2017-07-24 祝　　福
2006-05-02 僕はキリンになりたい
2005-06-07 at dawn
2005-03-22 ブラインドテニス？？
2004-12-21 流星群の夜に
2004-06-16 心の闇
2004-04-28 頑張れそう？
2004-04-22 理想の卵
2004-01-04 宇宙のロケット
2003-12-17 生まれる前に、生まれたいと願いましたか？

.








あれから





随分歩きました






すっかり景色は変わりました





よく頑張って歩きました




未だ道は遠く在り
どこまでも
どう行くのかも
しらないけれど




明日吹く風もおそらく
今日吹く風と変わらないけれど






私はやはり
どうしようもなく
変わってゆくのです








生きている限り
































・

つっこみ 先頭 表紙

.





僕は11歳
将来なりたいものなんてない。












今は
あのサバンナでゆったり歩く　キリンになりたい。















ライオンも追いかけてこない　キリンになりたい。
















誰にも追いかけられず
誰を追いかけることもしないで
僕は僕
って言ってられたらいいんだけれどな
本当は













僕はインパラ











教室の中のたくさんのインパラたちは
みんなライオンが怖いから
自分が次のいけにえにならないように
あいつを差し出したんだ













ライオンが
あいつを食べているうちは
僕らが食べられることはない










あいつだってやなヤツなんだし
助ける気持ちなんてサラサラないよ















僕は必要となれば
ライオンのお手伝いだってする。
だって、
それをやらなきゃ
次に食べられるのが僕になるから













イジメなんて絶対に許されないって











かあさん
バカじゃないの？











それしか言えないんだ？












僕らの教室には入ってこれないくせに
あのドッジボールのコートに
ちょっとした廊下の隅に
絶対に
僕を助けられないくせに。


黙って喰われろって言うの？












僕はインパラ












僕は
インパラでいいんだ









ダチョウのエルフはバカを見たじゃない。










かあさんは黙って見てて





僕はインパラなんだから












ただ
痛い目見ないように
怖がって怖がって
走り続けるだけだよ

















.

