ずっと書こうかどうか悩んでいたテーマがあります。
人の家のことだから。
でも。
決して他人事ではない。自分への戒めとして書いておこうと思います。
うちのご近所の、あるおうちのこと。
昼間は大丈夫なのですが、朝と晩、怒鳴り声が良く聞こえてきます。
「あなたの言ってることは嘘ばっかり!」
「その子はもう死んだの。ここにはいないの。」
「私の言ってることが正しいの。いいから黙っていう事聞きなさい。」
「わかったからご飯食べて!片付かないじゃない。」
「私のいう事が聞けないならもう出てって。どこへでも好きなところに行きなさい。」
「馬鹿じゃないの?ほんと、やってること言ってる事、バカすぎ!」
耳を覆いたくなるような言葉ばかり。
季節が良いので、あちらもうちも窓を開けているので、聞きたくないのに聞こえてしまうのです。
誰が誰に言ってると思いますか?
60歳位の品の良い奥さんが、実の母親に言っているのです。
もとは別々に暮らしていました。それが3.11の震災直後に「昼間一人で不安だ」とおかあさんが言うので、妹さんとの二人暮らしの家から引き取ったんです。
同居後、妹さんが急病で亡くなり、おばあちゃんは、去年、レビー小体型認知症になってしまいました。
この認知症は幻が見えるらしいのです。
ある時は、亡くなったはずの娘が小学生の姿で走り回って。
その子を見失って。おばあちゃん、探してパニックに陥ってたそうです。
母親のそんな姿を見たら…。たまらないでしょうね。
ついつい声を荒げて現実をつきつけたくなる気持ち、わかります。
本当は、「幻視」につきあい、安心させてあげる方が良いんだそうです。
頭ではわかっても。
実際自分の立場になったら…。私も否定してしまうかもしれません。
そこのおうちは旦那様と息子二人の4人暮らし。にお母さん。
とても優しい気持ちで、同居を始めたはずなのに。
毎日、聞くに堪えられない言葉の数々。つらいです。
多分、その奥さんは介護を一人で抱え込んでいるんだと思うのです。
今は、認知症の症状をやわらげるお薬とかもでているそうですし。
独りで頑張らないで、家族とか専門家の協力とかを仰いで。
そのおうちにまた笑顔が戻ると良いなと思います。
そして私も。老いていく母にもう少し優しくなれたらなと思いました。
※おばあちゃま。うちに来るときのお土産にはピエールエルメのマカロンを持って来て〜♪ |