25 )
ガス欠コイン様、有難うございます。身体には気をつけます。 / ナライフ ( 2004-01-27 09:20 )
しまお様、『ナイト・オン・ザ・プラネット』!大好きです。カウリスマキ監督とジャームッシュ監督、相通じるものがありますよね。 / ナライフ ( 2004-01-27 09:19 )
誕生日、おめでとうございます。 / ガス欠コイン ( 2004-01-27 09:19 )
azzurri様、映画関係のお仕事とは羨ましい!情報だけでなく、見に行けるといいですね! / ナライフ ( 2004-01-27 09:14 )
フィー子さま、そうですね、よく小説が原作だったりすると、原作と映画の比較とか、どっちがいいとかやっていますけど、ナンセンスですよね。物語は一緒でも、全く別物だと思うんですけどね。 / ナライフ ( 2004-01-27 09:14 )
いろんな国の映画がバラエティに選ばれてる!幅広く見ていらっしゃるんですね〜。ところでカウリスマキ監督大好き!「マッチ工場の少女」とジムジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」を同時期にビデオで見たもんだから、それ以来、フィンランドって不幸自慢が好きな国なのかしらと、いまだに思い込んでいます。 / しまお ( 2004-01-27 01:30 )
2003年は結局、メジャーな作品しか観られませんでした、、、試写会も仕事で行けなくて。今年は映画関係のお仕事に携わることになったので、情報ばかりが先行しそうな予感です(笑)。 / azzurri ( 2004-01-23 12:39 )
最近夫が見たいみたいと言っている映画がミスティックリバーです。そんなにいいのか。しかし映画にしかできないこと、小説でしかあらわせないこと、それぞれありますよね。映画だからこそこれができたんだ!っていう感動をくれる映画に出会うと嬉しくなります。 / フィー子 ( 2004-01-23 12:18 )

2003-12-09 小津安二郎の生誕100年に思う

 こと映画に限らず、また日本に限らず、人は自国の作品には盲目になりがちだ。淀川長治や蓮實重彦ら一部例外的な評論家を除いて日本では全く評価されなかった北野武の映画の魅力を発見したのはヨーロッパだったし、ヒッチコックやホークスに対して自国のアメリカはアカデミー賞などの栄誉を与えることはなかった。ジャン・ルノワールは高名な画家の子息にも関わらず自国のフランスでは不遇で、アメリカでその人生を閉じたわけだし、世界的には圧倒的な名声を得ている台湾のホウ・シャオシェンやイランのアッバス・キアロスタミも自国では常に賛否両論だという。
 来る12月12日(金)に生誕100周年を迎える小津安二郎もまた、ながいこと日本では「外国人には分からない」という錯覚のもと、「日本的」というレッテルを貼られて不当な扱いを受けてきた。今でも相変わらず、朝日新聞やおすぎや筑紫哲哉といった一部のスノッブなご意見番からは固定観念をなぞらえて「そこが素晴らしい」とか「逆にそこが海外にも受ける」とかいった予定調和的な言説とともに小津のイメージの固定化に貢献してしまうことが多い一方で、『ベルリン・天使の詩』のベンダース監督や台湾のホウ・シャオシェン監督、あるいは日本から黒沢清や周防正行といった映画人たちが奏でる小津賞賛の声は実に刺激的で面白い。
 どう見ようとどう感じようと、それは観る者の自由なので、とやかく言うつもりはないが、小津に関しては、自国人にも関わらず盲目にならず、生誕100周年という「きっかけ」を盛り上げているのは喜ばしい事態だと思う。新たに発売されているDVDの映像は、ビデオより数段良い。厚田雄春氏の撮影がいかに素晴らしかったかが狭いTV画面からでもより触知し易くなった。今週末に有楽町で行なわれるシンポジウムも、その顔ぶれからして楽しみなことこの上ない。映画監督からは、アッバス・キアロスタミ、マノエル・デ・オリヴェイラ、ホウ・シャオシェン、ペドロ・コスタ、吉田喜重、青山真治、黒沢清、是枝裕和、崔洋一、澤井信一郎ら、女優として、岡田茉莉子、井上雪子、香川京子、淡島千景、評論家として、蓮實重彦、山根貞男、シャルル・テッソン、ジャン=ミッシェル・フロドン、という面々である。こんな贅沢が許されて良いのだろうか。
 改めて思うのは、私がはじめて小津を観て感嘆した頃というのは約20年前、私が中学生の時だったが、その頃と今とでは小津をとりまく周囲は猛烈な変化を遂げた、ということ。自国の作品に盲目になりがちな中、どうやら黒澤明に続いて小津も真っ当な評価を得るに至ったということなのだろうか。小津の誕生日でもあり、また、命日でもある12日(金)には衛星放送で『東京物語』が放送される。己の眼を見開いてしっかり観たいと思う。

先頭 表紙

東京物語、部屋を真っ暗にして見ましたよ!現代版を見たことがあったのでそれとの違いなども楽しみました。人間や生活感のある場面は白黒っていいなあと思いますが、最後の尾道の遠景だけはカラーの方がずっと素敵でした。カラーのいいところもあるんですね。 / フィー子 ( 2003-12-14 12:17 )
フィー子様、BS11ってやつです。きっと視聴可能なんじゃないでしょうか。 / ナライフ ( 2003-12-10 20:06 )
azzurri様、でもまずは充分な睡眠を! / ナライフ ( 2003-12-10 20:05 )
衛星放送って?目を見開いて心ぽっかり観たいです。 / フィー子 ( 2003-12-10 16:23 )
先日、やっとビデオデッキ(←まだビデオなんかいっ!)の配線なんかを終え、ようやくビデオが観られる環境になりました。レンタルビデオ屋さんに向かったものの・・・結局、見逃してしまった映画に手を伸ばしてしまい、、、日本映画も素晴らしい作品がたくさんあるので、少しずつ観ていきます。 / azzurri ( 2003-12-10 13:20 )

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