つっこみ 先頭 表紙

こんな夢を見ました。


アブラムシに似た色の
グロテスクな幼虫が
蛹になって
美しいオオムラサキになり

私の肩に止まりました




私は喜んで水を上げ
蝶は喜んで飲みました

一匹の蝶は、どんどん大きくなり、
私の肩の上でもう私を覆ってしまいそう。



もう一匹の蝶は小さく
私の懐に飛び込んできました。


私は喜んで水を上げ
蝶は喜んで飲みました。


そうだ
お砂糖の入ったお水はどうかしら？
とっても美味しいのよ。



でも、蝶は
ふと私の肩から離れ、天井に止まりました。





もう
この部屋を出て行くの？





（私はこの子達にぜひお砂糖のお水をあげたくてたまりません）





出て行くのなら
ねえ、
蜘蛛の巣のことは知ってる？
ねえ、
カマキリってみたことある？



私は一生懸命蝶たちに声をかけます。


そのうち



天井に止まったままの蝶の背から
はらはらと




羽が破れて落ちてしまいました。
















。

つっこみ 先頭 表紙

・




ネットの向こうに消えていく
私がサーヴしたそれは













果たして
私が思ったように
あなたのコートで
バウンドしたでしょうか？


















あなたに届いたでしょうか？



















ええ
それは愉快なプレイ













あなたと私の
コミュニケーション














楽しみましょう
心を込めて











続けましょう
長いラリーを













でも
もしかして








私のザーヴがレシーブが















あなたに
ひどく
ダイレクトに
当たっちゃったらどうしよう？












思わぬリバウンド
そんなつもりの無かったカーヴ

















あなたが今
私の知らない
どこかを傷めていたら？















ああ、なんて恐ろしい











見えてるつもりの
楽しいラリーのお相手は












私自身を映しただけの
ナルシストの鏡かも知れないわ？




























ああどうぞ
そのまままっすぐ打ち返してください














気持ちよくプレイしましょう
















あなたはあなたのご都合で













私は私の願望で









時に
滑稽なラリーが続いたとしても。












でもさて
ドコまでが私の願望なのかしら？






何をうまくやりたいのかしら？
























いっそのこと









引き換えに
孤独を受け入れてでも














私のようなプレイヤーは

















このようなコートからは失礼させていただくことも
選択肢の一つに入れましょうか。
















・

つっこみ 先頭 表紙

暗い夜道
私は自転車に乗って、
いなくなった娘を探している。





風は冷たく
夜は暗く
車のテイルランプが
赤く光って続いている





こんな夜道、
もう、娘は一人では帰ってこられない。





どうして一人で行かせたんだろう？
どうして一人で行かせてしまったんだろう？






暗闇の底へ
足元からすくわれて落ちて行くような
取り返しのつかない沼に捕らわれてゆくような感覚




二度と遭えないという恐怖




オーバーラップする





テレビが伝えた出来事と






シンクロしていたそれは




悪夢





双子座のカストゥルから流星群が放射される極大日の夜の。







もうすぐ最盛の２６時
ベランダに出て
夜空を仰ぐと
ひとつ
ひとつ
流れる流れ星。





ただ眺めていた




（私はあの夢の恐怖とこれからもずっと闘わなければいけない）




（失くしたくない物を抱えることは、なんて恐ろしい可能性を含むのだろう）






流星群の夜に
願うことは







ああ早く時が経って欲しい。






ただ
そんなこと。







何もかも
早く無事に終わって下さい







ただそんなことを。








・

つっこみ 先頭 表紙

「心の闇」
こころのやみ




最近よく聞く言葉
聞くたびに
違和感を覚える。





これじゃあ
まるで一部だけに暗い闇の部分があるような？






いつも
外からの光を使って
一生懸命照らしてすかして考える
自分の気持ち





澱の中からあがってくるそれをすくっては
どうあるのが良いのか
どうするべきなのか
一生懸命調整してる




心じゃできない




それは理性で




人として生きられるために
そこを鍛えなきゃ
そこを考えなきゃ







みんなは違うの？







白状しましょう






わたしのこころは
ぜんぶ闇
澱をたたえた深い淵




ほんとうのところは
私にさえ見えない


でも


そういうものよね？






ね？

先頭 表紙

うん、
頑張れそう。
これからは、やっていけそう。








春だもの。
頑張らなくちゃね。







こんなにいいお天気だもの。
外に出なきゃ。








たくさんの人と会って、話して、人生なんぼよ。
楽しく生きなきゃ。








外の乾燥した、新緑の心地よい風に
これを楽しまなきゃ、
いけないよな匂いがする。






うんと頑張って、
いろんな人と楽しく過ごして、



そうよそうよ
この調子。




見ててよ、これからはやるわ。
楽しく生きなきゃダメよね。




上気した感じ。




上昇気流な感じ。




乗れる感じがする。
もう大丈夫な気がする。

だって、こんなにいいお天気なんだもの。







気をつけて。








すっかりその気になって。
スキップを始めたそのステップで、






うっかり
いつの間にか
胸にたくさん抱えていた書類を
落としちゃったりした時に。






うずくまって
散らばる紙を１枚１枚黙々と
かき集めているうちに。




自分の影が映し出された、地面を見つめているうちに。





ふと



嫌になる。






その一瞬に。














いいのよ、
べつにゆっくりでね。

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私は理想の卵
いつか孵る日を夢見ている



私は理想の卵
冷蔵庫の中で
いつか孵る日を夢見ている



もちろん
その日が来ないこと
本当は知っている




けれど



卵でいたいのよ









この世には
二つの卵がある


あたためれば孵る卵と　　　　　　　　　あたためても腐る卵



見分けのつかない、
密やかで重大な
この違い。




（私が忘れてきた頭の中の小さなボルトが新に与えられる事はもう無いのに。）


やっぱり
卵でいたいのよ。








ああ
私は理想の卵








冷蔵庫の中で、
まだ
せめて雛になれないか考えている。

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最近、すんなりうまく行かなくなってきた。
キャッチボールにたとえると、
今までどおり投げていた言葉や、
仕掛けた言動が
ものすごいスピードでとんでもない方向にリバウンドしてくる感じ
とてもじゃないが拾いきれない。
ちゃんと返して来いよ！
こちらの投げる球にも力が入る。
そして
かわされた球がそのまま自分にぶつかってくることもある。


なんて不愉快なんだろう。
何で君はそうなるんだろう？

体で抱き込むには君はもう大きすぎる。
大人の考え方にはついて来れないくせに。



ぼくを支配するなって言う。



かあさんなんか
かあさんなんか
突かれて痛い矛盾の指摘。
憎しみさえ湧き上がる。


ああ、これが「9歳の危機」？




君と私の関係をちょっとここで改めて認識しておく必要がある。


私は思うよ



きみは宇宙のどこかを目指すロケットで
私は言うなれば
大気圏脱出を手助けしたら
本船が途中で切り離す、補助エンジンみたいなもの。


本当のロケットと違うのは

その補助エンジンも、実は「私」と言う本船で
違うベクトルで
動力尽きるまで宇宙を航行するの。






君とはいつかうまく行けば
宇宙を併走したり交差したり
君が別のエンジンになるのを見て見たり
でも
それぞれの動力で、
それぞれが思う軌道を渡って行きたい。


覚えておこう

補助エンジンは君の羅針盤を持たない
君の本当の動力でもない。


いつか大気圏外に出ても無事に航行できるように
知恵と祈りを込めて
君が目指す宇宙の水際まで
道を思い出しながら
君が持たない必要なものを提供する



ああそんな関係かな。

ああ、でも
なんで宇宙を目指さないといけないの
と聞かないで。
それは私も知らない。



・・・・・・・
・・・・・・・・・・





こんなブルーの只中にいると
そんなことも思うけれど。




困るのは
そういう思いも
なかなかリアルの中では
思い出しにくいってこと。


だな。

先頭 表紙

4人の子達を残して逝ってしまった友人の会葬御礼が届いた。
香料返しは彼女の遺志で、地域の子供たちのボランティア団体に寄付をしたいので
許して欲しいと書かれてた。

私はまだあきらめ切れない。
なんで彼女は死ななければならなかったのか。

例えば生まれる前に
例えば生後数ヶ月で
例えば生まれて数週間で
例えば生まれて数年で、生きている間中パイプにつながれて闘って
逝ってしまう命は
一体なんだったのか、とか。


「神様がこの世にいるのなら、
どうしてこんな悲しいことを、黙って見過ごされているのですか。」
私は牧師に聞いたことがある。



あなたは、この世に生まれることを願って生まれましたか？
自ら死にたいと願って死ぬ人は少ないでしょう。
そして
自ら生まれたいと願って生まれた人は、皆無です。
願わずに与えられたこの生を
老い行く前に取り上げられたとしても、
私たちに何の文句が言えるでしょうか。
喜びを与えられたなら、
それと同じ様に
私たちは、悲しみも享受すべきなのではないでしょうか？
人は一人一人、神の御心に生かされていて
神に用いられる、大切な使命があります。
惜しまれる命は、惜しむ者に大きな働きを残します。
それが神のご意思なのだと私は考えます。




まあ、そうでも思わないと
やってられない。


その日以来、
私は教会に行く事はなくなったけれど




そんな話を思い出した。

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